1月17日。「防災の日」の今日、スタジオにお招きしたのは、
「防災とエコ」をお話くださる、という方。
一見ちょっと結びつきにくいこの話題が、実は密接に関わりあっているのだそうです。
ということでお越しいただいたのは、
『ボートピープル・アソシエーション』の、井出玄一さんです。


(ハンチング帽をかぶっていらした井出さん。とってもオシャレで素敵な男性でした♪)

一級建築士や街づくりコンサルタント、
都市環境システム専攻の大学院生などによって構成されている、
『ボートピープル・アソシエーション』。
そこでは、使われなくなったいわゆる「廃船」を「防災船」として活用していこうという、
ユニークなプロジェクト、「L.O.B Floating Emergency Platform」が進められています。

「バージ船という全長18mにもなる船、かつては輸送などの手段になっていたんですが、今では輸送はほとんどトラックになってしまいましたから、利用率が大幅に下がり、
東京湾周辺では、もう腐って朽ちていくに任せているんですよね。
でも、この船の中に、自家発電装置や太陽光発電装置、食料、水などを備え、
トイレなどを整備して、東京の水辺のあちこちに係留しておけば、
今、来る、来ると言われている『東海大地震』などが発生したときにも、
帰宅困難者の輸送も出来ますし、けが人の1次的な避難場所にもなるんです。
そういう『水辺の有効活用』を進めていこう、としているわけですね。」

そっか!地震が起こると、道路が寸断されたり、電車がストップしたり、
特に東京などの交通網は、麻痺してしまうことが考えられますよね。
でも、水辺ってあんまり思いつきませんでした。
だって、川とか運河とか、勝手に入っていいんですか・・・?

「東京って、船を係留したりするのはとても厳しいんですが、川や運河は、
自由に出入りしていいんですよ。だって道路を通るのに、許可要らないでしょ?
僕たちも、目黒川や日本橋の下の川なんかを、カヤックでこいでいったりしますよ。
災害時の大きな特徴は、私たちが突然、電気や下水、情報など、あらゆるインフラから、
断絶される、と言う状況なんです。普段あるものが、突然なくなるんです。
でも、船っていうのは元々自立型システムで、自分で発電したり、水をためたり、
汚水を処理したり、人間生活に必要なものをほとんど備えているんですね。
それが、太陽光発電などを備えていけば、もう「浮かぶエコシステム」になるわけです。
そんな風に、東京の水辺と廃船を、もっとうまく活用していきたいですね。」

なるほど!船って、エコなんですね!!

本番中に井出さん、こっそりと「実は船を、普段はBARなんかに使いたいんですよ♪」
なんてカミングアウトしてくださいましたが、そうやって、普段は「水上BAR」、
そして非常時や災害時には、「エコな防災船」になれば、それは廃船の最高の再活用法!
そんな船が、お台場や竹芝や、目黒川や隅田川に、いっぱい浮かんでいたら、
とても楽しい&安全だと思いませんか?
どちらかと言うと、普段使いの「水上BAR」の方に興味が出てしまいましたが、
「防災」も楽しくやらなきゃ、続かないですよね。
井出さんを心から応援する気持ちになった、ハチドリ高柳だったのでした。

ちなみに、今井出さんのグループ『ボートピープル・アソシエーション』では、
この『防災船』を係留させてくれる場所を、大募集中です!
「我こそ、東京の水辺の保持者である!」という方、
ぜひ井出さんにご一報を!!

http://boatpeople.inter-c.org/