9月21日から9月30日(火)までは「令和7年 秋の全国交通安全運動」の期間。
今週は、その大切なポイントをお伝えする後編。
警察庁 交通局 交通企画課 安全係 中村 好孝さんに
秋の全国交通安全運動の重点ポイント3つの残る2つについて伺いました。





まずは2つ目の「ながらスマホや飲酒運転等の根絶と
夕暮れ時の早めのライト点灯やハイビームの活用促進」。
         
日没時間が急激に早まる秋口以降は、
夕暮れ時間帯などにおける交通死亡事故が増加します。

特に日没後1時間の死者が多く、また、夜間は昼間と比較して
歩行者が横断中に死亡する事故が多くなっています。
夕暮れ時の早めのライト点灯を心がけましょう。
         
対向車や先行車がいない場合には、ハイビームを使い
上向き、下向きのこまめな切替えをして下さい。





運転中の「ながらスマホ」については、
画面や会話に意識が集中してしまい、周囲の危険を発見することができず、
歩行者や他の車に衝突するなど、重大な交通事故につながり得る危険な行為です。
絶対にやめましょう。





そして、飲酒運転については「飲酒運転を絶対にしない、させないという
社会を力を合わせて作りましょう。特に5台以上の自動車を使用している
事業所等の安全運転管理者の方は、運転者に対する運転前後における
アルコール検知器を用いた酒気帯び確認等の義務を確実に履行していただきたいと思います」
と中村さんは話していました。





秋の全国交通安全運動の重点ポイントの3つ目。
「自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底とヘルメットの着用促進」。

まず、自転車について。
自転車は車両なので原則として車道の左側を通行するようにして下さい。
やむを得ない理由があり、歩道を通行する時も、歩道は歩行者優先。
徐行で進み、歩行者の行動を妨げる時は一時停止する必要があります。

さらに改正道路交通法が昨年11月から施行され
自転車利用者の「ながらスマホ」や「酒気帯び運転」に対する罰則ができました。





そして、令和5年7月1日から電動キックボード等のうち一定の基準を満たすものが、
特定小型原動機付自転車と位置づけられて、新しい交通ルールが適用されています
自転車と同じように車道の左側が通行するところ。
信号を守らなければいけませんし、飲酒運転もNGです。

全ての自転車利用者、特定小型原動機付自転車の利用者に
ヘルメットの着用の努力義務が課されています。

ヘルメットは転倒した時やクルマなどに衝突した時、
被害を軽減する効果があります。
安全のためにもヘルメットはかぶるようにして下さい。



9月21日(日)から令和7年「秋の全国交通安全運動」がスタート。
期間は10日間で9月30日(火)まで。

今週と来週は警察庁 交通局 交通企画課  安全係
中村好孝さんにお話を伺い、大切なポイントをお伝えします。





令和7年上半期の交通事故概況は、交通事故で亡くなった方が1,161人。
前年同期比で21人、1.8%の減少となっています。

年齢別に見るとやはり高齢者が多く、 65歳以上の死者数が659人。
全体のおよそ6割を占めています。
       
交通事故死亡者を状態別に見ると「歩行中」が最多。
その中で65歳未満では飲酒をして路上で寝込むなどの「路上横臥」が多く、
65歳以上は「横断歩道以外を横断中」が多くなっています。
全年齢では「歩行中」は前年同期比で4年ぶりに減少しました。
一方で「自動車乗車中」や「自転車乗用中」など、他の状態別は増えました。





未来を担う子どもに注目すると
小学生は自転車乗用中の事故で亡くなる方が多くなっています。
保護者はお子さんが自転車に乗る時には、必ずヘルメットをかぶるよう促して下さい。
また、歩行中には道路に飛び出さないことを話して下さい。





クルマを運転しているドライバーの方たちに注意してほしいことは、
近年、死亡・重傷事故の原因として増加傾向にある運転中のスマホ使用をやめること。
そして、飲酒運転も絶対にしないこと。
さらに自動車よりも弱い立場の子どもや高齢者の歩行者、
自転車利用者の安全に十分に配慮してハンドルを握ることです。





今年上半期の交通事故の概況をお伝えした上で
今回の交通安全運動の重点要綱は以下の3つです。

(1)歩行者の安全な道路横断方法等の実践と反射材用品や明るい目立つ色の衣服等の着用促進

(2)ながらスマホや飲酒運転等の根絶と夕暮れ時の早めのライト点灯やハイビームの活用促進

(3)自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底とヘルメットの着用促進



このうち1点目について。
歩行者は道路を横断する時は横断歩道を渡る、
信号に従うといった基本的な交通ルールを守るようにして下さい。
歩きながらのスマホ使用も危険ですので絶対にやめましょう。

これから日毎に陽が沈むのが早くなってきます。
歩行者にとって自分の身を守るため、夕方から夜間に外を歩く場合は、
年齢層に関わらず、明るい目立つ服装などを着用し
反射材・LEDライトを身につけて下さい。

この続きは、来週の後編で。





運転中、他のクルマや二輪車、歩行者などに
自分のクルマの動きを知らせるウインカー。
交通事故が起きないようにするために必要な装置ですが、
正しく使わなければ、むしろ危険を生みます。
今回は車線変更時の正しいウインカーの使い方について。





ウインカーを出すのは・・・

◼️ 右折・左折の30メートル手前

◼️ Uターンする30メートル手前

◼️ 車線変更する時の3秒前

◼️ 駐停車している状態から発進する時

◼️ 環状交差点から出る時


皆さんの認識と合っていますか?
違っていた方は情報を上書きして下さい。
ちなみに違反をした場合は、違反点数は1点。
反則金は大型車7,000円、普通車・二輪車6,000円、原付5,000円です。





JAFが会員向けに発行する機関誌、WEBメディアのJAF Mateが
東名高速・東京料金所付近で車線変更時のウインカー使用が正しいかどうか
1回に上下線100台ずつを2回、合計400台をチェックしたところ
なんと98.5%が間違っていたそうです。

● 車線変更と同時にウインカーを点けた 42.8%

● ウインカー点灯から3秒未満で車線変更をした 37.1%

● 車線変更をしながらウインカーを点けた 18.6%

● 車線変更の3秒以上前にウインカーを点けた 1.5%


こうした使い方の間違いにはどんな危険があるのか?
まず、車線変更と同時にウインカーを点けた場合は、
移動する側の車線を走行している車が死角に入って見えなかった時に
衝突する、あるいは追突事故につながる恐れがあります。
また、先進安全技術のリアビークルモニタリングシステム装備されている車だと
作動が遅れてしまう場合があります。

ウインカー点灯から3秒未満で車線変更をした場合は
進路を変える前に移動する側の安全を確認するための時間が短い
ということになりますので、十分な確認が行えず
後続車両の進路を妨害してしまう可能性があります。

車線変更をしながらウインカーを点けた場合は
進路変更と同時につけたと同じリスクとともに
先進安全技術の車線逸脱装置が付いている車だと
ウインカーが作動していない状態で車線を超えることになるため、
車線逸脱と判断をして警報が鳴ったり、ハンドルが戻される恐れがあります。

3秒以上前に点灯させた場合は、後続車や周りの車に誤った情報を送る事になり、
周りに迷惑なだけではなく、接触事故のきっかけとなる可能性があります。

車線を変更する時は、ウインカーを点灯させて、
3秒後に車線変更を実施することをお忘れなく!
毎年、新年度になってすぐに募集を開始される
一般社団法人東京指定自動車教習所協会主宰の『「交通安全」川柳コンテスト』。
16回目となる、今年の選考結果が7月に発表されました。





今回、47都道府県から寄せられた作品は、
去年より5,700句ほど増えて20,137句。
その中から最優秀賞1作品・優秀賞2作品・入選5作品・
団体賞1組が選ばれました。

特別審査員をつとめている一般社団法人 全日本川柳協会は、
安全運転の意識が高まるのと同じように、交通安全川柳の応募数も増えています。
2024年の交通事故件数は290,792件。死者は2,663名。
負傷者は343,756名と、それぞれ前年よりも少し減少しています。

しかし、悲惨な事故が続いているのは、報道されている通りです。
「事故を起こさないように」、そして「事故に遭わないように」と願いが込められた川柳の一句ずつを噛みしめ、
今後とも安全運転に勤めてゆきたいものです。


と、いった総評しています。





それでは受賞作品を紹介していきましょう。
まずは入賞作の5句から。




運転中に周囲の状況を把握するのは視覚によってだけではありません。
耳で聴くことも大事。密閉された空間だからといって大音量で音楽を聴くのは控えましょう。
ラジオもそうです。大きさはほどほどに!





お子さんが少しずつ成長して、初めて横断歩道を一人で手を上げて渡ることができたのでしょうか?
微笑ましい光景が目に浮かびますね。こうした子どもたちの安全を守るためにも
ドライバーは安全運転を心がけなければいけません。





クルマに乗る時のシートベルト、自転車に乗る時のヘルメット、
命を守るために大切な2つを上手に川柳に入れ込んだ技はお見事!





スピードを出しすぎているクルマをシニカルな視点で句にしているのが川柳らしいですね。
風刺は川柳の要素の1つですから。





路面が濡れている時の制動距離は、路面が乾いている時の1.5倍とも言われます。
ましてや夜、皆さんもこのシチュエーションでは、いつもよりスピードを落としましょう。


続いては優秀賞2作品と、最優秀賞1作品です。
まずは優秀賞作品を1つ。





「あーちゃんおーちゃんのじぃじ」さんはペーパードライバーで
いつも奥様の運転する車の助手席に座っているそう。
その奥様は”超”がつくほどの安全ドライバー。
制限速度を守るのはもちろん、横断歩道では必ず停まります。
すると、ほとんどの歩行者が会釈をするか軽く手を挙げ、今度は奥様も会釈を返す・・・ 
その光景を助手席から見ていて、こんなふうに人と人とが思いやりを持っていれば
交通事故はなくなるのではないかと思ってこの川柳を作ったそうです。

停まったクルマのドライバーと横断する人のやり取りが、感動的なシーンに思えるそんな一句です。
続いて、もう1つの優秀賞作品。




これは、本当は「びっぐべいびー」さんの父親のことなのだそうですが、
川柳は、一般にわかりやすいように「祖父」で作ったとのことでした。

そのお父様は7月に父が大きな手術をして、それを機会に免許の返納を進めて、
リハビリを兼ねてスニーカーを送ることにした「びっぐべいびー」さん。
これからは歩行者として交通事故に気をつけながら
健康でいてほしいという思いを詠んだとのことでした。


最後に最優秀賞作品。





「栄ちゃん」さんは、最近話題の物価高と自身が日頃から心がけているエコ運転、
2つの言葉を使って句をつくりました。無理な運転をしない、無茶な運転をしない
エコ運転を通して安全運転を心がけるという意味を込めてつくったと話して下さいました。

スピードを出しすぎないエコ運転は、
事故予防にもいいし、ガソリン消費にもいいし、いいことしかありません。





交通安全川柳を皆さんも1句つくってみてはいかがでしょう?
交通安全に対する意識が、より高まることでしょう。