交通事故の例を見ると、家族や親族、友人・知人など、
縁故者間で起こったケースが、少ないながら存在します。
特に気をつけたいのが、小さな子どもを怪我させてしまう、
最悪の場合は死に至らせてしまう縁故者間で起こる事故です。

「縁故者事故」という言葉を最初に発信したのは、
所属する方が時折コメンテーターとして出演して下さっている
財団法人 交通事故総合分析センター、通称ITARDA(イタルダ)。
2001年 3月に発行したイタルダインフォメーションには、
縁故者の範囲についてのモデル図があります。

中心の大きな丸の中には「年少者」。
その下に3つの丸があり「親」と「親族」と「兄弟姉妹」。
さらに下のレイヤーの丸は「友達」「通園通学関係者」。
「友達の親」「親の友人」「従業員」がいます。
こうした人たちの間で起こった事故を「縁故者事故」と定義しました。


イタルダが「低速域における交通弱者の歩行中の事故防止対策に関する調査研究」を行ったところ
時速20km以下で走っていたクルマが起こした9歳以下の子どもの歩行中の死亡事故は、
親など、縁故者との間で起こったケースが、多いということがわかりました。

もうすぐ夏休み。
子どもと行楽地や、実家や親族や友人の家にクルマで出かけることもあるでしょう。
こうした「縁故者事故」に気をつけて下さい。

今回のコメンテーター 一般財団法人 日本自動車研究所 主任研究員 大谷亮さんによると
縁故者事故が主に発生する場所や状況は、自宅の駐車場やその近辺、保育所、幼稚園、学校などの
子どもの送迎に際して車が発進や後退する時に起こる傾向が見られるそうです。

理由としては、子どもの身長の低さ、クルマの構造やドライバーの身長の低さによって
車側から見ると子どもが隠れてしまうこと。また、子どもは衝動的に予期せぬ行動をするので
知らないうちに車に寄ってきていて事故が発生することもあります。

夏休みで考えると、気をつけたいのは、お出かけ先のスポットでの駐車場や
実家・親戚・友人の家に行った時の駐車場や敷地内や庭でクルマを発進する時やバックする時。
自身の子どもに気をつけるのはもちろん、親戚や友人の子どもと一緒の時は、
その子たちの存在にも気を留めましょう。

ドライバーはクルマの陰や周囲に子どもがいないか
クルマに乗りこむ前に確認することが大切です。
動く時も、急に発進や後退をするのではなく緩やかにすることを心がけましょう。

誰のクルマに同乗する時は、ドライバーのサポートを心がけて周囲の安全を一緒に確認して下さい。
また、自分や誰かの子どもと一緒に車に乗っている時は、子どもが急にクルマから飛び出して
近くで動いている縁故者が運転するクルマと接触事故を起こさないよう気を配りましょう。
子どもが被害に遭う、その子の縁故者が運転する事故が起きるのは、
小さな子どもは、まだ交通事故の危険性を理解していないことと
縁故者にあたる方々が子どもを見守る意識が不十分であることが考えられます。
小さな子どもと一緒にいる際には、たとえ自宅の駐車場など
一見安全そうに見える場所でも手をつないだりして安全に見守って下さい。

今回は子どもが被害に遭ってしまうケースを中心にお伝えしましたが
縁故者事故に関しては、大人が被害に遭うケースも考えられます。
その際、気をつけるべきポイントはブレーキペダルとアクセルの踏み間違いです。

これからの夏休みシーズン。
楽しい時間の中で、近しい人の安全をしっかり意識してクルマを利用するようにしましょう。
視界を遮るものがない見通しのいい道は、
他のクルマや二輪車や歩行者に気づきやすく危険はない。
と、ふつうは思いがちですが、ところがそうとも限りません。
見通しのいい道路も油断は禁物です。

2023年 3月、愛知県稲沢市の田園地帯にある信号機がない交差点で
ワゴン車と左から来た乗用車が出会い頭に衝突。
ワゴン車が横転して乗っていた方が亡くなる事故が起きています。

また、同じ年の1月には、福島県 郡山市の交差点で
乗用車と軽乗用車が衝突して軽乗用車が炎上。
こちらは4人が亡くなっています。

これも信号がなくて見通しの良い交差点。
亡くなった4人が乗る乗用車は、中央線がある広い優先道路を走り
交差点を通過しようとしたところを、交差する道路の左側から走ってきた
別の乗用車に衝突されました。

この2つの事故は、共に信号がない見通しのいい交差点で起こってしまった事故。
コリジョンコース現象ではないかと見られています。

コリジョンコース現象とは、広くて見通しが良く、
クルマを走らせていて視界を遮るものはないところで
前方に自分が走る道路と交差している道路がある時、
その隣合う交差道路を同じ交差点に向かって同じ速度で走るクルマがあると
お互いの存在に気づかないというケースです。

これは人間の持っている視野の特性から起こってしまうこと。
人間の視界には「中心視野」と、その左右外側に「周辺視野」があります。
中心視野は1度〜35度。周辺視野は左右35度から100度。
中心視野は物を細かく見ることに適しています。
周辺視野は何かが動くのをとらえるのに適しています。

上記の状況下でクルマを運転している時、
この人間の目の特徴からお互いのクルマは止まったようになるので気づかない
つまり、スピードを落とさず、交差点で停まろうともしないので大事故が起こってしまうのです。
collisionは英語で「衝突」の意味です。

コリジョンコース現象による事故を対策する方法は、
運転中に首を振って交差することになる道路にクルマが走っていないか確認すること。
中心視野で確認し、クルマが走っていたら減速して、2台のスピードが変われば、
その存在がしっかりと把握できます。もちろん交差点前では停まれるようします。

夏休みに北海道旅行でクルマを運転する方もいるかもしれません。
コリジョンコース現象による事故は「十勝型事故」「田園型事故」とも呼ばれ
北海道のように広く、スピードが出せる環境で起こりがちです。気をつけて下さい。

見通しのいい道路で、油断は禁物です。
2つ目は夜の道路。相手は歩行者。
見通しは良いので急に飛び出してくるということは日中だと考えにくいですが、
夜間は歩行者からするとヘッドライトでクルマがもっと遠くにあると思うかもしれません。
そうすると大丈夫だと思い込んで道路を横断するかもしれないので
その点も注意してハンドルを握るようにしましょう。

手軽に乗れて、小回りがきき、何かと便利な原付。
でも、安全運転を怠ってはいけません。


原動機付自転車、いわゆる「原付」には「原付一種」と「原付二種」があります。

【原付一種】

原付免許や原付免許が付帯されている普通自動車免許で利用できます。
16歳以上で筆記試験と運転免許取得後の実技講習会でとれる簡易な免許。


【原付二種】 

「原付」であるものの普通自動二輪車免許(小型限定)以上がないと乗れません。
交通ルールは普通自動二輪車と同じです。



去年の法改正で原付一種と原付二種の区分基準が変わりました。

<以前>

◼️ 排気量50cc以下   → 原付一種

◼️ 50cc以上125cc以下 → 原付二種


<現在>

50ccから125cc以下で

◼️ 最高出力4キロワット以下 → 原付一種

◼️ 最高出力4キロワット以上 → 原付二種


今回は自動二輪の免許を必要としない、原付一種を想定した内容。
二輪車安全運転特別指導員でモーターサイクルジャーナリストの小林ゆきさんによると
原付の交通ルールは、最高速度が時速30キロ。
交差点の大きさによっては二段階右折をする必要があります。
2人乗りができず、高速道路・一部有料道路など走行できない道路もあります。



原付に多い事故パターン。
まずは交差点を直進していた時に対面から右折車と衝突する事故。
次に道路の左側走行が原則の原付に店舗や駐車場、路地から出てきたクルマがぶつかる事故。
さらに見通しの悪い交差点、さして見通しの悪くない交差点での出会い頭の事故。

原付に乗っている方は、車や歩行者、自転車から気づかれるよう心がけましょう。
明るい服を着用し、ヘッドライトが暗い、ついていない、テールランプ切れなどは危険です。
命を守るために最も大切なのは頭を守ること。あご紐はきっちり締めて下さい。
そして、一時停止の標識がある場合は一時停止するだけでなく多段階停止、
見通しがいいところまで段階を踏んで停止しながら安全を確認すると事故はかなり防げます。

一方でクルマを運転する方は、原付は小さく見えて、遠くにあるように錯覚しがちです。
思っているより近くにいるかもしれないことを念頭に置いておきましょう。
また、バイクブームだった80年代頃から乗っている
70代、80代の利用者が多いことを頭の片隅にメモしておいて下さい。

原付利用者自身が気をつけるのはもちろん、
周囲のクルマ、さらに自転車利用者や歩行者も
原付の存在に注意して事故が起こらないようにしましょう。
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