アクセルとブレーキのペダルを踏み間違えて起こる事故が、
最近では全国で年間3000件ほど発生しています。
踏み間違い事故は高齢者が起こすというイメージがあるかもしれません。
しかし、2018年から2020年の3年間に起こったペダル踏み間違いに起因する死亡重傷事故は
65歳以上が3,950件。64歳以下が 5,786件。
分類されたドライバー人口を考えると、確かに65歳以上に多いですが、
車両相互事故では75歳以上の1,315件、65歳〜74歳の1,273件より多いのが、24歳以下の1,538件です。
ペダルの踏み間違えによる事故は、
大きく分類すると前進時と後退時の2通りあります。
今回、お話を伺った交通心理学の専門家で、公益財団法人 国際交通安全学会による
「アクセルとブレーキの踏み違いに関係する高齢者の認知・行動の分析」
プロジェクトリーダー 大阪大学大学院 篠原 一光 教授によると、
前進時の事故例としては、信号のない交差点に進入しようとして
ペダルを踏み込まない状態で交差点に接近していきました。
右から接近する車に気づき、停止しようとペダルを踏み込んだところ
実はそれがアクセルで加速してしまい、前方の車に衝突、さらに前方の縁石に衝突したケース。
後退時は、まず前進している時に車を壁や車止めに接触させてしまい
慌ててバックしようとバックギアに入れ、急加速して後方の他車に衝突したケースです。
こうした事故シーンを紐解くと
前進の場合はギアはドライブに入っている状態で
減速する時は足がアクセルかブレーキペダルにかかっていつつ、いずれにせよ踏まないでいると、
どちらのペダルにあるか錯誤(主にブレーキだと思っていたらアクセルだった)してしまい
踏み込んだところ事故に繋がってしまう可能性があります。
後退時は、駐車場などで前進と後退や発進と停止を繰り返している時、
後方を見るために体や首を回旋させたり、姿勢をとったりすると
ギアがどこに入っているか、自分の足はどちらのペダルに置いているか失念して
踏み間違い事故になる可能性があります。
篠原教授によると「ペダルの踏みまちがえ事故」が多い、
若年層と高齢者層の間には、その内容に違いがあるといいます。
若年者では直線やカーブといった単路での事故が多く
それに対して高齢者では駐車場や交差点での割合が高くなります。
運転内容としては、若年者では直進や発進時に多く、高齢者ではバックの時の事故が多い。
また、事故の類型で見ると、若年者では車同士の事故というのが多く
高齢者では車両相互も多いものの、若年者に比べると歩行者と衝突するとか
施設や物に衝突するという車両単独事故も多い。
また、一度の事故で複数の相手に衝突する「多重衝突」というのがありますが、
これも年齢層別に見ると高齢者の方が多く、衝突時の速度が高いため、
高齢者ドライバーが起こす事故の方が、被害の程度が大きいということがあります。
内容の違いから考えると若年層と高齢者層の踏み間違える因子も異なります。
若年者は運転に不慣れなことが原因で、間違えた時にすぐ対応できて大事故になりにくい。
高齢者層は加齢による認識や動作の間違いが原因で、気づいても修正できないとか、
パニックでアクセルを強く踏み込んでしまうので大きな事故になりやすい。
ペダルの踏み間違えによる事故を予防法は、まず運転に集中するということ。
特に減速時には足がどのペダル上にあるか意識すると踏み間違いを防げる可能性が高まります。
また、運転姿勢を正しくとることも重要。
正しい姿勢で運転していれば、正しく操作できる可能性が高マリます。
年齢層別に考えると、若い世代は車や運転に対する不慣れが考えられるので
運転の技量を過信しないようにするとともに、違法であるスマホの操作など
運転以外に気を取られないように注意しましょう。
高齢者層は長年運転してきて運転に自信があるかもしれませんが、
自分にも加齢による変化があるかもしれないということを考えて下さい。
若い頃に比べると、体の動きや頭の働きのスピードが落ちています。
これに対抗するには、速度を落として動作を1つずつ、確実に行うしかありません。
踏み間違いのリスクのある場合、具体的には、減速時や駐車場で運転する時は、
自分の運転意識を慎重モードに切り替えるようにして下さい。