みらい図鑑

VOL.248「糸のアクセサリー」

radikoで再生する
null

古くから織物の産地として知られる、群馬県桐生市。

この地で長年、織物産業に携り、
和服から洋服、装飾品に至るまで、さまざまなブランドの刺繍を手掛けてきたのが、
刺繍工房の老舗、明治10年創業の「笠盛」です。

そんな「笠盛」が、現在手掛けているのが、
アクセサリーブランド、「000(トリプル・オゥ)」。

使う素材は、糸だけです。

null
null

地元の染色職人や、糸を撚る職人の手を借りて、
こだわり抜いた1本の糸から、
刺繍で、ピアスやネックレスなどの立体を製作。

手仕事と機械、2つの技術を組み合わせて、
つけ心地が良く、美しいやさしいアクセサリーに仕上げています。

null
null

糸のアクセサリーを通して伝えたいことは、「やさしさ」。

「000(トリプル・オゥ)」、デザイナーの片倉洋一さんに伺いました。

「4つの“やさしさ”があるんですね。
1つ目は、着けていることを忘れる軽さ。
2つ目は、金属アレルギーの方にもやさしい。
3つ目は、糸だから洗える。
4つ目は、直せる限り、永久保証の修理サービスです。」

null
null

なにか、世の中の役に立つような“ものづくり”をしたいと、
10年前ほど前に模索していたなかで考えついたのが、
アクセサリーだったという片倉さん。

刺繍の技術を活かしつつ、
社会の役に立ちたいという思いがあったといいます。

null

「私たちの手元から出ていくときは同じ商品がいくつもあるんですが、
それがお客さまの手に渡ってから、
育ててもらうようなことができたらいいな、と思っています。

“そういえば、誰かのパーティのときにつけて行ったね”というように、
人生の記憶の一部に残して頂ければ、嬉しいですね。」

null

新しい刺繍のかたち、「000(トリプル・オゥ)」のアクセサリーは、
桐生を代表する織物メーカーからの“やさしさ”のおすそ分け。

贈り物にも喜ばれそうですね。

VOL.247「堀家ハッカプロジェクト」

radikoで再生する
null

かつて、日本が世界の生産量の9割を誇っていた植物、「ハッカ」。
ミントの一種ですが、国外では「日本ハッカ」と呼ばれています。

江戸時代、全国に先駆けてハッカの栽培を始めたのが、岡山県総社市。
総社出身の秋山熊太郎という人が、
換金作物として大規模な作付けを行ったのが始まりです。

その後、ハッカ栽培は全国に広まり、
昭和初期には世界一のハッカ生産国になった日本でしたが、
時代と共に、合成ものや、海外の低コストのハッカに押され、
日本のハッカ産業は退廃していきました。

null

そんななか、伝統的な岡山ハッカの活用に着目したのが
「総社商店街筋の古民家を活用する会」。

ハッカ栽培の先駆者、地元出身の秋山熊太郎にちなんで、
衰退した岡山のハッカを復活させようと、
「堀家(ほりけ)ハッカプロジェクト」をスタートさせました。

プロジェクトでは、地元の農業高校とも連携しながら、
岡山のハッカを使ったハーブティーや石鹸を作っています。

null

「堀家ハッカプロジェクト」、東恩納 真弓(ひがしおんな・まゆみ)さんのお話です。

「私たちは、総社でハッカを育てています。
本当に少人数でやっていて、しかも、それぞれ仕事があっての活動です。
商業ベースには乗らなくても、このストーリーを大事に育てて、
長く続けられるようにやっていきたいなと思っています。」

null

第1弾、第2弾、とオリジナル商品を開発していき、
総社市から発信したハッカの声を、
再び全国に響かせていくのが目標だという「堀家ハッカプロジェクト」。

東恩納さんのメッセージはまだまだ続きます。

「ハッカは、とても清涼感があってスッキリとします。
皆さんもハッカを試して、元気にこの世の中を突き進んで頂きたいと思っています。
本当に愛情を持って育てて製品を作っていますので、
ハッカを総社から発信していきたいと思っています。
その想いだけですね。」


Prev [P.48/171] Next