2018年も残すところ5日。
年始には、みなさん初詣に行くことでしょう。

その時、家内安全・商売繁盛・無病息災とともに
交通安全を祈願してみては、いかがでしょう?
それは常日頃から、交通安全の意識を持つことと、繋がるはず。

全国には交通安全に所縁の深い神社もあります。
2018年最後の「なるほど!交通安全」は、
そんな神社を2つ紹介しました。

1つ目は、京都市 左京区にある須賀神社。
須賀神社内には日本でただ1つの「交通神社」があります。
       




神職の坂本哲一さんによると
「交通神社」は須賀神社とともに来年で創建1150年。

須賀神社は疫病鎮護。
流行病から人を守る神様を祀っていました。
流行病、疫病は、道を移動する人によって流行する。
京都から東国に向かう時には、この地を通ることもあり、
道中安全の神様として古くから信仰が育まれてきたのです。

そして、自動車とオートバイが普及し
交通事故が爆発的に増えた昭和39年に交通神社を分祀。
以来、日本唯一の交通神社として、
交通安全を願う人たちがお参りしています。

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全国にある交通安全に所縁が深い神社。
もう1つは香川県三木町の「讃岐輪楽オートバイ神社」。
去年6月にできた全国3番目のオートバイ神社です。





創建した三野克久さんによると
この神社はもともと近くあったもの。
塩田に祀られていましたが、塩田がなくなり、
ポツンと放置された存在になっていました。

そこで、三野さんはオートバイに乗っていたこともあり、
他にオートバイ神社があるということで、
オートバイ協会などに相談し、讃岐輪楽オートバイ神社として
あらためてお祀りすることにしました。
最初のオートバイ神社は島根、2番目は広島にあるといいます。

神社名にある輪楽(わらく)は、
三野さんが経営する古民家カフェの名前です。
三野さんご自身は神職の資格も取得。
希望する方には、カフェの仕事の傍らで、
無料で交通安全祈願のお祓いもしています。

宣伝はしていないもののSNS時代
インターネットなどで情報は広まり
1ヶ月に150台ほどのオートバイが訪れるとか。

本業もあって、とても忙しそうな三野さん。
それでも交通安全に思いにひと役買うことができて
充実感も感じていらっしゃる様子でした。

京都市の交通神社。
香川県三木町の「讃岐輪楽オートバイ神社」。
こうしたところに行ってみるのもよし。
あるいは初詣の時、他の願い事と一緒に、交通安全祈願をするもよし。
       
そうした行動は、いつも頭の片隅に
交通安全に対する意識を持つことに繋がるはず。
みなさんも、新年の初詣で交通安全祈願をしてみてはいかがですか?


国土交通省と警察庁が、大雪の時に、
一部の地域でタイヤチェーン規制をする改正省令を発令しました。
インターネット上では、これに対して批判・非難の声が上がっています。

大雪時のタイヤチェーンの装着が義務付けられたのは、
過去に大規模な立ち往生などが発生したことがある13区間。
いずれにも、以下の場所があります

▷ タイヤチェーンの着脱ができる場所
       
▷ 通行止めが解除されるまでの待機できるスペース

その上で、規制時は区間手前でチェーン装着状況の確認が行われ、
違反者は『道路法』に基づいて6ヶ月以下の懲役、
または30万円以下の罰金が科されます

こう聴くと罰則が結構に厳しい。
さらにSNS時代、ニュースが見出しだけで、瞬時に広がります。

今回のことも「タイヤチェーン装着義務化」
「違反者には罰則」という部分的な言葉が拡散した結果、
「雪国をわかっていない」「チェーン義務化なんておかしい」
という意見が多数ネット上で発信されました。
しかし、これには、少なからず誤解があるようです。





発令に先立つ4日前、国土交通省は、
「チェーン規制の検討状況」を発表しています。
見出しは「大雪時の道路交通の確保に向けた取り組みについて」。

その内容と照らし合わせると
現在、大雪時の道路交通を確保するための対策として、
「道路ネットワーク機能への影響を最小化するため」
施策の1つとして「チェーン規制」が導入されたようです。

このチェーン規制が行われる『時期』は、       
大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われる異例の降雪時。
この条件を平成29年で見てみると
       
▷ 大雪特別警報の発令は0回
       
▷ 大雪に対する緊急発表は3回 

つまり、ほとんどないのです。
そして、国土交通省はこう説明しています。

「従来であれば通行止めとなる状況において
タイヤ チェーン装着車のみ通行を可能とするもの」

「あれ?」と思った方も多いのではないでしょうか?
そう、本来なら「通行止め」にすべきところを
チェーン装着で通行を可能にしましょうというものなのです。

今回の「規制」の狙いは異例の大雪の時でも
道路によるネットワーク機能を維持すること。
スタッドレスタイヤではなくタイヤチェーン装着を義務としたのは、
大雪でクルマが立ち往生する数はチェーン装着のほうが少ないから。
規制対象になった13区間を最後に記しておきましょう。





<高速道路> 
      
上信越道 長野県 信濃町ICから新潟県 新井PA間の25km
中央道  山梨県 須玉ICと長坂IC間の9km
中央道  長野県 飯田山本ICと園原IC間の10km
北陸道  福井県丸岡ICと石川県加賀IC間18km
北陸道  滋賀県木之本ICと福井県今庄IC間の45km
米子道  岡山県湯原ICと鳥取県江府IC間の34km
浜田道  島根県旭ICと広島県大朝IC間の27km

        
<一般道路> 
      
国道112号線 山形県西川町志津から鶴岡市上名川の27km
国道138号線 山梨県山中湖村平野から静岡県小山町須走字御登口の9km
国道7号線  新潟県村上市の大須戸から上大鳥の16km
国道8号線  福井県あわら市熊坂から笹岡の4km
国道54号線 広島県三次市布野町上布野から島根県飯南町上赤名の12km
国道56号線 愛媛県西予市宇和町から大洲市松尾の7km


各都道府県は、交通事故を減らすため、無くすため、
それぞれの取り組みを行っています
今日はそんな中で「色」を使った施策を追跡しました。

舞台は、まず香川県。
香川県は平成23年・平成24年と
人口10万人あたりの交通事故死者数が全国ワースト?位。
ハードとソフトの両面で対策を講じる必要がありました。
       
ハード面での対策の1つとして平成25年からスタートしたのが
危険な交差点の「分かりやすい路面標示」と「カラー舗装化」。

死傷事故が起きる頻度が高い箇所を抽出。
路面標識を分かりやすくすると同時に
交差点を明るく目立つ青い色で舗装したのです。

青でのカラー舗装化は大きく2パターンあります。
1つは交差点内部。


 


ドライバーに交差点の存在を事前に認識させることによって、
速度の抑制を図ることを狙いました。
確かに、この派手なブルーが見えたらスピードを緩めそうです。

もう1つは車線。
交差点へと直線車線から分岐してできている右折車線。
その入り方を青の印で誘導しています。





交差点の右折進路を明確にすることにより、
急角度の右折 を抑制することを狙ったもの。
普通であればドライバーはインパクトあるこの表示に
逆らおうと思わないでしょう。

「分かりやすい路面標示」「交差点 のカラー舗装化」の結果、
初年度の平成 25 年度末までに対策が完了した箇所では、
事故件数が平均およそ45%減少という結果が出ました。

平成28年 5月に予定箇所全ての実施が完了しました。
その2ヶ月前に対策を講じて1年以上経った295箇所の
効果検証を行ったところ、事故件数は平均およそ32%減。

特に「出会い頭の事故」が多い箇所で実施した交差点のカラー化は、
施工前と比べて平均およそ63%の事故減少につながっていたのです。

この香川県の結果に影響を受けたのが佐賀県。
佐賀県は「人口10万人あたりの人身事故件数」が、
2012年〜2016年にかけて5年続けて全国ワースト?位。

そこで、香川県のカラー舗装化を参考に、
来年度から「SAGA BLUE PROJECT」を本格スタートします。
すでに準備期間としてカラーの舗装化は始まっています。









SAGA BLUE PROJECTも、交通事故減少の効果があり、
こうした交通事故対策が、全国に広がるといいですね。   


ドライバーのみなさん。
信号のない横断歩道で、歩行者が待っている時、停車していますか?





信号のない横断歩道。
歩行者が待っているにも関わらず、停車しな。
それは道路交通法違反にあたる運転行為です。
   
それなのに、信号のない横断歩道を渡ろうとした時、
「クルマが、無理矢理、目の前を横切って危険な思いをした」
「クラクションを鳴らされた」
「停車したけれど、ドライバーに嫌な顔をされた」      
という経験をしたことがある人は少なくないと思います。





ドライバーには歩行者が安全に横断歩道を渡れるよう保護する義務があります。
道路交通法 第38条に、こう定められています。

? 歩行者の有無を確認できなければ、
  横断歩道の停止位置で止まれる速度で進行する

? 横断しようとしている、
  あるいは横断中の歩行者や自転車がいるときは 必ず一時停止をする

? 横断歩道内、およびその手前30mは追い越しや追い抜きが禁止


横断歩道を渡りたい歩行者がいる場合、
ドライバーが横断歩道の手前でクルマを停止するのは義務。
違反者には反則金や違反点数が科せられます。

今まではこの行為が道路交通法違反になるという認識が、
多くのドライバーになかったのかもしれません。
       
取り締まりしにくい運転行為。
たいてい見逃されていたことも原因の1つでしょう。

でも、この「信号機のない横断歩道においての
歩行者優先等違反」は、今後取り締まりが厳しくなりそうです。





1つは、この「なるほど!交通安全」では、
2月の放送で本人のコメントを紹介した新聞への投書。
来日20年を超える、名古屋在住のイギリス人大学准教授が、
いかに日本人は信号のない横断歩道でクルマを一時停止しないかを指摘。
横断歩道で危険な思いをしたことがある人が多かったからでしょう、
この投書には賛同する意見が多く寄せられて話題になりました。

2つめは10月25日に発表されたJAFによる調査結果の発表です。
各都道府県2箇所、全国94の信号機が設置されていない横断歩道で、
通行する車両の調査を行いました。
それによると、歩行者が渡ろうとしている場面で、
一時停止した車は11,098台中、わずか948台、一時停止率8.6%。
前年から0.1%しか増加していませんでした。

ちなみに、一時停止率が高い都道府県ベスト?は、

?位 長野県 59%  ?位 静岡県 39%
?位 石川県 27%  ?位 島根県 27%  
?位 鳥取県 26%


一時停止率が低い都道府県ワースト?は、
       
?位 岐阜県 2.2% ?位 東京都・岐阜県 2.1% /
?位 和歌山県・三重県 1.4%
?位 広島県 1.0%  ?位 栃木県 0.9%。
       

栃木県では100台のうち1台も停まっていない!


こうした背景があるからでしょう。
警察庁は10月『「歩行者優先」意識の高い訪日外国人観光客の安全を守るため
「信号機のない横断歩道における歩行者優先等を徹底するための広報啓発・
指導の強化について」という通達を47都道府県警察本部長宛に発しました。

11月に、警視庁、千葉県警、神奈川県警は、
オリンピック会場に繋がる一般道で、
「歩行者優先」のキャンペーンを展開しました。
他の警察でも、取り組み始めたところが、あることでしょう。
       
歩行者妨害で検挙された場合、基礎点数2点の原点。
普通車で反則金9,000円です。

ただ、取り締まれられないようにということではなく、
歩行者を優先するドライバーのマナーとして、
きちんと一時停止をしたいものです。
その心がけが交通事故撲滅に繋がります