2018年2月13日

2月13日 アップデイトふくしま(2)

今朝も引き続き、先日10日土曜日に東京・青山の国連大学で行われましたパネルディスカッション「アップデイトふくしま」の模様をお届けします。

「知って応援。伝えて応援。」をキャッチフレーズに開催されたこの「アップデイトふくしま」、これまで『LOVE & HOPE』でもお話しを伺ってきました福島県民の被ばくの分析や発信をしてきた東京大学名誉教授、早野龍五さん、福島に通って医療活動を続ける医師の越智小枝さん、海外の学生を招いて福島を視察してもらう活動を続けている福島大学のウィリアム・マクマイケルさん、そして「はじめての福島学」を執筆するなど福島の現状発信に尽力してきた立命館大学の開沼博さん、この4人が立ち上げたアップデイトふくしま実行委員会によるパネルディスカッションです。

この4名をはじめ、行政や教育現場の方、生産者などさまざまな立場の方が参加して討論や発表が行われましたが、ステージには3人の学生も登壇しました。福島高校の沖野峻也くん、荒帆乃夏さん、ふたば未来学園高校の遠藤瞭くん。3人は去年秋、早野さんと共にアメリカ、バークレーで実施されたトークセッションに参加、それぞれの被災体験や現在の取り組みを英語で発表しました。そしてこの日は、改めてそれぞれの取り組みや思いを発表してくれました。

沖)これはDシャトルという機械なんですけど「個人線量計」と言ってポケットとかに入れて持ち歩くと1時間ごとにどれだけ被爆したかっていうことを測ってくれる機械で、これと生活記録表、いつどこに居たかを記録するんですけど、それとこのデータを照らし合わすことによってどこでどんな線量を受けたのかというのを解析することが出来ます。
早)福島高校で書いた論文、これですか?
沖)いちばん右側がヨーロッパ、真ん中が福島県内、左側が福島県外の放射線量で、これで測った2週間分のデータを一年浴びたらどうなるか換算して表したものなんですが、ご覧の通り、じつはほとんど同じ値で変わっていないということが分かったんです。
早)そういう一年分の線量ということで論文になりましたということですね。その後も福島高校では様々な取り組みをしていると聞いています。じゃ荒さん・・・
荒)こちらは私が海外に向けてプレゼンテーションを行うにあたりインタビューをした、福島で実際に活躍している農家の方なんですけど、サイトウノボルさん、キクチショウヘイさん、サイトウさんはスタディーファームというイベントを行なっていて、農業体験をするとともに、実際に採った食べ物の放射能を測定するというイベントであったり、キクチさんは卵のブランド化を行なっています。そのほかにも努力をされてる方はいるのですが、共通して言えることは震災によって崩壊してしまった販路を、自分たちの力で取り戻したということです。生産者と消費者が直接つながることで信頼を生み出し、その食べ物に対しての安全性、信頼感を高めているということが言えます。ただ震災前の福島に戻すのではなく、震災前よりより素敵な福島に戻そうと努力しています。
早)どうもありがとう。さ、次は遠藤くん。
遠)いま右上の方に丸がついていて放射線の膜がある町、これが私の生まれた大熊町です。で、故郷の復興をどうしていくべきか?と考えた時に、廃炉を進めることが復興にいちばん直結するというか直接的な手段であると考えたので、私は将来、福島第一原発の廃炉に携わりたいと考えています。


こうした高校生の発表も交えながら、3部構成/4時間に渡ったパネルディスカッションは、「アップデイトふくしま宣言」を発表してフィナーレを迎えました
後日、公式Facebookで写真や動画などが掲載されるので、ぜひ福島の「今」について、皆さんも情報のアップデイトをお願いします。
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ぜひ今回の放送を聴いて感じたこと、『LOVE & HOPE』ブログのメッセージフォームから送ってください。
抽選で5名様に3000円分の図書カードをプレゼントします。

パーソナリティ 鈴村健一

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