
まずその中津干潟を紹介します。大分市から北へ車で約1時間のところに位置する中津市。(一万円札の肖像にもなっている、福沢諭吉が青年期を過ごした場所といえば、親近感が少しは湧いてくるかもしれませんね!)
その豊前海に広がる中津干潟は、国内有数の広さを持ち、専門的には、全国的にも数少なくなっている砂泥質干潟を形成しています。干潟で確認された生物は、確認されているだけでも482種、そのうち絶滅が心配されている生物が166種、実に34%が希少種ということになります。
絶滅危惧種のスグロカモメが越冬したり、春や秋には多くの渡り鳥がやってきます。生きた化石といわれるカブトガニはもちろん、絶滅が心配されるアオギス、ナメクジウオなどの生息地にもなっているんです。これらのデータからも中津干潟の自然環境の貴重性がおわかり頂けることと思います。
更に、地元自治体や住民、漁協、NPO法人「水辺に遊ぶ会」などの参加のもと竹を使って、干潮・満潮の差を利用して魚を捕る、干潟独特の漁法『笹干見(ササヒビ)漁』を復活させました。
住民が一丸となって干潟の環境保全に取り組んでいることなどから、先日(8月下旬)、中津干潟は、環境省が本年度から取り組んでいる「里海(さとうみ)創生支援事業」に選ばれました!
『里海(さとうみ)』とは、住民と自然との共生が見られ、多様な魚介類が生息し、漁獲量が豊かな沿岸海域のことを指します。初年度の今回は、中津干潟のほかに、石川県七尾湾、兵庫県赤穂海岸、長崎県大村湾の4つの海域が選ばれました。
中津干潟では、これからササヒビ漁を生かした里海づくりが行われます。干潟を舞台に環境への関心がますます高まりそうです。
※中津干潟写真:水辺に遊ぶ会ミュージアム提供


