2016年5月23日

5月23日 熊本レポート 益城町のテント村閉鎖へ

今朝は、いまなお余震が続く、熊本からのレポートです。


震度7の地震に2度も見舞われた益城町。今も町のいたるところに崩れたままの家屋やブルーシートで屋根を覆った建てものが点在していますが、先週ようやく罹災証明書の発行、そして仮設住宅の受付も始まり、復興へ向けて本格的に動き出しています。

そんな中、町は登山家の野口健さんが中心となって開設した総合運動公園のグラウンドの「テント村」を今月いっぱいで閉鎖し、町内6カ所に避難住民を移転させる方針を発表しました。“プライバシーが保たれる”と好評だった「テント村」、130張りあまりに約500人の方が避難生活をしていましたが、閉鎖を決めた事情について、益城町政策推進課の田中さんに伺いました。

◆梅雨入りを前にテント村を閉鎖
これから、来週くらいから梅雨入りしますので、総合体育館のテント村の横に河川が走っているんですね。その河川の横に堤防があったんですけど、震災の影響で堤防自体が1m、2mくらい下がってしまってて、でこれから梅雨入りして大雨が降ったときに河川が氾濫して浸水してしまうというのと、あといますごく日射が強くなってきてて、中で過ごされている方たちの健康状態に良くないというのを駐在されてる保健師さんから忠告を受けて、撤去の方針になりました。


暑さはもちろん、浸水の危険があるなら閉鎖は当然でしょう。
しかし、テント村の中にはペットと一緒に避難生活ができるエリアもあり、頭を悩ませています。そこで出会った2家族に話を伺いました。

◆ペットと一緒で行き先が決まってないから動けない
家族で6人+猫1匹でこのテントに暮らしています。動物がいるから住むところも普通のところじゃ入れないんですよ。ペットを飼えるところじゃないと。ここを出ないといけないらしいですけど、行き先が決まってないからみんな、撤去もできないと思います。動けないから。住む場所もないから。
(現状この生活で辛いことは?)夜は寒いし、電気も充電するぐらいしかできないかたテレビも見れないし。(テントの中の灯りは?)懐中電灯やランタンみたいなのでみんな暮らしています。雨も若干上から入るので、ブルーシートかなんか被せるしかないかなと。仮設に入れれば少しは落ち着くが、今日見に行ったら益城はまだ全然更地で何も建ってないから、8月くらいになるんじゃないですか、、、

◆半壊だと仮設住宅の申し込みができない
じゃあ私たち住むところはどうするんですか?って言いました。だって私たち「半壊」なんです。「半壊」だと仮設住宅申し込みダメなんです。だから住むところが無いから、ここに居らしてもらおうかなと思っていますけど。現在私たち6人なんです。でも主人は体育館に居るんです。だからバラバラ。6人はちょっと無理なんです。(ワンちゃんも?)13歳です。物資はもの凄く恵まれています。何も欲しいものは有りません。本当に動物と離れたくないもので、何とかここに居らしてもらおうかなと考えています。


今朝は熊本からのレポート。益城町総合運動公園グラウンドの「テント村」で、ペットと避難生活を送っている方の声をお届けしました。

◇益城町政策推進課の田中さんによると、総合運動公園のアリーナを新たに避難所として開放、アリーナ入り口にはペット用のゲージを設置して、ペットと一緒に避難している方にも対応するということなんですが、高齢だったり、ストレスで弱っているペットと離れて暮らすことに抵抗のある方も少なくないようです。

◇益城では早ければ6月から仮設住宅への入居がスタートする予定ということですが、
お話しを聴きました方のように、「半壊」認定の場合は仮設住宅にも入れず、家の修復か再建が終わるまでは避難所を頼るか、自力で部屋を借りたりするしかありません。

『LOVE&HOPE』、明日も熊本からのレポートをお届けします。

パーソナリティ 鈴村健一

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