4月から導入された自転車の利用者に対する交通反則通告制度、いわゆる青切符について
導入から1ヶ月が経った段階で警察庁が運用状況をとりまとめて発表しました。
どんな交通違反が多かったのか? つまり自転車に乗る時には何に気をつけるべきか?

自転車の安全利用促進委員会 委員の谷田貝 和夫さんによると
最初の1か月間に交付された青切符件数は2,147件。
最も多いのは指定された場所での「一時不停止」846件で全体の40%。
次に多いのがスマートフォンを使用しながらの運転、
いわゆる「ながらスマホ」713件の全体の33%。
3番目が「信号無視」298件、14%。
この3種類の違反が全体の87%を占めています。

最も多かった一時不停止については「止まれ」の標識に気づかなかったのかもしれません。
ただ、気づいていても一時停止しない理由がいくつかあると谷田さんはいいます。

「一時停止しなくても事故は発生しないだろうという思い込み」「皆が一時停止しないから」
「交差する道路の道幅が狭いから自動車が交差点に接近していてもすぐに横断できるという意識」
「急いでいるからという自己都合」など。

一時停止しないことが原因で実際に起きた事故も当然あります。
今年3月にも片側1車線の直線道路と道幅が狭い直線道路の交差点で起こりました。
道幅が狭い道路は、住宅の塀で左右の見通しが悪く、
一時停止の標識があるにも関わらず交差点に侵入して右側から来た中型トラックと衝突。
自転車の運転手は全身を強く打って亡くなりました。
一時停止して左右を確認していれば、事故は起こらなかったのです。

次に2番目に多かったスマホを見ながらの「ながら運転」
スマホに集中していると、自転車や自動車や歩行者が接近してきても気づかず、
ぶつかる前にきちんと停止できない恐れがあります。
また、スマホを持って運転しているとブレーキやハンドルを確実に操作できず
危険が迫った時に停止が遅れる危険もあります。

2017年には自転車に乗りながらスマホを見ていた人が、前方の歩行者に後ろから追突、
歩行者は頭を強く打って死亡し、禁錮2年、執行猶予4年の判決が下された事故がありました。

また、2019年にもスマホを見ながら交差点を自転車で横断中、
交差点に立っていた人に気づかずに追突してしまい
この人は転倒して頭を強く打って意思疎通が困難になり
自転車運転手には重過失障害の疑いで書類送検されたという事故もあります。


最後に3番目に多かった信号無視について。
クルマを運転していて信号無視する人は、まずいないと思いますが、
都内では、信号無視をする自転車をよく見かけます。
むしろ信号に則って走っている人のほうが少ないのでは?と思うぐらい。
自転車は車両。信号は守らなければいけません。
無視すると当然、事故の危険があります。

今年3月には、国道と国道の交差点で信号が赤にもかかわらず
自転車に乗って横断歩道を横断している時に信号が青の道路を直進してきたトラックに跳ねられ
自転車運転者が死亡するという事故も起こっています。

赤信号であれば自転車も停車するという前提で、
クルマを運転している人、歩いている人は多いはず。
そのルールを破ってしまえば危険が伴います。
ご自身の安全のため、歩行者に危害を加えてしまわないため、
交通ルールを守って自転車を利用しましょう。

クルマを運転中に交差点が近づいてきました。
それは通過する交差点。そのまま直進・・・と思ったら、
信号が青から黄色に変わった!停止線は近すぎて停止は難しい!
でも、そのまま進むと、交差点の中を走行中に赤になってしまうかも!
そんな経験をドライバーの方はしたことがあるでしょう。
この危険な領域「ジレンマゾーン」に注意しましょう。





道路交通法では、信号が黄色になったら、
停止線を越えて進んではいけません。
ただし、停止線が近づきすぎていて、
安全に停止することができない場合は除くとなっています。
これを考えるとジレンマゾーンの判断は本当に悩ましいところ。

今回のコメンテーター ドライブレコーダーの映像から
交通事故リスクの見える化をしている株式会社ノーティス 代表取締役社長  
工藤 暢啓さんによると通過するか否かの判断を間違えてしまった場合には
交差車両との衝突事故が考えられます。

株式会社ノーティスが調査した事故事例でも
交差点30m手前で黄色信号に変わったにもかかわらず、
加速して通過しようとした結果、見切り発進をしてきた交差車両と衝突したケースもあるそうです。
一方で、止まる判断をして間違えた場合は、急なブレーキが必要になるので、
後続車が適切な車間をキープせずに走行していると後ろから追突されてしまうかもしれません。





この領域で一番の注意点は、速く通過してしまおうという焦りが生じやすくなること。
黄色信号になった瞬間に、加速して交差点を通過する習慣を持ったドライバーもいるとか。
交差点内で赤信号に変わってしまったとしても、それは違反ではありません。
基本的に信号は、自分の見てる信号が赤になってから3、4秒後に
交差する信号が青に変わるように設定されているので、まず焦らないこと。
また、交差点通過時は、アクセルからブレーキに足を移して、
いつでもブレーキを踏める状態で通過することが大切です。

株式会社ノーティスの事故予防理論における安全運転の定義は2つ。
「衝突・接触を避けるための安全な空間を作る」
「周囲を見る時間を意識的に作る」
ジレンマゾーンに入った際も、この基本姿勢っていうのは変わらないといいます。
迷った時は周囲をよく見て、接触しない空間を保てる行動を選択することが必要です。

そして、交差点に近づいたら前方の車両用信号だけを見るのではなく、
歩行者用信号の変化も観察することが有効な予測方法。
それをするためには前のクルマと3、4秒の車間をとってスピードを落とす必要があります。





工藤さんによると、交通事故はドライバーの運転上の癖や習慣の延長線上で起きます。
延長線上というのは何かというと、自分の癖や習慣に乗っかってくる別の要素で。
要するに他人の動き。周りにいるクルマやバイク、自転車、歩行者がルールを守っているか
守っていないかというのが別の要素で、それは運転している自分からは制御不能なこと。
だからクルマのドライバーはもちろん、二輪車に乗る人も、自転車の利用者も、
歩行者も、社会全体で交通事故が起きないように思考し、行動することが大切です。
あなたは誰かのクルマの後部座席に座る時、どのくらい交通安全を意識していますか?
ドライバーと同乗者は、いわば運命共同体。後部座席に座っていたとしても安全運行に協力する、
邪魔をしない義務と責任があります。ドライバーを気遣って乗車マナーにも注意しましょう。





まず、後部座席もシートベルトをしなければいけません。
2008年6月の道路交通法改正から、後部座席を含む全ての座席で
一般道・高速道路を問わず、着用が義務化されています。

高速道路で同乗者がシートベルトをしていないことで摘発された場合は、
違反点数が1点、ドライバーに課せられます。一般道では、口頭注意です。
この義務化が導入されたのは悲惨な事故が無くならないから。

今回、お話を伺ったモータリング・ライター 藤田 竜太さんによると
高速道路での衝突事故でシートベルトをしていなかった後部座席の人が車の外へ投げ出され
頭部を強く打って死亡した事故があり、車外へ放出された場合の致死率は着用者の約14倍です。

また、正面衝突事故で、後部座席の人が前方シートに激しくぶつかって死亡。
さらに前席の人も後部座席の人とエアバッグに挟まれ死亡したこともありました。
その他、後部座席でシートベルトを装着していなかった人は、
頭や胸の骨折内臓損傷などで亡くなるケースが多いことが分かっています





警察署の資料によると後部座席のシートベルトの非着用時の致死率は、
高速道路で着用時の13.9倍、一般道で着用時の約2.8倍も高くなっています。

後部座席にはエアバッグのない車が多いので
正面衝突の場合は、前席より障害を負う危険性が高いと言われています。
シートベルトを正しい位置につけないと、衝撃で胸骨やあばら骨を折る、
腹部に食い込んで内臓を圧迫するというリスクもあります。

衝突事故の際、シートベルトをしていなければ、
両手を突っ張るだけで支えられる衝突速度は最大で時速7km。
時速60kmで走る車が壁などに衝突すると14mのビルから落ちるのと同じ衝撃を受けます。
「万が一に備えるなら、1万回車に乗ったら1万回シートベルトをしなければいけません」。
藤田さんは、そうおっしゃっていました。





そして、誰かのクルマの後部座席に座っていても
安全についての義務や責任がないわけではありません。
道路交通法では、運転者だけでなく、同乗者も罪に問われるケースがあります。

その1つが同乗罪で、ドライバーが飲酒運転をしている、
しようとしていることを知りながら同乗した場合。

また、酒気帯び運転や無免許運転の恐れがある人に対して
運転をそそのかすような行動や、命令した場合は、
重大違反そそのかし等と呼ばれる違反となります。
「急げ」「スピードを出せ」など、運転者に違反運転を促す行為もこれに相当します。





特に若い世代の友人複数でのドライブは、楽しく、はしゃいでしまうもの。
ただ、そうした行動は、そこかしこに危険を孕んでいます。気をつけて下さい。

急な右左折を強引に指示したり、スピードを出すように命じる行為は危険です。
見通しの悪い道路や悪天候時など、ドライバーが特に運転に集中すべき場面では、
大きな声を出したり、突然話しかけることは避けましょう。
スマホの画面をドライバーの視界に入る位置で操作するのも安全運転の妨げになります。
急に窓の外を指差したりして、運転手の意識をそらすのもやめましょう。

そして、ドライバーが運転に集中しやすくリラックスした車内作りに協力することや
エアコンの温度調整やオーディオ操作など、ドライバーが運転以外に気を取られがちな作業を
率先してやることは、安全運転の良いサポートになります。
後部座席に座っていても安全運転の一端を担っていることを忘れずにいましょう。


そろそろ梅雨入り。
雨の日は、視界の悪さと道路が滑ることで、交通事故が増えますが、
知っておきたい2つの危険な現象があります。
事故を招かないため、その予防と対策を、知っておきましょう。





1つは、主に雨の高速道路で起こる「ハイドロプレーニング現象」です。
今回のコメンテーター モータリング・ライターの藤田 竜太さんによると
これは濡れた路面を走行している時に、タイヤの接地面と路面の間に水の膜ができて、
タイヤが道路上から浮いたような状態になる現象を言います。

タイヤが接地できなくなるため、ハンドルやブレーキ、アクセルを操作しても
車の動きに反映されず、とても危険な状態。タイヤ表面には溝があり、
その溝が路面の水を排出することで接地性を確保しているのですが
排水能力を超えるシチュエーションになると、水がタイヤの溝から溢れて
タイヤが水の上に浮き上がってしまった状態になってしまうというメカニズムです。





高速道路では、かなりのスピードなので、コントロールが効かなくなるのは本当に危険。
タイヤの摩耗やコンディションにもよりますが
時速80kmから90kmでハイドロプレーニング現象が発生する可能性があります。
その結果、起こり得るのがスピンして壁や中央分離帯や他の車への衝突事故。


対策として、何より大切なのはスピードを控えること。
轍や深い水たまりは避けて走行すること。
タイヤの排水性能はタイヤの溝の深さで決まるので、常に5分山以上のタイヤを履くのも重要。
日本は3日に1度は雨とも言われるので、ウエット性能に優れたタイヤも選びたいものです。
最後に空気圧。ハイドロプレーニング現象の発生限界速度はタイヤの空気圧に比例するので
月に1度は空気圧を点検し、メーカー指定空気圧を基準として0.2キロ高めに調整しておくと安心です。

運転中にハイドロプレーニング現象が起きてしまうと何も出来ません。
アクセルから足を離さず、ハンドルはそのままに、
自然に速度が落ちてタイヤのグリップが回復するのを待ちます。
焦ってハンドルを切ったり、急ブレーキをかけたりするのが最も危険。
アクセルから足を離してしまうのもNGです。
タイヤが水に浮くと駆動力が伝わらなくなり、速度が急速に落ちて、数秒でグリップが回復します。





もう1つの危険なことは、雨の日に起こりやすい「蒸発現象」。
これは、夜間の対向車と自分の車のヘッドライトの光が交差して重複した時に
2つのクルマの間の歩行者や障害物がドライバーの視界から突然消えたように見えなくなる現象です。

横断歩道ではないところを横断している歩行者や、
右折の時に横断歩道を渡っている歩行者を轢いてしまう危険があります。

ヘッドライトの明かりが重なると部分的に光が強まるので
目がまぶしさを感じて、光が当たっている部分にあるものが見えなくなることが原因。
特に雨の夜は、路面の光が乱反射し、視界が悪化するために発生しやすいようです。





蒸発現象は人間の目の仕組み上、避けられないもの。
横断歩道や交差点の手前で対向車のライトとすれ違う際は
光で見えないだけで歩行者がいるかもしれないと予測して
速度を控えめにして用心しながら通過するようにしましょう。
蒸発現象の存在を知ったうえで、見えない人がいるかもしれないという前提で
ハンドルを握ることが事故を防ぐことにつながります。

ハイドロプレーニング現象と蒸発現象。
これからのシーズン、注意して下さい。