ON AIR REPORT オンエアレポート

6月16日 グリーグ特集

13/07/07


6月第3週は、6月生まれの作曲家の中からノルウェーのエドヴァルド・グリーグ(1843〜1907)を取り上げました。グリーグ初期の傑作であり、ピアノ協奏曲史上でも大変重要な作品である《ピアノ協奏曲》、そしてグリーグのピアノ作品の核となっている《叙情小品集》、さらにグリーグ自身による編曲作品などをお聴き頂きました。

僕はこのグリーグのピアノ協奏曲は、小学校時代に聴いて、かっこいいなあと思ったんですが、実はこの作品、そんなに音符が多いわけではなく、分厚い和音の響きもなく、ラフマニノフやリストのような派手な動きもなく・・・最低限のもので最大限の効果を生んでいる作品だと思います。そこがかえって北欧の音楽特有の透明感のようなものを感じさせるのではないでしょうか。

グリーグが活躍した19世紀のヨーロッパでは、それまで音楽の中心地であったドイツやフランス、イタリア以外の国・地域から、独自の個性をもつ作曲家たちが続々と名乗りを挙げるようになり、いわゆる「国民楽派」と呼ばれる音楽が台頭してきた時代です。各地で個性豊かな音楽が花開いた音楽史上、もっとも華やかな時代ともいえるでしょう。


【オンエア楽曲】
♪M1 グリーグ 《 ピアノ協奏曲 イ短調 op.16 》より第1楽章
  指揮:ネーメ・ヤルヴィ、エーテボリ交響楽団、ピアノ:横山幸雄
♪M2 グリーグ 《 叙情小品集 第3集 op.43 》より<蝶々>
  ピアノ:横山幸雄
♪M3 グリーグ 《 2つの悲しき旋律 op.34-2 》より<過ぎにし春>
  ピアノ:横山幸雄