夏休みシーズンが到来しました。これから家族で、あるいは友人・知人と、
クルマに乗って旅行へ行く、お出かけする方は多いでしょう。
ロングドライブ、さらに最近の猛暑、クルマの運転には注意が必要です。


今回のコメンテーター カーライフ・ジャーナリスト まるも亜希子さんによると
交通安全を考えた時に、長距離ドライブに潜む危険のキーワードは「疲労」です。
      
最近のクルマはオートマティック車で、あまり足を動かしません。
長時間運転していて同じ姿勢が続くと、血行が悪くなって、
肩こり、腰痛、腕や足や目の疲れなどの症状が出ます。

さらに長距離ドライブでは高速道路を利用することが多くなりますが
エンジン音や走行音などの音や振動は、無意識のうちに耳や脳が疲れます。

猛暑が続く今、車内熱中症も増えています。
エアコンをかけてても、真夏の直射日光を浴び続けるのは危険。

こうしたことが積み重なると、あらゆる事故に繋がる可能性があります。
標識や歩行者など、必要な視覚情報の見落とし。前方不注意による追突。
信号無視。無意識でスピードを出しすぎる。車線逸脱。
疲れてくれば、アクセルやハンドルの操作が雑になり、運転が荒くなります。
こうした状況を想像すると、長距離ドライブの危険性がわかるでしょう。



長距離ドライブに際して、わたしたちができる事故の予防、対策については、
3つのタイミングでのポイントがあると、まるもさん。

まずはドライブの前日まで。
ルート検索などをして計画をしっかり立てること。
しっかりと睡眠をとること。睡眠不足だと疲れやすくなります。
出発時間には1時間ぐらいの余裕を持ちましょう。



次に運転中。
背中をしっかり背もたれにつけて、背筋が自然に伸びる正しい姿勢をとりましょう。
血流を妨げる原因になりやすい体を締めつけるような服装も避けるようにします。
エアコンは内気循環を続けると車内のCO2濃度が高まって、
疲労や注意力低下、眠気、頭痛の原因になりか寝ないので
30分とか1時間ぐらいごとに外気導入に切り替えるか窓を少し開けて下さい。



最後に休憩のタイミング。
一般道なら2時間から3時間ごと、高速道路なら1時間から2時間ごとに
30分程度休憩を取るといいと言われています。
その際に大事なポイントは、疲れを感じる前に休憩を取ることと
車から降りて歩いたり、ストレッチしたり、血流を良くすることです。

また、休憩中に食事を取るのであれば何を食べるか意識しましょう。
ビタミンB1が多く含む豚肉、キノコ類、ナッツ、ごまは疲労回復に繋がります。

そして、運転中に眠気を感じていたら仮眠をとるようにしましょう。
シートを30度くらいまで倒して15分仮眠すると最も効果的だと言われています。

最後に、1日に走る最長距離の目安は、
まるもさんの経験だと高速道路で300kmぐらい、
一般道ならその半分の150kmぐらいでしょうかとのことでした。
夏休みの長距離ドライブは安全に気をつけて、楽しい時間を過ごして下さい。

交通事故の例を見ると、家族や親族、友人・知人など、
縁故者間で起こったケースが、少ないながら存在します。
特に気をつけたいのが、小さな子どもを怪我させてしまう、
最悪の場合は死に至らせてしまう縁故者間で起こる事故です。

「縁故者事故」という言葉を最初に発信したのは、
所属する方が時折コメンテーターとして出演して下さっている
財団法人 交通事故総合分析センター、通称ITARDA(イタルダ)。
2001年 3月に発行したイタルダインフォメーションには、
縁故者の範囲についてのモデル図があります。

中心の大きな丸の中には「年少者」。
その下に3つの丸があり「親」と「親族」と「兄弟姉妹」。
さらに下のレイヤーの丸は「友達」「通園通学関係者」。
「友達の親」「親の友人」「従業員」がいます。
こうした人たちの間で起こった事故を「縁故者事故」と定義しました。


イタルダが「低速域における交通弱者の歩行中の事故防止対策に関する調査研究」を行ったところ
時速20km以下で走っていたクルマが起こした9歳以下の子どもの歩行中の死亡事故は、
親など、縁故者との間で起こったケースが、多いということがわかりました。

もうすぐ夏休み。
子どもと行楽地や、実家や親族や友人の家にクルマで出かけることもあるでしょう。
こうした「縁故者事故」に気をつけて下さい。

今回のコメンテーター 一般財団法人 日本自動車研究所 主任研究員 大谷亮さんによると
縁故者事故が主に発生する場所や状況は、自宅の駐車場やその近辺、保育所、幼稚園、学校などの
子どもの送迎に際して車が発進や後退する時に起こる傾向が見られるそうです。

理由としては、子どもの身長の低さ、クルマの構造やドライバーの身長の低さによって
車側から見ると子どもが隠れてしまうこと。また、子どもは衝動的に予期せぬ行動をするので
知らないうちに車に寄ってきていて事故が発生することもあります。

夏休みで考えると、気をつけたいのは、お出かけ先のスポットでの駐車場や
実家・親戚・友人の家に行った時の駐車場や敷地内や庭でクルマを発進する時やバックする時。
自身の子どもに気をつけるのはもちろん、親戚や友人の子どもと一緒の時は、
その子たちの存在にも気を留めましょう。

ドライバーはクルマの陰や周囲に子どもがいないか
クルマに乗りこむ前に確認することが大切です。
動く時も、急に発進や後退をするのではなく緩やかにすることを心がけましょう。

誰のクルマに同乗する時は、ドライバーのサポートを心がけて周囲の安全を一緒に確認して下さい。
また、自分や誰かの子どもと一緒に車に乗っている時は、子どもが急にクルマから飛び出して
近くで動いている縁故者が運転するクルマと接触事故を起こさないよう気を配りましょう。
子どもが被害に遭う、その子の縁故者が運転する事故が起きるのは、
小さな子どもは、まだ交通事故の危険性を理解していないことと
縁故者にあたる方々が子どもを見守る意識が不十分であることが考えられます。
小さな子どもと一緒にいる際には、たとえ自宅の駐車場など
一見安全そうに見える場所でも手をつないだりして安全に見守って下さい。

今回は子どもが被害に遭ってしまうケースを中心にお伝えしましたが
縁故者事故に関しては、大人が被害に遭うケースも考えられます。
その際、気をつけるべきポイントはブレーキペダルとアクセルの踏み間違いです。

これからの夏休みシーズン。
楽しい時間の中で、近しい人の安全をしっかり意識してクルマを利用するようにしましょう。
視界を遮るものがない見通しのいい道は、
他のクルマや二輪車や歩行者に気づきやすく危険はない。
と、ふつうは思いがちですが、ところがそうとも限りません。
見通しのいい道路も油断は禁物です。

2023年 3月、愛知県稲沢市の田園地帯にある信号機がない交差点で
ワゴン車と左から来た乗用車が出会い頭に衝突。
ワゴン車が横転して乗っていた方が亡くなる事故が起きています。

また、同じ年の1月には、福島県 郡山市の交差点で
乗用車と軽乗用車が衝突して軽乗用車が炎上。
こちらは4人が亡くなっています。

これも信号がなくて見通しの良い交差点。
亡くなった4人が乗る乗用車は、中央線がある広い優先道路を走り
交差点を通過しようとしたところを、交差する道路の左側から走ってきた
別の乗用車に衝突されました。

この2つの事故は、共に信号がない見通しのいい交差点で起こってしまった事故。
コリジョンコース現象ではないかと見られています。

コリジョンコース現象とは、広くて見通しが良く、
クルマを走らせていて視界を遮るものはないところで
前方に自分が走る道路と交差している道路がある時、
その隣合う交差道路を同じ交差点に向かって同じ速度で走るクルマがあると
お互いの存在に気づかないというケースです。

これは人間の持っている視野の特性から起こってしまうこと。
人間の視界には「中心視野」と、その左右外側に「周辺視野」があります。
中心視野は1度〜35度。周辺視野は左右35度から100度。
中心視野は物を細かく見ることに適しています。
周辺視野は何かが動くのをとらえるのに適しています。

上記の状況下でクルマを運転している時、
この人間の目の特徴からお互いのクルマは止まったようになるので気づかない
つまり、スピードを落とさず、交差点で停まろうともしないので大事故が起こってしまうのです。
collisionは英語で「衝突」の意味です。

コリジョンコース現象による事故を対策する方法は、
運転中に首を振って交差することになる道路にクルマが走っていないか確認すること。
中心視野で確認し、クルマが走っていたら減速して、2台のスピードが変われば、
その存在がしっかりと把握できます。もちろん交差点前では停まれるようします。

夏休みに北海道旅行でクルマを運転する方もいるかもしれません。
コリジョンコース現象による事故は「十勝型事故」「田園型事故」とも呼ばれ
北海道のように広く、スピードが出せる環境で起こりがちです。気をつけて下さい。

見通しのいい道路で、油断は禁物です。
2つ目は夜の道路。相手は歩行者。
見通しは良いので急に飛び出してくるということは日中だと考えにくいですが、
夜間は歩行者からするとヘッドライトでクルマがもっと遠くにあると思うかもしれません。
そうすると大丈夫だと思い込んで道路を横断するかもしれないので
その点も注意してハンドルを握るようにしましょう。

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