木村拓哉 Flow supported by Spotify - TOKYO FM 80.0MHz - 木村拓哉

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2025年06月22日Flow 第三百六十回目「拓哉キャプテン × ハイヒール」Part3

今月のマンスリーゲストは、お笑いコンビ、ハイヒールのリンゴさんとモモコさんのお2人。
まだまだトークは続きます!
そして、ハイヒール リンゴさんにとっての「人生の1曲」も伺います!


木村:でも、どうなんですかね? 僕の現場でも、時代時代ってすごく色んなことを考えなければいけない瞬間っていうのは多々あるんですけど。「時代だから、これは駄目!」「はい、これアウト!」っていうのは、どうなんですか?

モモコ:めちゃくちゃ多い。めちゃくちゃ多いけど、しゃあないかなと思って受け入れながら(やっている)。昔って、2人きりでネタ作っててんけど、年を重ねて、2人とも「さっき何言うたん?」になんのよ。「これ何やった?」とか、ネタの意味が分からんくなってくる。で、「これはヤバい。」と。

木村:それ、トークのスピードが速すぎるんですって。

モモコ:やっぱり速いか(笑)。で、最近は2人でお金を出し合って、ネタ合わせの時に若い構成作家に1人来てもろて、ちゃんと忘れんようにメモってもろたり(笑)。

リンゴ:今はネタ合わせの時もう録音して、それを文字に起こしてもらったりとか。

木村:それは、以前はやってないんですか?

リンゴ:やってなかったんです。

モモコ:自分らで、全部字で書いてた。だから遅くまでやるから、もう朦朧としてねん。1回寝たらええのに(笑)。

ハイヒール:(笑)。

モモコ:もう決めたのは、ネタ合わせの時は、子育てもあるし、家の用事もあるし、お互い色んなことがあるから、曜日を決めて、もう仕事と思ってね。そうせんかったら、お互い忙しいから。

リンゴ:だから、「ちょっとこの日ずらしてくれへん?」って言い出したら、もう全部ゴールがずれて行くじゃないですか。だからもう何があっても…。

モモコ:レギュラー番組と思って(笑)。

リンゴ:そこはそう思って、ネタをやる、みたいな。

モモコ:その時に、「私はこれ行けるかな?」と思っても、(若い構成作家に)「いや、それもう今アウトですよ。」とかよう言われるから、「アウトなんや!」って。

リンゴ:この前、吉本新喜劇が65周年とか何かあって、今全国のツアーを回ってて。私らのマネージャーに付いてた子も新喜劇について行ってんけど、やっぱり頭抱えてましたもん。もう昔のネタが、使えない。

モモコ:ほら、新喜劇は特に、人を揶揄するようなネタが多いでしょ?

リンゴ:「ネクタイよりお前の方が身長低いな!」言うて、「え〜ん!」って泣いたりするような、とか、「お前は魔法瓶のポットか!」みたいなとか、そういうルッキズムのネタがすごい多いんで、やっぱできないっていう。

木村:え、できないんですか?

リンゴ:ちょっとやっぱりテレビとかではできない。

モモコ:舞台はまだできるとこもあるけど、テレビはもうテレビ用に変えなあかんというか。

木村:要はコンプライアンス。

モモコ:吉本もやってるよ。もう大変。絶対やられるもんね。

木村:「やられる」(笑)。

モモコ:若手はなんば花月に集められて、全部の説明を聞かなあかんとか。それに行けへんかったら、会社のお偉いさんが3人ぐらい来て、ずっと読み上げられんねん(笑)。

リンゴ:私、iPadでずっと見せられた。

モモコ:早回しできへん設定になってんねん(笑)。本気で、「あなたは10代の異性とは関係を持たないでください。」って(言われたから)「誰に言うてんの!?」って言うて(笑)。

リンゴ:一応全員には言わなあかんからね。

モモコ:「いくよくるよさんにも言いました!」言われて、「ほな、ハイヒールも聞くわ。」みたいな(笑)。

木村・ハイヒール:(笑)。

リンゴ:全部丁寧にやってますよ。

モモコ:漫才のネタもそういうのがあって、昔やったら漫才は字に起こさんやったけど、今やったら、やるネタを先に字に起こして見せて、「これは駄目です。」とかいう感じ。

木村:すごいっすね。

モモコ:だから若い子は「生放送やったら、やったもん勝ちや!」って思ったりすんねんけど、「それはあかんで。それやったら次から仕事ないで。」って言われる。

木村:だから、さっきリンゴ姉さんが仰ってた「iPadで見せられるやつ」っていうのは、講習じゃないですけど…。

モモコ:そうそう。「こういうのが駄目よ」、「ああいうのが駄目よ」。

木村:うん。「把握しといてね」、「理解しといてね」っていうことですもんね。

リンゴ:今はほら、「面白い」っていうのが男子のモテる要素じゃないですか。私らが若い時はそんなんじゃなかったですからね。面白い女なんかもう全然やったもん。

モモコ:その頃はね。今は、親が「NSCに行け。」っていう親もいっぱいいてるから。

リンゴ:でもモモコが結婚した時、皆すごかったですもん。「えー!」って感じやったもん。

木村:それは何の「えー」なんですか?

モモコ:吉本で、(女性で)結婚してずっと(芸人を)やる人がほんまにいなかった。

リンゴ:皆やっぱり結婚したら辞めてしまうでんすよ。ご家庭のこととかもあるから。だから必然的に残ってる方は、結婚されてない、もしくはパートナーとしては存在してるけど、そういうことは大っぴらにされない方しかいなかった。モモコが結婚するって言った時、皆すごいびっくりだもんね。

モモコ:でも先輩が…いくよくるよさんとか、小づえ・みどりさんって方がいらっしゃって、「私らの時代はあかんかったけど、あんたらの時代は結婚しいや。」とか、「子供も産みや。」、「続けや。」って言うてくれはったから。私が(結婚)する時も「えー!」ってなったし、でも実際、子供も産んで、仕事も続けたんが、よしもとの中では一応初めてやってんね。

リンゴ:でも子供できた時、初めの仕事は降ろされたんですよ。

木村:え?

モモコ:そう。30年前は「仕事を降りてください。」って言われたの。

リンゴ:「急に休んだりするでしょ?」って。

モモコ:「妊娠しました。」って言うたら、「じゃあ一応レギュラーは降りてもらわな、何かがあったら…。」って言われたけど、3人目の時は、「妊娠しました。」言うたら、「あ、分かりました。で、馬乗れますか?」って普通に言われたから(笑)。「時代が変わったな〜。」と思って(笑)。

木村:(笑)。その返しもすごいっすね。

モモコ:でも、皆その頃は、北斗晶さんとかもそうやけど、皆妊娠しても働くようになってたから。で、「ママドル」とか言うて、アイドルも産んで働いてたから。
でもその前がほんまにおらんくて、どうしていいか分からんかった。

木村:まだその畑がなかったんですね。

リンゴ:ない。そう。

モモコ:皆、休みはった。

リンゴ:だから私が不妊治療とかしてる時も、今は「妊活」とかいう言葉があって認められてるけど、私がやった時は、そういうのを人に言うたら「ワガママや」って言われましたもん。「それはあなたのワガママです。」って。

木村:ワガママ?

リンゴ:そう。「子供が欲しいっていうのあなたのワガママです。」って言われました。

木村:えー!

リンゴ:やっぱり変わったよね、それは。

モモコ:変わった変わった。

リンゴ:で、私もそういうことを隠してるのがもう難しくなってきて、ちょっと1年半ぐらい仕事をお休みしたんですよ。結局子供はできなかったんですけども、よく、「何で不妊治療を辞めたんですか?」って言われるんですよ。それは確かに、15年もやって、もうやりきった感もあったんですけど、1人の先輩の奥さんに「まだ生まれてない命に振り回されてる。」って言われたんですよ。
だから、「あ、なるほど。」って、それはそれで1つの考え方やから。私は私で「今存在してるわけやから、その生き方をしよう。」と思って。私ももうやりきった感ありましたよ。だって50までやってましたもん。

木村:15年。

モモコ:今やったら、休んでやりはる人いっぱいいるけど、ほんまにおれへんかったから。

リンゴ:でも、金かかったわ〜(笑)。やらしい話(笑)。

木村:でも、15年はそうっすよね。

モモコ:だから、産んでかかるか、どっちもや。

リンゴ:どっちもかかる。何してもかかるよね(笑)。
でも産んで終わりちゃいますもんね。産んだら育てなあかんから、もう自分の年考えたら、ちょっと難しいかなっていうのもあったし。
今は本当に、東京都なんか特に公的な補助とかがあるじゃん。ああいうのは素晴らしいと思うよね。

木村:そういうのもなかったし。「多様性」っていうのもなかったし。

モモコ:なかったなかった。

リンゴ:この50年、100年ぐらいって、すごい変わってるんじゃないですか? 写真ができたぐらいから。

木村:でも、携帯電話がでかいんじゃないですか?

モモコ:もう何でもできるもんな。

リンゴ:携帯に振り回されてるもんね。

木村:これはあんまツッコめないですけど、すごいっすもんね。

モモコ:私はなかったら死ぬわ。絶対いる。もう(携帯がなかったら)何も分かれへんと思う。

木村:それこそ「(飛行機で)1時間よ!」って言って、「韓国着きました。美味しいものを食べるぞ!」って時に「はい、携帯忘れてました。」ってなったら、ヤバいですか?

モモコ:ヤバいけど、それはその日に帰るから大丈夫。

木村:(笑)。

リンゴ:でも、向こうでの情報が取られへん。

モモコ:まあ、誰かがおるからね。

木村:いやでも、すごいっすね。今現在に至るお2人はいらっしゃいますけど、リンゴ姉さんって、大阪学院大学の名誉博士号を持ってますよね?

リンゴ:私のこと「ドクター」って呼んでください。

木村:「姉さん」以外に言うんだったら、「ドクター」でいいの?

リンゴ:「ドクター」でいい(笑)。

モモコ:誰か分かれへん! 「キャプテン」や、「ドクター」や言うて(笑)。

木村:(笑)。

リンゴ:それはね、「何で(大学に)入ったか」って言ったら、「あさパラ!」っていう番組で、ニュースのことを扱ってたんですよ。で、ニュースのことをやった時に、私は「世の中は政治が動かしてる」と思ってたんですよ。でも、世の中は政治を動かしてるのが「経済」で、「経済に全部引っ張られんねや。」っていうのが、おぼろげにわかってきたんですよ。
私、経営学部出てたんですけど、ほとんど経営学部の勉強なんかしなかったから、「もう1回経済の勉強したいな。」と思ったら、たまたま国定先生っていう、「あさパラ!」にレギュラーに出てた先生の方の授業を受けることになって。そしたら一応毎週行ってたんで、社会人になってからやったっていうことで(名誉博士号を)頂いたんです。でも、あんまり実感ないんですけどね。

木村:実感がない名誉博士号ってあんまりないよね(笑)。

リンゴ:いや、でもほんまに、今はね、賢い人もすごい色んな言葉喋りますけど、昔の賢い人って、賢い人だけで喋り出したら何言ってるか全然分かんない。

木村:あー確かに。

リンゴ:でしょ? 今は賢い人も分かりやすい言葉を取得しはって、私らアホにも分かるように言ってくれるけど。だから「その言葉を覚えなあかん。」と思って行ったんですよ。

木村:その「難しい言葉」を。

リンゴ:「難しい言葉を理解せなあかん。」と思って。

モモコ:賢い人ばっかりで喋ったら、本当に日本の言葉じゃないことを言ってるように聞こえるからね。私ひらがなで喋ってて、今でも相方に「これ何なん?」て聞いたりすると、私に言う時は使ったことない言葉を優しく変換してくれるから。漢字で説明されても、また分からへんから。

リンゴ:モモコと喋ってて、モモコが「それ、私の考え方のベクトルがさ…。」って言った時に、「遙洋子ちゃんと喋ったやろ?」って言うて(笑)。

モモコ:そうそう(笑)。

リンゴ:モモコの周りで「ベクトル」っていう言葉を使うのは遙洋子だけやって(笑)。

木村:出元が分かったわけだ(笑)。

モモコ:出元が分かるぐらい、私は本当に全部ひらがなでしか喋ってないけど。でもやっぱり「どうなってんの?」って聞いて説明するのに、賢い人同士やったら分かるけど、ほんま分からへんから、「(誰でも)分かりやすいように」っていうので、毎週そのニュースをやってた。

リンゴ:本当にそれは、自分の為になりましたよね。ありがたいと思ってる。

木村:でもそれはきっと、受ける視聴者、あとラジオを聴いてるリスナーの方達にしてみれば、「鬼に金棒」と言うか、「ドクター・リンゴ」のフィルターを通して話してくれたらもっと分かりやすいってことですもんね。

リンゴ:分かりやすく言う努力はできる、と。

木村:この番組は、リスナーの皆さんにお届けする、ゲストの方の「これ!」っていう「人生の1曲」を伺ってるんですよ。お2人にも「人生の1曲」を聞いてよろしいですか?

ハイヒール:はい。

木村:じゃあまずは、リンゴ姉さんから。

リンゴ:もうガチなんですけど、西城秀樹さんの「ブルースカイブルー」っていう歌です。私、秀樹ファンなんですよ。ずっと秀樹ファンで。

モモコ:世代がもう、3人のうち誰か決めてなあかん時代やもんな(笑)。

リンゴ:そうそう。「新御三家」のうち誰かが好きって言わなあかん世代やったから。秀樹さんが好きだったんですけど、この「ブルースカイブルー」っていう歌には、何べんも寄り添ってもらったと言うか。
よく聴くと不倫の歌なんですけど(笑)、それがもうすごい心に染みるんです。いや、不倫なんかしてないですよ。だってうちが中学ぐらいやから。でもすごい心に染み込んで、私辛い時とかいっつもこの歌聴いてたんです。ガチで言ってしまうと。

木村:で、「ブルースカイブルー」を聴いて、ちょっと沈みがちな自分を上げてった。

リンゴ:上げて。「頑張ろう!」って思えんねん。何でかなぁ?
秀樹さんって、ほんまにすごい歌上手かったと思うんですね。

木村:もう、鬼ウマだと思います。(歌を)聞かせられるから、踊らなくても変な特殊効果もいらないし。

リンゴ:でも、ペンライトを始めたのは秀樹さんですからね。大阪難波球場で。

モモコ:今やったら、ライブって言ったら絶対ペンライトいるもんな。

リンゴ:あの時に、前の高島屋の懐中電灯が売り切れたっていうね。

木村:え? 皆さん、懐中電灯をペンライト代わりに?

リンゴ:「懐中電灯持ってきて。」って、(ライブの)前の日かなんかにラジオで言わはったんかな?

木村:へえ〜。すげえっすね、それも。

[OA曲]
M.ブルースカイブルー/西城秀樹

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