
さて、徳島市の南西部に位置する八多町は小高い山に囲まれたのどかな田園風景が広がっています。
石段を登ったところにある町の氏神さま五王神社(ごおう)には人形浄瑠璃の農村舞台が・・・農村舞台は、人形芝居を神様に奉納するのが目的でしたので、神社の境内に建てられています。この舞台は1873年(明治6年)に建てられたもので、98年(平成10年)12月、国の重要有形民俗文化財に指定されました。
阿波踊りとともに徳島を代表する民俗芸能、人形芝居はこうした、農村舞台で上演されてきました。大きな頭の人形に、語りは絶叫型の豪放なのが特徴で、昔からの庶民的な娯楽でした。
徳島の人形芝居の舞台は小さく、間口10メートルほど。舞台右手には「太夫座」と呼ばれる高床の小屋がつけ加えられ、義太夫の語り手と、三味線の弾き手の台座となっています。観客席は青天井で、人々は地面に敷いたゴザに陣取り芝居を楽しみます。
農村舞台には「ふすまカラクリ」という舞台の背景が次々と変わっていく特別な装置が設けられている。巧妙な仕掛けによる変化が面白く、ここでは132枚のふすまを使い、花鳥風月などカラフルな42の風景が転換されます。この農村舞台で、毎年11月3日に人形浄瑠璃芝居が上演されます。こちらでの人気演目は「傾城阿波の鳴門」(けいせいあわのなると)で、この神社に着くと大勢の見物人、舞台には細やかな動きを見せる人形や人形遣い、義太夫と、森の中で伝統文化の雰囲気に包まれます。


