ふだん、あまりクルマを運転しない方が、
この年末・年始にハンドルを握る機会があるかもしれません。
運転の基本の1つがアクセルとブレーキの使い方。
正しく操作しないと前後の車との衝突事故に繋がってしまう恐れもあります。
今回はアクセルとブレーキの上手な操作についてお伝えしましょう。
今回、お話を伺ったモータリングライター 藤田竜太さんによると
昨今、ブレーキとアクセルの踏み違いによって多数の事故が発生。
大きな社会問題となっています。
そこまで極端ではないにせよ、車はブレーキを踏むと前のめりになり
アクセルを踏むと車体が後ろ下がりになるので、
ペダルワーク次第ではかなり車体が不安定になり、姿勢を乱すことに繋がります。
スムーズアンドセーフティ、そしてスマートな運転はペダル操作にかかっています。
運転に自信のない人は今一度ペダル操作の基本を見直して下さい。
アクセルワークで大事なのは「アクセルはスイッチではない」ということ。
アクセルを少し踏んで、しばらく進むとパッと戻し、
その後も踏んだり戻したりしながらクルマを走行させる人が時折いますが、それは悪い例。
アクセルは、発進する時や加速する時は、ある程度、力強く踏んで、
巡航速度に達しそうになったら少し緩めて、そのままアクセル開度をキープするのが基本。
車間距離が詰まってきたり、信号などで止まりそうな時は、
手前から緩やかにアクセルペダルを閉じていきます。
いずれにせよ、急の付く操作は厳禁。踏む時も戻す時も緩やかに。
そのためには足首を柔らかく使い、右足のかかとはブレーキペダルの真下の床につけて、
かかとを支点にアクセル開度0から全開までを10段階ぐらいに踏み分けられる
繊細さを持ってコントロールできるように意識しましょう。
かかとをブレーキペダルの真下につけておくのは、
いざという時に素早く正確にブレーキペダルを踏むためです。
また、車は走行中、アクセルもブレーキも踏んでいない時に一番不安定になります。
カーブに差しかかった時は手前で十分減速して、
少しでもアクセルを踏んだ状態で曲がれるようにすることが肝心です。
また、オートマ車は、シフトをDにしてブレーキから足を離すと、
アクセルペダルを踏まなくても、ゆっくり前進することを念頭において下さい。
続いてブレーキペダルの正しい使い方。
ブレーキは、まず大事なのが、運転席に座った時のポジション。
ブレーキは危険回避に最も重要な操作。
いざという時のためにフルブレーキをかけることを想定しておくことが第一です。
具体的には、シートポジションが一番大事になってきます。
シートに腰掛けたら、背中や腰裏と背もたれとの間に隙間ができないよう奥深く腰掛けます。
そして、エンジンをかけた状態で、ブレーキペダルを思いっきり奥まで踏み込んでも
膝が伸びきらずに少し曲がっているぐらいのところまで座面を前に動かしてください。
乗り降りのしやすさを優先してペダルまでの距離が遠い人が結構いますが、
ペダルまでの位置が遠く、つま先だけでペダルをちょこちょこ動かすようでは
正しいペダル操作は出来ない上、いざというときに危険です。
ブレーキは運転中に危険を回避する最も大切な手段。
面倒臭いからと適当にならず、とっさの時にすぐ踏み込むことが出来る
ポジションに座りましょう。
ブレーキの踏み方のポイントは、右足のかかとをブレーキペダルの真下の床につけて
そこを支点にブレーキペダルの中心を右足の親指の付け根で踏むこと。
この時、左足はフットレストに置いておき、体を安定させるのに使います。
時々、車間距離の調整に細かくブレーキを踏む人がいますが、上手な運転ではありません。
通常の車間距離の調整などは極力アクセルワーク、
つまりエンジンブレーキを使って調整するのが車をギクシャクさせない秘訣です。
停止する時は、ブレーキの踏み始めから停止寸前までほぼ同じ踏力で操作するのが上手な運転。
停まる寸前にわずかにブレーキを抜いてあげると、車体がガクンせずスマートです。
反対に、一回の制動でブレーキを何度も踏んだり戻したりするのは NG 。
そして、万が一、何かにぶつかりそうになった時は、車が完全に停止するまで
ブレーキを全力で踏み続けることが一番被害を少なくすることだと覚えておきましょう。
運転に不慣れな方はもちろん、慣れている方も、
冬は路面が凍結していることもあります。
アクセル、ブレーキはくれぐれも正しく、慎重に操作して下さい。