2023.10.24
完全バーチャルの生活空間を作りたい
ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と先週のゲストは、クラスター株式会社の加藤直人さんです。
加藤直人さんは京都大学理学部で、宇宙論と量子コンピュータを研究。大学院を中退後、およそ3年間のひきこもり生活。そして、2015年にVR技術を駆使したスタートアップ「クラスター」を起業されています。著書に『メタバース さよならアトムの時代』があります。
今週は加藤さんのこれまでについてうかがいます。
お生まれは大阪との事ですが、子供の頃を振り返ってどんな子供でしたか?
「外に出るのがすごい苦手で、親からは公演で遊んできなさいと言われていたんですが、図書館に行ったり家に引きこもっていて、好きだった遊びが、スーパーボールを壁に投げて、返ってくる弾道を予測しながら投げるのが好きでした。」
そんな中早くからパソコンに触れていたようですね。
「小学校の高学年の時に親からお下がりのパソコンをもらって、最初はゲームで遊んでいたんですが、途中でプログラミングに出会いました。プログラミングの本を買いに行って、独学で学びました。」
高校時代バイトで貴重な経験をして、それが起業のきっかけになったという事ですが、
どんなことがあったんですか?
「きっかけになったというほどではないんですが、引きこもりで勉強が好きだった自分に対して親からもっとお金を稼ぐこととか覚えたほうがいいよと言われたので、高校に入ってから回転鮨屋でアルバイトを始めました。接客業が嫌すぎて1ヵ月半でやめたんですが、回転寿司の仕組み、システムがすごくて、それを作っている人がいるんだということに感動したのは、会社経営においての原体験になりました。」
大学では勉強に集中されたんですか?
「そうですね、研究者になりたいなと思っていたので勉強をやっていたんですが、大学を卒業して大学院に入ったあたりで、自分の好きなSFの世界は生きているうちに来るのか、それよりかは作っていった方がいいんじゃないかと悩み始めて、中退しました。中退した後は3年間引きこもっていました。引きこもっていた期間については、いろんなことを作ったり、いろんな本を読んだりしていました。」
そんな中でメタバースの事業に目をつけたのはなぜですか?
「2014年に旧Facebook社が、OculusというVRのヘッドセットを作った会社を買収したんですが、そのOculusが作ってから1年半で2000億円で買収されたということが話題になっていて、当時開発キットを取り寄せることができたので、VRの世界を体験してみたときに、このVRの世界すごい!これをやりたい!と思うようになったのがきっかけです。」
今の会社のスタイルはどのような感じなんですか?
「オフィスはあるんですが、出社は月1回で良くて、基本リモートです。特徴的なのはみんなアバター姿で仕事をしていて、クラスターの上で会議をしたり、zoomを使う時もアバターで顔を出したり、面接もアバターで行なっていたりしています。」
最後に、これからの夢を教えてください。
「最終的には肉体を捨てた生活をしたいなと思っていて、現在はまだ完全リモートになっていなかったりと肉体を捨てきれていないので、いつか完全に肉体を捨てた生活空間を作れたらいいなと思っています。」
クラスター株式会社の加藤直人さんでした。ありがとうございました!