先月「外国人が見た日本人の運転マナー」を放送しました。
日本に20年以上住んでいる名古屋市のイギリス人大学准教授が新聞に投書。
「日本人ドライバーは信号がない横断歩道で止まらない」
「子供や観光目的の外国人を考えると危険」と注意を促したという内容です。

その後、スタッフが調べ物をする中で
「車は横断歩道で停車しよう!」という運動があることを知りました。
これは千葉県警察が展開いている「ゼブラ・ストップ運動」です。





千葉県警察 交通総務課 課長補佐 矢野雄士さんによると
「ゼブラ・ストップ運動」の背景にあったのは
千葉県内の交通事故死者数に占める歩行中だった人の割合が6割いて
横断歩道上で横断者が命を落とすというケースも少なくなかったこと。
ドライバーに横断歩道での歩行者優先を深く認識するように始まりました。

「ゼブラ・ストップ運動」は横断歩道の和製英語「ゼブラゾーン」にかけて
「ゼブラ」に3つの意味を込めています。


『ゼ』・・・  前方をよく見て運転 横断歩道に十分注意 

『ブ』・・・  横断歩道の手前では「ブレーキ」操作で安全確認

『ラ』・・・  横断歩道でも、3(サン)・「ライト」で交通事故防止
      

 
この3つのライトとは

? 車のライトの早めの点灯
? こまめな切り替えで横断者を早期発見
? 横断者も反射材などで「ライト」UP


ただ そもそも横断歩道を横断しようとしている
横断している歩行者がある時 その手前で停車することは
「なるべくやりましょう」ということではなく
「やらなくてはいけない」義務です。


道路交通法第38条第1項後段にはこうあります。


「車両等は進路前方の横断歩道等を横断し
または横断しようとする歩行者があるときは その手前で一時停止し、
かつ その通行を妨げないようにしなければならない」



このことをよく覚えておいて下さい。
そして 罰則としては行政処分で2点の減点。
反則金が原付6,000円から大型車12,000円までとなっています。
場合のよっては3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金の
刑事処分が課せられる場合もあります。



   
   
矢野課長補佐によると 千葉県警では広く県民に知らしめるため
広報誌や街頭キャンペーンを通じて広報活動を推進してきました。
手応えとしては まだ周知しきれていない部分があるので
さらに浸透するよう広報活動を続けていきたいということでした。      

千葉県以外の都道府県警察も 違う名称で
横断歩道での歩行者優先周知の運動をやっているところもあるでしょう。
もちろん やっていないところもあるでしょうが、
横断歩道では車よりも常に歩行者が優先。
覚えておいてください。 



   
1日ずつ春に近づいています。
これからはドライブが気持ちいいシーズン。
休日にはクルマでどこかへお出かけという機会も多いでしょう。
そんな時に注意してほしいのが駐車場の利用です。

駐車場は公道のように早い速度で走る場所ではありません。
でも 意外と事故が多発している場所。



      
 
日本自動車連盟(JAF)東京支部 
事業課 交通環境係 高木孝さんによると
車両事故の約30%が駐車場で発生というデータがあるとのこと。
3割というのはかなりの割合と言えるでしょう。

事故のタイプも「歩行者にぶつかる」
「クルマとクルマがぶつかる」「物損」とさまざまです。

なぜ駐車場で事故が多いのか? 
まずは一般の公道との環境の違いが考えられます。

公道と違い車が通る道と歩行者が通る道がハッキリ分かれていません。
車が通るところでも歩行者が出てきたりすることもあります。
進行方向も矢印があるのに逆走してくる車もあったりします。
公道ほどのルールがないことが駐車場の危険な点です。





駐車場は「焦り」が生まれやすい場所でもあり「焦り」は事故につながります。
駐車場に入ったはいいが空いているスペースがなかなか見つけられない。
1つ空いたのを見つけると他の人に取られないよう急ぐ。
急いでしまうこともまた危険です。

初めての駐車場は勝手がわかりにくいことも少なくありません。
気持ちが舞い上がって冷静な判断・運転ができなくなることもあるでしょう。
駐車場の暗さが影響することも考えられます。




     
反対に「気の緩み」が出るもの駐車場かもしれません。
特に行楽地へ出かけた時は長時間運転してようやく着いた!

子供もテンションMAX! 
よっしゃ〜 クルマを止めて、遊ぶぞー!! 

みたいな時に足元を救われるかもしれません。
クルマを停車してエンジンを止めるまでは慎重に ♡

駐車場は多くの人が慣れていない運転空間。
慌てず 焦らず はしゃがず いつも以上に周囲に気を配って
事故を起こさないよう気をつけましょう。





今週は先週に続く「日本一の教習指導員が語る交通安全」。
「実技編」をお送りしました。

出演は長野県須坂市 ドリームモータースクール須坂の小野寺雄哉さん。
去年6月に開催された『第17回 全国自動車教習所 教習指導員 安全競技大会』
四輪部門で総合優勝した方です。

この競技大会 小野寺さんによると
指導員の技術向上や経験、ノウハウを各自動車学校に持ち帰り
学校のスキルアップにつながるもの。

「フィギュア」「コーススラローム」「方変縦列」「ブレーキング回避」。
出場する指導員は4つの部門で競い 順位が決まります。
1人は3回までしか出場できないというルールがあり
小野寺さんは1回目、2回目と悔しい思いをした中
最後の大会で優勝できて非常に嬉しさを感じていました。

話し方や声色に誠実な人柄が出ていた小野寺さん。
教習指導員として生徒にいちばん身につけてほしいと思うことを伺うと
「技術も大事ですが もっと大切なのは事故の怖さや悲しみを知ること」という返答。
絶対に事故を起こしたくないという気持ちをまず身につけること。
それが安全運転に繋がると思って日々教習をしているそうです。

免許証をとれば生徒たちは巣立ってしまうもの。
何かを教え、伝えられるのは、短い期間ということもあるのでしょう。
小野寺さんの声には真剣な思いがありました。





小野寺さんが仕事の中でちょっと心配だなと思う生徒。
まず 危険の発見が遅れてしまい ブレーキが遅いと感じるタイプ。
技術的な部分で少し心配だと感じるそうです。

性格的なところでは感情をそのまま運転に出してしまう様なタイプ。
怒ってしまったら煽るとか そんな運転をしかねないからです。
ただ これはなかなか教習では見抜けないそうです。
いま教習所に通っている人も これから通う人も
すでに運転免許証を持っている人も
自分が感情的なタイプだと思うのであれば
ハンドルを握る時はくれぐれも感情的にならないように。
運転している時に激情にかられていいことに繋がることはありません。

そして 運転免許証を手にして初心者マークをつけて公道を走る時。
小野寺さんが気をつけてほしいとして話して下さったのは
「何年も運転している人に比べれば運転技術は上手ではない」と自覚すること。
「車間距離をあける スピードを控えめに走る 十分に気をつけて下さい」。

「初心者マークをつけていれば
周りの車は気を使ってくれると思う人もいるかもしれません。
でも 逆に軽視してくるドライバーもいます。
しっかり危険を予測しながら運転してほしいです」と小野寺さん。

中西さんも最後に言っていたように車は楽しく便利な乗り物。
ただ その重量は人間に比べるととてつもなく重く
ぶつかってしまうと人間はひとたまりもありません。
免許を手にしたら義務と責任を負うことを忘れないで下さい。




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