2018年5月22日

5月22日 方言消滅の危機(4)

沖縄や奄美の古くからの言葉、北海道のアイヌ語、さらに東京都・八丈島の八丈語、そして東日本大震災の影響で、岩手、三陸、福島で昔から使われていた「方言」がこのままでは消滅してしまう。つまり、その言葉を使う人がいなくなってしまう可能性がある、ということを、お伝えしてきました。

方言がなぜ必要か、大切なのか。実は方言には、本当に人の「心」に作用する なんらかの力があることが、注目されつつあります。

お話を伺ったのは文化庁国語課 国語調査官の鈴木仁也さんです。

◆方言で語ることで心が楽になる
実はそれを非常に強く感じたのは東日本大震災のとき。そこで非常に印象に残った、被災者の方が、自身の体験についてインタビュー、取材を受ける時に、共通語で答えてあげようとすることがある。被災体験は「語る」ことで相対化されてメンタルな面で少し楽になると言われているが、共通語で語っているとむしろストレスになったという。一方、方言、自分の普段の言葉で語った時にすごく楽になったというお話を聞いた。その時に情報伝達としての共通語の世界とは違い、「生きる」ということに深く関わっているのが方言であると強く感じた。喧嘩をする時に出てくる言葉って感情的で、共通語では喧嘩はしない。それはなぜかと考えると、メンタルな部分と密接に結びついているのは共通語ではないから。その言葉を失ったらどうなるのかと考えると、やっぱり失わせる訳にはいかない。震災の時に方言がとても大事だと改めて感じたという方が何人もいらっしゃった、というのがあります。福島から避難していて帰還した高齢者の方々に、方言の調査で話してもらっているうちにだんだん表情が良くなっていく。お話を聞く「傾聴」だけではなく、共通語ではなく方言で話すことによるメンタルのケアがかなりあるというのが顕著にある。福島に関しては、他の地域にまとまって避難しているケースであれば同じ方言を使う人達も多いが、ひと家族だけで移転している場合は、まず福島から来たということをできるだけ悟られたくないので方言は使わないという声は聞いている。特に茨城大学なんかでは、避難してきた方がその方言に触れられる機会を積極的に設けてやっている。


あしたも、この「日本の方言」をめぐる問題と対策についてお伝えしていきます。

パーソナリティ(月ー水)中西哲生・ケリーアン(木)中西哲生・綿谷エリナ(金)速水健朗・綿谷エリナ

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