今年も「春の全国交通安全運動」の期間になりました。
平成29年は今日 4月6日 木曜日 から15日 土曜日まで。
今週と来週は、その大切なポイントを追跡します。

お話は警察庁 交通局 交通企画課 中島篤司さん。

今回の「春の全国交通安全運動」の運動の基本は
「子供と高齢者の交通事故防止〜事故にあわない、おこさない〜」。
次代を担う子供の命を社会全体で守ることが重要です。
新年度が始まる時期、子供も交通ルールや交通マナーをしっかり習得することが大切。

この春から「新たに小学校や中学校に通う」
「転校してこれまでとは違う環境で学校に通う」
という児童・生徒も全国にたくさんいるなか
気をつけなければいけない数字もあります。

中島さんによると、15歳以下の交通事故死者数は10年前からおおむね半減。
しかし、昨年も74人の尊い生命が交通事故で奪われています。
そのほぼ半数が歩行中の事故によるものであり、
中でも小学1年生、2年生の児童が多く被害に遭っています。
歩行中の死傷者では7歳が全年齢層の中で突出して多いのです。

また、小学生全体の歩行中事故を見ますと、
横断歩道や道路を横断中の事故が多く発生しています。
ドライバーの方は、歩行者が横断しているときや横断しようとしているときは、
横断歩道の手前で一時停止して道を譲るなど、
歩行者を守る安全運転の徹底を中島さんは呼びかけました。

そして、子供が交通事故に遭わないために保護者にできることは何か?
いままで一人で道路を歩くことが無かった子供が慣れない道路を歩いたり、
時には一人で歩いたりすることになるといった環境の変化や、
友だちと一緒に楽しく歩いていて周りが見えなくってしまったり、
つい駆け出して車の前に飛び出してしまったりといった精神的な未熟さが、
子供が遭遇してしまう交通事故の原因になります。

そこで、いちど登下校や友達の家に遊びに行くときに通る道路を、
保護者の方には子供と一緒に歩いてほしいと中島さんはおっしゃっていました。
その際、交通量の多い交差点等危険な箇所があれば、
道路に飛び出さないなど注意すべきことを具体的に指導する。
また、判断力を養うために子供のすぐ後ろを歩く。
子供が自分で考え、危険を予測し、行動する状況を見守りながら、
丁寧に指導してあげていただきたいということです。

子供をはじめ何の罪もない交通弱者が、
悪質な交通違反を犯した運転手が起こす交通事故で
命を落としてしまうニュースは無くなりません。
自動車等を運転しながらのスマートフォン等の操作や注視、
運転中のカーナビゲーション装置等の注視は非常に危険。
画面に意識が集中してしまい、周囲の危険を発見することができず、
事故につながりますので絶対にやめるようにしましょう。

例えば、時速60キロで走っている場合、車は1秒間におよそ17m進みます。
携帯電話に着信があって、手に取り、画像を確認しようとするのに3秒かかるとして、
時速約60キロであれば、その間に約50m進むのです。
スマートフォンのゲームをしながら運転するという行為は言語道断ですが、
携帯電話を操作するちょっとした動作でも、それがいかに危険か認識して下さい。



もうすぐ新年度。
初々しい新入生が小学校に通い始める季節です。
可愛い子供たちの命を守るために交通安全の気持ちを引き締めましょう。

今回、取材したのは茨城県 つくば市にある
一般財団法人 日本自動車研究所 安全研究部の大谷亮(おおたに・あきら)さん。、
教育心理学的な観点から交通安全教育を研究している方です。

教育現場では「交通安全」に割く時間が少ないのが現状。
大谷さんは子供の年齢に合わせた交通安全教育のアプローチ方法を考えました。
どんなものかというと・・・

【小学校 低学年】


低学年生には交通安全の基本「止まること」「見ること」を教えます。
ただ、そこは低学年生、いきなり全てを教えても理解できません。
そこで「習得しにくいところ」を集中的にやります。
小学校低学年生は「右・左・右・うしろを見る」と教えると言葉通りに見ますが、
大切なのは動作をすることではなく、動作の背景に潜む危険を回避すること。
首をふった方向に車がいたかどうかを確認することを教えます。
低学年生には繰り返してそれを教えることが大切です。

実験のために「交差点」を学校につくり
見通しの悪いところに車の設定のプラカードを置いて
その絵をしっかりと見ることを伝えてみると
実験後の低学年生は右・左・右・うしろを見る時間は長くなり、
視界に入った対象物を判断できるようになりました。
前述のアプローチは成功していると裏付けられたのです。


【高学年】

高学年生になると低学年の安全安全教育には慣れてしまいます。
そこで教師として低学年生に交通安全を教える役割演技法という手法をとります。

いきなり低学年生教えるのは難しいもの。
そこで、まずは数回の集団討論。
「どうやって教えればいいか」「何を教えればいいか」
「交通事故はどのようにして起きているのか」を議論させ
ある程度の技量や低学年生への接し方を身につけた後で役割演技法を行います。
そのメリットは以下のようなもの。

? 低学年に教えることで自分の行動を客観視できるようになる

? 他者の気持ちがわかるようになる
  ドライバーの気持ちになれるというような応用性があります

? 教えるという行為によって自覚が芽生える


高学年の集団討論からの役割演技法の実験は既にひと段落。
プログラムとして提案できる結果を得ているそうです。
低学年向けも45分で出来るプログラムとしてまとめられています。

子供は1度や2度の交通安全教育では教えられたことを忘れてしまいます。
時間のない学校という枠組みを超えて、
こうした交通安全教育プログラムが地域などで行われれば、
子供が被害者となる交通事故を減らす一助になることでしょう。

今回のWBC。
侍JAPANは準決勝でアメリカに敗れたものの
野球の面白さと感動をたっぷり味あわせてくれました。

3.21にセ・パともに開幕するプロ野球も、
この流れで一層と盛り上がることでしょう。
そのプロ野球界に異色の経歴を持つ人物がいます。

元自動車教習所 教官のプロ野球選手
千葉ロッテマリーンズの背番号51 信楽晃史(しがらき・あきふみ)投手。




信楽投手は大学卒業後の2014年、
自動車教習所を運営する地元宮崎の梅田学園に入社。
硬式野球部に入部し、自動車教官として働きながら社会人野球で活躍しました。

そして、2015年のドラフト会議で、千葉ロッテから6巡目で指名を受け、
日本のプロ野球界初、自動車教習所 教官経験がある選手となったのです。

その経歴を生かし、入団1年目には、
ファン感謝デーに交通安全講習も行ないました。
特に運転中のスマートフォン使用による脇見運転を危険を話したそう。
かつての職場の上司からも、そのことを伝えてほしいという話があったとか。

安全運転について応援するチームの“選手”が話すとなると
参加したファンの方たちも、よく理解してくれることでしょう。

「ちょっと」の脇見運転と思う人もいるかもしれません。
でも、車の運転時には数秒で数十メートルも移動しています。
まったく「ちょっと」ではないことを認識しましょう。

そして、信楽投手は友人が運転する車に同乗した時、
つい運転について注意してしまうことがあるそうです。

新年度を前に教習所に通っている人が多く、
これから若葉マークのドライバーが増える時期。
そして、もうすぐやってくるゴールデンウィーク、
運転に不慣れな人がハンドルを握ることも多いでしょう。
友人が運転する車に乗った時に「危ないな」と思うところがあれば
時に「注意する」という友達としての「思いやり」も必要かもしれません。

そして、朝の時間に車を運転する方、登校中の子供達には、
余裕を持って出かけてほしい!と信楽投手は言います。
バタバタで家を出て急ぐが事故に繋がる恐れがあるから。

入団2年目の今シーズンは1年を通して波をなくし、
「強気のピッチング」を貫いて1軍定着を目指しますと語ってくれた信楽投手。
1つでも多くの活躍をして、交通安全もさらに広めて下さい。
期待しています!



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