木村拓哉 Flow supported by Spotify - TOKYO FM 80.0MHz - 木村拓哉

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2026年05月10日Flow 第四百六回目「拓哉キャプテン × 千鳥」Part1

今月のマンスリーゲストは、お笑いコンビ、千鳥のお二人。
どんなトークセッションになるのか!? お楽しみに!


木村:本当に来てくれましたよ。千鳥のお2人! 大悟とノブ!

千鳥:お願いしまーす!

木村:お願いします!
「今、どなたかお話ししたい方いらっしゃいます?」ってスタッフに聞かれて。で、作品のプロモーションとかで2人の番組にお邪魔したりとかもさせてもらってたので、「この間もご一緒したんで。でも、千鳥の2人とか相当忙しくね?」って言ってて。で、「いや、来てくれることになりました」っていうふうになったので、「本当に来てくれたんだ」っていうね。

ノブ:そらぁもう当たり前ですやん!

大悟:忙しくてもですよ!

木村:やっぱ忙しいのが前提なんだね(笑)。

大悟:そらぁ、忙しくても来ますよ。

ノブ:まず、僕らの番組に、木村拓哉さんに来ていただけたっていうのは、本当に誇らしいです。

木村:いや、そんなことないですよ。

大悟:まだちょっと、正面見てしゃべれんよな。

ノブ:今のこの空間がおもろすぎて。

木村:なんで?

ノブ:だって僕ら、中学高校…まあ、大悟とは高校の同級生なんですけど、ずっと木村拓哉さんを見て、「かっこいいな」って。

大悟:だから、僕らが高校時代に流行った服は、全部木村さんですもん。

ノブ:全部です! 上から下まで全部、木村拓哉さん。

大悟:「木村拓哉さんが履いてた」ってなったら、みんな買いに行く。

木村:でも、それは、なんとなく存じ上げているぐらいですけど。島にいましたよね?

大悟:はい、島にいました。大悟は島なんです。

木村:あ、大悟のみが島?

大悟:でも、えらいもんで、木村拓哉は島まで来ました。なかなか届かないんですけど、木村さんは島まで届いてました。これは本当です。余裕届きですよ。

木村:そんなことないよ。島に何が届いてた? 何が流れ着いてた?

大悟:チェックシャツです。木村さんがチェックシャツを着てなかったら、未だに島にチェックシャツは届いてないんですよ(笑)。

ノブ:そんなことないわ!

大悟:それぐらい(笑)。ほんとに!

ノブ:だからチェックシャツが、「あすなろ白書」後ぐらいか。

大悟:レッドウィングか。

ノブ:レッドウィングは、「若者のすべて」。「若者のすべて」が中学なんですよ。

大悟:スーパーボールも島まで届いてきました。

ノブ:「ロンバケ(ロングバケーション)」ね。

木村:マジで?

ノブ:いや、スーパーボールはもともとあったやろ(笑)。

大悟:いやいや、なかったけど、木村さんが投げた瞬間に、島までスーパーボールが売り出されるようになった。

木村:学校の教室内で思いっきり投げたら窓割れるよ、っていうぐらいの大きさのやつ。

ノブ:そうでした。

大悟:あいつです。
だから、ちょっとなんか面白いというか。今のこの空間が「なんでこんなことが起こってるんやろう?」って感じです。

木村:いや、むしろお願いさせていただきました。だからもう、願ったり叶ったりで。
間違ってるかもしれないけど、僕の要望もかなったし、千鳥のお2人からすると今のこの現実がちょっと「嘘みたいやん」、「面白い」っていうふうに言ってもらえるんだとしたら、Win-Winってやつですよ。

ノブ:いや、もうそれは本当に。

大悟:番組来た時も、毎回ちょっと「え、なんでなんやろ?」ってなってますよ。

ノブ:木村拓哉さんを初めて見た時に戻っちゃいます。

木村:僕は、ノブさんのやつは、テレビ朝日系の番組が最初。

ノブ:そうです。「ノブナカなんなん?」で、木村さんがドラマの「(未来への)10カウント」の宣伝で来てくださって。

木村:それでお邪魔した時に、「お願いしまーす」っていう、そこが僕は初めて。

大悟:その話も僕はノブからすぐ聞きました。

ノブ:もう本当にかっこよすぎて。それが、初木村拓哉さんだったんですよ。

木村:いやいや、『初木村拓哉』っておかしいでしょ(笑)。

ノブ:ド緊張してたんですよ。僕も、弘中ちゃんも、見取り図も、皆大緊張してたら、木村さんが現れて。しかも、木村さん「10カウント」のドラマ撮って、へとへとボクシングして…。

木村・大悟:へとへとボクシング(笑)。

木村:確かにへとへとだった。

ノブ:ですよね。ドラマ撮影されて、これ2時間やって、またドラマとか、って、合間に来てくださったのも知ってるから、「やべ〜」みたいな感じで。
そしたら木村さんがさっと入って、もう、テレ朝中のスタッフがいました。

木村:いないよ。

ノブ:いや、本当に(笑)。

大悟:あれは別に木村さんが引き連れているわけじゃなくて、多分関係なく、見たくてひっついてきてるやつが何人かいると思うんですよ。

木村:嘘だぁ。それはないよ。

大悟:いや、本当にな。

ノブ:そうです。で、「木村拓哉さんだ!」と思ったら、木村さんがクールに「ああ、こんにちは」って来てくださって。やっぱりバラエティーのテンションじゃないから…。

木村:違うよ。それは多分、くたくたボクシングの後だったからだよ(笑)。

ノブ:絶対そうですよね(笑)。で、その後木村さんがゲスト席に着かれて、もうそれはスタッフも上がってるやん。「大丈夫かな」、みたいな感じで、「さあ、始まります」ぐらいの時に、木村さんが「いっちゃうよ!」って言ってくれたんですよ。

木村:(笑)。

ノブ:皆「えー!」ってなって。“クールキムタク”じゃなくて、“バラエティキムタク”に切り替えてくれた、ってなった瞬間、皆戦(いくさ)みたいに「うおー!」って言ったんですよ(笑)。

大悟:だから、絶対にその力があるんですよ。

木村:ないないない。

ノブ:それで皆の緊張感がとけて。みたいなのが、最初の木村さんで。

木村:そう。それはすごい僕も覚えてて。
で、大悟は、それこそお台場の湾岸スタジオの喫煙所で。で、僕も「時間あるんだったら、一服しとこうかな」と思って行ったら、その喫煙ブースに「あ、大悟だ」っていう感じで。

大悟:めっちゃ覚えてます。その5分ぐらいの中で、いろんなことが起こったから。

木村:あったね。

大悟:木村さんからすれば、当たり前な感じなんかな?

木村:いや、全然。

ノブ:タバコ吸うだけやん。

大悟:いや、タバコ吸うだけでも、1本の映画になるぐらいのいろんなことが起こって。

木村:自分と大悟以外にも、他の出演者の方が結構いらっしゃって。「あ、お疲れです」っていう感じで入っていったら、「あっ、千鳥の大悟だ」って。そしたら大悟もすごくカジュアルに「あ、お疲れさまっす」っていう感じで接してくれて。

ノブ:あー、多分、緊張を押し殺してね。負けちゃダメだって。

大悟:(笑)。

木村:何の勝ち負け? ないじゃん(笑)。

大悟:いやいや、負けてええ。他には負けたらあかんけど、木村さんには大負けで(笑)。

ノブ:島が、巨勢張って。

大悟:ちゃうねん。最初、第一声で木村さんがボケてくれたんですよ。

ノブ:えー!

大悟:その喫煙所に、わしらの番組に来てた男前の俳優の方が2人いたの。そこに木村さんと、木村さんのドラマに出てる後輩の俳優の方がいて。だから、男前の俳優、若俳優が3人と、大悟。…みたいなところに、木村さんが入って来たの。
ほんなら、わしもやけど、もう全俳優の後輩の方が「わー! 木村さんだ!」ってなって。木村さん、今ぐーっと上がったこの喫煙所の空間の緊張感をほぐそうと思って、ゆっくり男前の俳優さん1人ずつに「あ、おはよう」みたいな。「こんにちは」、「こんにちは」、「こんにちは」って挨拶していって…。で、わしのところで「(このメンツに並んでたらおかしいから)じゃあ出ていかないと」って言って。それが、第一声。

ノブ:あー。なるほど(笑)。

大悟:出ていったら終わってたよ(笑)。

ノブ:出ていったら、木村さんがただの酷い人になる(笑)。

木村:めちゃくちゃパワハラで終わるよね。

大悟:あの緊張感の中のそのボケ、わしは結構ギリギリ危なかったよ。「いやいや、おったっていいでしょ?」ってツッコんで、笑って。「ああ、やっぱこっちでよかったんだな」ってなった、後に…。
テーブルがあって、タバコ吸うててな。で、ライターとタバコがあって。その時、わしが持ってたライターが、“大悟ライター”みたいな。

木村:すごいの。自分のキャラのライターをちゃんと使ってて。

大悟:よしもととどっかがコラボした大悟ライターを、木村さんがパッと手に取ったのよ。じーっとそれ見て、わしの顔を見て、そのライター見て。数秒なんやけど、マジで1時間ぐらいに感じるの。
「何て言うんだ?」と思ったら、自分のライターをすっと出してわしの目の前に置いて、そのわしのライターを自分のタバコの中に入れて、「いい?」って言われて。

ノブ:えー! 嬉しいやん!

大悟:「いいです!!」ってなって。

ノブ:子供みたいに、ファンみたいに「嬉しい!」「いいっす!」(笑)。言うよな。
じゃあ、その大悟ライターを木村さんが持って帰ったってことですか?

大悟:持って帰ってましたよ。で、わしは木村さんのライター持って帰ったもん。

ノブ:うわぁ、すげえじゃん!

大悟:わし、2〜3日、いろんな飲み屋で、「これ、木村拓哉のライター」って言ってた。

ノブ:言うよね、言う言う(笑)。

木村:でも、ほら、僕が使ってた、その場に持って行ったライターって、何の変哲もない普通のライターだから。多分2〜3日、「これ、キムタクが使ってるライターなんだよね」って言ってた大悟は、「こいつやべぇ」、「何言ってんの、この人?」って(思われてた)。

大悟:なんの証拠もないからね。

ノブ:そんなことありえないしね。

木村:俺が持ち帰らせてもらったやつは大悟ライターだから、「これ、本人のやつなんだよね」って言っても信じてもらえるだろうし。今の会話を、一連でこうやって笑い話として聞いてる分にはほほ笑ましかったけど、新手のカツアゲだよね。

千鳥:(笑)。

大悟:いやいや、でも、わしからしたら嬉しいやん。わしのライター持っていってくれて、木村さんのライター貰って。
で、最後の最後に、木村さんは、自分のタバコの中にわしのライターを入れたわけよ。で、入れたタバコを喫煙所のテーブルの上に置いて、もうドラマの撮影かなんか始まるから、その喫煙所を出て行こうとしたのよ。ほんなら、わしとしては、わしのライターを貰ってくれたやけど、置いていくんかーい、と思うやん。

木村:その場にね。

大悟:「また木村さん、ボケてくれて」と思って、「ちょいちょーい! 置いてる置いてる、忘れてるー!」って言ったら、「いや、本当にこれは毎回ここに置いてるんだよ」って言われて(笑)。
で、わしもまだわからんから、「いやいやいやいや、そんな。これ、ほら、持っていかないと」みたいに言ったら、木村さんの周りの後輩が、「いや、本当にここに置いてますよ」って。

ノブ:恥ずかし(笑)! ドラマのスタジオが横で、喫煙所はここしかないから。

木村:その日の撮影の香盤をすべて消化して「お疲れ様でした」の時には持ち帰るんだけど、撮影が続いているその日1日は、俺はちょっと置いとく癖があって、いつも置いてあるの。
そうしたら、大悟が何度も「ちょいちょいちょいちょい!」っていう。

大悟:「持っていけ持っていけーい!」って言って(笑)。

ノブ:恥ずかしいツッコミをしてしまったやんな。

木村:俺も、そこからは素だから「いや、俺、普通に毎回置いてんだよね」って言ったら、「どっち?」みたいな顔されて。

大悟:「これはどっち?」と思ったけど、「あ、これは置いてる」ってなってから、「すいません。そうですよね」。「そうですよね」、も意味分からんねんけど。

木村:それが初でした。

ノブ:初でしたか。ドギマギするぐらい、木村拓哉さんという人は、もう僕らの中では伝説ですね。
全てじゃない? レッドウィングも木村さんだし、ネルシャツも、チノパンだって木村さんでしょう?

木村:いやいや、違うよ。

ノブ:チノパンが座ってるのと一緒なんですよ。

木村:いや、チノパンって、1人じゃ座れないからね。

大悟:足が入ってないと。でも、デニムもそうやろ? 茶色ダウンもやろ?

ノブ:茶色ダウンは「HERO」。

大悟:それまで、人間はダウン茶色は手を出さなかったんですよ。

木村:いやいやいや、着てたって。人類は着てた。

大悟:人類は、ダウンは黒まででストップしてた。

木村:それはない。

ノブ:レッドウィングも普通は茶色だったのよ。でも黒があったのよ。「若者のすべて」で。

木村:いや、だから、普通だよ。アメリカの文化の中には当たり前にいたし、それをたまたま自分がピックアップさせてもらって、ドラマだったりとかそういう場所で、「ああ、これいいかもな」と思って着ただけで。

大悟:何個かは、自分で選んで持っていくんですか?

木村:何個かというか、すごく恥ずかしくなっちゃうのが、「今回の役で、こういう靴どうでしょう?」って言われて、「ああ、いいですね」って思うんだけど、皆新品なんですよ。

ノブ:ああ、確かに。

大悟:衣装だから。

木村:それがめちゃくちゃ恥ずかしくて。「だとしたら、俺同じの持ってるんで、普段履いてるやつを持ってきます」って言って、もうソールがすり減ったやつとか、デニムで言ったらダメージがめちゃくちゃ入ってるやつとか。
まあ、あの茶色のダウンに関しては、寒い撮影の日に「衣装がこれしかないです」って言われて、「それはねえだろう」となって、その日着てたアウターがあれだったんで、「これ、着ていいすか?」って言って…。

ノブ:あれ、私物なんですか?

大悟:じゃあ、その日が寒くなかったら、あの茶色ダウンって世の中に出てないんだ。

木村:かも。

ノブ:今まで世の中の誰1人着てないってことや。

木村:いや、着るよ。

大悟:着てたかもしれんけど、絶対にそんな有名になってないな。

ノブ:え、じゃあ「若者のすべて」とかのエンジニアブーツとかもですか?

木村:あれも、「こういうブーツは?」って言われて、「ああ、いいですね。いいけど、これ新品ですよね」って言って。「新品を履いて歩くのはちょっと恥ずかしいんで。だったら、自分が履いてるやつで」って。

大悟:それで、家にある自分のを持っていって、ってことですね。

木村:そうそう。

ノブ:俺、ZIPPOを最初に見たのも、木村拓哉さんかも。

木村:いや、それは違うよ。それはもう名だたるいろんな方が、ZIPPOは使ってるし。

大悟:今は、もうZIPPO使ってないですか? 家にはある?

木村:家にはある。

ノブ:使っててほしいな、木村さん。

木村:一時期、いろんな開け方をしていたし。

大悟:マジで雑誌の表紙というかああいう系で、靴の裏を見せるあの撮り方したのも、木村さんが最初じゃないですか? 足の裏、パーンと一番最初にメインに持ってくのとか。

木村:そう? そんな、俺、初じゃないと思う。

大悟:いや、あれまで見たことない。

ノブ:男性なのに髪の毛が長い、も。

木村:いやいや(笑)。バンドマンもそうだし。

ノブ:吉田拓郎さんか、木村拓哉さん。

大悟:でも、ロン毛っていうのが流行ったのはそうか。

木村:結構何度もそういう話になったことあるけど、自分がああやって髪を伸ばしてた時分って、自分の周りの友達とか、先輩とか、ああいう方たちが本当に多かったし。

大悟:かっこいい人が周りにもいたんだなぁ。

木村:いましたね。

大悟:あの時代にですか。

ノブ:俺らは届かんかったね。やっぱ、真田広之さんみたいな、ジェルで固めた「高校教師」のああいう感じのが、ドラマの主人公って感じだったんですけど。

木村:髪長いのは、島までは行ってなかった。
あの、ごめんね。この番組って、ゲストがどう人生をFlowしてきたかっていうのを、いろいろお話聞く番組なんで。

ノブ:すいません。これは言いたかったっす。

大悟:最初の出会いの話だけでね。

木村:出会いの話になったから、今、こういう流れになっちゃいましたけど。

[OA曲]
なし

2026年05月03日Flow 第四百五回目

今週は、みなさんから頂いたメッセージを元にトークしていきます!
最後までお付き合いよろしくお願いします。


【広島県 ユキアイママ 62歳 女性】
私は小学校で音楽教師を30数年やっています。
木村さんのFLOWとの出会いは、母が入院して毎週日曜日の病院通いの途中に聴いてました。
途中で病院に着くので、「あー続きが・・・」ってことでradikoで聴くようになりました。
母は昨年亡くなりましたがこのラジオは今だにradikoで聴いてます。
私の中の木村さんのイメージはアイドル、世間知らず、みんなからチヤホヤされてる男の子。
何も知らないのにすみません。
しかしながらそのイメージは破壊されました。木村さんとトークで。
なんて賢い、なんて温かい人、なんて一生懸命生きてる人なの。ってファンになりました。
私も、もう少し子供達のために頑張ります。


木村:音楽の先生がこのラジオを聴いてくれているのは、非常にありがたいです。若干、“先生”っていう言葉がつくと、いつになってもちょっと「あ」ってなるよね(笑)。そういう学校生活ばっかり送ってたから、きっとそう感じるんだろう(笑)。
きっかけは分からないですけど、「この番組に出会ってくれてありがとうございます」っていう一言かな。

この“ラジオ”っていうところは、始まった当初からもそうだったんですけど、言いたいこと、今思っていること、世の中がいろんなことをああだこうだ取り上げてくれたりとか騒いでくれたりとかしているんだけど、「いや、こうだよ」っていうふうに、直接自分の温度で、言葉で、伝えられる場所っていうのが本当にあったから。言葉は悪いかもしれないけど、僕自身のガス抜きの場でもあったというか。
勝手にいろいろと、「こうだ、ああだ」と…まあ、今現在も言われてますけど。「なんか大変ですね」、みたいな目線で見られることもあるんですけど、「えっ、何が?」っていう。
この“ラジオ”っていうスペースと、あと、幸いにもこれは恵まれてるなぁと思いますけど、“全国38局ネット”っていうその場を設けてもらえていることの豊かさは、非常に感じるよね。やっぱこういうメールを読ませてもらって、改めて、じゃないですけど。

実際にいろんな方が聞いてくれて、触れてくれて、それでいろんなことを思ってくれている、いろいろなことを感じてくれてる、っていう。
それこそ、ユキアイママの言うように、小学校で音楽の先生をやってらっしゃる方も、「イメージを壊してくれてる」っていう。それは実際に、こういうことをやらせてもらえているからだな、とは思いますし。引き続き、できる限りはやらせてもらいたいな、と思うし。
いつの日からか、このラジオのリスナーから自分が「キャプテン」っていうふうに呼ばれるようになり、聴いてくれてる皆のことだったりとか、ライブの会場に足を運んでくれる皆のことを、僕が勝手に「クルー」と呼ばせてもらうようになり。その関係性が「これからも付き合ってね」っていうので、その意思表示の確認をこの場でもいろいろさせてもらってはきてるんですけども。

続いてのメッセージはコチラ!

【兵庫県 ヴィッセル垂水 46歳 男性】
拓哉キャプテン こんにちは!
聞いて欲しいことがあります。
最近、身の回りのモノが壊れすぎて困っています。
エアコン、お風呂、洗濯機と連続で壊れ、次に家の中で壊れそうなモノは何だろう?と疑似暗鬼になっていると、想像を超えて車が壊れました。
現在、車乗り換え中ですが・・・新しい車が来て落ち着いた頃に何か壊れるのが怖いです。
今のところ、身体は壊れていません。


木村:体が壊れてないんだったらそれでいいんじゃないか? そこが一番大事だしね。まあ、壊れるタイミング、そういうものってありますよね。
皆さん、確かに耐久性を持たせて作られているとは思うんですけど、より良いものって、伝統工芸的な、もう何代目なのかっていうふうに今まであったものを継承し、「まだ俺はできてねぇ」、「昨日よりいいものを作りたい」っていうふうに思っていらっしゃる職人さんたちもいらっしゃるし。
だから、“より”、“今より”っていう、“more than, better”っていうのは、尽きないんだろうなぁ。

電化製品の故障メールでこんな真剣な話をしている自分が、ちょっと違うのかな? って思ってきたんで、次のメールに行きます(笑)。

【千葉県 はるみ 66歳 女性】
木村さん、こんにちは。
以前放送された港区の50個の坂を走り抜いた「全力坂」、大好きな番組で保存してあり、元気になりたい時に見返しています。
先日、主人に肺がんが見つかり、2ヶ月で亡くなり、色々な感情の中で過ごしていましたが、木村さんの存在が私に元気をくれて前に進んでいます。
ライブも楽しみです。
全力坂の放送の最後に、「次回は目黒区!」と発表されていましたが、、、
50代になった木村さんに是非、目黒区全力坂をお願いしたいです。
これからも一生応援して元気をもらっていくので、全力な木村さんを沢山みせてください。


木村:これは脅迫状ですか? 何ですか? これは。
まあ、もちろん、その時出せる全力として…、僕の個人的な全力を出していきたいですし。
あとは、はるみさんが大好きな番組で、保存してくれているという「全力坂」。その企画をスタッフから持ってこられて、「あっ、できませんよね?」って言われたから、「今なんつった?」って言ってやっただけなんですけど(笑)。
「今はできませんよね?」って言われたら、「そうだね」って言える自信があります。ちょっと無茶振りをされて、やってみただけでした。

目黒区には、公式ウェブサイトで紹介されている坂が34個あるらしいんですけど。50個ないみたいなんですよね。なので、ちょっと残念なんですけども…。はい、ありがとうございます(笑)。

続いてのメッセージはコチラ!

【東京都 カプチーノ 70歳 男性】
木村拓哉 殿
拝啓、初めてメール致します。
私、70才のじいさんです。
木村さんのファンになって、30数年になります。
初めて木村さんを知ったのはドラマ「あすなろ白書」でした。
その頃はテレビドラマもあまり観ていなかったのですが、その日はたまたま家内と娘と一緒に観ていました。
そこで木村さんの「俺じゃだめか」みたいなセリフのシーンがあって、その木村さんが妙に気になってしまいました。
「あの俳優さんは誰?」と家内に尋ねると、「木村拓哉だよ。」と教えてくれました。
へぇー、何かいい感じの俳優さんだなと。
そしてそれ以来活躍の場をますます広げていく木村さんを拝見する都度、「やっぱいつ見てもかっこいいわ」と気付くとファンになっていました。
木村さんのエンタテイナーとしての魅力はもとより、木村さんのぶれない、余計なことを言わない姿勢に引き付けられます。
これってかなり難しいことです。
私も約40年の会社員生活を過ごしたので、その難しさはよくわかります。
まして芸能界の世界ではその難しさは、より一層ではないかと思います。
それでもいつもしっかりと自分を貫こうとする姿は、ほんとにかっこいい、ナイスガイです。
これからもテレビ、ラジオ、映画で木村さんを拝見するのを楽しみにしています。
ますますのご活躍をお祈りしています。
70にして初めてファンレターを書いた次第です。長々と失礼致しました。
それではお忙しい日々が続くと思います。くれぐれもご自愛下さい。


木村:70歳の男性の先輩から届いたファンレターでした。ありがとうございます!

[OA曲]
TRUE LOVE/藤井フミヤ

2026年04月26日Flow 第四百四回目

今週は、みなさんから頂いたメッセージを元にトークしていきます!
最後までお付き合いよろしくお願いします。


【広島県 ☆☆☆よっこん☆☆☆ 45歳 女性】
木村さんこんにちは!毎週、楽しい時間をありがとうございます。
Flowのサイトを見ていて気がつきました。3月末の放送で400回ですね!
おめでとうございます♪
ワッツ時代から聞いていますが、気がつけばFlowも400回!正直とても驚きました。
日曜日が待ち遠しく、そしてまた日曜日を待っているので、私としてはあっという間に感じます。
木村さんは、振り返ってみていかがですか?
500回、1000回と末永く木村さんの思いが聞けるこの時間が続くことを願っております。


木村:気づいてなかったです。それは僕だけではなく、直接関わっているスタッフも全く気づいてなかったです。
ということで、ちゃんと襟を正し直しまして、今日の放送を振り返ってみると…今日で404回目っていう(笑)。どんだけ気にしてなかったかがわかるでしょ? 404回目なんですよ(笑)。

そうやって「振り返ってみていかがですか?」ってよっこんに聞かれて、初めて振り返ってみて。1995年1月から、TOKYO FMさんにお世話になることになりまして。23年間続いた「What's UP SMAP!」、通称「ワッツ」と呼ばれていた番組が2018年に終わって、翌週の2018年の8月から、こちら、皆さんにお会いできるお昼の時間に引っ越しさせて頂きまして、現在の「Flow」っていうスタイルの番組が始まったんですけども。
言葉にしてすらスラスラって言うと、「へー」って感じなんですけど、読むとえぐいっすね。

そんな今現在の「Flow」なんですけども、いろんなゲストの方をお迎えして、その方が人生をどうFlowしてきたのか、っていう番組をやらせて頂く第1回目のゲストが、明石家さんまさんっていうね。
だから、いろいろ間違えてるよね。ゲストの方がどう人生を歩んでこられたのか、いろんなお話を伺っていく番組の1回目のゲストが、さんまさんっていうチョイスが、今思い返すといろいろ違うんじゃないかな、っていう。

たまにこうやって振り返ってみるって、すごく頭が冷静になりますね。その当時は「よし、新しいものがスタートするぞ! ゲストはさんまさんだ! 俺はもうフルアクセルで行くぜ!」っていう感じで、バーンっていう勢いで走り去ったような感じはあるんですけど。
走った後の今、「俺ってどういうところを走ったんだろう?」、「どういう走り方したんだろう?」っていう感じで見返してみると、えぐいことやってんな、っていうね。

さんまさんをスタートに、90組近いゲストの方に来て頂きまして。スタートがさんまさんだったので、「次のゲストとかどうされますか?」みたいな話をスタッフとさせてもらう時に、自分が交友関係を持たして頂いているいろんな方たちの名前を挙げさせてもらったら、「あ、いいじゃないですか、その人!」って。「いや、『いいじゃないですか』って、普通に僕の友達なんだけど」っていうところを、スタッフ的には「絶対いいっすね!」みたいな人選、結構多かったですよ。
自分のLINEのトーク履歴があるじゃないですか。そこで「来てくれる方がいるかな?」って遡ってて、「あ、この人、最近元気かな?」とかって言ったら「いいっすね! 話聞きたいっす!」みたいな感じになり(笑)。
スタッフ的にはノリだったのかもしれないですけど、でもそのノリがノリを生み出してくれた、と言うか。僕もスタッフのノリを受け継いで、そのノリに乗っかって、交友関係を持たせてもらってる方に連絡させてもらったりとかすると「行く行く」っていう感じで来てくださって。

その流れで、「グループは解散したのかもしんないけど、自分はやんないの?」、「もうマイク持たないの?」みたいなお話を振ってくれたりとかして。
そういう方がいてくださった、っていうタイミングで、リスナーの皆さんの中にも、「ゲストの方も仰ってたけど、うちらも待ってるんですけど」みたいな感じで、その流れが僕のところにすごく届いて。「じゃあ、もう1回(マイクを)持ってみる?」っていう話にもなって、それこそスタッフと話して「じゃあやらせて頂こうか」みたいな感じで、アルバムを作らせて頂いたりとか、ソロでライブをやらせて頂いたりとか。

過去の、90組近いいろんなゲストの方たちとのトークが、Flowのホームページに掲載されてるんですか? 俺、1回も見たことない(笑)。
そういうところに、文字として、トークの内容とかが掲載されてるんですね。チェックして頂ければな、と思います。よろしくお願いします。

よっこんのお陰でこういう言葉が言えるな、と思うんですけども、今年の8月で9年目に突入ということでね。これもまた中途半端な(笑)。なんだ、9年目って(笑)。
これからもよろしくお願い致します。

続いては、今月4月のマンスリーゲスト、北海道日本ハムファイターズの監督、新庄剛志さんとのトークを聴いてくれた方からの感想メールをご紹介します。

【山口県 たっくんLOVE1 56歳 女性】
キャプテンこんばんは〜♪(*^_^*)
Flow新庄さんゲスト、どんな感じでトークされるか楽しみにしてました♪
名前で呼び合う仲の良さ、20年振りとは思えない楽しそうなお二人。
人との出逢いで転機を迎えてらしたゲストが多い中、新庄さんは自分に自信を持ってらして、強い意志と、どうしたらいいかを見極めて、そこに向かって全力で向き合われて、人生切り拓いて来られた方だなって。
プロとしての仕事への向き合い方や、想い描いていた事と違う事が起きても見方を変えてポジティブに、という所は、お二人の共通点に思えました。
だから気が合うのかしら(*^_^*)
楽しい放送でした♪


木村:という、温かい目線の持ち主のリスナー、たっくんLOVE1さん。

【北海道 mao 56歳 男性】
今月は新庄監督がゲストという事で、1回目から楽しく聴きました。
お二人は年齢もほぼ同じなんですね。
私は熱心な野球ファンではないですが、新庄さんが監督になった時は正直、「とんでもない人が監督になったなあ」と思いました。
恐らく道民の多くはそう思ったはず。
でも、3年目あたりから、「コレは本当にやってくれるんじゃ?」という期待に変わりました。
今年こそはリーグ優勝、そして日本一になれるよう、私も精一杯応援しています。


木村:現実的な、リスナーの方ですね。

【福島県 ブリザード・コトブキ 31歳 男性】
新庄監督とのセッションを聞いて、いてもたってもいられず、初めてメッセージを送りました。
新庄監督もキャプテンもとても太くブレない芯をもってらっしゃるのだと思いました。
1つのことをとことん突き詰めていくその姿勢は、シンプルに人としてとてもカッコいいです。
色々な視点から物事を捉えられる、そして結果も出しているのは本当に尊敬します。
私もそんなものに出会えたらいいなと思うのと、何かを続けられるブレない芯を育てていきたいと思います。


木村:新庄剛志…僕は「剛志」って言わせてもらってるんですけど、リスナーの皆さんからすると今は“新庄監督”ですからね。
スタジオに入ってこられて、「あ、本当に来た」って思って、握手して、話し始めた瞬間に、普通はなんかもうちょっとあるよね。想像としては、世の中の大人同士だったら「本当にご無沙汰してます…」みたいな感じで、きっと何かがあるのかなと思うんですが。
なんだけど、なかったからね。「ウイーッス!」っていう(笑)。いいのかな? これは僕らだけのことだから、いいも悪いもないのか。
本当に、久々に会えて嬉しかったし。

「あ!」って思ったのが…、ここはね、その“20年ぶり”っていうのを実感した部分ではあったんですけど。
「来てくれてありがとう」っていう何かしらの気持ちを剛志に届けたくて、連絡先を探したんですよ。検索「しんじょう」って打って、ぴって検索したら、「新庄メール」っていうのが出てきて。きっと、繋がらないとか、変更をしたとかいうものが、20年の間にあったのかなと思って。残ってたのは「新庄メール」っていうやつだけでしたね。

続いてのメッセージはコチラ!

【栃木県 シオン 22歳 女性】
キャプテンこんにちは!
昨年の11月2日のラジオでメッセージを読んで頂いた者です。
今日はキャプテンに報告したいことがありメッセージしました。
パニック障害になり、人生を諦めようとしていたことがあるというメッセージを送ってから、1年以上が経過しました。
私はなんとか実習を乗り越え、今年の2月に国家試験を受けてきました。
私は人生を諦めようとしていました。
学校も卒業できると思わなかったし、国家試験も受けに行くこともできないと思っていました。
ですが、なんとか踏ん張ることができて、無事に国家試験の合格を掴むことができました。
キャプテンの「ここにいる」という曲が私を救ってくれたこと、本当に感謝しています。
4月から私は夢であった理学療法士として働くことができます。
そして、一人暮らしにも挑戦します。
今まで以上に体調に気をつけ、キャプテンのライブに参戦するんだ!と心に誓い、理学療法士として患者さんに寄り添い、精進していきます。
曲を通して助けてくれてありがとうございました。


木村:今現在のシオンにたどり着いたのは、シオン本人だけだし。そのサポートと言うか、「ここにいる」っていう楽曲を受け取ってくれて今に至ってる、っていうのは、またまたすごくやりがいを感じさせてくれるし。
確か、そのメールをシオンがくれた当時は、「大きな壁に直面しながらも、国家試験を受けてパスしないとなれないっていう事実があるので、必ず通ってみせます」っていう決意表明みたいな感じのメールをこのラジオに送ってくれていたんですけど。やりましたよ、決意表明の通りに。

こういう報告は嬉しいですね。ありがとうございます。
そして、シオン、おめでとう!

[OA曲]
羽/稲葉浩志

2026年04月19日Flow 第四百三回目「拓哉キャプテン × 新庄剛志」Part3

今月のマンスリーゲストは、北海道日本ハムファイターズの監督、新庄剛志さん!
新庄剛志さんとのトークも今週が最後! 新庄剛志さんにとっての「人生の1曲」も伺います!


木村:プライベートも軽く聞いていいですか。

新庄:うん。

木村:インドア派、アウトドア派、どっちですか?

新庄:監督になったらインドア派。選手の時は、もうバリバリ、アウトドア。

木村:じゃあ、今はインなの?

新庄:イン。この4年間、すすきのに1回も飲みに行ったことない。野球だけです。

木村:何してんの? 勉強?

新庄:これはよく言うんだけど、iPadを3〜4台持って。まず、今日のファイターズの試合。次に対戦する相手の試合。あと、いい選手がいないかどうかの、セ・リーグの試合と2軍の試合を、もう帰った瞬間に全部観るのよ。

木村:待って。同時再生? 4画面?

新庄:うん。で、大画面では違う試合が出てて。もう野球だけ。これはもう「真面目くさんな」って言われるかもしれないけど、実際にこの4年間、ずーっとそれしかしてない。
たまーに、平和島にボートしに行く。小さい頃から親父に福岡ボートに連れてってもらって、そこの記憶がすごくあるから。平和島に行くね。
発散やね。ストレス発散。

木村:で、今現在でも「12時間以上寝る」って聞いたんだけど、本当?

新庄:あるね。もう目が疲れて。12時間、トイレなしよ。

木村:それはでも、一度ぐらいはパッてちょっと意識は覚醒するけど、「まだ横になれるわ」っていう感じで?

新庄:もちろん。「あ、まだ4時半か」、で、そっから昼の1時ぐらいまで寝て。ただ、最近、無呼吸症候群がすごくて。寝てる間に息が止まる。

木村:無呼吸? このガタイで?

新庄:そう。監督に多いらしいのよ。心臓の病気と、呼吸系。責任があるから、やっぱストレスとかで、もう心臓が飛び出そうなぐらい。他の監督たちは心臓が悪くなるの。「一番やりたくて一番やりたくない仕事は、監督」って言ってたね。それぐらい預かってるから。サイン1つで負けに繋がるんだから、それはプレッシャーかかるよ。

木村:ごめん。また話戻っちゃうけど、サイン出してる?

新庄:俺は出してない。作るけど、覚えてない。

木村:嘘だろ?(笑)

新庄:本当。これ、他のチームは多分サインが9個ぐらいしかないのよ。バント、盗塁、エンドラン、スクイズ、リレイドスチールとか。9個ぐらいしかないんだけど、うち31個あるのよ(笑)。
俺がいろいろなアイディアが浮かびすぎて、「サイン作ろう」、「サイン作ろう」、「サイン作ろう」ってやったら、31個ぐらいできちゃって。それを今、選手たちが覚えて、やれてるっていうのは、すごくない?

木村:でも、発案者は覚えてないんでしょ?

新庄:ヘッドコーチがしてんのよ。「次の球がボール球だったら、スクイズ行くよ」、「次の球がストレートやったら、ツーランスクイズ行くよ」とか。早めに早めに言うのよ。
で、俺がサインを出したら、次の次のシチュエーションはどうしたらいいか、って。将棋と一緒よ。もう4、5手先を読んで、前もって考えてやらないといけないから、サインを出す暇がなくてヘッドコーチに出してもらってる。

木村:口頭で言ってるの。

新庄:「何球目はスクイズで行くよ」って。

木村:それも込みで、試合中は口も読まれないようにマスクしてんだね。

新庄:それもある。バント、バント、バント。エンドラン、エンドランは、やっぱりいつも抜かれるから。
そしたら向こうのキャッチャーが「あ、バント来るから」、「スクイズ来るから」、ってあっちのベンチが外せってなってしまうから、マスクを着けて。
あとは、マスコミの対応が多くて、風邪を貰いたくないんだよ。

木村:俺、それもね。夜やってるスポーツ番組とかニュース番組とかで、いろいろな球団が「〇〇でキャンプインしました。直接取材してきましたんで、観てください」とかいうところで…。ファイターズのキャンプインで、剛志が、もう言ったら南国ですよ? なのに、そこでちゃんと「おはよう」っていうタイミングでマスクして現れて(笑)。

新庄:(笑)。

木村:で、マスコミの皆さんに「今日何人ぐらいいらっしゃってんの?」って言って、「よかったら、これ寒いから食べてって」とか「暑いからこれ飲んでって」とか言ってんのを見た時に、「うわ、マジか」って、個人的に思ってるタイミングがいっぱいあって。
でも、最近はインドアってことは、趣味で何かをするとかっていう時間は、そんなにない?

新庄:ごめん。これはマジで野球しか見てない。

ここからは、この番組「Flow」に届いているリスナーからのメッセージに、新庄剛志さんにもお付き合いをしてもらいます!
まずはこちらのメッセージから!


【千葉県 ユウさん 27歳 男性】
私は突然の環境の変化が苦手なのですが、逆手にとって環境の変化を楽しむ方法はありますか?


木村:もう変化じゃないもんね。自分で変えていってるもんね。

新庄:そうね。俺、ちょっとアドバイスは難しいかもな。
挑戦してる自分を「俺かっこいいな」とか思ったりすると、その場所でいろんな行動力が生まれるかもしれないね。
俺はメジャーでアメリカに行って環境を変えることになったんだけど。「アメリカに行く俺ってカッコよくね?」って自分で言い聞かせて。「もっとかっこいい姿を見せたるわ。見とけよ」って。

木村:その「見とけよ」は、誰に?

新庄:日本中の野球ファンのみんなに。あとは、「俺はやったことないことをやってのけるからね」って。

木村:それ、自分には言わないの?

新庄:いや、俺はできるもんだと思ってしまってるから、言わないのよ。もうできるから。その辺はもうマイナス思考も全くなくて。いいことしか。

木村:それすごいね。だから「失敗したら嫌だ」とか、「失敗したらどうしよう」とか、「迷ったらどうしよう」とかいうことではなく、それはもう枠にないんだよね。

新庄:すっごいチャンスで打席に立って、打てませんでした。(という場面でも)「あ、ピッチャーが俺より上回ったんだ」で終わりなの。

木村:「自分が」じゃないんだ。「こいつがすごかったんだ」って。

新庄:ただ、これはよくないことなんだけど、相手のピッチャーが子供生まれたとか、結婚したとか、これで打たれたら2軍に落とされるとか、そういう情報を聞いちゃうと、三振してあげたくなるのよ。
俺はもう安定してレギュラーだから、「俺がこれを打ったら、この選手の家庭はどうなるんだろう?」って思い出すと…。

木村:マジ?

新庄:そう思ってしまうから情報をあまり入れないようにしてるんだけど。マネージャーから「生まれたらしいっすよ」って言われたら、「聞きたくない…」みたいになんのよ(笑)。

木村:いや、でもそのレベルで打席に立ってるっていうのも、プロじゃないとその尺度って言うか、その目線にはなれないよね。

新庄:あとは巨人戦。昔、巨人戦は地上波で流れてたじゃないですか。巨人戦は、2ストライクまで(バットを)振らなかったね。テレビに映りたいから。

木村:嘘だろ?

新庄:本当本当! これマジで。こういう選手多いよ。
田舎もんは特に。田舎もんの選手で打席立った選手は、ツーストライクまで打たない。テレビに映りたいから。

木村:嘘だ!

新庄:本当だって。バリバリチャンスの時はもう初球からいくよ。それ以外の時は、試合前の鏡でお尻のラインとか、首の位置とか…。

木村:それ、「他の人はやってません」って…。

新庄:たぶん長嶋さんはやってたよ。空振りしてヘルメットが飛ぶポジションを、「お、このポジションいいな」っていうのを練習してたらしい。やっぱ、野球はエンターテインメントだから。

木村:でも「練習してた『らしい』」でしょ?

新庄:『らしい』だね。そりゃ実際見てないからね。
長嶋さんはやっぱね、好きなんですよ。俺は落ち込むことはないんだけど、なんか暗くなった時は、“長嶋さん伝説”の動画を観るっていうね(笑)。
北海道とか、遠征先に行くじゃん。夏にはスイカとか出るのよ。 選手たちが1個1個甘いの食べたいんやけど、長嶋さんが全部先っぽだけ食べてるらしいんだよ(笑)。でもいいの、長嶋さんだから。何も言えないの(笑)。

木村:でも、それに近いことをやってるような気がするけどね。

新庄:俺が? ないない。野球やってる時の俺って、常識人より常識人なのよ。これ、本当に。

木村:いやそれは、自分で言ってるからなぁ。

新庄:でも、例えば主力が6試合ぐらい打てなくて、ポンッて2軍に落としたりできる監督は少ないよね。

木村:え、するの?

新庄:するのよ。なぜかと言うと、2軍で気持ちを入れずにリラックスさせて、余裕を持たせるために、早く2軍の試合に行かせた方がいいのよ。だって結果関係なくない? そうすると、1軍だと「わっ」てなるヤツが、2軍になったら「ふお〜」って溜めて溜めて、パンッて打てる。で、良くなってきたら、結果が出たから1軍に上げるとかじゃなくて、その打席の内容で「よし、今呼べる」って思ったら、すぐ呼んでスタメンで使って、2本3本ホームランを打ってくれる。

木村:じゃあ、今話を伺ってる限りでは、2軍っていうのは、要は、ちょっとレベルとか調子があんまりいまいちっていうゾーンではなく、“整える場所”なんだ。

新庄:そう。俺の中ではね。
だって、8人しか出れないじゃん。で、レギュラークラスの選手が1試合目、見る。出場機会なし。2試合目、3試合目、4試合目、こっちで出てる選手が調子いいから(出さない)。そしたら、どうさせたい? ポンって2軍に行かせて、打席に立たせた方が良くない? あのスピードの感覚っていうのは、4、5試合で変わってくるから。だったら立ってきなさい、って。
2軍じゃないよ。落ちたわけじゃないよ。1軍管轄の打席に立っていけだから、良くなったらすぐ呼ぶよっていう、2軍には落としてない感覚。

木村:面白い。でも、「環境の変化を楽しむ」って言うか、日ごろから楽しめてれば、環境が変わろうが何しようが、ってことだよね。

新庄:そうそう。もう、自分次第よ。

木村:今月は、北海道日本ハムファイターズの監督、新庄剛志さんをお迎えしてお送りしてきたんですけども。「2026年の目標、夢は?」って言われたら、もうそこだね。

新庄:リーグ優勝でしょ? それはもちろん。リーグ優勝が日本一より大事なんだよ。

木村:日本一よりそっちが大事なの?

新庄:そうそう。日本一は、もうあれは運だから。時のタイミングによっては勝つから。リーグ優勝というのは、143試合で勝率がいいものが優勝、やから。そこに選手たちを連れて行きたいね。

木村:そこが2026年の、夢、目標。それを掲げて。
あと、この番組は毎回ゲストの方に「人生の1曲」っていうのを伺ってるんですけど。剛志にとっての「人生の1曲」ってなんですか?

新庄:尾崎豊さんの「永遠の胸」っていう歌があるんだけど。
「どこがサビ? ここがサビでしょ? え、こっち? 何この音楽、新しい!」っていう。最初はゆったりめで、サビが来た、と思ったら、またサビ来て、また来た、みたいな。新しい感覚の曲で、俺は惚れ込んだね。

木村:いつ?

新庄:だいぶ前。

木村:1991年の曲。いろんな行き先を見せてくれそうな新庄剛志も、多分僕らはきっとまだ見続けて、追い続けて、で、一緒になってた分笑いそうな気はしますね。今日お話させてもらって、それをさせてくれるような感じがしました。

新庄:あとは、タクの(映画)監督ね。

木村:監督?

新庄:期待してるよ、本当に。今日からマジで、タクが映画監督になるっていう思考に変わったと思うから。

木村:やめてくれ。いやいや、変わんねーよ。

新庄:変わんないの?

木村:全然変わんないよ。またそういう無茶ぶりをするからね。

新庄:俺の直感をやってみ。さらに面白い人生に変わるから。「そう言えば、あいつ言ってたな」って。
遊びに来てよ。「木村さ〜〜ん!」で。

木村:そういうタイミングがあったら行きたい。是非是非、お願いします。
ということで、木村拓哉「Flow」。今月のマンスリーゲストは、新庄剛志さんでした! ありがとうございました!

新庄:どうも!

[OA曲]
永遠の胸/尾崎豊

2026年04月12日Flow 第四百二回目「拓哉キャプテン × 新庄剛志」Part2

今月のマンスリーゲストは、北海道日本ハムファイターズの監督、新庄剛志さん!
今週も賑やかにお送りします! お楽しみに!


木村:プロになって入団したのが、阪神。2年間はもうほとんど2軍ってあるけど。

新庄:2軍で外野手だけでやってたんだけど、内野も練習して。1軍の選手は8ポジションあるのに、センターだけ守ってたらセンターだけじゃん。だから「内野の練習させてください」って言ったの。俺、内野の1軍の選手は怪我すると思ってたから。

木村:何で?(笑)

新庄:何となく。それはもう説明はできないんだけど。

木村:出た、宇宙人。

新庄:で、内野の練習を4ヶ月ぐらいしたのかな? そしたらオマリーっていう、サードを守ってる外国人が骨折かなんかして、そこにポーンッて。

木村:「お前行け」って。

新庄:「あ、そう言えば新庄は内野してたな」みたいな感じ。「じゃあ使ってみようか」って言って、1打席目の初球にカーンってホームラン打った。
もうそっから、14年間ぐらいレギュラー。その1球だけで。

木村:マジ? へぇ〜。

新庄:で、オマリーが帰ってきました。さあ、監督が「新庄をどこで使おうか? お、あいつ外野してたな!」って言って。で、センター戻りました。そしたらもう、俺の本領発揮よ。
俺、本当に12球団で一番上手いと思ってたから。「ゴールデングラブ賞連続で獲りますよ」って宣言してたから。

木村:その時、自分で言ってたんだ。

新庄:言ってた。もう見たらわかるやん。遠投とか、肩とか、守備の足の動きとか。

木村:河原で石を投げてスタートしたその肩は、何なん? でも、筋トレとかした?

新庄:めちゃくちゃしてた。筋トレというより、親父が造園やってたから。「ちょっと剛志。これを絞って切りなさい」とか、「ここの石をこっからこっちに持っていきなさい」って。小学校2年生ぐらいの時にその石を転がしながら、「そういう仕事なんだ」と思ってた。それが、握力とか下半身強化に繋がったと思ってる。

木村:それ完全に「ベスト・ キッド」じゃん(笑)。

新庄:そうね(笑)。親父はもうプロ野球選手にさせたかったから。それで、高校の時には握力が90までいったね。

木村:90? すげえ! おもろ!

新庄:でもね、握力がある選手って、バッティング悪いのよ。

木村:それは何で?

新庄:力んで、ボールが当たる時に返しすぎるから。こっちが強いと。

木村:今、急に監督の目線になって、会話が始まりました(笑)。

新庄:やめとこう(笑)。
で、タイガースで10年やって、野村さんと出会って、バッティングも良くなり。で、10年目に「ちょっと日本の野球よりアメリカでやりたいな」って思い始めてて。

木村:それはきっかけがあったの?

新庄:日米野球だね。たぶん俺、日米野球で16打数、11安打ぐらい打ったんじゃないかな? もう、打ちゃあヒット、打ちゃあヒット。
で、肩とかはアメリカのスカウトの方たちが見て、「あの赤いリストバンドのやつは誰だ? 名前は?」ってなって。もう、アピール合戦よ。
そしたら日米野球終わって2日後に、メジャーのスカウトが(来たから)「何やねん?」と思って。
「年俸2200万円。レギュラーは決まってない。マイナーリーグかもしれない」(という条件で)、「はい」。行きました。「OK」。「2200万円、OK」ってサインして、1年目の夏ぐらいかな? 何ヶ月間か、4番を打ち始めて。
思った通りに4番を打って、帰ってきました。 何百人の前で、記者会見。それがさっきの、「記録はイチローに任せて、記憶は僕に任せて」のシーンで。
だから一歩踏み出す勇気と、根性っていうのかな。「動いたら何か起こりますよ」と。

木村:根性の前に、独特な、野生な感じだよね。

新庄:(英語を)喋れんし。俺「サンキュー」しか知らないんだからね。本当に(笑)。
(アメリカに)行っても、全く英語わからん。これ本当に、俺が日本語を教えた方が早いと思ったんだよ。

木村:相手に(笑)。

新庄:で、日本語を覚えてもらった、っていう(笑)。それのが早かった(笑)。

木村:そっちの方が早かった(笑)。だから、皆はその頭になんないんだよな〜。

新庄:でも、「3年で帰る」っていうのは決めてたし、言ってたから。もう3年で十分だろう、と。
なぜかと言うと、その年にメジャーリーグに野手として行ったのは、俺とイチローくんだったの。ピッチャーは結構いたけど。野手の第1号。
イチローくんが活躍するのはもう大体わかるわけやん。日本でもそこまでいい成績を残してない俺が、守備だけで成功しました。挙句の果てには、打順で打たせてもらって。
そしたら、「メジャーリーグは、新庄で通用するんだ」と。そのお陰で、日本から行く野手の選手が増えたと俺は思うんだよね。あれがイチローくんだけだったら、挑戦してないと思う。

木村:でも、その肩は1人しか持ってないからね。

新庄:イチローくんの後に大谷くんは行ったと思うけど。その間はね、挑戦してないと思うよ。それぐらい、日本とアメリカは差がありすぎたから。

木村:でも、大先輩の、本当にパイオニア的な選手の方たちっていっぱいいらっしゃったと思うけど、なんか1人だけその枠じゃないもんね。

新庄:(笑)。よく言われる(笑)。監督就任会見の時もね。見た? 襟。

木村:見たよ。「なんだ、あの襟?」と思って。

新庄:あれが、インパクトなんです。

木村:「あれが」じゃないのよ(笑)。

新庄:あの時のテーマが、「衣装でインパクトをつけて」。

木村:あれテーマあるんだ(笑)。

新庄:あるある。3つあるのよ。(1つ目は)“優勝しません”。

木村:言ったね。

新庄:で、(2つ目は)“衣装”。あとは、“ビッグボス”っていうニックネーム。
この3つは記事になるだろうな、というところで言ったら、「優勝しません」が勝っちゃって。

木村:監督になる人が言う言葉じゃないからね。

新庄:本当は駄目なのよ。でも、嘘で「優勝します」って言える? ほとんどの監督が言うんだけど。
何を言われようが、2年間、3年間は土台をしっかり作って、戦力アップして、層を厚くして。1年目最下位。2年目最下位。ここ! 行け! 優勝や!って言った時に、…2位だったよね(笑)。

木村:(笑)。そのテンションの違いよ。

新庄:初めて、「あら、思い通りにいってねえ」、「この人生面白くね?」ってなったの。ストーリー通りに行くのが俺やから。でも2位よ。「よしよし、面白いやないか」と。
大体俺は3年でいろいろ変わるんだけど、今もう5年目で、「3から5に移したらどれぐらい人生で変わるのかな?」とか「楽しいのかな?」って。
俺、本当はアパレルしたかったの。

木村:そっちも好きだからね。

新庄:そう。スウェットが大好きで。だから今年は、野球に集中しながらも、リフレッシュさせる時にスウェットのアイディアを…(笑)。

木村:スウェットのデザインも大事だと思うけど、打順もちゃんと考えてください。

新庄:はい、わかりました(笑)。

木村:くじでやってる時なかった? ビンゴ大会みたいなやつ。

新庄:1番から8番まであって、「はい、じゃあ2番!」、「お〜、4番! ティロリロリン!」みたいな。
あとは、ファンが見るオーダーを応募して、聞いて、人気順に1番から2番、3番、4番、5番、6番って決めてる試合もあったし。

木村:それは、最終的に嵌まる時もあったの?

新庄:大体勝つよね。

木村:マジで?

新庄:マジで。本当に勝つのよ。だから皆、誰を出しても上手いんですよ。

木村:なるほど。逆に、「ガラガラガラガラ、ぽとん。はい、2番!」ってやってる時、コーチの皆はどうしてんの?(笑)

新庄:もう、ボスの言うことは絶対ですから(笑)。 やりましょうよ、って感じやね(笑)。

木村:それは、ビッグボスに付き合ってくれてんだ。スタッフに恵まれたね。

新庄:そうね。スタッフも全員俺が集めたから。

木村:そうなんだ。

新庄:キャッチャーコーチ、ピッチャーコーチ、全部俺。そりゃ、やりやすいよね。

木村:じゃあ最終的に、今、監督になって5年目に突入してるけど、今は正確には何してんの? ちゃんとベンチで…。

新庄:当たり前やろ(笑)。
1年目は、ファンも喜ばせる野球と、選手を成長させる土台を作っていく年だったんだけど、3年目からは、真剣に勝つ野球をやったよ。1年目は遊びだったけど。3、4年目は、「さぁ、どうやって獲ろう」って。

木村:で、今も真剣?

新庄:もちろん。今年が1番。今年はもう“優勝しないといけない”年なのよ。“優勝したい”じゃないのよ。そのレベルに上がってるから。

木村:クオリティがね。

新庄:ソフトバンクに2連敗してるけど、いつも“3連覇できずに、ファイターズに優勝を持っていかれる”っていう歴史なのよ。だから今年はそれになると思うよ。

木村:お、「なると思うよ」(笑)。「思うよ」ってこのテンションも普通じゃないんだよな〜。すげーな。

新庄:監督になれたことは、自分でもすごいなと思うね。

木村:いや本当だったら、その前に…。バリに何年いた? 結構いたよね?

新庄:14年ぐらい。お金もなくなってきてたのよ。

木村:俺、なんかの番組で見たんだけど、剛志が地元のスーパーで、節約した飯を作ってて。「ここチキン安いんだよね」とか言いながら買って、「大体自炊してるよ」って言って、「ここで暮らしてた」みたいな番組を見た時に、「一緒に遊んだりしてたやつが、今何してんだ?」っていう感覚でいたら、いきなり日本に現れて、またグラウンドにいたのよ。

新庄:気がついたら(笑)。

木村:あれ? っていう。それで、テスト受けてて…。

新庄:そうそう。ある日突然お金がない、って。まぁ、その何ヶ月前から「さあ、どうしていこうか」っていうのを考えながら、ある日突然パッと目覚めた瞬間に、携帯持って、インスタのストーリーに「みんな夢はあるかい?」、「1%の可能性があれば成功する。スタートをきろう」みたいな動画出して、「俺は野球選手になる」って(宣言した)。47歳の時に、全部配信したのよ。
やっぱ、男って先に言ったらやらないといけないっていうのがない? 言ってしまったら、成功させないといけない、っていう。

木村:うん、あるね。

新庄:そこからトレーニングを始めて。トレーニングの配信もずーっとやって。まずは、体がおじちゃんやったらもう取ってくれないと思ったのよ。体から変えよう、って。バッキバキにして(笑)。
テレビでもバッキバキをアピールして、体を見たら「こいつ、プレーさせたら成功するんじゃね?」みたいに思うぐらいの体を作ってたのよ。

木村:なってたね。

新庄:で、「プロ野球選手を目指します」って言って、次に取った行動が、ジャングルに行って、ボールぐらいの大きさの石を集める作業から始めたからね。

木村:また河原に戻ったんだね。

新庄:そうそう(笑)。丸いボールを投げて肩を作らないといけないから、投げては拾って、投げては拾って、トレーニングをしてた。ジムじゃない。ジムがないから。

木村:いや〜、今このラジオもしファイターズの選手が聴いてたら、結構やべえって思うよね(笑)。

新庄:いや、もうヤバいって思われてるから(笑)。

木村:もう既に(笑)。

新庄:もう4年目、5年目になったらだいぶ免疫ついてるけど(笑)。「ボスは何を言うてんの?」って。

木村:「この人が俺たちの監督」っていう。すごいだろうね。
俺、もう1個、剛志らしいなと思ったのが、清宮くん。

新庄:スラッガーね。

木村:お父さんと一緒に「スマスマ」来てくれた時があったのよ。その時はまだ、ガタイもちょっとドカベンチックな、ドーンとした…。

新庄:ぽっちゃり気味ね。

木村:彼の入団が決まりました。ファイターズです。行った先には新庄剛志っていうのがいて(笑)。そこで出会って、一言、「お前(体を)しぼれ」って(笑)。

新庄:いやいや、「デブじゃね?」って(笑)。

木村:だからさ(笑)。

新庄:いやでも、ごめんね。これ正直に言うけど、清宮くんには「デブじゃね?」とは言ってないから。

木村:誰に言ったの?

新庄:『デブじゃね』がワードになると思ったから、マスコミには「デブじゃね?」って言った。そしたら、『清宮デブじゃね?』(と報道された)。
これでいいのよ。やっぱね、新聞の売り上げにも貢献をしないといけないって頭が俺はあるから。そのワードセンスというか…。

木村:もう誰、これ?(笑)

新庄:だって、わざわざ北海道に監督として選ばれたからには、北海道を楽しくしないといけないのよ。野球だけじゃないのよ。それが「デブじゃね?」になったの。

木村:まあな。確かにな。

新庄:で、「もうちょっと痩せようや」って言ったら、「ボス、今体重ちょっと増やしてます」と。「減らすと、打球が飛ばなくなるのが怖いんですよね」って言ったから、「今でも全然飛んでないよ」って言ったの。「前の方が飛んでたじゃん。それは何でかわかる? キレがあるから。キレがあって、お前は元々パワーがあるんだから、1回痩せようや」って。「一緒に進んで行こう」って言ったら、次の日から毎日、早歩きのウォーキングを始めてくれて、シューっとしぼってきて。で、18本ホームラン。今まで0本だったのよ。しぼったお陰で(打てた)。
でもそれは、「痩せてくれた」ということがあったから。

木村:まぁ、結果ね。

新庄:そしたら、男前になったのよ。『anan』の表紙にも出だして(笑)。

木村:いや、そこは1つの基準かもしれんが。でも確かに、本当にかっこいい。見違えてる。

新庄:「モテるよ」って。そしたら多分、美容とかファッションにもこだわり出して。プライベートの時、服装もおしゃれになったな、って。

木村:そこもちゃんと見てるんだ。

新庄:もちろん、全て。グラウンドで1回咳したら「風邪じゃないか? 大丈夫か?」、そしたら「風邪でした」みたいな。ゴホン、を1回だけだよ。そこまで見てる。ちょっとフラフラしてたら、「大丈夫かな?」って聞きに行ったりとか。

木村:それでここまで来てますからね。

新庄:でも、今までは自分のことだけで生きてきた人生で。もう他の人なんかどうでもいい。俺が楽しければいい、っていう人生から、監督させてもらったら、俺のこの脳みそと、この選手を使うっていう考えだけで、選手たちの人生が変わるわけよ。
俺は、人の人生を変える方が面白いなと思ったの。自分の自由気ままな人生を歩むより、「人のためにどうするか」っていうのは面白いね。もの凄く。

[OA曲]
なし

2026年04月05日Flow 第四百一回目「拓哉キャプテン × 新庄剛志」Part1

今月のマンスリーゲストは、北海道日本ハムファイターズの監督、新庄剛志さん!
どんなトークセッションになるのか!? お楽しみに!


新庄:よろしくお願いしまーす!

木村:本当に来た! さっき、このスタジオに来てくれて「久しぶり〜!」って言って握手させてもらったけど、正確には、こうやって会うのは何年ぶり?

新庄:たぶん20年ぶりぐらいかな? 一番最初のきっかけが、「スマスマ」やもんね。「スマスマ」で、俺が野球のフォームを教えたりして。すぐできて(笑)、また当てて(笑)。

木村:で、その後に…。

新庄:めっちゃ美味い焼肉屋に行ったの。俺が奢ってもらって。あと、サングラスを一緒に買いに行ったり。

木村:服選びに行ったり、玉突き行ったり。

新庄:その付き合いでね。

木村:そう。過去を振り返ると、プロ野球選手時代からもよく剛志本人は「宇宙人宇宙人」ってよく言われてましたけど。
でも、急に「俺海外に行く」って言って海外行ったりとかっていう、「そういう訳わかんないことをやるけど、でも、いずれ…」みたいなお話は、ちらほら伺ってたから。監督になって、今ベンチに座ってるのを見ると、「うわ、本当になってるんだ」っていう。

新庄:なったってね(笑)。自分でも思うわ。「俺、本当になったんだ」。

木村:その時に、「こいつ、本当に頭の中で思ってることをそのまま口に出して言ってるけど、いや、正直それはないだろう」って思ってたことが、今もう形になって。それこそ、札幌ドームっていうのが今までベースだったじゃん。それが今、エスコンフィールドっていうのになってるけど、それも、「こうで、こうで、飯も食えて、ただ野球だけっていうのはつまらんと思わない?」みたいなこと言ってたのよ。

新庄:嘘! (エスコンフィールドが)できる前に?

木村:そう。で、「エスコンフィールドっていうのができます」って言って、「いや、こんなのできるんだ、すっげえ。…待てよ、これ誰か言ってたな。誰だったっけ?」って思ったら…。

新庄:俺だ! 俺は、あそこのエスコンフィールドの周りをディズニーランドみたいにして欲しいな、って。スケート場があり、映画館があり、モールがあり、いろいろ。
この間、俺ディズニーランドに初めて行って、「ソアリン」っていう乗り物があって。

木村:いろんな国を旅できるやつね。

新庄:そう! ここで最後にエスコンフィールドにたどり着いて、芝の香りが匂えたらいいな、とか思って。で、球団に言ったのよ。「こういうパークにしませんか?」って。

木村:監督が(笑)?

新庄:フロントに(笑)。いや、それも俺の仕事やから。

木村:そこまでやってんの?

新庄:もちろん! いかに喜んでもらえるパークにするか。お陰様で、むちゃくちゃもうチケット取れないのよ。エスコンフィールドのお陰っていうのもあるんだけど、強くなったからね。

木村:今、久々にこうやって会えて、話ができて、っていう熱だけで、進行がスタートしてしまいましたけど。
ラジオを聴いてくれているリスナーの皆さんにご説明させて頂くと、僕の目の前でゲストとして来てくれた新庄剛志。今現在、日本ハムファイターズの監督なんですけども。
プロ野球選手として、日本のプロ野球では14年間プレーし、アメリカのメジャーリーグでも3年間。あれはメッツですよね。

新庄:メッツ、サンフランシスコ・ジャイアンツで、また出戻りでメッツ。

木村:そうだよね。ゴールデングラブっていうすごい賞があるんですけど、10回獲ってますからね。

新庄:本当は11回なのよ(笑)。ゴールデングラブ賞とベストスニーカー賞が同じ日だったのよ。で、ベストスニーカー賞の方に行ったのよ。(ゴールデングラブ賞は)もう何個も獲ってるから(笑)。

木村:そういう、冗談ぽく言ってますけど、半分本気みたいなちょっと変わった人なんです。

新庄:(笑)。

木村:コメントの中で面白いものがありまして。「記録はイチロー選手に任せて、記憶は俺に任せて」っていう本人の言葉通りなんですけど。そうね。プロ野球選手の皆さんは野球のプレーで人を「ワッ」ってさせていたけど、あの日本ハムの背番号1番を背負ってた時のパフォーマンスとか、もう完全に…。「俺、次はどういうマスクにしようか」って…。

新庄:言ってたね(笑)。

木村:「あれ結構高いよ!」って言ってたのよ。

新庄:カエル行って、スパイダーマン行って、自分の顔面の…。

木村:それの前に、同僚のチームメイトも巻き込んで、「俺が赤な」とか、「お前黄色な。俺青な」とか。

新庄:ゴレンジャーね。やった、やった。

木村:その後に、顔がバババババっていっぱい付いてる…。

新庄:知ってんねぇ。

木村:「知ってんねぇ」って、ああいうエンターテインメントをやられたら普通に目に飛び込んでくるだろ。
それで現在は、日本ハムファイターズの監督になり、もう5年目なんでしょ? もう嘘みたいなんだよ。

新庄:俺の計画では、3年目で優勝して、っていう計画だったんだけど。2位になって(笑)。最後の最後の方でソフトバンクに負けた瞬間に、めちゃくちゃ腹立って。もうその時点で決めたのよ。倒す、と。…次の年、また2位。

木村:(笑)。

新庄:今年こそは、と!

木村:(2019年に)もう一度受ける・受けない…。ジャッジをする側に立つのか、打席に入るのか、っていうのを。

新庄:トライアウトね。47歳で。あの時は、打席に入る(方を選んだ)。

木村:「俺、行こうと思ったら両方行けるよ」っていう感じで(笑)。

新庄:まずは選手して入っといて、コーチ役じゃないけど選手たちに教えていきたいな、っていうのはあったかな。でも、最終的にはここなのよ。監督なのよ。段取りってあるやん。

木村:それ、「段取り」って言っていいのかな?

新庄:俺の頭の中の段取りがあるのよ。トライアウト終わった後にすぐ監督のオファーが来たから、「うわ、やっぱ俺ってすごいな」って。段取りを一気にポーンってゴールまで行ってしまうって。

木村:(笑)。

新庄:前に俺と飯食いに行った時に、「タク、役のセリフっていうのは、何文字ぐらい覚えんの?」って聞いて。「俺は大体、2週間前ぐらいに来た台本を、バーッてストーリー見て、暗記したって思ったら、車にポンって伏せて、スタジオに行く」って言った時に、「は? どういうこと?」って思ったのよ。俺、5行覚えるのにも半日かかるのに。

木村:いや、かかるよ。
こっちから返球させてもらうと、俺が動画観てて好きだったのが、監督目線で、「プロ野球選手を目指してる人たちの実力なんて、もうほぼ一緒なんだよね」て言ってる剛志がスタンドに座ってて、「見てて。打席にバッターが入って、ピッチャーが今から投げますよっていう時の、あの選手の足見てて」って言って。「何を言い出すんだろう?」と思って普通に動画観てたら、ピッチャーがボールを投げました、っていう瞬間に、「あいつステップ踏んどらんやろう。あれ駄目なんですよ」って、なんか急に言い出したりとか。

新庄:(笑)。

木村:「台本の何を覚えて」とか、「カタカナ何文字の専門用語をいかに覚えて」って、そっちから見ると特殊に見えるかもしれないけど、こっちから見たら、150キロ以上の、真ん中に鉄の塊が入ったあんな危ないものを、木のバットで…(打つ方がすごい)。

新庄:お互い、プロ同士ね。

木村:そう。だから、こっちからすると信じられない部分はもういくらでもあるし。

新庄:実際投げれるしね。投げてみて、「え、こっから25キロもスピード速いんだ」と思うよね。

木村:思う。

新庄:すごいよね。

木村:「すごいよね」って、監督が言う?(笑)

新庄:本当にピッチャーはすごいと思う。

木村:いや、ピッチャーもそうだし、それを打ち返す(バッターも)…当てるだけじゃないじゃん。 だって、ある程度の自分の腕力と体幹がないと、あのスタンドまで届かせることできないでしょ。

新庄:そうだね。間違いない。

木村:でしょ? だから一緒だよ。

新庄:本当に尊敬するんだよね。

木村:俺はもう昔っから言ってるけど、スポーツのジャンル関係なく、野球にしても、サッカーにしても、ゴルフにしても、全て。“プロフェッショナル”のスポーツ選手。オリンピックメダリストもそうだけど、もう尋常じゃない。

新庄:あなたもよ。すごい俳優さんいっぱいいるけど、作品で出た数と、視聴率とか、人気にさせたあなた。それはすごいことよ。

木村:いやいや。ここで2人で、お互いに拍手をずっとし合ってるラジオっていうのも、ちょっと気持ち悪いので。

新庄:そうね、聴いてる方はおもんないね(笑)。

木村:ちょっと剛志の人生をフィードバックしてみようかな、と思うんですけども。
1972年1月28日生まれ。福岡県出身?

新庄:出身はね。生まれは、長崎県対馬。対馬の四畳半の部屋で生まれたんよ、俺。

木村:対馬なんだ。その後に大阪?

新庄:親父が造園をするっていうことで、福岡に。で、福岡で育った、という。

木村:小っちゃい頃は? いきなり野球じゃないの? サッカーなの?

新庄:野球が一番最後。一番最初はマラソンなのよ。マラソンが大好きで。

木村:何で好き? マラソンってさ、好きになるのは難しくない?

新庄:いや、俺は運動神経も半端なくすごかったから。将来は瀬古さんになりたかったのよ。瀬古さんと、イカンガーっていうランナーがいて。

木村:いたいた! あと、宗兄弟。

新庄:そう。平和台競技場からスタートしてゴールする福岡国際マラソンを、俺は観に行ったのよ。その時の瀬古さんがカッコ良すぎて。だって、42キロずっと着いていって、平和台競技場に入って歓声を浴びて、150メーターでラストスパートして、1位なんだから。
俺、マラソン大会でずっとそれ真似してたもん。もう余裕なんだけど、「早く行けや、1位」って思いながら(1位の後に着いて行って)、最後のラストスパートで抜く。「俺は瀬古さんになりたい」ってずっと思ってて。(憧れたのは)仮面ライダーじゃなかったのよ。

木村:へ〜、瀬古さんだったの(笑)。マラソンなんだ。

新庄:マラソン。で、その後にサッカー。普通に皆で遊びのサッカーでやったら、「俺、めちゃくちゃドリブル速くね?」って、「むちゃくちゃキック力あるよね」って。俺がガーンって蹴ったら、キーパーがもう逃げるぐらいのキック力だったの。
で、サッカーと同時に、ソフトボールを始めたのよ。

木村:ソフトなんだ。

新庄:ピッチャーして。親父に「マラソン選手と野球選手って、どっちが儲けられるの?」って聞いたら、「そりゃ野球たい」って言うから、「じゃあ野球してみようか」っていうのがきっかけかな。
「じゃあちょっと河原行くばい」って言って、「この石投げてみ」って言われて投げたら、もう小学校4年生ぐらいで90メーターぐらい投げてたのよ。そしたら親父が「ありがとう」って。もう「プロ野球選手だ」って思ったみたいで。

木村:待って。河原の石を投げて判断したの?

新庄:親父はね。ボールじゃなくて、石。

木村:「あ、こいつ行けるな」って。

新庄:野球してたから、遠投するフォームでわかったみたい。

木村:でも、お父さんは別にプロスポーツ選手じゃないよね。

新庄:野球選手になりたくて、やってたの。

木村:そういうのはあったんだ。

新庄:できなくなったんだけど、そのできなかった夢を俺に託して。マラソンとかサッカーしてるけど、親父の中ではもう野球。で、稼げる、と。
で、中学校から野球し始めたら、俺より上手い選手が3人いたのよ。3年間、1人ずつ抜きながらやっていく中で、1位にいがらしだいすけ君っていう子がいて、この子に全然勝てなかったのよ。それが悔しくて、悔しくて、練習しまくって、高校にも行って野球やったら、プロになった。だから、いがらし君のお陰なのよ。
いがらし君も、「新庄がプロ野球選手になれるんだったら、俺、絶対になれたよね」って。(いがらし君は)高校3年の時に肩壊したのよ。

木村:それで野球っていう道からは…。そうなんだ。でも、スポーツの世界ってそれも含め、だよね。メンタルだけじゃなくて、フィジカルがついてこなかったら無理だもんね。
で、高校も(野球を)続け…。

新庄:高校も続け、「もうプロ野球選手にしかならない」、という。親父に、「勉強せんでいい」って(言われた)。「勉強もスポーツもしたら中途半端になる。もうお前はプロ野球選手になるんだから、野球だけしなさい」と。
だから、本当に学校の授業に行かずに、野球の練習だけしてた毎日やったね。

木村:高校で?

新庄:うん。上手かったから、何にも言われないのよ。それも。「あいつはプロに行く選手」って、もう高校自体が思ってたから。

木村:でも実際それでプロになって、入団したのが阪神。

新庄:そう。そこもね、ドラフト5位だったのよ。ドラフト5位、阪神でかかって。
11球団が挨拶に来るのね。「お願いします。もう2位じゃ取れません。1位で行きます」みたいな話だったのよ。
で、生放送でドラフト会議が始まって、「お、来るね」って用意してたら、1位も2位も3位も4位も、名前出てこん(笑)。もう俺、ふてくされちゃって。「大人の世界は嘘つきが多い」って。「1位。せめて2位だろう」と。そしたら阪神5位で、「行きたくねーなぁ」ってなって。

木村:(笑)。

新庄:変なプライドがあったのよ。でも、「5位から這い上がって、まず1位のやつを抜いて、そこから1軍に上がってスターになっていく、っていうのも面白いかな?」って考え出したのよ。

木村:それは自分の中だけで?

新庄:自分の中だけで。ドラフト1位やったら、期待されて試合にもいっぱい使ってもらえるやん。だから5位から這い上がっていこうと思って、もう3年目で掴んだね。

木村:掴んだね(笑)。

新庄:もっとかかるかと思ったら。

木村:本当だったら「何だそれ?」って言いたいんだけど、実際掴んでるから、何も言えないんだよな。

[OA曲]
なし

2026年03月29日Flow 第四百回目

今週はみなさんから頂いたメッセージを元にトークしていきます!
最後までお付き合いよろしくお願いします。


まずは、現在公開中の映画「教場 Requiem」を受け取って頂いた皆さんから感想メールが沢山届いていますので、ご紹介させて頂きます。

【兵庫県 かよっぷ 44歳 女性】
拓哉キャプテン、こんにちばんっ☆
「教場 Requiem」公開初日に映画館で観させていただきました。
スクリーンからも伝わる「緊張感」と大きなスクリーンならではの「大迫力」、そして卒業式のあと風間教官が205期の卒業生ひとりひとりと言葉を交わすシーンに、目頭が熱くなりました。
更にエンドロールの最後には衝撃のラストカット…
本当に見応えのある作品でした!
単なる「Reunion」の続きではなく、教場シリーズの全てが入った詰め合わせギフトのような作品を届けて下さったキャプテン、中江監督、キャスト、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました(>ω<)
また風間教官と訓練生達に会いに映画館へ足を運びたいと思います!


木村:本当にたくさんの感想メールがこちらの方に届いております。本当に皆さんありがとうございます。
かよっぷも来てくれたという公開初日のタイミングには、舞台挨拶をさせて頂きまして。「せっかくやらせてもらえるんだったら、何か面白いことしたいよね」っていう。
今回、「教場」の「Reunion」もそうだったし、「Requiem」ももちろんそうなんですけど、東邦の宣伝部の森田さんっていうスタッフが、撮影現場から、作品自体の空気感もそうだし、「どうやったら観てくれる人にわくわくしてもらえるかな」とか、すごいしっかり考えてくれて。皆さんはどういう感じで楽しんでくれたのかなっていうのが、こうやって感想メールを見させてもらったり読ませて頂いたりとかすると、やっぱり「やってよかったな」とか、「考えた甲斐あったな」っていうか。

初日にお面みたいなやつを配らせてもらったんですよ。
よく『初日舞台挨拶』みたいな感じで、客席に座ってらっしゃる皆さんとキャストが一緒に1枚の写真に納まる、っていうやつあるじゃないですか。そういう時に、割と個人的に気になっていたのが、映画のチラシとかパンフレットとかで顔を覆って、顔バレしたり身元がわからないようにちょっと目だけを出して「イェーイ」ってやってくださってる方たちとかが結構な割合でいらっしゃるな、っていうふうに思ってて。
それで、スタッフと話した時に、「あ」っていうただの思いつきだったんですけど、「マルコヴィッチの穴」っていう映画が以前ありまして。映画館の全てのシートに、ジョン・マルコヴィッチさんっていう方が座られているポスターがあったんですよ。それをちらっと思い出して、「もし、風間公親のお面みたいなのを作れた場合、皆さんにお配りして、右目が義眼の設定なので左目だけに穴を開けて、それで皆さんの顔前に持って頂けたら、客席に座ってるのがみんな風間公親っていうのもちょっと気持ち悪くて面白くない?」っていう話をしたら、すぐに行動に移してくださって、作ってもらったりとか。
それを当日に劇場の皆さんにお配りして、写真に収めたら、ちょっとああいう異質な1枚の絵作りをさせてもらえることができて、非常に助かったんですけど。

もう本当に「俺らがマイクフォローに行った方がいいんじゃない?」とか全部具現化させてもらったので、やってる時も楽しかったし、考えてるときも楽しかったし。何より、本番でその場にいた方たちに喜んでもらえたっていうのが、すごく楽しかったですね。

続いてはこちら!

【埼玉県 ハル色のコート 53歳 女性】
拓哉教官、もとい、拓哉キャプテンこんにちわ!
「教場」観ました!
198期、200期の生徒のその後が観られたのも良かったけど、ドラマ「プライド」ファンのワタシとしては、坂口憲二さんと拓哉キャプテンの共演に加えて、拓哉キャプテンと一緒のシーンはなかったけど、松本幸四郎さん(プライドでは市川染五郎さんでしたよね)が出演されたことも嬉しかったです。
そこで拓哉キャプテンに質問です!
松本幸四郎さんが映画の中で解剖医の池上先生と紹介されたとき、「ん?」と思いましたが、その後のシーンでホワイトボードが映って、そこに「池上友則」って書いてありました。
そのまんまプライドでの市川染五郎さんの役名じゃないですか!?
松本幸四郎さんの役名は、なぜプライドと同じなんですか???
観るたびに気になるので、ぜひ教えてください。
まさか、たまたま偶然同じ役名だったとか?


木村:これはもう、完全に中江監督の遊びっすよね。
僕自身は同じシーンでの共演はできなかったんですけど、解剖医さん…池上先生の解剖シーンの撮影の日は、僕も現場に行きました(笑)。「おはようございます」って言ったら、「えー! 来てくれたの!?」みたいな感じで。「いや、もちろん。やってるって聞いたら来るでしょ」、「本当に今回はありがとう」って言って、ちらって、俺もホワイトボードに目がいったんですよ。
パッと見た時に『池上友則』って書いてあって、「待って、これどっかで聞いたな?」って思いながら監督の顔をしらってみたら、監督がすごいニタァッて笑いながらこっちを見てるから、「ああ」ってすぐに分かって、「なるほど」っていう。
これもう完全に「プライド」の友くんのまま、あの時も池上友則だったんで、「なるほど、そういうことするんだ」っていう感覚で、「じゃあ撮影お願いします」って言って。

なんかああいう、「本当に来てくれてありがとう」って言ったら、「いや、当たり前でしょ」みたいな感じで答えてくれたのがすごく嬉しかったし、そこに気づいてくれるお客さんもいてくれるのがまた嬉しいですね。
もうまさにその通りです。たまたま偶然っていうよりかは、むしろ監督が「そこに気づいてくれたら嬉しいな」っていう感じで、置きに行ってる感じでしたね。

そして、こんな可愛い感想メールも頂きました!

【愛知県 いろは 12歳 女性】
木村さん、こんにちは。
私は12歳、小学6年生です。
映画『教場 Requiem』を、家族みんなで映画館に観に行きました。
映画館の大きなスクリーンで見ると、すごく迫力があってドキドキしました。
最後まであきらめない風間教官と生徒の皆さんの姿を見て、私も4月からの中学校生活を一生懸命頑張ろうと思いました。
家族で映画を観た後は、みんなで感想をたくさんお話しして、とても楽しい一日になりました。
まだまだ寒い日が続きますが、木村さんもお身体にお気をつけてください。
木村さん、大好きです!


木村:めっちゃ嬉しいっすね。こういう「皆で感想をたくさんお話して」、「とても楽しい1日になりました」っていう。もうこれですよ、これ。映画、これ。もう一番嬉しい。
でも今回の映画「教場 Requiem」は、年齢制限がPG12なんですよね。だから、12歳未満の方が鑑賞する際には、理解しにくいテーマとか表現が含まれる可能性があるので、保護者の方の助言だったりとかがちょっと必要かな、っていうふうになる作品ではあったんですけど。いろはちゃんもちゃんとご家族で観てくれたということなので。まぁ、若干、クリスマス前後の時期のあのお話は、いろはちゃんには「ん?」っていうふうになるとは思いますけども。でも、感想を家族で話してくれてるっていうのが、もうめっちゃ嬉しいです。

いろはちゃんも、中学校生活はいろんな新しい先生だったりとか、クラスメイトだったりとかとの出会いがあると思いますけども、諦めずに。きっと風間は中学校にはいないと思いますけど、あれは普通の学校にはいない方がいいと思いますんで(笑)。いろはちゃんには、できるだけ毎日笑顔で過ごしてほしいな、と思います。

前編となる映画「教場 Reunion」は、Netflixさんの方で配信中。 
そして、後編となる映画「教場 Requiem」の方は、現在も劇場公開中! とのことなので、良かったら皆さん、是非受け取ってほしいなと思います!

[OA曲]
M.今日という日を/Uru

2026年03月22日Flow 第三百九十九回目「拓哉キャプテン × ヒコロヒー」Part4

今月のマンスリーゲストは、ヒコロヒーさん!
ヒコロヒーさんとのトークも今週が最後!
ヒコロヒーさんにとっての「人生の1曲」も伺います!


木村:こっからちょっとプライベートについても伺いたいと思うんですが。公式のプロフィールによると、競馬、麻雀、映画が趣味。それで特技が、盲牌(もうぱい)。これは麻雀をされる時に、目視せずとも、ツモった時に指の感覚で「ソウズ来た」とかっていうのが、全て分かる、と。

ヒコロヒー:はい。

木村:あとは、日常会話レベルの英語。そして韓国語。

ヒコロヒー:ちょっと韓国語は、最近あんまり喋れなくなってましたね。

木村:でも何で、英語も韓国語も日常会話レベルにいけるようになったんですか?

ヒコロヒー:いや、英語は単純に、25歳の自分の誕生日に…。その当時は全く売れてもないし、ネジの検品とスナックやりながらネタだけ書く、みたいな生活で。女の25歳って言うと、もう友達は恋人ができて、ボーナスで海外旅行行って、最新の化粧品が…とか、皆がそうやってる時に「私は何もないな」って思って。資格らしい資格もないし、お笑いも辞める気ないし、25歳の時にどうしようかな、ってなった時に、「1年に1か国語ずつ勉強していこう」と決めたんですよ。

木村:何だ、そのスイッチの入り方は。

ヒコロヒー:「30歳になった時は5か国語喋れる計算になるぞ」って思って、1年目で英語を勉強し出して。そしたら、ちょっと分かると楽しくなってくるから、しかも東京って自分のいるお店にも海外の方とか来てくださってたので、使えば使うほどどんどん楽しくなっていって、ちょっとだけ習得できたかな、みたいな感じです。
だから本当に最初の1年とかはテキストで勉強しました。

木村:でも、ネタも作ってたよね?

ヒコロヒー:はい。ネタも作ってました。

木村:それをやってたのに、よく「1年に1個言葉を覚えよう」ってなったね。

ヒコロヒー:だから、ちょっとネジの検品のシフトを減らしましたね。

木村:それがネジに響くんだ(笑)。

ヒコロヒー:はい(笑)。

木村:で、韓国語もそれの流れで?

ヒコロヒー:韓国語は、好きになった人が韓国の方だったことがあって、韓国の方とお付き合いしてた時にちょっとずつ喋れるようになって、っていう感じでしたね。

木村:へえ〜。でも麻雀が好きなんだね。
この間、自分が30年ちょっとぶりに会った「おお、久しぶり!」っていうヤツが、プロになってて。

ヒコロヒー:えー、すご!

木村:いや、元々共演者だったんですけど。その当時はバッチバチで「何だ、こいつ」というノリだったんですけど。お互いに色んな作品を経て…っていう。

ヒコロヒー:私の想像する方で合ってれば、彼の打ち方ってやっぱりすごいですもんね。私も拝見してます。

木村:(萩原)聖人です。そんな、オブラートに包まなくてもいいです(笑)。

ヒコロヒー:わからへんから(笑)。

木村:じゃあ、インドアかアウトドアかで言ったら、どっちなんですか?

ヒコロヒー:でも、外出かけるの好きなんです。それこそ釣りも好きですし。

木村:え?

ヒコロヒー:そうなんですよ。だから、たまに見さして頂いてます。釣りに行ってらっしゃる姿を。

木村:俺?

ヒコロヒー:はい。SNSなどで。

木村:剣道もやってんの?

ヒコロヒー:剣道は、東京に来た時に(笑)。

木村:嘘でしょ? 地元でじゃなくて?

ヒコロヒー:地元じゃなくて。もう本当に今でも一番戻りたくない時代なぐらい、上京したての時が一番きつかったんですよ。友達もいない、お金もない、家に風呂もついてない、みたいな時に、「メンタルを強化しよう」って思って。で、調べて、社会人で無料でできる道場みたいなのが武蔵小杉の方にあって、そこに行って。
でも、今よりももっと内向的と言うか、社交性の欠片もなかったような時期なので、行ったら、まず剣道って何いっぱい声を出させられるんですよ。

木村:出すよ?

ヒコロヒー:「おはようございます!」ぐらいなら別にいいんですけど、気合い? 「ヤー!」「コテー!」とかってやるのは、練習する時にそれがもう恥ずかしくて。

木村:ああ、まぁ確かに。

ヒコロヒー:そしたら、それが先生に見つかって、皆がバーッて並んでる中で「ちょっとあなた、前に出て1人でやってみてください」って言われて、「ヤー!」とかってやるのがもう本当に嫌で。でも、この嫌なのを頑張って耐えるんだ、ということで半年ぐらい通ったんですけど。

木村:自分自身を変えようと思って?

ヒコロヒー:はい、そうです。もう今思い出しながら喋ってても変な汗が出てくるぐらい、あれは本当に修行でした。

木村:だから、そこに自分を持ってくのがさ。幼少期でもないわけじゃん。大人になってからでしょ?

ヒコロヒー:はい。

木村:1年に1か国を覚えようとかさ。何なん? どっちなの? 共存してんの?

ヒコロヒー:何と何が、ですか?(笑)

木村:分かりやすく言うと、受け身と、攻め手と言うか。

ヒコロヒー:いやでも多分、10代の時が本当にちゃらんぽらんだったので、未だに「ちゃんと学校に行って勉強しとけばよかったな」とか思いますし。それが多分20代超えたぐらいの時に、ガッと来たんじゃないですかね。「何にも知らんな」とか。
部活もやったことがなかったから、部活をやってきた人たちの感覚も分からない。協調性とか、時間は何分前に集まるとか。

木村:それこそ、もし剣道とかを幼少期にやってた場合は…。

ヒコロヒー:もうちょっと違う人間になれてたんじゃないかな、というふうなことを、その辺りですごく思ったんでしょうね。

木村:だって部活とか経験してなかったら、忍耐とか意味わかんない、何やってんの? って思うもんね。
新宿の歌舞伎町の方に…「お店を出した」んじゃなくて、「お店を購入した」って何なんですか?

ヒコロヒー:買ってしまいました。本当にざっくり言うと、ちょっと通ってたワインバーがあって、そこのおっちゃんが結構好きで通ってたんですよ。本当にはすっぱな感じで、「ワイン飲まないなら帰れよ」とか、「ワイン飲む時タバコ吸うんじゃねーよ」とか、あと、ちょっと面倒くさいお客さんとかには「もうお代はいらないから帰ってくれよ」みたいな、結構はっきりした感じのさっぱりしたおっちゃんが好きで。
それで行ってたんですけど、そのおっちゃんが去年の2月に急に死んじゃって。奥様に「店どないするんですか?」って聞いたら、「もう売りに出そうと思ってます」って言われたんで、「ほな、わし買います」って言っちゃって、買っちゃって。
買っちゃったはいいものの、経営のこととかお店をやるなんてしたことがないから、「これどうしよう?」って言って。
そんなことを言ってたらYouTubeのスタッフが面白がってくれて、ちょっと企画ってことじゃなくてドキュメンタリーっていう形で、どうなっていくかを追っていきましょう、みたいなのをYouTubeでちょっとやったりとかしつつ…っていう感じですね。

木村:じゃあ、お店は買わしてもらったけど、それを「わし、これをどうすりゃいいの?」っていう。

ヒコロヒー:そうですね。そこから始まって…。

木村:今は?

ヒコロヒー:オープンしましたね。

木村:それは、どういうお店にしたんですか?

ヒコロヒー:「働きたい」って言ってくれた人たちがいて、その中から5人を選ばしてもらって。ご飯の美味しいフレンチのシェフがいたので、自動的に「ビストロフレンチ」になって。
あとワインセラーも大きいやつがあったので、そのままワインもいっぱい置いて、どういうわけだか、歌舞伎町でまさかのビストロフレンチのお店になりました。

木村:お?

ヒコロヒー:なんですか?(笑)

木村:いやいや、なんか聞き慣れたワードがいっぱい飛び交ったんで、おお、っていう、素通りできないなっていう感じはしたんですけど。

ヒコロヒー:キャッチしてくださって(笑)。で、ちょっと今歌舞伎町でお店をやってますね。

木村:「やってる」でいいんですね。「出てる」ではないですね?

ヒコロヒー:そうですね。関わってる。全然店にはいない。

木村:ちょっと楽しそうっすね。

ヒコロヒー:はい。是非、完全会員制というちょっと生意気な方法をとらせて頂いてるので、もし新宿に来られることがありましたら。

木村:でも、完全会員制なんでしょ? 会員になってないもん。

ヒコロヒー:もう会員です。私と知り合いの人はもう全員会員なので。

木村:「昨日何食った?」って言える人は、入れる?

ヒコロヒー:はい、入れます(笑)。

木村:それはお店の人に「すいません。どちらのご紹介ですか?」とかって言われるんでしょ?

ヒコロヒー:言われないです。もう私のツレなんで(笑)。

木村:(「ツレ」が)出てくれた、良かった。

ヒコロヒー:いや、あんまり目上の方に言う時、やっぱ一瞬憚られますね。「ツレって言ってええのんかな?」って。

木村:いやもうツレなんで。以後、「ツレ」でお願いします。

ヒコロヒー:ありがとうございます。

木村:今月はマンスリーゲストに、棟梁ことヒコロヒーさんをお迎えしてお送りしてきました。
TOKYO FMで「トーキョー・エフエムロヒー」を毎週木曜、夜8時から55分の放送中。

ヒコロヒー:ありがとうございます!

木村:今後、2026年、「こう行きますよ」とか「行ったるぜ」っていうのはあります?

ヒコロヒー:私、僭越ながらですけど、木村さんで何か書きたいです。実現するなんてきっともうずいぶん未来の話になると思いますけど、今日お話させて頂いてて、初めて「あっ」て。それこそ、“伝説の鬼”みたいなイメージだったんですけど、それが生身で2時間ぐらいお話させて頂いて、色々「こんなこと言って欲しいな」とか、「こういう街に立ってみてほしいな」とかが、実はうっすら…僭越ながらですけど。
私はまだペーペーなのでアレですけど、何か形になれる時が来たらちょっと書いてみたいな、っていうのは、今日、うっすら芽生えました。

木村:本当ですか? でもそれがね、いつか…。現場の踏み方としては色んな踏み方があるかもしれないですけど、それもある意味“共演”になりますもんね。だから色んな共演ができたらいいですね。

ヒコロヒー:頑張ります。ありがとうございます。

木村:この番組は毎回ゲストの方に「人生の1曲」っていうのを伺ってて。FM局なんで。ご自身の番組で「私が選曲するよ」っていう筋を通してる人にはちょっと言いづらいんですけど。ゲストの人の「人生の1曲」っていうのを伺ってるんですけど、何になりますか?

ヒコロヒー:「人生の1曲」は、中島みゆきさんの「ファイト」でございます。もうこれは、何度助けて頂いたかという、本当に人生の1曲です。

木村:マジっすか。それは中高で?

ヒコロヒー:もうずっとです。本当に私、ファンクラブに入ってた時期があるぐらいみゆきさんが大好きで。今回いろいろ悩んだんですが、やっぱり一番聴いて、一番奮起させて頂いてきた曲かな、ということで。

木村:なるほど。何か、選曲もすっと腑に落ちたな。ありがとうございます。

ヒコロヒー:ありがとうございます(笑)。

[OA曲]
M.ファイト/中島みゆき

2026年03月15日Flow 第三百九十八回目「拓哉キャプテン × ヒコロヒー」Part3

今月のマンスリーゲストは、ヒコロヒーさん!
まだまだトークは続きます!


木村:2021年に齊藤京子さんと一緒にやられている「キョコロヒー」さんがスタートし、2021年の段階では、もう出演本数ランキングでは5位に入られてて。

ヒコロヒー:ありがたい。

木村:前年まで18本だった出演本数が、1年で210本。

ヒコロヒー:はい(笑)。2025年は多分300とかになってたので、疲れてます。

木村:それ、何だと思う? 何故そこまで求められると思う?

ヒコロヒー:でも私も、自分事ながら非常に興味深くて。多分、世の中が疲れてたんじゃないかなと思いましたね(笑)。
それまでの、いわゆる女芸人とか芸人が求められてるようなことが、私は基本的になにひとつあんまりできなくて。愛嬌もないですし、可愛げもないので、今までの方々のような明るさみたいなところを持ち合わせてない自分みたいなのが、パッて皆様に注目して頂くって、世の中が疲れてたのかな、っていうのをちょっとだけ思いましたけどね(笑)。

木村:でも、だとしたら、めちゃくちゃ必要な処方箋ですよね。疲れてたところに求められるって、とんでもないよね。
ただ単純に、皆は“楽”とかを求めがちだけど、疲れたところに“楽”は求めないもんね。疲れてたら回復を求めるじゃん。リカバーを。
だから、そこに求められてたのかな? っていう分析で考えると、相当な存在ですね。

ヒコロヒー:いやいや。無理してない感じとかが、時代とちょうどよかったんですかね。

木村:でも、無理してるじゃん。

ヒコロヒー:めちゃくちゃ(笑)。働き者なんで(笑)。

木村:そして現在は、俳優業だったり、ラジオだったり、コラム連載だったり、脚本っていう活動を展開されてますけど。いや〜大変だな、これ。

ヒコロヒー:いやでも、全然まだ本当に「勉強させて頂いてる」っていう感じなんで、お笑い以外のことに関しては、あんまり大変って思えるところまで到達してない感じですね。

木村:でもさ、「映画大好きだったんで」ってさっき仰いましたけど、それは観るのが好きだったんですか? 何で映画好きだったんですか?

ヒコロヒー:何で好きだったんですかね? あ、「TOKYOタクシー」も最高でした。

木村:またそんな、無理しなくていいって。

ヒコロヒー:無理してない、無理してない(笑)。

木村:それこそ松竹ですからね(笑)。

ヒコロヒー:そうですね(笑)。

木村:俺、葛飾柴又に行きました。

ヒコロヒー:ほんまに、もう最高でした。

木村:“観る”っていうコミュニケーションではなく、今現在はそこに“いる”じゃないすか。その“いる”感覚はどうですか?

ヒコロヒー:もう本当に夢みたいです。今、ラジオもそうなんですけど、毎週自分の番組のラジオブースに入るたびに「夢みたい!」と思います。ラジオとか始まって5〜6年ぐらい経つんですけど、いまだに。
だから映画も、現場に行くたびに「夢みたい」って思います。小道具さんとか、照明さんとかが、ずっと本とかドキュメンタリーとかで見てたような「あ、これがあの本で読んだ〇〇っていう道具なんや」というふうなことをしてるのを、こうやって自分の目で見られることが、いまだに「すごい、夢みたい」って感じです。

木村:そして、作家さんとしても、2024年に出版した短編恋愛小説「黙って喋って」が、島清恋愛文学賞を受賞。

ヒコロヒー:いい声でありがとうございます(笑)。

木村:でもこれ、実際に芸人さんをされている方がこういう活動で受賞するっていうのは、創設以来初めてのことだったらしいですね。

ヒコロヒー:はい、そうみたいですね。もう訳がわからない思いです。

木村:でもやっぱそういうところにちゃんと届いてるんだもんな。

ヒコロヒー:本当にありがたいですね。今年の年明けぐらいに、金沢でこの賞の授賞式があったんですよ。その時に、多分私がどういう立場か、っていうのを度外視で、本当に本だけを見て決めてくださったんだな、っていうことがすごく嬉しかったこともあったんですけど。
本当に私のこと知らないから、ちょっとカチッとしたスーツを着た運営の偉いっぽいおじさんが、待機してる私のところに焦った感じでパッと来て、私に向かって「すいません! ヒコロヒーさんってどこにいます?」って言うから(笑)、「えっ?」て思って。「ほんまに知らんやん、私のこと」ってなって、そんな感じで言われるから私も焦っちゃって。

木村:一緒に探した?

ヒコロヒー:そうです。「あっちにいました」とか言って(笑)。で、10分後ぐらいにうちのマネージャーが来て、「なんかさっきおじさんに、『ヒコロヒーさんですか?』って聞かれたんだけど」って、もう情報が錯綜して(笑)。
だからそれぐらい、本当に本だけを見て決めてくださったんだな、っていうのがありがたかったです。

木村:何か、“ほどよい”んだよな。“トゥーマッチじゃない”って言うか。そんでもって、色気が若干あるんですよ。その「黙って喋って」っていうのが、そう感じるんですよね。

ヒコロヒー:えー、嬉しいです。

木村:本当に。「色」だけじゃなく、ちゃんとそこに「気」が隠れてるって言うか。表面上はちゃんと「色」が「あ、どうも」っていう感じでいるんだけど、「え、行かない方がいいよね」っていう感じの「気」がいる感じ。

ヒコロヒー:OLみたいな感じの「私は今行かない方がいいかな…」。

木村:うーん、だから、立場上、空気を読むツレ。

ヒコロヒー:出すぎず、引っ込みすぎず。

木村:そう。「今、自分が前に出てて、ここが盛り上がる」っていうよりかは、「今は皆で盛り上がってるよね」っていうのをちゃんと俯瞰で見れるツレ(笑)。

ヒコロヒー:(笑)。ありがとうございます。

木村:でも、さっき仰ってましたけど、ラジオもやってるんですよね。

ヒコロヒー:そうなんです。

木村:TOKYO FMさんで。

ヒコロヒー:ありがとうございます。木曜日の夜8時から「エフエムロヒー」というラジオをやっておりまして。
今日はすごかったです。さっき自分の番組の収録が終わったんですけど、今日の収録の時、うちのスタッフたちが「いや、今日はキャプテンの収録ですもんね。ヒコロヒーさん、このあとね。今日はね、キャプテンのね…」とかって。もう男子スタッフたちがもう「うわーすごい!」って、うちのスタッフ、皆今日勝手に見学とかに来てて(笑)。

木村:なるほど、そうか。同じTOKYO FMさんの中では、自分のこと「キャプテン」って呼んでもらってるんですか。

ヒコロヒー:キャプテン。

木村:そうなんですね。「キムタク」じゃないんですね。へぇ〜。
その「エフエムロヒー」さんでは、どういった感じの内容を?

ヒコロヒー:いや、本当に大したこと喋ってないですね。もうくだらない…。

木村:公共の電波を使って、くだらないことで50分はいけないですよ。

ヒコロヒー:本当にそうなんですよ。ひねくれてるので。

木村:何に対して? リスナーからの何か?

ヒコロヒー:そうです。リスナーからのメールとかに対して、ちょっとほっこりするようなお便りが届いたりとかすると…。私の番組、子供からお年寄りまで、すごいお便り頂くんですけど。

木村:ここも来ますよ。小学生から、80何歳の先輩もある。

ヒコロヒー:それはさすがです(笑)。8歳の女の子からのお便りとか来たら、「ラジオ捨ててくれ!」みたいな(笑)。「もう私のラジオなんか聴かんといてくれ!」、「こんな大人になるな!」みたいなことばっか言って、それだけで50分終わったこともあります。「聴かんといてくれ」って言い続けるだけの回とか。本当にいつTOKYO FMさんをクビになるかわからん。

木村:リスナーとしては、かなりドキッとするラジオですね。聴いてる人的には、「聴かんといてくれ」って言われたら。

ヒコロヒー:もう平気で言ってます。「やめてください。品行方正な人間になりたかったら、今すぐラジオ変えてください」って(笑)。

木村:「今すぐチャンネルを変えろ」ってね。それ、自信があるからこそ言える言葉ですからね。覚えといてね、リスナーの皆さん。すぐに「チャンネルを変えろ」とか、テレビで仰る方もたまにいらっしゃるけど、これは覚えておいてくださいね。

ヒコロヒー:分析するのやめてください(笑)。
最初、番組始まった時に、番組から「これをかけてください」「あれをかけてください」って言われるのがすごく嫌で、「嫌です」って言って。

木村:AMさんでもなく、TOKYO FMに来てるのに?

ヒコロヒー:そうです。本当にラジオが好きだったので。私の好きなパーソナリティの皆さんは、かける音楽にもすごく愛情があったり、そこにメッセージを込められたりとかしてて、そういうパーソナリティさんがやられるラジオをずっと好きで聴いてたので。
TFMさんでラジオやらせて頂くってことになって、もうそれこそ山下達郎さんのラジオをずっと聴いてたから、「わー嬉しい!」って来てみたら…。しょうがないんですけど、大人の事情とかお付き合いで「これかけろ」「あれかけろ」って言われて、最初のうちはおとなしくやるんですよ。やるんですけど、3週目ぐらいでもうどうにも無理で…。

木村:早いね。3週目にそれが始まるって結構だね。

ヒコロヒー:で、自分みたいな身分というか立場で言わして頂くのも生意気なんで、「これをやるのであれば、多分私じゃない人にした方がいいと思います」なんていうお話をさして頂いて。「私がやる必要がない」みたいな(笑)。

木村:(笑)。

ヒコロヒー:「私がやるんだったら、ちゃんと責任持って全部やる」って言って。それで、TFMのスタッフの皆さんが完全に折れた形で、「じゃあもう好きにやってください」っていうことで、今は本当に全部やらせて頂いてます。

木村:わかった。もう、大工の棟梁だね。

ヒコロヒー:(笑)。一番偉い人ってことですか?

木村:いやだから、いやそれぐらい責任を持つってことですよ。「やっとけ」って言われたことを「はい」って言って、汗をかきながら一緒に物は作るけど、要は、そこのケツ拭きと言うか、「何かあったら俺が責任取る」っていうスタンスだね。

ヒコロヒー:そう、それができない。それができなくなるっていうのが、ちょっと心苦しかったですね。

木村:なので、第3回目にして、早くも大工の棟梁的な症状が発症し…。

ヒコロヒー:発症しましたね。

木村:で、今に至る。「今回はこれ」っていう選曲をする時の決め所はどういうところなんですか?

ヒコロヒー:そうですね。でも基本的には、最近自分が聴いて「あ、これを紹介したいな」とか。あとはお便りに基づいて、「今自分はこういう状況です」なんていうお便りを送ってくださった方に、自分みたいなものが言葉で伝えるよりも音楽をご紹介させて頂きたいっていう、そういうところに寄り添えたらいいな、というような。

木村:邦楽ですか? 洋楽ですか?

ヒコロヒー:どっちもですね。

木村:広いんですね。それはやっぱ、スナック経験も生きてるんですか?

ヒコロヒー:かなり生きてると思います(笑)。

木村:絶対そうだよね。

ヒコロヒー:確かにその時に、昭和歌謡とかもそうですし、ちょっとカルチャーめいた方々とかがY.M.O.さんのことを教えてくださったりとか、もっと古い、70年代60年代のいろんなバンドとかUKロックだとか教えてくださったっていうのもあったかもしれないです。

木村:じゃあ結構守備範囲広いんすね。

ヒコロヒー:はい。音楽、どういうのがお好きですか?

木村:僕はもう、基本アメリカンロック。1ヶ所に興味がいったら、その人たちはまず「俺たちは、誰々の音楽を聴いて育ったんだよ」って言うじゃないですか。そうするとそこに行ってみて。
また彼らって、どういうバトンの繋ぎ方してんだろうと思うけど、大体好きなアーティストとかリスペクトしているバンドTを着て、ステージに上がるじゃないですか。

ヒコロヒー:確かに。影響受けた(アーティストの)…。

木村:例えば、エアロスミスに自分が惹かれ、エアロスミスのライブを観てると、スティーヴン・タイラーがツェッペリンのTシャツ着てたりとか、ジョー・ペリーが全然違うアーティストの、キッスとかのTシャツを着てたりとかすると、「おお?」っていうふうになって、またそっちに葉脈が広がっていくって言うか。そういう感じで好きになってましたね。

ヒコロヒー:木村さんって、ちょっとオタクっぽい感じですか?

木村:僕は薄い出汁でよかったのに、俺より濃いめが好きな友達がいてくれたから、だと思う。その友達は、当時バリバリにギターもバンド活動もしてたし。

ヒコロヒー:へ〜、確かに、そういう存在が1人いるといろいろ広がりますよね。

木村:自分は自分で、全然違う。音楽はそっち系が好きなんだけど、「はい。この衣装着て」、「くるくる回って」、「はい、カメラに向かって笑って」っていう。
なんだけど、5〜6歳のヒコロチーちゃんに、「あ、こいつ、絶対ワルやな」って見透かされてる、そのタイミングです。だから、その辺が匂ったのかもしれないですね。

ヒコロヒー:そうですね。

木村:その匂いが伝わっちゃったんだろうな。

[OA曲]
なし

2026年03月08日Flow 第三百九十七回目「拓哉キャプテン × ヒコロヒー」Part2

今月のマンスリーゲストは、ヒコロヒーさん!
今週もどんなトークになるのか? お楽しみに!


ヒコロヒー:実は私、お見かけしたことがあって。

木村:どこで?

ヒコロヒー:お台場の湾岸で、私は「新しいカギ」の収録をやってたんですよ。ケータリングがバーってあって、霜降り明星のせいやっていう奴と一緒にケータリングを「うまそう」って言って撮って、そのままスタジオに戻ったら、私たちがスタジオ間違えてて、一歩入ったところが、「教場」さんのスタジオで。
「えー! ヤバイ、なんか空気が違う!」ってなってパッと見たら、木村さんが…もう本当に一瞬ですよ。一瞬だけ大部屋みたいなところで立ってらっしゃるのが見えて…。

木村:前室かな。

ヒコロヒー:前室で立ってらっしゃるのが見えて、うわーって言って、私たちは戻って。もう、せいやとなすりつけ合いですよね。「お前が間違えたから」とか言って。
でも私とせいやの中で「でも、見た?」って。「わし今さっき木村さん見てもうた」って言ったら「俺も見た」って言って。「ほんまに立ってはったなぁ」っていうのを、私たちの中でかなり言ってましたね。

木村:“伝説の鬼”っぽく言うのはやめてほしい(笑)。「見た?」「見た?」っていう。

ヒコロヒー:(笑)。いやいや、それはもう伝説だらけですから。

木村:それやめてもらっていいですか? 普通にいるんで(笑)。

ヒコロヒー:いえ、あともう1つ謝らないといけないのが、私たちが撮ったケータリングは「教場」さんたちのケータリングでした(笑)。勝手にバーっと撮ってました。それさえも間違えてました。

木村:へ〜、そうだったんですね。

ヒコロヒー:はい、そうなんです。今回ご一緒させて頂くということで、あれを思い出したりしつつ。

木村:以後、もし何かあったら…。

ヒコロヒー:はい、ご挨拶させて頂きます。

木村:逆に、もし今後「あ、いらっしゃるんだ」ってなったら、俺はどういう感じで行けばいいですか?

ヒコロヒー:いやでも、私はめっちゃ嬉しいんですけど、そんな気さくにしてくださるのかっていう気持ちはありつつ、周りのスタッフさんがめっちゃ「な、なんだなんだ?」ってなりそうですよね(笑)。木村さんがヒコロヒーに「おー」とかって言ったら。

木村:いやだって、「ツレ」でしょ?

ヒコロヒー:はい。

木村:だからツレ感で。

ヒコロヒー:いいですか?

木村:じゃあ、脚本家として、第一声は何て言えばいいですか?

ヒコロヒー:脚本家として? もし木村さんに言わせたいセリフがあるとするなら、「昨日何食ったの?」。

木村:それが第一声?

ヒコロヒー:第一声。

木村:「お疲れー」もなく。

ヒコロヒー:はい。パーって近づいてきて、「昨日何食ったの?」。

木村:何かそれを言いたくなる要因として、ヒコロヒーさんの方からの何かを感じ取っていい?

ヒコロヒー:それは「私がニンニク臭いから言ってくれ」って言ってるわけじゃないですよ(笑)。私がニンニクの匂いするから、「何この匂い。昨日何食ったの?」っていう、それじゃないです(笑)。それじゃなくて。
「木村さんに言って欲しいセリフ」と言うか。私の中の作家性で勝手に言わせてもらうと、なんかちょっと突拍子もなさもありつつ…。

木村:(距離感が)近いんだ。すごい近い。

ヒコロヒー:そうです。

木村:だから下手したら、もう目も見ず、って感じだよね。

ヒコロヒー:そうですね。パッて来て。

木村:肩が触れるか触れないかぐらいの距離で、見る見ないも現場任せで、っていう感じで。「昨日何食った?」って言う。

ヒコロヒー:はい。

木村:なるほど。それをちゃんと覚えておきます。

ヒコロヒー:いや、ありがとうございます(笑)。ご一緒させて頂けるように頑張ります。

木村:こちらこそお願いします。
逆に、大阪の松竹さんの地下の施設にいたのに、そっから今は東京にいらっしゃいますけど、上京することになったのって、何かあったんですか。

ヒコロヒー:いわゆる、“脱竹(だっちく)”と呼ばれる行為なんですけど、松竹芸能の芸人が辞めるという行為を「竹から抜ける」という意味で“脱竹”と巷(ちまた)では呼ばれていたりなんかするんですよ。

木村:それ本当に巷なの? 皆は言ってないと思うよ(笑)。

ヒコロヒー:巷です(笑)。でも本当に、さらばさんとか、しんいちさんとか、松竹の当時のエースの皆さんがパッと辞めた時期があったんですよ。それを見て私も、大好きな尊敬してる先輩方だったので、やっぱりこの人たちが抜けるとちょっとやだな、みたいな、あんまり残ってやってる意味がないと言うか。
その当時、私もまだ反抗期が尾を引いてたような感じだったので、その当時に松竹が持ってたネタ見せの偉い作家と大喧嘩するんですよ(笑)。ほんで大喧嘩して施設から追い出されて、ライブとかも一切出られへんくなる、っていう時期がありまして。なんかもうやってらんねーな、って思って「じゃあもう辞めます」って会社に言ったら、会社が「辞めるな」って言うから、「なんでやねん!」ってなって(笑)。
「なんでライブも出られへんのに、おらなあかんねん」っていうことを言ったら、「大阪は確かにその作家さんがいるからちょっと厳しいかもせえへん。でもうちは、東京にも会社があります。そっちはどうか?」って言われて。それで「行ってみて嫌だったら辞めてもいい」って言われたんですよ。
それやったらまあいいか、と思って。大阪にいてもあとは吉本さんに行くしかないので、東京に行ってみてもいいかな、なんてもう本当に軽い気持ちで行って、何か今考えたらうまいこと丸め込まれた、っていう感じなんですけど。

木村:泳ぐ場所、泳ぐ水をちょっと変えてみれば? っていう。

ヒコロヒー:はい。

木村:で、行った先で…。

ヒコロヒー:で、東京松竹に来たは良いものの、やっぱり大阪ではウケるネタも東京ではウケなかったりとか、ウケる箇所がちょっと違ったりとかもして、結構苦労はしましたけど(笑)。

木村:へえ〜。でも、ここのメモに、「上京後、一時、借金総額が500万に達した」っていうふうなメモがあるんですけど。それは何にそんな借金したんですか?

ヒコロヒー:(笑)。これはほんっとに面白くなくて申し訳ないんですけど、ギャンブルでも酒でもなく、本当に生活費でこうなった、っていう感じでしたね。もう家賃もそんな払えなくなったりとか…。

木村:え、タワマン入ってた?

ヒコロヒー:違います違います(笑)。 4万3000円の風呂なしから始まって、ライブとかオーディションとかがあるとチケットノルマとかも当時ありましたし、あと急にバイト休まないと、とかになって。で、そんなバイトばっかやってたらネタ考える時間もなくなるから、もう私の選択は「貧乏でもいいからとにかくネタを考える」、「ウケるネタを作る」っていう方を選んでいったんですよ。
でも、そんなこと言っても、家賃も払わなあかんし、電車賃もかかるし、と、色々やってたら、10年ぐらいかけて500万までいった、っていう感じでしたね。

木村:その収入源のバイトをしなかった分、ってことか。

ヒコロヒー:そうですね。最低限だけだから、バイトで稼ぐのは月5万ぐらい。

木村:その時はバイト何やってたの?

ヒコロヒー:ネジの検品と、スナックで働いてました。お酒がタダで飲めるから(笑)。
あとは当時、お店に来るおじさまたちって言うよりも、ホステスのお姉さんたちがすごい可愛がってくださったんです。バイトなんで“ヘルプ”っていう役で付くんですけど、もう勝手にガンガン飲むから、それは姉さんたちからしたら多分ありがたいじゃないですか。それですごい可愛がってくださって、同伴とかアフターとか、色んなとこに連れてってくださったりとか、いらんなったお洋服をくださったりとか。
そんなふうにして、女芸人の先輩とより、ホステスのお姉さんたちの方が可愛がってくださった感じでしたね(笑)。

木村:(笑)。そっか、実際にその場所に立ってたら、その風が吹いてくるもんね。

ヒコロヒー:っていうようなことをしながら、何とかネタ書いて、劇場立って、オーディション受けて、みたいな日々が、10年ぐらい続きました。

木村:で、たまたまかもしれないけど、あれが始まったじゃないですか。「THE W」っていう、女性の芸人さんたちで誰が…、っていうのがね。それで、2017年第1回目から2020年の第4回まで、4年連続準決まで行き。2021年の第5回に、決勝に出て。
出役なんだけど、脚本も書かれて、ネタを考えるっていう、「0から1にする作業は大変だけど楽しいです」って仰ってたじゃないですか。自分が好きな、そのネタを思いつく入口ってどこなんですか?

ヒコロヒー:入口…。

木村:違和感?

ヒコロヒー:あ、でもそうですね。違和感です。今、しっくりきました。日常生活の中とかでも、何か本当にささやかな違和感みたいな、「ん?」みたいなのが、多分人よりすごく多いんですよ。網目が細かいと言うか。

木村:今このスタジオで違和感あります?

ヒコロヒー:いや、今日はまだないんですけど、何か見つけて帰りたいですね(笑)。
でも、本当に普通の大らかな、真っ当な方だったら、「ああ、そうなのね」って言って流せるようなことも、私みたいにひねた人間は、例えば、私田舎の出身なんですけど、地元の愛媛のテレビとかに東京からタレントさんが来て、「愛媛って本当いいところですね」とか、「なんかここって時間の流れがゆっくりな感じがします」とかって言ってるのをちっちゃい時とかに観てて、「何がやねん」みたいなのを思ってたんですよ(笑)。「『時間の流れがゆっくり』って言う人、何なん?」みたいなのとか(笑)。そういうのがすごい多いです。

木村:結構1人でテレビ観てても、1人ツッコミで「んなわけあるかい」とか、「んなわけないやろ」とか。

ヒコロヒー:ありますね。
あと最近やったら、若くて綺麗な女性タレントさんとかが、「私って本当に自己肯定感が低くて」とかって言うたびに、「何がやねん!」と思います(笑)。「嘘つけ! どこがやねん。こんな綺麗に生まれて、何か肯定感が低いねん」とか、やっぱ日々そういうのが網目に引っかかると、それメモしといて…。

木村:メモ取るんだ。

ヒコロヒー:取ります。スマホのメモを取っておいて、これをどういうシチュエーションでコントに作り変えたらウケるかな、っていう。

木村:それは、作家としてコントに? それとも、自分が表現するコント?

ヒコロヒー:これが本当に、私がもうずっと抜け出せないところなんですけど、結局「書く方が好き」と言うか。
多分私のネタ・脚本って、違う人がやった方が絶対面白いなって自分でも思うんですよ。だからプレーヤーとしての力は、まだまだずっと芸として勉強し続けないといけないし、まだまだ足りてないなと思うことばっかりなんですけど、ただ、「本として完成させるのが好き」と言うか。

木村:じゃあもう完全に作る方…、大工さんサイドだよね。不動産屋さんと言うよりかは、大工さん。

ヒコロヒー:そうかもしれないですね(笑)。
単独ライブとか、自分のコントライブの稽古中とか、自分で稽古しながら、「うわー、これ友近さんやったらもっと上手にやらはるんやろな」とか思ったりすると、落ち込むこともめっちゃあります。
でも、本は絶対面白いと思ってるんです。自分の書くネタ台本は絶対に面白いからアレなんですけど、「これもっと表現力があったらもっとウケるんやろうな」とか思うことばっかりですね。

木村:でも、「この台本、この脚本は絶対面白いんですよ」って今仰いましたけど、それは胸を張って言えるのに、「あの人がやったらもっと面白いんやろうな」って思ってしまうその思考は、不思議だね。

ヒコロヒー:でも本当に、相応に見てるんだと思います。本当に心から、本は本当に面白いと思うんですよ。だから私ぐらいのこの表現力で、一応それでも毎年満席にして頂いてるのは、多分本当に本が面白いだけなんですよ(笑)。

木村:(笑)。そうか?

ヒコロヒー:そうなんです! だから本当に表現力とか、もっと言うと発声とか、もっといっぱい自分の中で細かく…。

木村:発声は変えない方が、僕はありがたいですね。

ヒコロヒー:そうですか(笑)。

木村:何なんだろう? このちょっと落ち着く感じ。

ヒコロヒー:そうですか。声?

木村:声。

ヒコロヒー:低い。酒とタバコで喉をやっちゃってるんで。

木村:でも、やってる声ではないですよ。

ヒコロヒー:そうですか? でも番組で調べて頂いたら、“倍音”っていう声質らしくて、滝とか…。

木村:滝?

ヒコロヒー:滝がザーッていう音あるじゃないですか。あれと同じ周波数が出るって(笑)。

木村:(笑)。それ、何サウンドって言うんだっけ? ああいうのって、メンタルサウンドとかよく言うじゃん。川のせせらぎとか、アルファー派とか。それが、滝?

ヒコロヒー:滝(笑)。

木村:それは、滝にも、すげえ苦行とされる滝と、山の生命を感じる滝とさ、どっちなんだろうね?

ヒコロヒー:確かに。そこまでは「チコちゃん」のでは教えてもらえなかったですね。「チコちゃん」で調べて頂いたんですけど。

木村:でも、(喉を)やられてるっていうイメージはないな。

ヒコロヒー:へ〜、嬉しいです。でもほんまに声と言うかこの声質、雛壇とかには…。

木村:被る人いないでしょ。「誰かに似てるね」とかもないし、それがパッと聞こえてきた時に「あ〜、あの人の声だ」って顔が出てくるって言うか。

ヒコロヒー:えー、嬉しい。でも、ずっとコンプレックスでした。雛壇とかになると、声が落ちていってMCまで届かないから、後ろでガヤっても、もう全然。

木村:ガヤる必要ないでしょ? 本が面白いんだから。

ヒコロヒー:そうですか(笑)。ありがとうございます。

木村:言う時に言えばいいんですよ。

ヒコロヒー:分かりました。ターンが来た時に。

木村:そうっすね。

OA曲]
なし


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