第593回 生活道路の新たな交通ルール

2026/08/21
法律用語ではないので、明確な定義はありませんが、
地域住民の日常生活に利用される住宅街や商店街などの道幅が狭い道路「生活道路」。
一般的に車道の幅が5.5m未満で中央線や中央分離帯がない道路を指し、
その名称の通り、生活に密接した道。
歩行者や自転車に乗る人が多く利用します。

その生活道路を通行するクルマのルールが、9月1日の改正道路交通法施行によって変わります。
速度標識のないところでは、8月までは最高速度は60km/hですが30km/hに変更されます。

背景にあるのは、生活道路で歩行中や自転車利用者が亡くなる人の割合が、高いこと。
特に住宅街や通学路のようなクルマと歩行者、自転車がともにいる道路での事故は多い。
こうした事故を減らそうという施策です。



車道の幅が5.5m以上の道路と5.5m未満の生活道路では、
交通事故で死傷した人の、状態別の割合が、かなり異なります。

自動車乗車中    64%
オートバイ乗車中  7%
一般原付乗車中   4%
自転車乗車中  16%
歩行中   9%

これが5.5m未満になると・・・

自動車乗車中  40%
オートバイ乗車中  7%
一般原付乗車中   6%
自転車乗車中  33%
歩行中   14%

自転車に乗っている人が16%から33%に、歩行中の人が9%から14%に増加。
それだけ生活道路には、歩行者や自転車利用者がいるということ。



でも、どうして引き下げられた最高速度が「時速30km」なのかというと
クルマの速度と交通事故の致死率は比例していて、
時速30kmを超えると、急激に致死率は高くなります。
      
国土交通省のデータによると
時速 0km – 20km → 0.6% / 時速20km – 30km → 0.9%
それが時速30km – 40kmだと3.0% / 時速40km – 50kmで8.4%
時速50km – 60kmになると17.0%にまで上昇します。
歩行者や自転車利用者を守るため、時速30kmまで速度引き下げしたのです。