2013年4月29日
4月29日 気仙沼大島の「緑の桜」
<昨年の「緑の桜」満開写真>
GWの今週は、東北各地の観光情報を中心にお届けします。今日は、宮城県、気仙沼の沖合に浮かぶ大島です。
周囲はおよそ22キロ。島民およそ3000人。海と山の自然に恵まれ「緑の真珠」とも呼ばれる大島ですが、東日本大震災では、太平洋側からの津波と、本州からの引き波により、30人以上の島民が犠牲になりました。また、気仙沼湾で発生した火災がガレキを伝って島にも延焼し、島一番の観光名所「亀山」の一部が焼ける被害も。
震災から2年2か月。大島で民宿「黒潮」を営む、堺健さんに、島の観光業の現状を伺いました。
◆気仙沼大島の観光業の現状
震災の津波で宿が10軒流され、浦の浜港という旅客船がつく一番賑やかなところだが、そこの商店街も全滅した。観光のほうはダメージが深い。旅館民宿、17軒ほどあるが、毎日毎日いっぱいということではなくて、比較的空いている。大島だと船で渡らなくてはいけないので、船で来るのは大変というのもあるんだろう。
大島の観光の名所としては、亀山という山が北側にあるが、そこの頂上からの景色は絶景。皆さん感動される。いまの季節だと椿や桜が満開だし、エメラルドグリーンのきれいな海がある。自然環境は大島はすごくいいと思う。
「亀山」は標高235メートル。三陸のリアス式海岸を海側から一望できる絶景ポイント。他にも、島の最南端に位置する岬「龍前崎)」など、観光資源が豊富な島です。
さらにGW、大島で花を咲かせているのが「緑の桜」。花びらそのものが「緑色」という、ちょっと珍しい桜です。堺さんらが中心になって、15年前に大島に植樹しましたが、77本のうち20本ほどは津波で流されてしまいました。それでも、50本ほどが残り、いまもこの時期に「緑の花」を咲かせています。
◆GWが見ごろ。大島の「緑の桜」
今年の「緑の桜」の見ごろは、4月末から5月10日ごろまでだと思う。「緑の桜」は花びらも葉っぱのように光合成する桜。桜というとソメイヨシノなどを思い浮かべると思うが、「緑の桜」が50本以上あるのは非常に貴重だと思う。
その時期は椿も満開なので、緑の桜と椿が数千本あるが、椿も楽しめる。
また今月4月21日に「椿マラソン」が2年ぶりに再開して、1700名のランナーに走っていただいた。大島で一番大きなイベントがこの「椿マラソン」だが、震災して2年間実施できなかった。今年開催できたのは大きな前進だと思う。
2013年のゴールデンウィーク。島の宿泊施設も、まだ予約可能とのこと(2013.4.29現在)。
ゴールデンウィーク後半、大島の「緑の桜」を見に出かけてみては?
民宿「黒潮」