2014年3月6日

3月6日 東北復興新聞&『3YEARS(スリーイヤーズ)』

今朝は、東北で復興に取り組む人たちのための業界紙、東北復興新聞がまとめた、「3YEARS」という本についてお伝えします。

まず東北復興新聞は一般向けの情報誌ではなく、東北で実際に復興に関わっている方のための
紙とウェブによる情報誌。創刊は2012年1月。発行部数4000部。産業の復興をはじめ、「隣の町の情報」を求める被災地のニーズにこたえる形で現地で取材した情報を発信しています。

その東北復興新聞のこれまでの取材をまとめた本が、先月出版された「3YEARS」。著者で東北復興新聞・発行人の本間勇輝さんに伺いました。

◆復興に関わる人々はめちゃめちゃ面白い!
本にしたいと思った一番の理由は、2年半東北に通い東京の人々が持つ「復興」、東北に関するイメージと僕が持つイメージにギャップを感じたから。東京で見ると復興予算が流用されているとかネガティブな報道が多く、「まだまだ大変です」という涙ストーリーが流れているが、僕が感じたのは、めちゃめちゃ面白い人たちがいっぱいいるし、全く新しい取り組みが進んでいる。これは東北の復興とかではなく、日本がこれからどう変わっていくかのヒントとなる取り組みがいっぱい起きている。東京や他の年からすごいビジネスマンが集結している。こんなに熱い土地はないと感じた。このギャップを何とか伝えたいと言うことで本にまとめるとともに、面白さカッコ良さを伝えたいと思って作った。


この『3YEARS』には、15人の復興に関わる人々が詳しく紹介されています。ジャンルは幅広く、農業、漁業、県職員や文科省の官僚、NPOの代表、地元の女子高校生…本当に多種多様。そんな中から一人、宮城県の、岩佐大輝さんについて教えて頂きました。

◆「マイナスをゼロに」の先へ
例えば宮城県山元町でいちごを作ってらっしゃる人がいるんですけど、温度や風、湿度などを完全にITで制御するビニールハウスを新しく作った。全くゼロになってしまった地域なので同じものを作り直してもしょうがないということで、最初からすごいものを作ろうと。先端ハウスを作り、完璧においしい、糖度何度以上というものをコントロールして作る。すべてはIT化しきれないので現地の昔からのイチゴ農家の匠の知恵、手作業を混ぜ合わせる。収穫の効率も良いし糖度も高いし美味しいイチゴを作る取り組みを始めた。「みがきいちご」というブランドを被災地を飛び越えて世界に進出している。インドの農村で日本の技術を転移してブランドイチゴを現地で作り現地の高級ホテルに流し始めている。産業復興でいうと壊れてしまったものを戻そうというのが最初の1年〜2年だが、3年目4年目はマイナスをゼロに戻すところの先の取り組みが始まっている。というのが岩佐さんがやっていることですね。


本間さんは、「一度ゼロになってしまったからこそ全く新しいチャレンジが出来るのが今の東北。外から専門スキルを持った人が入ってきて現地の人と何かを立ち上げるということも、たくさん起こっている」とも話しています。


明日も、この『3YEARS』で紹介されている、復興に関わる人々を紹介します。

東北復興新聞

パーソナリティ 鈴村健一

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