ON AIR REPORT オンエアレポート

6月生まれの作曲家、シャルル・グノーに注目

17/06/05


今夜もお聴きいただきありがとうございます!

今月生まれの作曲家から、1818年6月17日生まれのシャルル・グノーの作品をお送りしました。
お楽しみいただけましたか?
ショパンより8歳年下、歌曲やオペラの分野で活躍した作曲家です。

<プレイリスト>
M1 グノー: オペラ《ファウスト》より <序曲>/ 指揮:ジョルジュ・プレートル、パリ国立歌劇場管弦楽団
M2 グノー :《管楽のための小交響曲》 より第1楽章/ 指揮:クリストファー・ホグウッド、セント・ポール室内管弦楽団
M3 グノー:《ファウスト》より <宝石の歌>/指揮:ジョルジュ・プレートル、パリ国立歌劇場管弦楽団および合唱団
 ソプラノ:ミレッラ・フレーニ
M4 グノー :オペラ《ロメオとジュリエット》より<私は夢に生きたい>/指揮:ジョルジュ・プレートル、フランス国立放送局管弦楽団、
ソプラノ:マリア・カラス

オペラ『ファウスト』はグノーの最も有名な作品の一つで、作曲家としての出世作です。およそ120年前、日本ではじめて上演されたオペラでもあります。『ファウスト』の原作は、ゲーテの戯曲。悪魔に魂を売り渡して若さを手に入れたファウスト博士と、無垢なマルグリートの恋と悲劇の物語。マルグリートはファウストの愛を受け入れるもののメフィストフェレスの邪悪な力によって気が狂ってしまう。最後マルグリートは神に祈り、神のもとに救済される。「宝石のアリア」は第3幕、メフィストフェレスが用意した宝石箱をみつけ驚き、身につけながら歌うアリアです。

M4は、キャピュレット家の娘ジュリエットの誕生日を祝うパーティーでロメオとジュリエットが出会う第1幕。乳母から許嫁との結婚をうながされるジュリエットが「そんなことを言わないで!まだ春の中にいさせて。私は夢に生きたいの」と無邪気に歌うアリアです。

グノーは、1836年パリ音楽院に入学。21歳で当時のフランスの音楽家の登竜門、ローマ大賞を受賞したあと、イタリアやドイツに滞在。25歳では、パリに今もあるサン・トゥスタッシュ教会の聖歌隊楽長兼教会オルガニストに。宗教家になるか音楽家になるか悩みます。
40代でオペラ『ファウスト』が成功、その後9本のオペラを書き、46歳で「ロメオとジュリエット」が大成功。50代の半分はイギリスで過ごし再び宗教曲の作曲に戻ります。1893年75歳、パリ郊外のサン=クルーで亡くなりました。

「グノーはピアノ曲がないので、オペラ・アリアの作曲家というイメージです。時代的にはすでに無調性の作品を発表する作曲家もいた時代に、グノーの作品はやや保守的で洒落たセンスもあります。」と横山さんは語っていました。
この番組のエンディングテーマは、バッハ=グノーの「アヴェマリア」として親しまれている曲をモチーフに横山さんが自由に作曲、演奏した曲です。

6月10日(土)、森麻季さんとのデュオリサイタルでは、「宝石の歌」や「私は夢に生きたい」も予定されています。お楽しみに。

来週は、ロシアの作曲家に注目します!