
「美術館の屋上に緑を」と、27年前の開館当時から、テニスコートほどの広さのスペースが設けられていました。去年の11月、学芸員の方が中心となって、土を耕して、小麦の種まきが行われました。今、10センチほどの高さに成長したこの小麦は、ただの小麦じゃないんです。現在ではほとんど栽培されていない、古代の小麦「エンマー小麦」なんです。
エンマー小麦は、今から1万年前に人類が栽培化に成功したと言われ、特に、5千年前のメソポタミア文明の人たちは、この小麦をたくさん栽培していました。これが経済力にもつながり、古代文明の繁栄を支えてきたわけです。
6月には、オリエント美術館のコレクションを参考に、実際に石から鎌を作って、その手作りの鎌で収穫し、パンを作る予定だそうです。昔の人はどんな味のパンを食べていたのでしょうね?「目には目を」で有名な、ハムラビ法典のレプリカがオリエント美術館にあるんですが、畑に関する法律や麦で作ったビールが、お給料の一部だったことも書かれているんですね。

