この番組を通勤するクルマで聴いて下さっている方は多いでしょう。
寝坊したり、出かける準備に時間がかかったりと朝の運転は急ぎがち。
休日のクルマでのお出かけも「○時までに着かないと!」と急ぐこともあるでしょう。

でも、焦る気持ちは危険。事故を誘発しかねません。
今回は九州大学 大学院 教授で交通心理学が専門の志堂寺 和則さんにお話を伺い
「急ぎの心理が運転に与える影響」をお伝えしました。





運転に限らず、日常生活で急いで何かをやり始めると
気持ちが落ち着かず、雑になったり、荒っぽくなってしまいます。
運転でも同じだと志堂寺教授は言います。

ゆったりとして冷静な状態で何かに急ぐ自分を想像してみると
あまりいい方向にはいかないだろうなと思いますよね。
判断を誤る、行動を間違える、ムダも多い。

それをクルマの運転に当てはめると、
急ぐ気持ちはスピードを出すことに繋がります。

クルマを運転している時に得る情報の9割が視覚から。
スピードを出えば情報量が多くなり、危険も増える、
それに対して人間の注意力には限界がある。
少し極端な比較ですが時速40kmで走行するドライバーの視野は約100度。
それが時速130kmになると約30度にまで狭くなります。

つまり、危険に対応できない”機会”が増えていくわけです。
そして、少しでも早く着きたいので車線変更を頻繁に行う、
信号が変わろうとしているのに止まらずに突っ込んでいく。
もう、危険しかありません。





そして、急ぎ焦る運転は他の危険にも繋がる可能性があります。
雑になり、荒くなるため、あおり運転と受け取られかねません。
そう感じた他のドライバーのあおり運転を誘発する可能性もあります。
このことを頭の片隅に置いておきましょう。

そんな事態にならないよう、
気が急いた運転をしないポイントは2つあると志堂寺教授は言います。

1つは余裕のある運転計画を立てる。
目的地に到着しなければいけなない時間があるのなら
それよりも5分〜10分余裕を見て出発をする。

もう1つは普段の生活からゆっくりとやる習慣をつける。
いくら何かの時に急がないようにしようと思っても急ぐ習慣がある人には無理。
クルマの運転も例外ではないそうです。
大切なのは1つ1つに丁寧な生活スタイルを身につけること。
それが安全運転の基本になります。





これを読んだドライバーの皆さんは「急いだ運転は危ないな」と思ったはず。
確かに「雑」で「粗い」生活習慣は様様なところに様様なカタチで表れるでしょう。
日々の暮らしを丁寧に積み重ねて自動車の運転に反映されるように心がけたいものです。
昨日は二十四節気の大寒。
1年でいちばん寒い時期を迎えています。

朝、出勤などでクルマに乗ろうとした時に
フロントガラスが凍結していることが北国だけでなく全国であるでしょう。

今週はJAF 東京支部 事業課交通環境係 栗原 悠羽さんにお話を伺い
「クルマの凍結」をテーマにお送りしました。





2018年高松市内の市道を歩いていた小学生の男児2人に対し、
後ろから低速で走行してきた軽トラックが衝突する事故が起きました。
軽トラックはフロントガラスに霜が付着した状態で
前方がほとんど見えずに走行していたそうです。
幸いなことに2人は軽傷で済みました。

「フロントガラスが凍結していて前が見にくい。
でも、目的地は近いからいいか・・・」そんな気持ちは危険。
経験したことのある方はわかるはず。
フロントガラスが凍結していたら氷や霜をなくして出発しましょう。





栗原さんによると以前JAFではフロントガラスの凍結を
どのような方法で溶かすのがいいか2パターンで実験しました。
解氷スプレーとエアコンのデフロスター機能を使って解凍時間を比較したのです。

その結果、エアコンのデフロスター機能だと視界が確保できるまで約10分。
待っている間はアイドリングしているので環境面に負荷もかかります。
一方で市販の解氷スプレーだと1分程度。
フロントガラスに水やお湯をかける方法もありますが、
温度差でガラスにヒビが入ったり、溶けた水が走行中に凍ってしまうこともあります。
注意して下さい。





フロントガラスの凍結に遭遇するのは基本的に朝。
出勤前、急がなければいけない状況が多いと思います。
そのまま出発するのは論外。
エアコンのデフロスター機能で凍結をとったはいいけれど
遅れを取り戻すためスピードを出すのは危険。
冬の時期は市販の解氷スプレーを準備しておきましょう。





事後対策をするのはもちろん、
事前対策を講じておけば、凍結を防げるかもしれません。
JAFは条件が異なる3台のクルマを用意して実験を行なった事があります。

何も対策していないクルマ。
撥水剤をフロントガラスに塗ったクルマ。
フロントガラス全体にカバーをかけたクルマの3台です。

何も対策しなかったクルマの場合はフロントガラスが凍結。
朝になってヘラやスクレーパーを使っても凍結を取りきれず
視界を確保することができない結果になりました。

撥水剤を事前にフロントガラスに塗っていたクルマは
やはり凍結しましたがスクレーパーを使うことで
氷をすべて削り落とすことができて視界を確保できました。

フロントガラス全体にカバーをかけたクルマは凍結せず
これが1番有効な対策だということがわかりました。

専用カバーはカー用品店でも販売されていますし、
家庭の毛布やバスタオルでも代用できます。
やっていない方は是非カバーによる凍結対策を始めてみてください。





また、寒冷地では雪が降っている時に路面の汚れがつきやすくなるので
ウィンドウォッシャー液の使用頻度が高まりますが、
ウォッシャー液が凍ってしまう可能性あり。
寒冷地用を使用するか、外気温に合わせて濃度調節が必要です。

また、エンジンの冷却液も凍結してしまうかもしれません。
これも外気温に合わせて適切な濃度に調整するよう心がけて下さい。



練馬インターチェンジ から長岡ジャンクションへ至る関越自動車道。
その下り、東松山IC付近の路面に緑色の実線が引かれています。

関越道を走行中に「この緑の線は何?」と思った経験がある方もいるでしょうか。
これは「車線キープグリーンライン」と名付けられたもの。

今回はNEXCO東日本関東支社 渋滞予報士
石垣 博将さんにお話を伺い、その設置目的をお伝えしました。





車線キープグリーンラインは2021年 7月に初めて設置されました。
場所は関越自動車道下り 東松山ICの本線合流部から約4kmの区間。
上の写真がそう。いちばん左側の走行車線の左右に引かれています。
また、本線だけでなく東松山ICの流入ランプにもあり、それが以下のイラスト。
ラインの設置目的を利用者に理解してもらうため
左車線キープのメッセージ表示もあり周知徹底を図っているのがわかります。





車線キープグリーンラインの目的は2つ。


キープレフトの促進による渋滞予防

混雑時のドライバーは少しでも早く進もうと追い越し車線を利用しがち。
でも、実は渋滞の多くは追い越し車線から発生しています。
それは車が追い越し車線に集中してしてしまうから。
また、下り坂から上り坂に勾配が変化する地点を「サグ」と言いますが
サグや上り坂は無意識にクルマの速度が低下して渋滞が発生しやすくなります。
車線キープグリーンラインが設置された東松山ICあとは長い上り坂。
そこでキープレフト心がけて渋滞を緩和しようという狙いです。


インターから流入する車の逆送対策

こちらはICのランプから車線キープグリーンラインに沿って走行してもらうことで
本線への交流も自然と正しい方向で合流できるので逆走対策に繋がるという狙いです。





「車線キープグリーンライン」がなくても無闇な追越車線の走行は避けましょう。
また、NEXCO東日本では上り坂の速度低下だから注意地点ですという標識や
ここはサグで渋滞が発生ポイントですよとドライバーに知らせる標識等を設置しています。
見かけた時には速度の回復を心がけましょう。

ドライバーの些細な自分勝手な運転が積み重なって大きな渋滞が発生することもあります。
ひとりひとりが注意したいですね。

新年を迎えて1週間が経ちました。
2022年も安全運転で事故を起こさないように気をつけましょう。
今年最初の「なるほど!交通安全」は、
“もしも”の時に備えて車に積んでおくアイテムを
自動車ライター 工藤貴宏さんにお話をお聞きして伝えました。





車に乗っている時に地震、火山の噴火、土砂崩れ、大雪などの災害や
何かしらの事故に巻き込まれることも考えられます。
工藤さんが挙げてくださった3つのマストアイテムは
懐中電灯・窓を割るハンマー・三角表示板。

トンネルに閉じ込められた時や、
夜間や暗いところで身動きが取れなくなった時のための懐中電灯。
視界を確保したり、灯りで安心感を得ることが出来ます。
LEDを使ったタイプが明るさと電池の消費を考えるとおすすめ。





大雨が多発する昨今、
車から脱出しなければいけない事態も考えられます。
そんな時に必要なのがウィンドウを割るハンマー。
シートベルトカッター付きがいいかもしれません。





三角表示板は組み立てると一片が40センチぐらいの
車の後ろに置いて車が止まっていることを後続車に伝えるためのもの。
後ろから衝突されるのを防ぎ、夜はライトを反射します。
車に積んでおく義務はありませんが、高速道路で路肩に緊急停車する時には
三角表示板を使わないと違反になるので車に載せておくべきものです。





そして、できれば車内に準備しておいたほうが良いものが4つ。
電池式発煙筒・ブースターケーブル・牽引ロープ・消火器です。

発煙筒はどの車にも積んであると思いますが、標準装備のものは持続時間が短い。
電池式を用意しておけば、長い時間、危険を伝えることができます。

ブースターケーブルはバッテリーが上がった時に
他の車から電気を分けてもらい、エンジンを再びかけることができます。
JAFのロードサービス出動理由の4割がバッテリーが上がったこと。
そうした面倒と無駄な出費を避けられます。

牽引ロープは雪道などで動けなくなった時に車で牽引する時のため。
自分が助ける側でも、助けてもらう側でも使うことができます。
特に雪道を走る時には用意しておきたいところ。

消化器は車から火が出たときに使います。
実は年間1500件ぐらいの車の火事が起きています。





そして、今の季節は雪への備えも考えましょう。
例えば積雪や吹雪で車を動かすことが出来なくなった時のための体を温める毛布。
緊急救命の現場でも使われているエマージェンシーブランケットが工藤さんのおすすめ。
薄く、小さく、畳めるアルミ製がコンパクトで車に積んでおくのに良いということです。
また長時間、車内に閉じ込めらた時のための飲料水・保存が効く食料があると安心です。
根本的なところでは、心配なのが立ち往生したときに燃料切れ。
エンジンが止まるとヒーターも使えなくなるので燃料切れは避けたい。
特に降雪地域にお住まいの方はできるだけ燃料を満タンにしておきましょう。





万が一、幹線道路や高速道路で事故の当事者になってしまった場合、
まず、考えなければいけないのが自分の安全確保。
車を止めてエンジンを切り、車から降りる時は後続車をしっかり注意すること。
その上で後ろから衝突されないように表示版や発煙筒で事故と停車をアピールします。
路肩に止まっている車には常に後ろから衝突される危険があることを念頭において下さい。
それから怪我人がいれば救護と警察や消防への連絡。
高速道路で助けを待つ間はフェンスを越えて道路の外で待っているようにしましょう。
後続車に追突される二次災害を防ぐためです。





いちどクルマに載せている緊急グッズを確認しつつ、
足りないモノがあれば買い足すようにして下さい。
日頃の準備を怠らず、“もしも”の時は落ち着いて行動しましょう。
2022年のカーライフも、ご安全に!