2013年5月27日

5月27日 ファッションを通じた被災地支援、「1sin」(1)



今日はファッションを通じた被災地支援の活動です。
藤原新さんが展開するメンズのファッションブランド「1sin(いっしん)」は、被災地のお母さんたちがひと針ひと針手縫いした「刺し子」の刺繍がアクセント。刺し子のワンポイントが入ったシンプルなシャツやネクタイが、いま若者のあいだで人気を集めています。

◆ファッションを通じた被災地支援
会社員を10年ぐらいやるうちに、社会的課題の解決とかソーシャルビジネスというものにすごく興味を持つようになって、自分になにができるかなあと考えたときに、ファッションをツールにした社会的課題の解決ができないかと、「1sin」を立ち上げた。2011年2月に1sinがスタートし、その1か月後に東日本大震災が発生した。(被災地の方が)職場や家が流されてしまったという話を聞いたときに、その方たちのためになにができるかと考えたときに、糸と針があれば「刺繍」はできるんじゃないかと考えた。
−刺し子の作業をやってくれる人を募集するチラシをつくって、被災地で何カ所かに貼らせてもらった。その中の一つが福島県の相馬市の仮設住宅。そこのお母さんから電話がかかってきて、「わたし刺繍好きだから、やってみたいわ」と言っていただいて、そこで講習会を開いたところからスタートした。


アイテムのデザインを手掛ける藤原さんは、もちろん「おしゃれ男子」。被災地の仮設などでは、最初はちょっと「目立つ」存在だったそうです。でも、「刺し子」の講習会を通じてお母さんたちとやりとりするうちに、いまでは日常的にメールや電話を頻繁に交わす仲に。
藤原さんが「刺し子」の刺繍を依頼しているのは、宮城県南三陸町、岩手県大槌町、そして福島県相馬市のお母さんたちです。

◆「誰かの役に立つ」喜び
中にはもともと縫製のお仕事をされていた方がいて、そういう方はシャツ一枚作ることもできる。そういう方は家で全部一人でやってくださる方もいるし、刺繍に関しては、集会所に集まって、うまい人が教えたりしている。最近は地元の企業と一緒に取り組んだりしているので、地元の企業の工場でやっている業務もある。
何度も被災地に足を運ぶようになり、(被災地の)皆さんの話を聞くようになって、「自分たちもいつまでもボランティアが来てくれるとは思っていない」と話されるようになった。お母さんたちが話すなかで心を打ったことは、「いままでは支援してもらう側だったけど、藤原さんのところの刺繍をやって、それを東京とか日本全国で買ってくれる人がいるということは、誰かの役に立っているな〜と感じて、それがすごくうれしいんだ」と言ってくださっている。


1sinのサイト


2013年5月24日

5月24日 視覚障害者の語り部(2)

今週は、震災の記憶を語り継ぐ、様々な取り組みを紹介しています。

今月、視覚障害者による語り部プロジェクトが発足しました。これは、視覚障害者の被災体験を語り継ぎ、風化を防ぐこと、災害時の地域の支えについて考えてもらうことが目的なのですが、実はもう一つ目的があります。それは、視覚に障害を持つ方の生活支援です。岩手県 視覚障害者福祉協会の理事、及川清隆さんに伺いました。

◆生活の一助に
私たちは江戸時代からあんま、マッサージ、鍼灸を生業にして生活してきているが、地域経済も震災と津波で疲弊し仕事が無い。視覚障害者は他の就労が難しいので雇用してもらえない。視覚障害者の特性があり他の仕事になかなかつけない。非常に生活に困窮している人が多い。語り部に少しでも生活の一助として役立つ活動につながるのではないかと念願している。語り部は5月24日から活動スタート。釜石の方に語り部の話を聞く機会を作った。花巻の何条小学校の第一学年93人の生徒が釜石に来て、その子たちに震災当時の生の声を聞いてもらい、社会学習してもらう計画。その後、感謝の合唱を子どもたちが届ける。


語り部を依頼したい方、団体は、交通費や宿泊費のほか、語り部の方の「日当」も用意してもらえるとありがたいと、及川さんは話しています。

また、日本盲人会連合や東北三県の視覚障害者団体は今、被災した方のための様々な支援を、自治体・行政に要望しています。その一つが、福島県の視覚障害者の方が直面している、線量計の問題です。

◆線量計が足りない
放射線の線量計は一般の人には配られたが、目の見えない人たちは線量計は数字が見えないため、全然配られていない。日本盲人会連合が音声でしゃべる空間線量計を配ろうとしている。福島には6100人くらい視覚障害者の手帳を持った人がいるのに200台しか配ることが出来ない。逆に言うと、5900人には線量計が配られていないまま暮らしている。そこは今後の課題として行政は東京電力に働きかけて行かなければいけない。

               
視覚障害者の語り部プロジェクトの問い合わせ先
日本盲人会連合 03−3200−0011

来週は、ファッションブランド1sinによる、復興支援の取り組みをご紹介します。
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パーソナリティ 鈴村健一

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