そろそろ8月も終わり。
夏の間、アウトドアライフに、帰省に、 
ずいぶん愛車に頑張ってもらった人は多いでしょう。
ベテランドライバーには当然かもしれませんが、
クルマを持ってキャリアが浅い、若いドライバーのみなさん、
このタイミングで一度メンテナンスを考えるべきです。
秋からも安全運転を続けるために!

今回のコメントは国際モータージャーナリスト 清水和夫さんでした。
夏に酷使した愛車のメンテナンスは、まず洗車から。

海に行ったりすると潮風に当たります。
ガソリンスタンドとかに行っておまかせでは無く、
コイン洗車で自分で高圧の水を使い、
外装だけでなく、タイヤのホイールハウスの中まで
入念に塩水、あるいは、砂泥を綺麗に取ってあげるようにしましょう。
そういう「気持ち」が大切だと清水さんは言います。

洗車のあとは夏の高温からくるダメージのメンテナンス!
温度が上がるとブレーキやタイヤを酷使しがちなもの。
自分で出来る範囲の中で言えば、足周り、特にタイヤ周り、
空気圧とかすり減った状態をチェックする。
ふだん何気に使っているタイヤが気が付いてみると擦り減っていて、
雨が降った時に滑ってビックリすることがあります。
残りの溝がどのくらいかチェックしたり、釘を踏んでいないか確認する。
実は釘を踏んでいてもパンクしない場合があります。
釘が刺さったままの状態で走っていて、ある時、釘が抜けるとパンクをしてしまう。
タイヤを全周、手で触ったり、目で見て確認するようにして下さい。

タイヤの磨耗についてのチェックポイント。
タイヤの溝の中には一段高くなっている「スリップサイン」があります。
新品の時、タイヤの溝は8mm。「スリップサイン」は1.6mm。
タイヤが磨耗した結果、スリップサインが顔を出し、
溝が1.6mm未満になった状態で走ることは法令違反。
反対に言えば、溝が1.6mmまでは、法令上の問題はありませんが、
専門家は安全上、新品の時の50%=4mm 磨耗した程度でのタイヤ交換を推奨します。

そして、次のメンテナンスは掃除。
ジメジメした夏を過ごしたので、秋になって湿度が下がった時に
湿気を取るという意味で絨毯などはいちどとって
綺麗に細かく、室内クリーニングをするのも大事です。

それは車に対する愛情。
食べ残したパンが落ちていても、平気な人は車に対する愛情が無い。
いざという時に車が人を守ってくれないのではないか?
そういう風に清水さんは信じているといいます。

愛情があれば自分の車がどこかにぶつかったら可哀想だと思うはず。
自分の車が他の車を傷つけることも可哀想だなと思うと思うはず。
愛車が機械だと思わずに大事な人の命を乗せる友達だと思うと車を大事にします。
大事にすると安全運転も守れるようになるというわけです。

かつて愛車のセルフメンテナンスに「ブタと燃料」という表現がありました。
「ブレーキ」「タイヤ」「燃料」をチェックするというもの。
テクノロジーの進歩で、このうち「ブレーキ」と「燃料」を
一般のドライバーがチェックすることは難しくなりました。
音や振動、乗っている感覚で「おかしいな」と思った場合には
必ずプロに見てもらうようにしましょう。

自分では「洗車」「タイヤチェック」「掃除」。
クルマに愛情を持って、安全運転を心がけてください!







今はスマートフォン向けのアプリの時代。
いろいろな役立つアプリがあります。
中には交通安全につながるモノも。
今回は、そんな交通安全関連アプリを3つ紹介しました。

1つめはTOYOTAがリリースしている無料アプリ。
『車の妖精 ドライブおやじ』
楽しみながら、エコドライブを身につけられるアプリです。

「ドライブおやじ」とというのは、それぞれの車に宿る妖精。
ふだんは目に見えない存在ですが、
このアプリの利用者には“おやじの姿”が見えるという設定。

アプリをインストールしてみると・・・
格好はステテコに腹巻で
例えるなら「バカボンのパパ」のようないでたち。
バーコードの髪型にメガネ。メガネで目は見えません。
例えるなら気難しそうな「磯野波平さん」といった感じ。
キモかわなキャラ。

この妖精「ドライブおやじ」は人間界のおやじ同様
あまりコミュニケーションが得意ではないそう。
利用者にエコドライブをしてほしくて最初は厳しい小言を言いがち
でも、本当はかまってほしくて「やさしい発進・加速」をすると
“なつき度”が上がっていきます。

使い方は簡単。

? 車の運転を始める前にアプリを起動
  ドライブ中にスマートフォンが動かないように固定するか
  滑りにくい場所に置いて「ドライブSTART」を押します。
  そして、運転スタート!

? ドライブが終わったら車を安全な場所に停めて「ドライブ終了」を押します

?「大成功」「セーフ」「大失敗」の3つで判定が出ます
 「大成功」で「♡」が1つたまり、3回連続で大成功だと“なつき度”がUP
 「セーフ」でゲットした「♡」がすべてなくなり
 「大失敗」だと“なつき度”が下がります


と、楽しみながらエコドライブが身につくアプリです。

2つ目の交通安全関連アプリは『交通安全クイズ』。 
今年6月に kazuo umemoriさんという方がリリースした無料アプリ。
交通安全についてのクイズが第1集から第5集まであります。
子供と一緒にゲーム感覚で交通安全クイズをやれば
楽しく交通安全の知識を身につけることができます。
同じようなアプリに『道路標識クイズ』というのもあります!


3つめはクルマ用品の総合メーカー
CARMATEの無料アプリ『DriveMate KingKong』
警告音が鳴る速度を設定しておけば
その速度になると昔懐かしい警告音が出ます。
走行しているスピードも表示されます。
運転中のチェック機能になりますが、
クルマについたメーターを見てスピードを出しすぎに
気をつける習慣はなくさないように気をつけて!

他にもかなり多くの種類あるのがドライブレコーダーアプリ。
それから燃費を記録するアプリといったものもあります。

アプリを使って「交通安全」ライフを送るというのは、
「今時」なアプローチかもしれません。
よかったら試してみて下さい!

こうした交通安全関連アプリは、
すべて運転中の操作を想定したものではありません。
必ず運転開始前に設定し、運転中の操作をする場合は、
同乗者にやってもらうか、安全な場所に停車してから行って下さい。


今日から始まるお盆の帰省ラッシュ。
できればクルマの渋滞は避けたいもの。
事故などのトラブルにも巻き込まれたくありません。
今週は「渋滞対処術」を追跡しました。

近頃では様々なものがある渋滞情報。
モータージャーナリストで日本自動車連盟交通安全委員会委員の
菰田潔さんによると中でも信用度の高いものは、
東日本・中日本・東日本、3社ある高速道路の管理運営会社NEXCO。
ウェブサイトで渋滞情報を発信しているのでお出かけの際には参考にして下さい。

ドライバーの運転も渋滞の原因になっています。
それはハンドルを握る人が力を合わせて防ぐべきこと。
「2秒の法則」を覚えておきましょう。

車間距離を2秒あけて走ればクルマの流れが効率的になり
渋滞になりにくいというデータが出ています。
それより車間距離の時間が詰まるとブレーキを踏むクルマが増えて渋滞が起こる。
反対に5秒、10秒と車間距離を時間的にたっぷり空けてしまうと、
一定時間内に通れる車の数が減るので、これも渋滞につながります。
安全性が保たれて滞が起こりにくいのは車間距離2秒間ということを知り、
多くのドライバーがそれを実行すれば渋滞は減るでしょう。

渋滞の中で一番起こりやすい事故は「追突」です。
まずは「他のクルマに自分が追突しない」ように気をつけましょう。
高速道路の走行スピードはおよそ100キロ。
渋滞が起こっている箇所に到達すると、
その100キロから0キロにスピードを落とさなければいけません。
その際、止まり切れずに渋滞の最後部にぶつかる事故が生じます。

自分が渋滞の最後尾に追突しないように
5台ぐらい前の車の動きを見ながら走るようにしましょう。
目前の車だけを見ていると、その車が急ブレーキを踏んだ時に、
間に合わないという事態が起こりかねません。
しかし、数台前の車まで見ていれば、徐々に止まるなということが分かります。

その時のブレーキの踏み方のコツとしては、
前の車がブレーキを踏んだ場合、同じ車間距離を保ったまま減速する。
そうすれば前の車が予想以上に急に止まったとしても余裕が出来てきます。

反対に「他のクルマに追突されない」ことにも気をつけましょう。
そのコツとしては自分が渋滞の最後尾にならないこと。
前の方で渋滞が起こったら自分の前の車間距離をたくさん開けておきましょう。
そして、自分の後ろに3台ぐらい車が連なったら最後尾に付くようにすれば、
自分が最後尾になることなく、渋滞の列に並ぶようになります。

渋滞の中で、時折ススっと進めることがあります。
そんな時でも渋滞箇所を通り過ぎたとも限りません。
いきなりスピードを上げて前のクルマに追突しないように注意して下さい。

お盆と年末年始。
帰省ラッシュは日本の年中行事のようなもの。
ただ、例えばドイツでは地域ごとに夏休み取得の時期を変えているそうです。
そうすれば渋滞の緩和につながり、観光地も混雑しすぎることがありません。
また、観光地にしてみても、ある時期に一極集中的に来る人が集中してしまう
という事態が避けられ、繁忙期が期間的に続きます。

お盆、大晦日・正月が年中行事としてある日本では難しいかもしれませんが
できる範囲で、休みの時期をずらすということができれば、
今のような車の渋滞を多少なくすことができるかもしれません。


減少傾向にある交通事故。
飲酒運転もまた、年々減っています。
しかし、ドライバーの意識の問題で、ゼロになりません。
それならば進歩する「技術」で『飲酒運転ができない車』を実現できないのか?
今回は追跡しました。

コメントは自動車業界に詳しい
経済ジャーナリスト 片山修さんでした。

警察庁のデータを見てみると・・・

平成10年の飲酒事故数 — 21,061件
      死亡事故 —  1,268件

平成26年の飲酒事故数 —  4,155件
      死亡事故 —   277件


減っているとはいえ4,155件の飲酒運転事故。死亡事故も277件。
これは交通事故が起こった数。飲酒運転の氷山の一角にすぎません。

飲酒による事故を起こした場合は重い罰則が与えられますが、
巻き込まれた被害者はたまったものではありません。

日本では2011年から、プロのドライバーに対しては、
事業所による勤務前のアルコール検知が義務付けられています。

しかし、一般のドライバーに、それはできません。
そこで、普及しているのが「アルコール・インターロック」。
ドライバーがアルコールを飲んでいると
呼気でそれを感知してエンジンがかからなくなる装置です。

日本にも「アルコール・インターロック」の義務化を求める声があります。
しかし、それには問題も少なくありません。

1台 10万円以上と高価なもの。
義務化された場合、費用は自己負担なのか?

アルコール検知の難しさ。
アルコールが弱い人  強い人。
アルコールを消化しやすい人 しにくい人。
どのような基準にするのか? 世界でも決まっていない。

日本の自動車メーカーも「アルコール・インターロック」の研究開発に乗り出しています。
その気になれば、導入もできるとのこと。
ただ、今のところ、その動きはありません。

また、Hondaは日立と組んでマウスピースなしで利用可能な
呼気認識機能を搭載したスマートキー対応の
ポータブル呼気アルコール検知器の試作に成功しています。
簡易に3秒でアルコール検知ができる優れもの。
ただ、難しい部分もあり「共犯者」がいれば、
お酒を飲んでいない共犯者の呼気を使えば
クルマのエンジンをかけられてしまうのです。

「飲酒運転ができない車」。
技術的には、実現可能なところまできている印象を受けますが、
費用、規則、制度といったところで課題が多いことがわかります。

ただ、いちばん大切なのは、今ある飲酒事故の状況を社会がどうしたいか。
日本はもっと積極的に飲酒運転撲滅に向かったほうがいいのかもしれません。