
環境にやさしい素材として注目されるオーガニックコットンは、「無農薬・有機栽培で生産された綿」で、統計によると全世界の生産量の1%未満しかありません(農産と繊維のレポート2011-2012 Textile Exchange)。
その要因は、綿花を農薬、化学肥料を使わず栽培するにはコストが高くなり、産業として成立しない、しかも無農薬・有機栽培を3年間行った農地でなければ認証されない厳格な基準があり、ますます無農薬への転換が困難なのです。
そんな農薬や化学肥料を使わず栽培された貴重な綿花が、「ゲゲゲの鬼太郎のふるさと」鳥取県境港市で栽培されています。
その名も伯州綿(はくしゅうめん)。江戸時代から明治初期に「伯州綿」は全国に流通したブランド和綿でしたが、明治29年の関税撤廃で安価な外国産が台頭し、衰退してしまいました。
しかし、地元に残る伝統的工芸品「弓浜絣/ゆみはまがすり」の原料として、その種が先人から受け継がれ、綿畑は細々と守られてきたのです。
2008年になって市の職員が耕作放棄地の解消策として、「伯州綿」の試験栽培に成功。翌年から栽培面積を増やして産地復活に挑戦してきました。
ただ前述の通り、農薬や化学肥料を使用しない栽培には、昔ながらの「除草作業」をする人手が足りない…そこで、広く地元の皆さんに、この綿の希少価値をPRして、作業に加わってもらう「栽培サポーター制度」ができました。
種植えから収穫までの作業を、一般の市民に参加してもらう制度でそのRPとして、境港市ではサポーターが栽培、収穫した綿を使って、新生児の家庭には伯州綿100%で製作した「おくるみ」を、100歳になられる方には長寿祝いの「ひざかけ」を贈呈しています。
その軽くて肌に優しい「おくるみ」をもらった家族が、次の新生児のために種まき、収穫に参加していく…そんな「まごころのサポーターの輪」が広がっています。
ちなみに栽培現場は、鬼太郎列車の走るJR境線の上道駅のすぐそば。7月になると黄色い花が咲き始めますよ!


