今日のスタジオにお迎えしたのは、サイエンスライター&イラストレーターでいらっしゃる、
北村雄一さんです!
『深海生物ファイル』の著者として、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
この本の中では、およそ200種の深海生物を解説していらっしゃる、
まさに深海生物のことなら何でも知ってる先生でいらっしゃいます。
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(ということで、ハチドリ高柳も『深海生物ファイル』の表紙の深海魚の顔をしてみました。)


でも、一口に「深海生物」とは言っても、一体どんな生物がいて、どんな生態なのか、
実は私たちほとんど知りませんよね。
まずは北村さんに、基本的なところをうかがいました。
そもそも深海生物というのは、水深200m以下で生活している生物で、
太陽光がほとんど届かない環境で生息しているため、かなり独自の進化を遂げているのだとか。
でも、実は海の平均水深は3800mもあって、深海はそのおよそ95%を占めているのだそうです。
つまり、海の大部分は深海、と言っても過言ではありません。
それでも、深海を探索できる有人潜水艇は世界に数えるほどしかなく、そのほとんどが、
水深6000mまでしか行けないんですって。
その中で唯一、6500mまでいけるものは、なんと日本製!
地震の多い国日本では、やはり海底の研究をする必要が他の国よりも高いんだそうです。
でも実は水深って、7000mとかのところもあるそうで、
人類が海の最深部に到達するのは、宇宙に行くよりも困難とされているのです。
深海は、地球最後のフロンティアなんですよ!
そんなロマンティシズムが、男性をひきつけるのかもしれませんねー。
だって、北村さんに持ってきていただいた『深海生物ファイル』のページをめくる、
編集長の嬉しそうな顔ったら!!
「わー、この顔すげぇ☆」とか、「こいつ、アヤシーっ!」とか、もう子供みたい。
でも、特に深海生物に詳しいわけでもないハチドリ高柳でさえ、
まるで金魚のような真っ赤な魚や、ナマコに足が生えたような生物を見ると、
なんだか深海の神秘に触れたようで、ちょっとドキドキするのです。
なんでも深海は青い光が届かないので、赤い色は黒く映って海中の保護色になるため、
色鮮やかな赤い深海生物は、結構多いんですって。
深海生物って、黒とか灰色とか半透明みたいなイメージしかありませんでしたが、
6000mの深海に、こんなに鮮やかな色があるものなんですねー。


それにしても、そんなに深い海の底には、もう人間の匂いのするものなんか、
何もないんでしょうねー?とうかがったら、北村さんの口から意外な言葉が!
「そうでもないんですよ。深海潜水艇からの映像を見ると、人間が出したゴミが、
深海の底に結構沈んでいるんです。
プラスチックバッグとか、マネキンの首(!)、冷蔵庫のようなものや、タイヤなんかも。
ここまで人間のものが入り込んできているのか、と、ちょっとがっかりしますね。」と。

これには、さすがに編集長もハチドリ高柳もビックリ仰天!
そんなにも深い海の底にまで、ゴミが到達しているなんて!!
「そういうものがあると、また別の形に進化しちゃう可能性もあるんですよね。」と北村さん。
そんな、生態系に影響を与えるようなことを、私たち人間はし続けているんですね。。。
夏に海水浴に行って、ホントに軽い気持ちで海にゴミを捨ててしまっても、
そのゴミは絶対にどこにも行かず、分解もされず、流れ流れてこんな深海までたどり着く・・・。
その事実を、私たちはもっと真剣に考えなくてはいけないのかもしれません。
さすがに今日は、深海生物を見て面白がっているだけじゃいられないね!と、
編集長とも話し合った、ハチドリ高柳だったのでした。