
手話で岡山を表すモチーフになるほど、結びつきが深い地元農産物『い草』。空気を浄化したり、有害物質を吸着したり、様々な地球に優しい機能も持っています。
かつて日本一の産地として有名だったのが、岡山と倉敷の間に位置する早島町。瀬戸内の自然環境に恵まれ、昭和30年代は輸出も盛んになるほどい草産業は栄えていましたが、環境やライフスタイルの変化と共に衰退。
平成12年、町の栽培農家は0になりました。しかし今、伝統文化を未来につなげるため、地元の若手グループ『早島農業体験協議会』が、町の栽培経験者の協力を得ながら、い草栽培の復活に取り組んでいます。
中心拠点となっているのは、町内に佇む築約200年の古民家を利用した『ゲストハウス いぐさ』。
滞在者は、苗作り・植え付け・収穫など、時期に応じた作業に参加できるほか、織る体験もできます。2013年のオープンから、県外からはもちろん、海外からは40を越える国から訪れています。
さらに、大きな作業シーズンには、滞在をきっかけに興味を持った人や地元住民など、多くのボランティアが駆けつけます。
い草栽培は細やかな手作業や肉体労働の連続で、必要な労力は米作りの4倍に匹敵するといわれています。冬場は田んぼの氷を砕きながら苗を植え付け、炎天下に収穫。梅雨時期には天日干しで乾燥させる必要があり、天気との戦いが続きます。
初収穫となった昨シーズンについて、協議会リーダーの中村慶生さんは「それなりに覚悟はしていたものの、実際にやってみると想像以上に大変だった」と振り返ります。
今年の栽培面積は1.2aで、畳にすると約10畳分。量産するにはまだまだ課題がありますが、将来的には製品開発も視野に、活動に期待を寄せています。早島を訪れる多くの人たちが手がけ、紡がれる製品で、い草の魅力を世界でシェアできるようになるといいですね!


