2018年1月11日

1月11日 平成30年浪江町 成人式 二十歳のことば(4)

今週は、福島県浪江町の成人式のレポートです。

震災と原発事故の影響で避難先で開かれてきた福島県浪江町の成人式が、先日7年ぶりに地元で開かれました。参加者は町の新生人のおよそ6割にあたる、114人。晴れ着に身を包み、それぞれさまざまな思いを抱いて、式に臨みました。

◆請戸に戻って自分にできることで返していきたい
畑中美咲です、菅沼遥香です。浪江町請戸地区出身です。
菅沼「いま大学生で保育士を目指しています。」
畠中「わたしも大学に行っていて、管理栄養士を目指して頑張っています。家が海から近いので、全部流されて、家はもうないです。」
菅沼「私たちの小学校の同級生が二人、被害にあって。6年間クラスが一緒だったので、二人とも仲良くて、悲しかったです。」
畑中「もともと高校にいって就職するんだと思っていたんですけど、震災があったから、地元に戻って自分にできることで返していきたいです。」
菅沼「わたしは保育士になりたいので、小さい子供に伝えていくというか、自立できるような子どもたちに育てていきたいなと思います。」


海沿いの請戸地区は、津波で350戸ほどあった集落のほとんどが被害を受けました。また、原発事故の影響で全世帯が避難を余儀なくされた地域です。
畑中さんは、請戸で300年以上続く伝統芸能「田植え踊り」の踊り手さんでもあり、2月に地元の神社で奉納される「安波祭」にも参加したい、とも話してくれました。

◆親が喜ぶことが私の幸せ
浪江町高瀬地区の増田温佳です。いま家族は郡山でわたしは上京しました。好きなことばっかりやって生きてたんですけど、将来のこととかなにも考えてなくて。デザインの勉強をずっとしていて、資格があるわけではないし、そろそろあきらめなきゃと。二十歳になってやっと、いまやっていることが将来につながらないとわかって、これから専門学校に行くと決めました。来年から歯科衛生士の資格をとるために学校に行って、将来は家族が浪江から離れられないといってずっと福島県にいるので、わたしも戻れたらいいかなと思ってます。家族にとりあえず感謝して恩返ししたい。親が喜ぶことは、わたしが幸せになることだから、自分のことを考えて生きていきたいです。


『LOVE&HOPE』 明日は福島県浪江町の成人式で「祝い酒」を振舞っていた地元の酒蔵のレポートです。

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN