三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2025.08.19

より多くの人の痛みを和らげたい

株式会社 理学ボディ
代表取締役
木城拓也
「通わない整体」とピラティススタジオの運営


ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週と来週のゲストは、株式会社理学ボディ 代表取締役の木城拓也さんです。
木城拓也さんは、理学療法士の国家試験に合格後、整形外科のクリニックに入り、プロスポーツ選手や箱根駅伝選手などの施術を数多く担当。その後、パーソナルトレーナーとして独立し、2017年には「理学ボディ」を開業、翌年に株式会社理学ボディを設立。またピラティススタジオも展開されています。そして、シンガポール、インドネシアなど海外展開もされています。今週は主な事業内容をうかがいます。ユニークなのが、店舗のコンセプト。「通わせない整体」ということですが、これはどういうことでしょうか?

「僕は理学療法士としてずっと現場で施術をしていたんですが、その際、短期間で改善させるためにそれまで自己研鑽してきたので、職人として痛みを短期間で取るということを目標にしていました。それがビジネスになったからといって、頻繫に通わせるという方向ではなく、いかに早く改善して卒業してもらうか、ということを目標に事業を進めています。」

そういった考えから「回数券は売らない」、「3回以内に痛みを和らげることを目指す」という理念を掲げているんですね。“筋膜整体”というものを提供されているとのことなんですけれども、これはどういった整体なんですか?

「ちょっと前に筋膜リリースというものが流行ったと思うんですが、最近の研究では、その筋膜が体のかなり重要な機能を占めると言われています。筋膜とは、簡単に言うと筋肉の周りを覆っている膜です。筋肉は全身にあるので、全身をボディースーツのように覆っている膜が筋膜になります。ここに対して施術をして、痛みを和らげていくというような整体をやっています。」

回数を少なく痛みを和らげるというゴールを目指す一方で、少しお値段が高いとお聞きしたのですが、一回あたりどのくらいなんでしょうか?

「一回あたり1万8000円で施術をおこなっています。」

確かに少しお高いですね。一般的な整体の一回あたりの価格に比べるとお値段は高い一方で、何回もずるずると通うよりは3回以内で済むなら、結果的にはそっちの方が効率がいいのかもしれませんね。

「そうですね。長期間かつ安い金額だと続けてもらえるので、採算は合うと思うんです。しかし、短期間で改善させようと思うと、ある程度の金額をもらわないといけないですし、お客さんとしても早く直したいと思っている人が多いと思っています。」

通い続けることが嫌になり、本当はまだ痛みがあるのに通う気がなくなってしまい、結局痛みと付き合っていくことを選ぶ人も少なくないと思います。
他にこの金額設定にした利点はありますか?

「働くスタッフも元々病院にいたレベルの高い人を連れてきたいと思っているので、技術の高い人がしっかりと報われるような職場環境にしたいと思っています。その分、単価をしっかり取って、ちゃんとスタッフにも還元する仕組みを作るためにも、高単価にする必要がありました。」

強気な価格設定はスタッフさんのためでもあったんですね。この1万8000円という価格でお客さんが限定されてしまったりはしないんでしょうか?

「最初は自分もそう思ったんですけれども、一店舗自分でやってみて予約が取れないぐらいまで埋まるようになりました。そこが表参道の店舗だったので、首都圏のエリアだけなのかなとも思ったんですが、徐々に店舗数を広げて現在100店舗にもなって、地方でもお客さんが来てくださっているので、ニーズはあったんだと思います」

先ほど筋膜整体についてのお話を伺いましたが、筋膜のトラブルを和らげるために、理学ボディではどんな施術をしてくださるんですか?

「専門的な話をすると、筋膜はエラスチン繊維とコラーゲン繊維という繊維でできていて、その中にテレビなどでもよく聞くヒアルロン酸という液体がその繊維と繊維の間にあり、そのヒアルロン酸が潤滑油のような役割をしています。このヒアルロン酸によって筋膜が滑り合って動くようになっているんですが、ヒアルロン酸の粘性が低下して、サラサラしていたヒアルロン酸がベトベトしたようなヒアルロン酸になってくると、筋膜の滑走が悪くなって動かなくなるんですね。この動かなくなったところを手で見つけて、そこに対して介入して、圧刺激を加えることで、ヒアルロン酸の粘性をサラサラな状態に戻し、体の動きを作っていくといったものです。」

先ほど100店舗ほどあるということで、スタッフの皆さんは今おっしゃっていたような施術を身につけているということだと思うのですが、やはり教育の方にも力を入れてらっしゃるんですか?

「まず1ヶ月、毎日研修所に来てもらいます。そこでうちの教育担当に研修してもらい、最終日には試験を受けてもらいます。その試験に受からないと現場に出れないようになっているので、落ちたらまたもう1ヶ月研修を受けてもらいます。」

皆さん、技術のある人たちに来てもらっているのに、その人たちにさらに独自の研修まで受けてもらっているのはかなり力が入っていますね。
この他に、ピラティスのスタジオも運営されているんですよね?『ルルト』というスタジオを運営されていますが、これはどういった特徴のあるスタジオなんですか?

「ここも理学療法士が監修しています。PHIというアメリカの理学療法士が作ったピラティスの協会でマスタートレーナーをやっているうちの社員が監修して作ったスタジオなので、一人一人の体を解剖学的に観察して行う、メディカル要素があるピラティスになっています。」

このピラティスのスタジオは現在何店舗ほどあるんですか?

「現在80店舗ほどですね。」

先ほどおっしゃられていた整体に加えて、80店舗もあるなんて本当にすごいですね。
最後になりますが、これまで乗り越えてきたハードルを教えてください。

「いろいろあるんですが、今は特に店舗の数が増えてきて、昔だったら一店舗で年に1、2回起きるかなというトラブルも、店舗が増えてくるとその分たくさん起きるので、それに対するいろいろな試行錯誤に日々追われています。」
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