木村拓哉 Flow - TOKYO FM 80.0MHz - 木村拓哉

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2021年10月17日Flow 第百六十七回目「拓哉キャプテン × 堂本剛」Part3

今月10月のマンスリーゲストは、堂本剛さんをお迎えしました!
付き合いの長い剛さんとのトーク、今週は更にディープにお届けします。
最後までお付き合い、お願いします。



木村:プライベートで聴く音楽とかって変わった?

堂本:一番最初の頃は(ジャンル的に)Oasisとか、UKロックを聴いてました。なんかああいう感じが良いな、みたいな感じで聴いてたんですけど、ある日を境に(番組が)『LOVE LOVE あいしてる』から『堂本兄弟』(フジテレビ系列)っていうタイトルに変わっていって、そこでギタリストの土屋公平さんに出会ったんです。公平さんが弾いていたギターがめちゃくちゃカッコ良かったんで、打ち上げの時にブルブル緊張しながら「あの時に弾かれたギターのフレーズがめちゃくちゃカッコ良かったです」ってお伝えしたら「ほんと? ありがとう! もし僕で良かったらギター教えるよ」って言ってくださって。それからギターを色々教えてもらっていく中で、「君は多分、UKロックではなくて、ブルースとかファンクが好きなんだよ」って言われて。「ブルース、ファンクですか???」みたいな。「じゃ、まずこれ聴きなよ」って色々なアーティストの音源をいただくんですけど。

木村:それは誰(アーティスト)だったの?

堂本:スライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & the Family Stone)っていうファンクのバンドで。あとは、ブルースのハウンド・ドッグ・テイラー(Hound Dog Taylor)とかを渡されたりとか。「とりあえず、これ聴きなさい」みたいな。
で、家に帰って聴いたら“え? 何この音楽!”と思って。宇宙が広がっているような感じで、“あれ、僕が思ってたブルースとかファンクって、もうちょっと暗いドロドロしたイメージがあるけど、このファンクのスライの人たちは「太陽」の感じがするなぁ”と思って、その話を公平さんにしたら「そうなんだよ。スライは太陽が似合うファンクなんだよ。じゃぁ、もっとこれも聴きなよ、これも聴きなよ」ってことで色々聴かせていただいているうちに、“あれ、ちょっとUKロックじゃないなぁ”ってなって。“あ、ファンクがいいかも!”って思って、それから急にファンクにいったんです。

木村:へぇ〜!

堂本:今は亡きドラマーの村上”ポンタ”秀一さんも、「自分、ファンクやなぁ」みたいなところから、当時はMDなんですけど、めちゃめちゃファンク(の楽曲)がいっぱい入ったMDをくれて。「これ聴け!」「わかりました」って、そこにはドープなファンクがめちゃくちゃ入ってて。“わ、これめちゃくちゃカッコ良いかも!”っていうところから、“ファンクのギターとかベースってどうやって弾くのかなぁ”とかっていうのをどんどん勉強していって、“あ〜ファンクやりたい!”ってなったんです。なんか新しいものに出会って、テンションがバーン!と上がった自分を体感したんで、この衝動をそのまま音楽に込められたらいいなって思って。

木村:で、ソロデビューに至る?

堂本:はい。それで“ファンクしよう”って、どんどんなっていったんですよね。だからほんとに『LOVE LOVE あいしてる』があって、いろんな方とお話させてもらう中で影響をどんどん受けて今に至るっていう感じですね。

木村:で、ENDRECHERI(堂本剛ソロプロジェクト)、(略して)“エンケリ”でいいですか? エンケリはソロプロジェクトとして、すごい個性的なパフォーマンスをしてるじゃないですか。なんかこう、“どうしてもやりたい!”って思って?

堂本:ENDRECHERI(エンドリケリー)って、自分の好きな古代魚の名前をただつけただけなんで(笑)。最初、ジャニーさんが2人(Kinki Kids)になんかやらせたいっていうところから、事の発端は始まってるんです。

木村:そうなんだ。

堂本:はい。それで「YOU、ミュージカルやりなよ」って(ジャニーさんから)電話が来たんですけど、「いや、ちょっと」って言って(笑)。「え? 何?」「いやミュージカルでしょ?」「そうだよ、ミュージカルやったらいいんだよ!」って言われたんですけど、「いや、ちょっとどうかなぁ…ちょっと嫌やなぁ」って言ったら(ジャニーさんに)「断ったやつ、初めてだよ!」って言われて(笑)。

木村:(笑)。確かに初かもね。

堂本:でも、僕がミュージカルを演ってるイメージが湧かなくてですね。で、「ジャニーさん、ごめん。僕無理やと思う」って言ったんです。「じゃぁ、もういいよ」ってことで。僕は1年間、もちろんドラマとかはさせていただいてたんですけど、1人で何かをやりなさいということには乗っかってはなくて…あんまり1人で何かをしている想像ができなかったので、(光一と)2人でだったら(やってもいい)という感覚はあったんですけど。そしたら(ジャニーさんから)「YOU、音楽やりなよ」って言われたので、“じゃあ、音楽だったらいいか”と思って。「グループの延長とか、グループみたいなことはやるな。でないと、やる意味はないよ」って言われたんですよ。

木村:「Kinki Kidsとはちゃんと差別化して、やるんだったらやんなよ」という。

堂本:それから自分なりに色々に考えまして。最終的に今辿り着いてるところっていう感じですかね。

木村:ENDRECHERIを始動し。

堂本:(ENDRECHERIを)始動し、ジャニーさんもライブを観に来てくれたりとかしながら、演出を見て、「これは誰がこうしたいって言ったの? YOUが言ったの?」みたいな。「いや、僕じゃないよ」「なんでYOUが思ってないことやってんの」って(笑)。「ジャニーさん、調和ってものがあるじゃない? この人がこれが良いと思う、こうしたいああしたい、ということもやりながらステージにしていくって」って言ったんですけど、「いや、YOUはYOUのルールでやらないとダメなんだよ!」って言われて。「YOUのファンの人は本当に最高のファンで、YOUが何を考えているかを知りたくて、それをまた楽しめるファンなんだよ。だからYOUはYOUの考えていることやらなきゃダメなんだよ」って言うんですけど、“でも、1人で(ステージを)創っているわけじゃないからなぁ…”って思いながら(笑)、ジャニーさんの言いたいことはそこで理解をして。自分のオリジナリティを強めた状況をステージに持っていきなさいっていう、これは多分僕だけじゃなくて、誰にもあたる指導かなって思うんですけど。

木村:でも、俺、そういうことを言われたことない。

堂本:お兄さんがジャニーさんから言われた、めちゃめちゃ印象に残る、今でも思い起こす言葉ってあるんですか?

木村:俺は、だから“無茶苦茶”。「YOU、無茶苦茶だよ!」と、「YOU、最悪だよ!」と、あと、ザ・ローリング・ストーンズが日本に来てライブを演った時に、日本のみなさんは礼儀正しい大人しいオーディエンスだから、大人しく観てるじゃない。なんだけど、そうではなく、音楽というものが目の前にあって同じ空間でそれが演奏されている時、大人しく観ているのではなく、グァーー!って何かを爆発させてるようなオーディエンスの人が、何人かいたのね。そしたら(ジャニーさんが)一言、「あれがカッコ良いんだよ」って言ってて。“うん、なんとなく言ってることはわかるかなぁ”っていう。その当時ね。あと、マイケル・ジャクソンのライブに「YOU、行くよ」って言われて行って、マイケルだし、すっげーって思いながら一緒に盛り上がってたら、「そういうのがカッコいいんだよ」って言われて、「ああ、はい」って。
だから、さっきから剛が俺に話してくれるような、「YOUはYOUのやりたいことをこうしなくちゃダメだよ」とか、そういう深い熱い話って全然してないっすよ。

堂本:えー、なんかしてそうな印象しかない。

木村:全然してないです。

堂本:じゃあ、なんかジャニーさんが、お兄さんに対しては“こうした方が絶対に良い”って何かがあるんですね。“あんまり言わない(方が良い)”っていう。

木村:わかんないけど…。

堂本:そうだと思います。僕は多分、言ってあげた方が良いって思われてたんだと思うんですよね。お兄さんには言わない方が良くて。ジャニーさんの思ってる、“お兄さんが一番最高にカッコ良いところ”があるんですよ、絶対。それで、具体的に言っちゃうとジャニーさんが思ってるお兄さんのカッコ良さが出ないんですよ。だから「YOU、最悪だよ!」って言うことで、「なんだよ」っていうところから、お兄さんの、“ジャニーさんの思ってるカッコ良いお兄さん”が始まるんですよ。僕とか「最悪だよ!」とか言われたら普通に落ち込んでしまうから(笑)、「YOUはこうした方が絶対に良いからこうしなさい」「そっか、よし頑張ろう!」っていうのが、ジャニーさんの中にあったと思うんですけど。

木村:そうかなぁ?

堂本:僕、ジャニーさんと同じAB型なんで、わかります。

木村:ところで、突発性難聴を診断されたのは2017年? あれ聞いた時は、“え?”って思って、ビックリしたよ。最初に“あれ?”って思ったのは、どういう感じだったの? きっかけ的に。

堂本:2017年に突発性難聴になりました。お兄さんにもメッセージをいただいて、優しくしていただいて。(きっかけは)気圧が手伝ってかなぁって思うんですけど。すごい雨が降ってた日なんですけど、頭がめちゃくちゃ痛かったんですよ。風邪じゃないし、片頭痛にしてはデカいなぁって思いながら。その時、(光一と)2人でドラマを撮ってたんですよ。

木村:ドラマを撮ってた?

堂本:それでずっと撮影をしてて、最後のワンシーン撮りますよって言う時に、前室で急に“あ、やばい、倒れる!”って思ったんですよ。なんか景色が急にブワーって揺らいだんで、“あ、危ない”って思ったら持ち直して。大丈夫やったかって思ったら、高音が何百倍の音量で聞こえるんですよ。“うわ、うるさ!”ってなって。“あれ、何か変かも? あれ、マネージャーが目の前でなんか喋ってるけど、聞こえへん”って。「ちょっと待って。もう1回喋って」って言って喋ってもらったんですけど、すごいモゴモゴ聞こえて。“あ、これ全然聞こえてない”って思って、「ごめん、俺、耳変かも」って言って。

木村:自分の言葉、喋ってる音は問題なかったの?

堂本:自分の言葉も土管の中で喋ってる感じに響いてて。全く正常じゃないっていうことは、その場でわかったんで。

木村:そのハイトーンがうるさく聞こえるって、変だよね、絶対。

堂本:で、「ちょっとこの後病院行けない?」って言ったんですけど、病院が開いてないって言われて。次の日にどうしても治ってなかったら行こうってことにしたんですけど、その日はワンシーン残ってて、光一と喋るシーンがあったんですけど、何喋ってるかが全然わからないんですよ。高い音だけが耳塞ぎたくなるくらいほんと、うるさくて。でも、光一が何か喋ってる時は音が立ってるので、その音が消えたら僕の番かなと思ってセリフを喋って…っていう感じで撮ってるシーンがあるんです。何言ってるかも全然わからないんですよ。これちょっと、ほんとヤバいかもって思って。

木村:いや、ヤバいでしょ。

堂本:お家帰って、耳抜きとかしても何も変わらなくて。病院に行ったら突発性難聴って言われて。こればっかりはいまだに向き合ってやるしかないので。
だからアルバムを作っている時とかも、左の方がちょっとだけ低く聴こえるんですよ。なので、ヘッドフォンを両方すると、左耳は聞こえない癖に音量上げていくとハウリングが始まって、半音低く聴こえるんですよ。

木村:ピッチが?

堂本:はい。なので、右に負荷がずっとかかってるこの数年なんですけど、右でとりあえずピッチを聴きながら歌を歌うしかなくて。演奏もそうなんですけど、楽器の方はまだ、チューニングをメーターで合わせて押さえればその音は出るんで、あとはタイミングだけなんでやりやすいんですけど、歌はどうしても音程なので。瞬発的に今まで反応してたやり方だと通用しないから、やり方も変えなきゃいけなくて…とか。音のチェックをする時も、正面で聴くとしんどい日は右だけ向いて聴いてたりとか。“ピッチどうかな?”とかディレクションもしんどいんですけど、そういう時間を超えてでもやりたいことを見つけれた幸せもありますし、ジャニーさんの「YOU、音楽やりなよ!」っていうのもありましたし、やっぱり音楽は“音を楽しむ”って漢字で書くものだから、楽しんでいこうかなと思って、今もやってるって感じですね。

M1.GO TO FUNK/ENDRECHERI
BGM:ENDRECHERI POWER/ENDRECHERI

(後TM:MOJO DRIVE/木村拓哉)

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