購入するクルマを選ぶ時、
どのくらい車種の「安全性」を考慮していますか?

最近、よく見聞きする言葉「アセスメント」。
“第三者による客観的な 評価・査定 ”という意味。
「環境アセスメント」という使われ方が身近ですが、
実はクルマについてもアセスメントがあります。

「自動車アセスメント」

今年6月の放送で乗る飛行機を選ぶ時と買う車を選ぶ時の
安全性に対する考え方の大きな違いを指摘したことを覚えていますか。

航空会社を選ぶポイントは「信頼できる」が最も多く、次が「安全性」。
ところが、クルマを選ぶポイントとなると一転、
多い順に「価格」「外装デザイン」「燃費」「メーカー」「車種」。
そんなアンケート調査結果があるのです。

その時に「参考になる」として出てきたのが、
独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)の自動車アセスメント。

NASVAは国土交通省が管轄する独立行政法人。
1995年、公正性に基づいて自動車アセスメントを始めました。

自動車アセスメント部 大谷治雄さんによると自動車アセスメントは
自動車ユーザーの安全な車選びしやすい環境を整える」ことに主眼を置いています。

その内容は3つ。
「衝突安全性能の評価」「予防の安全性能の評価」「チャイルドシートの安全性能評価」。
今回は自動車アセスメントの柱「衝突安全性能評価」に絞ってお伝えしました。





「衝突安全性能評価」はクルマがさまざまな状況で衝突した時、
人間がどのくらい傷つくのか、反対に言うと傷つかないのか、
車種別に試験を行った評価を発表したもの。
     
試験車は販売店で購入。
もったいない気もしますが、車にダミー(人形)を乗せ、事故の状況でぶつけます。
ちなみにダミー1体 数千万円するとか。
新型のものだと1億円近いものもあるそうです。
それだけ真剣に向き合った試験を行っているということでしょう。。

「衝突安全性能評価」には大きく2つの試験があります。

?乗員保護性能評価試験 — クルマに乗っている人の安全性の評価

  
 4つの試験が行われています。

 a. フルラップ全面衝突試験 ➡ 車の正面衝突を模擬したもの
               速度55kmで車を壁に正面衝突をさせる

 b. オフセット全面衝突試験 ➡ 車同士の正面衝突ではなく、ズレた状態での衝突を想定したもの
               車の40%位にあたる部分に車を模擬した壁を作っておき、
               そこに車を衝突させて評価する

 c. 側面正面衝突試験 ➡ 車相当の重量の台車を横から衝突させる

 d. 後面衝突頚部保護性能試験 ➡ 後面衝突を再現できる試験機を使って、
                衝突された際に発生する衝撃をダミーを乗せた
                運転席又は助手席用シートに与えます。
            そのときの頚部が受ける衝撃をもとに
頚部保護性能の度合いを評価する


? 歩行者保護性能評価試験 — 車が歩行者にぶつかった時、どの程度の怪我をするのかという試験

 a. 歩行者頭部保護性能試験

  ➡ 歩行者が車と衝突した時に、頭がボンネットに当たった時、
   その障害がどういう状況かを評価する


 b. 歩行者脚部保護性能試験

  ➡ 普通乗用車等だと歩行者にぶつかってしまった時、バンパーに最初に当るのは足
    そこの足の部分が当った時の障害評価


NASVAは2011年から「乗員保護性能評価試験」と「歩行者保護性能評価試験」
評価の結果を「新・安全性能総合評価」として1年に2回、発表しています。

各試験は最低0ポイントから最高5ポイントで評価されます。
それを「乗員保護性能評価」が100点満点、「歩行者保護性能評価」も100点満点、
「シートベルト着用警報装置」は1つの試験だけなので8点満点に換算。
208点を満点として何点かという評価が出されます。
170点以上を獲得し、各試験に4ポイント未満がなければ5つ星をGET!





自動車アセスメントはNASVA発行の無料冊子や
NASVAのウェブサイトでチェックすることができます。

他の自動車アセスメントの要素、
自動ブレーキなどを対象にした「予防安全性能評価」、
そして「チャイルドシート 安全比較BOOK」も含めて、
クルマを選ぶ時は、家族と自分を守るため、
自動車アセスメントを必ずチェックするようにして下さい。
インターネットで見る時は「自動車アセスメント」で検索すると見つかります!


「秋の全国交通安全運動 2016」。
重点ポイントの1つは「飲酒運転の根絶」です。

昨年、飲酒運転による死亡事故は約200件発生しました。
今年は8月末現在で去年より死亡事故の発生件数は増加。
依然として飲酒運転による悲惨な交通事故が後を絶たない現状です。

お酒を飲んで酔うと注意力や判断力などが低下。
前をよく見ていなかったり、ブレーキが遅れたり、
気が大きくなりスピードを出しすぎるなど、
事故に結びつく危険な運転になるため絶対にしてはいけません。


悪質・危険な飲酒運転には厳しい罰則があります。
酒酔い運転の場合で5年以下の懲役又は100万円以下の罰金。
酒気帯び運転の場合で3年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
運転免許についても取消しや停止の処分を受けることになります。

また、運転者以外に飲酒運転を承知で車やお酒を提供した人、
車に一緒に乗った人にも運転者に準じた罰則があります。

そして、飲酒運転で死亡事故を起こした場合、
危険運転致死罪が適用されれば、最長20年の懲役となります。

飲酒運転は、人の命や幸せな家庭を奪う、極めて悪質・危険な犯罪です。
「酒を飲んだら運転しない」
「運転する人には酒を飲ませない」
「酒を飲んだ人には運転させない」
このことを必ず守ってください。

飲酒運転は、一人一人の心掛けで絶対にゼロにできます。
「お酒を飲む場所への行き帰りは、公共交通機関を利用する」、
車でお酒を飲む場所に行くのであれば、
「あらかじめお酒を飲まないハンドルキーパーを決めておく」、
「運転代行を利用する」など、一人一人がしっかりとした
飲酒運転根絶の意識を持つことが大事です。

そして、さらに気をつけてほしいこと。
1つ目は二日酔いでの運転です。 
自分が、お酒が抜けたと思っていても、
身体にアルコールが残っていれば飲酒運転になります。
特に深酒の翌日の運転には気を付けること。

2つ目は自転車の飲酒運転です。
自転車も車両で飲酒運転は禁止されています。

全国交通安全運動をあらためて
自身の安全運転について考えるいい機会にしましょう。

昨日21日 水曜日から 30日 金曜日までは、
秋の全国交通安全運動の実施期間。
今週と来週の「なるほど!交通安全」は、
平成28年の「秋の全国交通安全運動」を追跡します。
お話を伺ったのは警察庁 交通局 交通企画課の横山博暁さんでした。

今回の秋の全国交通安全運動は、 
子供と高齢者の交通事故防止を基本として、
全国重点を3つ定めています。

1)夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止
  特に、反射材用品等の着用の推進及び自転車前照灯の点灯の徹底

2)後部座席を含めた全てのシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底

3)飲酒運転の根絶



昨年、交通事故で亡くなった方は歩行者が全体の約4割。
秋から年末にかけては交通事故が多く発生する時期。
ドライバーの皆さんは歩行者保護を特に意識した運転をしてください。

信号機のない横断歩道を渡ろうと待っている歩行者がいたら、
停止して、歩行者を優先して渡らせる。
歩行者の側方を通過するときは、安全な間隔を保つ、徐行する。

歩行者が亡くなった事故のうち、
約7割が交差点や交差点付近で起きています。
交差点を通行するときは、近くに歩行者がいないか、
しっかりと安全確認してください。

一方で歩行者が亡くなった事故のうち、
歩行者側にも6割以上に法令違反がありました。
歩いている時には信号を必ず守ってください。

また、回り道でも横断歩道を渡る。
横断歩道がない道路を横断する場合は、
左右の安全を十分に確認してください。

そして、ドライバーがこの時期に気をつけることは「夕暮れ時のライトの早め点灯」。
「ライトの早め点灯」は、他のドライバーや歩行者に、
自分の車の存在に気付いてもらうという意味があります。
夕方、ちょっとでも周囲が薄暗くなってきたと感じたらライトを点灯しましょう。

さらにハイビームをきちんと使うこと。
昨年、交通事故で亡くなった歩行者の約7割は夜間の事故。
いち早く歩行者を発見するポイントがハイビームなのです。
車のライトは、ハイビームでは前方 100m 、
ロービームでは前方 40m を照らせます。

例えば、時速60キロで走っている車の場合、
ドライバーが危険に気付いてからブレーキを踏んで停止するまでに
44m 程度かかると言われています。

ハイビームを使えば 100m 先の歩行者を発見できますので、
安全に停止することができますが、
ロービームで運転していた場合には、
歩行者の手前で止まれない可能性が高くなります。
対向車や前を走る車がいないときは、
ハイビームを上手に使って運転しましょう。

来週は「秋の全国交通安全運動 後編」です。

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