2016年5月9日

5月9日 熊本地震 西原村の現状

今朝は、熊本地震で甚大な被害を受けた地域の一つ、西原村からのレポートをお届けします。
震度7の激しい揺れで、家屋の多くが倒壊した西原村。今なお総人口の1割に当たる約680人が避難所で生活をしています。この西原村にいち早く駆け付けて村にボランティアセンターの開設を働き掛け、その運営も担うなど支援活動を行なっているのが、阪神・淡路大震災を機に立ち上がり長年ボランティア活動を続けている「被災地NGO恊働センター」。元代表で現在は顧問を務めていらっしゃる、村井雅清さんにお話しを伺いました。

◆倒壊率が一番高い地域
いちばん最初は熊本学園大学でやってる避難所に行ったんですけど、そのあと被災地各地を回って、最終的には益城町と南阿蘇の間にある西原村という所が、同じ布田川断層という断層上にあって、倒壊率がいちばん高い地域なのにまったく注目されていなかったので、ここにしようと決めました。阿蘇の麓の布田(ふた)いう地域は、73世帯にうち3軒以外はぜんぶ壊れている、風当(かざあて)というところは30世帯のうち3軒だけがセーフで27軒はアウト。そんな状況です。私たちはそのうえで、役場と社会福祉協議会と協議したうえで、ボランティアセンターを立ち上げませんか?という提案をして、このようなやり方でやりましょう、と協議をして立ち上げたということですね


地震のあと、地域によって駆け付けるボランティアの数に「差」が生じていたのも事実で、とくに人手が不足していた西原村に村井さんら「被災地NGO恊働センター」は拠点を置き活動を始めました。現在の西原村の状況とは、どんなものなのでしょうか?

◆西原村のボランティア活動で障害となっていること
たぶん西原村のボランティア活動だけでなく、どこでも同じ状況だと思いますが、「要注意」という黄色の紙の判定と、「危険ではない」という緑の判定、そこは注意すれば片付けができるので、活動の多くは瓦礫の片づけになっています。赤紙は「危険判定」ですから基本的にはボランティアは入り難いということになりますが、赤紙というのは、何で危険なのかということを2007年の能登半島地震くらいからちゃんと書くようになったんですね。「隣の家が壊れていて、それが押し寄せてくるから、こちらの家は危ないですよ」と書くんですね。だから瓦の屋根が落ちてくる可能性がありますから気をつけましょうと。そうするとこれはヘルメットをかぶって注意して家に入れば片付けは手伝えます。赤紙だから入れないというわけでは無いんです。このあたりが周知徹底されていないというのが、ボランティアのストレスになるし、被災者の方も早く入って片付けたいのに・・・となります。で、本来は、被災者に対してもっと寄り添った活動が急がれるにもかかわらず、西原村に関してはそれがほとんど出来ないという状況です。なぜかというと、避難所に被災者の方が居るんですけど、かなりギュウギュウ詰めに入っている状況で、避難所の中で活動が展開できない。私たちは「足湯ボランティア」という阪神淡路大震災の時からやっている活動を、体育館である避難所でやらせてもらっているんですが、2メートル×2メートルくらいのスペースしかもらえず気を遣いながらやっているので、本当であればもっと大掛かりにやりたいんですけど、それも出来ないという状況が続いてます。これから連休明けでボランティアが減りますけど、これから倒壊家屋の状況も分かってきて、入れるところは入ろうという判断がされ、いちばん人手が要る時ですね。


〔張り紙の意味の周知徹底不足〕や〔避難所の過密状態〕など、まだ現場が混乱している状況が伺える村井さんのお話し。建物の状況が分かってきてこれから人手が必要な時なのに、連休が終わってボランティアの数が減ってしまう・・・これも大きな課題です。

被災地NGO恊働センター」村井雅清さんのお話し、明日も続きます。

パーソナリティ 鈴村健一

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