2016年5月25日

5月25日 熊本レポート 西原村農業ボランティア1

今朝も、熊本地震で甚大な被害を受けた地域の一つ、西原村からのレポートをお届けします。

全国有数の農業県である熊本県。中でも西原村はサツマイモの産地として知られています。梅雨入りを前に、いま本来ならサツマイモの作付けの時期なんですが、農家の多くは地震のあとの片づけに追われて、畑の作業に手が回らない状態となっていました。

災害時にボランティアセンターでは、原則農作業の手伝いは受け付けていません。ところが西原村では、ボランティアチームや、地元農協、社会福祉協議会と話し合って、農作業を専門にあっせんする「農業復興ボランティアセンター」を立ち上げました。いま西原内の畑では、facebookなどでの呼びかけで集まった、全国からの学生ボランティアたちが農家の方と、畑で汗を流しています。

◆農業という生きがいのお手伝い
この辺の農家は平均が70代80代の方がされてて、震災で生きる希望を無くして避難所に居られたんですけど、やはり人間は目標を失うと極端に弱る。この辺の人の希望というのは、震災を受けたんだけど、作付をいつもの時期にやりたいということだったので、“農家ボランティアも有りじゃない?”っていうことで。実際、いま芋の作付時期なので、そういう作付のお手伝いをして頂いて、例年並みの作業が出来れば安心すると、生きがいを持たれてやっているんです。

お話しは、西原村役場の 堀田直孝さんです。

家の片付けも大事ですけど、こうした“生きがい”につながる農家の支援もたしかに大切。いち早く「農家ボランティア」を立ち上げた西原村、ほかの地域も参考になります。

そんな「農業復興ボランティアセンター」を通じて駆け付けた大学生たちと一緒にサツマイモの作付けをしていた、曽我君代さんの畑を訪ねました。

◆ボランティアさんがいなかったら仕事しなかったと思う
転がして穴あけて棒でまた穴あけて・・・この開いてるのは今日やったんです。そこからこっち。
みんなきついけど頑張ってやってくれるので、暑くてもキツイって言わないし。「おばあちゃん楽しかった!」って言って帰るのが嬉しい。だから「お父さん、今日はいらん。ほかの事しなさいよっ」って(笑)。私も若い人と仕事した方がいいから。だから今度は収穫の喜びを味あわせてやりたいと思うんです。「おばあちゃん、また10月来るよ〜」っていうから。また呼びます。
農業ボランティアのカワイさんっていう人が、「今度大学生が来られますけど、雇われますか?」っていうので、「雇います!」って。自分たちでは雇えないでしょ?だから震災があって避難してる時は、もう今年はカライモ植えるの止めよう農家やめようかって言ってたんです。そうしたらボランティアさんの話があって、これから頑張らないと!って。ボランティアさんが居なかったら仕事しなかったと思います。なので仕事も追いつきました。追いついたですよ。だから10月が楽しみです。収穫が。

◆西原村のシルクスイート
前は「金時」しか植えてなかったんです。「金時」は形がかぼちゃみたい。「シルクスイート」にしたら芋がキレイで、形も良くて味もいい。焼き芋にしたら冷めても美味しい。これが人気なんです。「シルクスイート」!
(どうやって食べたら美味しい?)焼き芋です。のどに詰まらないんです。「金時」は栗みたいでのどに詰まるけど、これは冷めても甘くて美味しいしトロッとしてる。ギフトか大阪ですね行くのは。地元には行かないですね。やっぱりなんとか作らないといけないし、植えたら出荷しないといけないし、出荷が楽しみです。


明日はそんな曽我さんの畑で作業をされていた、学生ボランティアたちの声をお届けします。
●西原村農業復興ボランティアセンター facebook

パーソナリティ 鈴村健一

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