2012年10月10日

10月10日「フタバから遠く離れて - 舩橋淳監督インタビュー(3)」

福島県双葉町は町全体が警戒区域に指定され、約7000人の町民全員が今も全国各地で避難生活を余儀なくされています。
中でも多くの町民が避難しているのが、埼玉県加須市の避難所、旧騎西高校。
ドキュメンタリー映画『フタバから遠く離れて』の舩橋淳監督は、その日常を9ヶ月に渡って記録しました。

◆撮影の過程で知り合った親子
 親子は双葉町の海岸近くの中野地区に住んでいたが、津波でお母さんが流されてしまった。
 旧騎西高校に避難している時にいろいろとお話を聞くようになり、双葉への一時帰宅にも付いて行った。
 一家族あたり2人しか入れないので、父親と息子さん二人で入り、僕は同行できなかったが、彼らがその様子を家庭用ビデオで撮ってきてくれた。その様子がすごかった。
 自分のお母さんが亡くなった場所に、震災後初めて訪れるシーン。自分の家の跡は土台だけで何もなく、そこに花を供えてくる様子。「なんもねえ」という言葉。自分は何も言葉が出なかった。


◆親子は現在、いわき市で生活
 家の災害保険が下りたらしく、今はいわき市に中古の家を買って住んでいる。
 この親子の息子が自分に年齢が近く、いろいろ話をするのだが、「お父さんがかわいそう」だと言っている。
 ずっと農作業をやってきて、奥さんを津波で流されて、自分の農耕器具も家も流された。62〜3の年齢で自分の持っていたものを全て奪われた。「引退だ」と言っていた。
 ずっと農業をやってきて、いきなり全部リセットしろと言われても、そう簡単にはできない。



明日も舩橋敦監督のインタビューをお届けします。


【ドキュメンタリー映画『フタバから遠く離れて』 Official Website】



(c)2012 Documentary Japan, Big River Films

パーソナリティ 鈴村健一

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