そして、イベント後半。サカナクションのステージは、「EARTH×HEART LIVE 2012、サカナクション!」という山口一郎の言葉とともに「RL」でスタートし、重低音が響くサウンドで会場の空気を一変させた。「モノクロトウキョー」「セントレイ」とテンポを上げていき、序盤から1万人の観客を自分たちのペースに巻き込んでいく。
「メンバー一同、フィッシュマンズを聴いてきたので、まさか同じステージに立てるとは思ってもいませんでした。僕ら的にも、ものすごく気合いが入っているので、みなさんも最後まで楽しんでいってください!」
中盤はゆったりとしたテンポの「アンタレスと針」でクールダウンさせた後に、心地よいテンポ感の「years」を演奏し、緩急をつける構成でグイグイと引っ張っていく。「years」の緑のレーザービームによる演出は幻想的な世界を作り出していた。
後半は聴きごたえのあるコーラスワークも印象的な「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」をはじめ、クラフトワークのようにメンバーが横一列になって演奏する「DocumentaRy」、最後はシングル曲「ルーキー」「アルクラウンド」「アイデンティティ」をたたみ掛けるように聴かせて本編が終了した。およそ70分、全14曲で構成されたステージは、このイベントのためだけに彼らが描いたひとつの大きなストーリーのように感じられた。