2013年8月29日

8月28日 復興グルメ旅(3)岩手県釜石市 新華園本店

今週は、日経BP社のグルメガイド本、『復興グルメ旅』に掲載されている、
震災を乗り越えた、東北の美味しいお店を 毎日ご紹介しています。

今日は、岩手県釜石市の「新華園本店」。釜石のご当地ラーメン「釜石ラーメン」の元祖として知られるお店です。お店のご主人、西条優度さんは、鉄鋼と漁業の町 釜石で働く人たちに愛されるラーメンを作り続けています。



◆鉄鋼マンに愛されたラーメン
オヤジの代から60年以上続くラーメン店。主に鉄鋼場に愛されていて、釜石ラーメンの元祖だとみなさんに言って頂いている。麺が極細。1ミリあるか無いかくらいのソバ。すごく喉ごしが良い。琥珀色のスープで醤油味。トッピングはシンプルにメンマにチャーシュー2枚、ネギ。
細いラーメンはオヤジが開発。ゆで時間が25秒くらい。鉄鋼マンの方々には、パッと来てパッと食べてパッと変えるラーメンなのでそれが受けたのかなと思う。


現在64歳の西条さん、若い頃は東京で働いていたのですが、釜石ラーメンを産んだ父親のお店を継ぎ、試行錯誤しながら、その味を受け継いだと言います。そして震災後は、8か月でお店を再開。再開にあたって迷いは無かったそうです。


◆絶対オレの代でつぶしたくない
1階は全滅。1階の心臓部がやられたので壊滅状態だった。そういう痛手を負いながら、さあどこから手をかけて行こうかと言うことしかなかった。やる、やらないじゃない。やるんだという気持ちだった。なんで・・・みなさんに愛されていたお店だから、絶対に俺の代ではつぶしたくないという気持ちが
あったのかも知れません。道行く方々に声をかけられたんです。「やるの?いつ?」って。
その言葉が耳に残って、いそがなきゃなんないなと。それで、みなさんのために頑張ろうという感じだった。
12月1日に再開した時に、しょっちゅう来てくれていたおばあちゃんが来てくれて、「再開したんだ、良かったね」と来店して、ラーメンを食べて泣いていた。それを見た時は、やってよかった、絶対に間違いじゃなかったという気持ちになりましたね。原点に戻った気持ちがしています。


              
「復興グルメ旅」の新華園のラーメン解説によれば、
〈スープは、鶏がらベースととんこつベースをブレンドした醤油味。さっぱりとした中にもコクがあり、ちぢれ麺によく絡む・・・とあります。朝から食べたくなります。〉



★今週は、日経BP社『復興グルメ旅』を、毎日2名・合計10名の方にプレゼントします!
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(当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。)

明日は、『復興グルメ旅』の中から、福島県伊達市のイタリアン「トラットリア・ラ・ワサビ」を
ご紹介します。

2013年8月27日

8月27日 復興グルメ旅(2)宮城県石巻市 割烹滝川

今週は、『復興グルメ旅』(日経BP社)に掲載されている、震災から立ち上がった東北の美味しいお店を、1週間かけてご紹介します。

今日は、宮城県石巻市の「割烹 滝川」。今年の初夏、川沿いの元の場所でお店を再開した、石巻の老舗割烹です。板場を取り仕切るのは、料理長・阿部司さん。4代目の料理長です。

◆創業100年の老舗
創業は大正3年、来年100周年を迎えるんですが、創業当時から北上川に上るウナギを調理してかば焼きにして出していました。それとともに、元祖石巻の鶏の釜めし。南部鉄の釜で炊き上げたものをお出ししていました。一昨年の震災の時は日和山に歩いて避難して、上から店を見ることができたのですが、津波が押し寄せてきてクルマや建物が流れるのを見るしかなかったですね。

津波を見た阿部さんは、「店は流されてしまっただろう」と覚悟したと言います。でもお店は、1階部分の被害はあったものの、建物自体は無事で昔からの看板も残っていたんです。阿部さんは、津波に耐えた建物を見て、お店の再開を決意。ウナギ料理の命ともいえる、代々伝わる「味」が無事だったことも、その決意を後押ししました。

◆奇跡的に残ったウナギのタレ
ウナギのタレは創業時から継ぎ足し継ぎ足してきた。震災当日はタレをもって逃げる暇もなくあわてて逃げたのだが、2階にお客さんの部屋に小出しにするための瓶があり、そこにウナギのタレが残っていた。なんとか昔からのDNA、味は受け継げたのかなと思う。元あった場所で再開したのは今年6月。二年経って、またここで始められるというのも信じられない。でもやるからには、前よりも良い店にしようと、スタッフと一緒に頑張って今日まで来ましたね。これからも色々、これからこの地域がどうなるか住んでいる我々にも分からないのですが、飲食店が元気になることが地域の復興に繋がっていくんだなと言うのをちょっとずつ感じているので、これからもがんばっていきたいと思っています。当店の人気メニュー、鶏釜飯膳、お米は石巻の契約農家さんからこだわったお米を使い、材料のタケノコやシイタケも県内産。主に石巻のものを使っています。全部が全部こだわりのものを使っています。南部鉄の鉄釜で炊くことで甘みがまろやかになり、香りのよい釜飯だと思っています。
               
現在、北上川はウナギが取れなくなっていますが、割烹滝川では、現在も国産の養殖ウナギにこだわり、創業時からのタレで、美味しいウナギを焼き続けています。



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明日は、『復興グルメ旅』の中から、岩手県釜石市のご当地ラーメン「釜石ラーメン」の名店をご紹介します。

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パーソナリティ 鈴村健一

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