9月11日。
いまだに様々な思いを胸に抱く人も多いと思います。
そんな今日、ゲストに来ていただいたのは、『ヒーリングハープ・セラピスト』の、所れいさん。
ケルトフォーク・ハープも、スタジオに持ってきていただきました。


rei.jpg
(ケルトフォーク・ハープは、普通のハープより一回り小さめ。
編集長も私も、初めてのナマのハープの音色にうっとり♪)「ヒーリングハープ」って、ちょっと耳慣れない言葉ですよね。
実はこれ、主に病院やホスピスのベッドサイドで、
患者さんの隣に座って、その人だけのために静かに、また最適な曲を選んでハープを演奏し、
患者さんに深く静穏な癒しを与える、代替療法の一つなんです。
最先端を行くアメリカでは、この「ヒーリングハープ」を行える人はキチンと資格を持っていて、
今日いらしていただいたれいさんも、このアメリカでの資格を持っている、プロの一人。
病床での生演奏を提供する専門的な資格は、
『ミュージック・プラクティショナー』と呼ばれているのだそうです。
このような音楽療法は、病気の根本的治癒力があるわけではないけれど、
優れた「補完医療法」として、幸福感を高め、症状を軽減し、
初期治療やリハビリテーションの効果を高めてくれるのだとか。
れいさんは、日本で初めてのこの活動を、2000年から行っていらっしゃいます。
今までれいさんがこの「ヒーリングハープ」を行った患者さんの中には、
呼吸が楽になってよく眠れた、という方がいらっしゃったり、
痛みが一瞬だけ和らいだ、という方がいらっしゃったり、
やはりその効果は確実に現れるのだとか。
編集長とハチドリ高柳は、別に病気ではなかったけれど、
その癒しの音色を聞かせていただくことにしました。


2人とも、ハープのナマの音色は初めて。
でも、れいさんの演奏が始まったとたん、なんだか全身の毛穴が開いたような、
でも心臓の鼓動が深くおさまっていくような、なんとも不思議な感覚におそわれました。
目をつぶっていると、皮膚からもその穏やかに澄んだ音色が吸収されていくような・・・。
ふっと瞑想に近いところに落ちそうになった瞬間、演奏は終了。
現実に戻ってくるのに、しばしかかりました。


パチパチパチパチ・・・!
素晴らしい!!これは言葉では言い表せない感覚です。
身体の具合が思わしくなく、病床に臥せっている方がこの音色を聞いたら、
どんなにか癒されることでしょう。
れいさんによれば、たいていの方はすーっと眠りに落ちてしまうので、
演奏が終わったら、れいさんも静かに席を立って、そのまま病室を後にされるのだそうです。
そしてもうひとつ、お約束が。
「今、拍手をされましたでしょ?でも、病院では拍手はしないでいただいているんです。
ハープで癒された感覚を、そのまま静かに持っていただくために、
手は、『キラキラキラキラ☆』って、していただいてます。」と。
なるほど。
大きな拍手で、静かになった鼓動がまたドキドキしてしまわないように、
小さいときにお遊戯でしたような「キラキラ」に変えるって、素敵なアイデアですよね。
「患者さんはもちろん、看護に当たっている家族の方が涙を流されることが多いです。」
とおっしゃったれいさん。
そう。きっとご家族の方にも、この音色は大きく影響を与えるのでしょう。
こんな癒しの音色が、もっとあちこちの病院で響くようになったらいいのに・・・。

今日は改めて、音楽の持つ底知れない力を、深く深く感じさせていただいてしまった、
ハチドリ高柳だったのでした。