2017年9月12日

9月11日 台風10号被害から1年「岩泉乳業」の今

今朝は、去年台風10号による水害を受け、今なお操業が止まっている岩手県岩泉町の「岩泉乳業」の今をお伝えします。

約1年前、岩泉町をはじめ全国各地に甚大な被害をもたらした台風10号。小本川の河畔に工場があった岩泉乳業は、工場の大半が氾濫した川の水に呑まれ、操業停止を余儀なくされました。町の基幹産業で、とくにヨーグルトが美味しい!ということで全国的に知られていた岩泉乳業、操業再開を望むファンの声に支えられ工場の再建に取り掛かりましたが、1年が過ぎた今も再開には至っていません。

完成目前の新しい工場で、工場長の保呂草久人さんにお話しを伺いました。

◆あれから1年・・
このいま大きく建て替えている、ここが平屋の建物が横並びに二つありました。平屋の建物だったんでぜんぶもう水につかった状態でした。こちらの本社工場の方は2階建てなんで、2階は大丈夫。ただ1階は天井近くまで浸水した状態でした。こちらの平屋の方は機械類、水をかぶってしまったんで再起不能というような状態でしたね。ここずうっと山岸からこの広いところを水が来たんで、流木とかああいうのがぜんぶ建物に突き刺さるとかそういう状態でした。なんとも言えませんでしたね。そのときはもうこれほどのものがくるかな・・・というのが第一印象でした。一年・・・でも早いんじゃないかなと思ってます。いろいろご尽力された方がいっぱいいるんで。たとえば自分のお金で建てるんであれば、すぐやれるんでしょうけど、やっぱり国のお金とかそういうところを遣わせてもらってるんで、思ったようには進んでくれないといいますか。


去年8月30日の水害では、3棟の工場のうち、平屋の2棟が水没、2階建ての本社も1階が浸水し、流木や土砂が流れ込んで機械やタンクも破損。工場の再建は不可能に思われましたが山下欽也社長は、被災から1週間たたないうちに、「1年以内に工場を再開する」と宣言して再建に取り組んできました。その決意を支えたのは、町の人たちや全国から寄せられた励ましの声だったといいます。

◆10月から前と同じ味でお届けできる!
もうたくさん頂戴してますね。90過ぎたおばあさんから「早く、私が生きてるうちにもう一度食べたいです」というお手紙を頂いて義捐金が1万円封筒に入ってたというのを聴いて、何とか早く復活して口に入れてもらいたいなと思ってます。10月からはなんとか消費者のお待ち頂いてる方々にお届けできればと思ってます。期待と不安が入り混じったようなちょっと複雑な気持ちです。工場は変わってもライン設備は前と変わってないです。あとは自分たちのレシピといいますか工程もきちんとありますので、間違いなく前と同じ味でお届けが出来ると確信しております。


新しい工場はすでに完成。主力商品である「牛乳」と「ヨーグルト」は試験操業を経て、10月1日からまず県内で販売を開始、11月から全国に販売を拡大する予定。アルミの袋の中で〔低温長時間発酵〕させる独自の方法で、さわやかな風味とモチモチの食感を生み出しているという「岩泉ヨーグルト」。1年ぶりの再会までまもなく。「岩泉乳業」のオンラインショップでも買えます!

パーソナリティ 鈴村健一

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