2017年5月29日
5月29日 「たたみかた −福島特集−」1
今週は、雑誌「たたみかた」の編集長、三根かよこさんのインタビューです。
三根さんはリクルートで情報誌のディレクターを経験。その後夫とともに出版社を立ち上げました。今回創刊した雑誌「たたみかた」のコンセプトは、「30代のための新しい社会文芸誌」。その創刊号のテーマに選んだのが、福島です。創刊号の表紙には、「福島特集〜ほんとうは、ずっと気になってました。」という文字もあります。ひらがなで「たたみかた」。その雑誌のタイトルに込めた想いとは?
◆福島の当事者性を探っていた
「たたみかた」という雑誌は、わたしが6年間考えていたことを凝縮した雑誌。「たたみかた」という言葉をリスナーの方が聴いたらどういうことをイメージするかなと考えると、「なにかを終わらせる」とか「縮小していく日本」みたいなことをイメージされる方もいるかもしれない。
わたしは「たたみかた」に「方向性」という意味を込めた。「たたみかた」「ひとがなにかをたたむ」というときは、「次の人に気持ちよく使ってもらうためにたたむ」ということもあるのかなと思っていて、(たたみかたにも)いろんなたたみかたがあるのかなと思って、それを個々いろいろ考えていくということをイメージしてつけた名前。
「たたみかた」の創刊号は福島を絶対選びたいと思っていた。自分は福島や東北に全く縁がなくて、あの日東京のビルの37階で地震を経験して、歩いてなんとか家までたどり着いたという経験があるが、この6年間自分の当事者性というものをずっと探っていた。「福島の当事者」というと、福島になんらかの関わりがある人が、直接的な当事者としてわかりやすくあると思うが、わたしたち東京とか全然違うエリアに住んでいたとしても、福島に対して当事者性を持ちたいという願いをずっと抱いていた。その「とっかかり」というのがなくて、どうしたら福島に自分が当事者性を持てるのかを考えていたので、創刊号では絶対福島特集をつくり、福島とのつながりを見いだせたらと思っていた。
今回の福島特集では福島の人はほとんどでてこない。福島の方は(「うみラボ」の)小松理虔さんくらい。福島の人があまり出てき過ぎてしまうと、東京にいる人たちはそこに対して同じような経験や景色を見ていないと思って、距離を感じてしまうのではと感じた。そこで、今回も人選としては「福島で活動しています」「福島に移住しました、住んでいます」という人はあえて避けて、福島になんらかつながる、示唆のある話をしている、というような内容になっている。
三根かよこさん。30歳の女性編集長が創刊した雑誌「たたみかた」。
以前この番組でご紹介した「いわき海洋調べ隊・うみラボ」の小松理虔さんほか、福島を取材する記者やクリエーター、起業家、哲学者など、多彩な顔ぶれが登場。それぞれの想いについては、明日以降お伝えします。
◇「たたみかた」オンラインストア
◇amazonはこちら
◇本が買える取り扱い書店は、こちら
三根さんはリクルートで情報誌のディレクターを経験。その後夫とともに出版社を立ち上げました。今回創刊した雑誌「たたみかた」のコンセプトは、「30代のための新しい社会文芸誌」。その創刊号のテーマに選んだのが、福島です。創刊号の表紙には、「福島特集〜ほんとうは、ずっと気になってました。」という文字もあります。ひらがなで「たたみかた」。その雑誌のタイトルに込めた想いとは?
◆福島の当事者性を探っていた
「たたみかた」という雑誌は、わたしが6年間考えていたことを凝縮した雑誌。「たたみかた」という言葉をリスナーの方が聴いたらどういうことをイメージするかなと考えると、「なにかを終わらせる」とか「縮小していく日本」みたいなことをイメージされる方もいるかもしれない。
わたしは「たたみかた」に「方向性」という意味を込めた。「たたみかた」「ひとがなにかをたたむ」というときは、「次の人に気持ちよく使ってもらうためにたたむ」ということもあるのかなと思っていて、(たたみかたにも)いろんなたたみかたがあるのかなと思って、それを個々いろいろ考えていくということをイメージしてつけた名前。
「たたみかた」の創刊号は福島を絶対選びたいと思っていた。自分は福島や東北に全く縁がなくて、あの日東京のビルの37階で地震を経験して、歩いてなんとか家までたどり着いたという経験があるが、この6年間自分の当事者性というものをずっと探っていた。「福島の当事者」というと、福島になんらかの関わりがある人が、直接的な当事者としてわかりやすくあると思うが、わたしたち東京とか全然違うエリアに住んでいたとしても、福島に対して当事者性を持ちたいという願いをずっと抱いていた。その「とっかかり」というのがなくて、どうしたら福島に自分が当事者性を持てるのかを考えていたので、創刊号では絶対福島特集をつくり、福島とのつながりを見いだせたらと思っていた。
今回の福島特集では福島の人はほとんどでてこない。福島の方は(「うみラボ」の)小松理虔さんくらい。福島の人があまり出てき過ぎてしまうと、東京にいる人たちはそこに対して同じような経験や景色を見ていないと思って、距離を感じてしまうのではと感じた。そこで、今回も人選としては「福島で活動しています」「福島に移住しました、住んでいます」という人はあえて避けて、福島になんらかつながる、示唆のある話をしている、というような内容になっている。
三根かよこさん。30歳の女性編集長が創刊した雑誌「たたみかた」。
以前この番組でご紹介した「いわき海洋調べ隊・うみラボ」の小松理虔さんほか、福島を取材する記者やクリエーター、起業家、哲学者など、多彩な顔ぶれが登場。それぞれの想いについては、明日以降お伝えします。
◇「たたみかた」オンラインストア
◇amazonはこちら
◇本が買える取り扱い書店は、こちら