女性の利用率が低い首都高速道路。
「もっと女性に好きになってもらえる、興味を持ってもらえる首都高を目指して」
「首都高女子50人会プロジェクト」 が9月に発足しました。
これからの交通安全にも一役買うかもしれません。

企画した首都高速道路株式会社によると
首都高の女性ドライバー利用率が全体のわずか8.5%。
この数字からすると女性にはあまり優しくない。
そこで少しでも良くするために声を聴いてみたいと考えたということです。

女性ドライバーの視点もさる事ながら、
ドライブの時、女性はナビゲーションの役割もするし、
主婦であればレジャーの財布を握る人も少なくない。
そうした視点からのさまざまな話を聴きたいと考えたのです。

そして、8月から9月にかけて応募を呼びかけたところ
名称通り50人の採用を予定していたのに応募は・・・130人!
あまりの関心の高さに全員をメンバーとしてプロジェクトはスタートしました。

メンバーになった女性20代から60代。
9月24日には130人のうちの78人が参加した第1回のワークショップが開催されました。
テーマは・・・

1)首都高のイメージ 

2)おすすめスポット 

3)改善点と新しい提案

首都高についてポジティブな面の意見交換もあったそうです。
ただ、この「なるほど!交通安全」は 「より安全なクルマ社会を目指す」という趣旨。
まずは問題改善への提起となるようなワークショップで出た意見を紹介しました。

「私は運転しない方ですが50人会プロジェクトの中では、
道路が狭く車線が色々と複雑になっているので、
もっと看板があると道を間違えずに済むのかなというところはあるのでは?
複雑なイメージがあり、行きたい方向の車線にいなくて、
違う方向へ行ってしまいそうになるという話が結構あったと思います」

「私が運転した感じですが、カーブが多いのにスピードを出している人が多くて、
慣れた人でないと運転しにくいというのと、
私は地方出身なので道を譲ってくれることがあまり無いというのと
乱暴な運転をしている人が多いかなというイメージがありました」

「首都高のHPに運転する前に見ると勉強になるVTRがあるようで、
事前に見ておくと、頭の中でシミュレーションが出来るから、
乗る前に見ているというドライバーの方がいました。
そういった情報は知らなかったので友達にすすめたいと思いました」

女性視点だと首都高の「狭さ」「複雑さ」「標識の少なさ」は、
確かにかなり慣れた人ではないと怖いものでしょう。
でも「道路を拡張する」「複雑さを解消する」「標識を設置する」ことは簡単にできません。
そして、ドライバーには「他人に優しい運転」を心がけてほしいもの。

最後の方のように「首都高女子50人会プロジェクト」のメンバーが、
ワークショップで首都高に詳しくなり、情報を発信しはじめると、
今より首都高のことが広まり、首都高のことをより知って、
走りやすさを感じるようになるドライバーが増えるでしょう。
首都高で起こる毎年およそ1万件の事故ももっと減るかもしれません。

すでにあるのに知られていないサービスの発信。
合流場所、急カーブ、危ないポイント、あまり知られていない情報を、
眺めの良さやパーキングエリア、楽しい情報とともに、
わかりやすくお知らせするMAPや冊子の作成など、
より安全な首都高になるため「首都高女子50人会プロジェクト」が
うまく機能すれば良いと思います。

もちろん!
ワークショップでは首都高のポジティブな情報交換もされています。

「ワークショップに参加して代々木PAのアイスクリームは美味しいよという話を聴きました」

「首都高にもサービスエリアがあって魅力的なところもあると聞いて驚きました」

「首都高を走っていると都会のど真ん中を走っているんだなぁと。
夜になると夜景がキレイだったり、桜の季節だと桜がよく見えるスポットがあったり、
東京を感じられる道だなと感じます」など。

首都高に親しみを感じつつ!
もっと安全な走行環境がつくられるといいですね。
女性に優しい首都高になれば、
誰もが安心して運転できる道路になるはずです。



5年前の平成22年、
東京では減少傾向にあった交通死亡事故数が増加。
特に歩行中の高齢者が、夜、事故に遭うケースが多発したのです。
そこで、問題解決のため、警視庁と東京ハイヤー・タクシー協会による施策が始まりました。

『交通安全タクシー』 

今週は、夜間の重大な交通事故を減らす取り組み『交通安全タクシー』を追跡しました。
お話を伺ったのは警視庁 交通部 管理官 藤本裕行さん。
このプロジェクトは警視庁と東京ハイヤー・タクシー協会 による施策。

警察とタクシー業界がタクシーの事故防止に留まらず、
全ての交通事故、悲惨な交通事故を1件でも減らしていくという共通の認識の元、
タクシードライバーの協力を得て行っている交通事防止の取り組みです。

現在では法人タクシーの乗務員、個人タクシーの乗務員、
無事故・無違反など、一定の条件を満たした優良ドライバー 136人が、
「交通ボランティア」として登録されています。彼らのミッションは3つ。


1)路上寝込み者を発見した場合の安全確保と110番通報

2)交通事故を目撃した際の110番通報

3)信号無視や、横断禁止場所を横断しようとする歩行者を発見した場合の声かけ


東京都に関して言うと歩行中の交通事故で亡くなる人の半数が65歳以上の高齢者 。
また、高齢歩行者が関わった交通事故の6割で
「道路を渡ってはいけないところでの横断」や「信号無視」といった
交通違反が認められているとのこと。

夜半に、自分がクルマを運転している立場だとすると、
東京に限らず。全国どこであっても・・・

「酔っ払って道路で寝てしまっている人がいるかもしれない」
   
「突然、車道を渡ってくる人がいるかもしれない」
 
「車道の信号が青でも横断歩道を渡る人がいるかもしれない」


といった危機意識を持つようにしましょう。
高齢者の家族と一緒に住んでいる方は、
折にふれ、注意をうながすことも、大切かもしれません。

実際、今回は交通ボランティア2人に話を聞いたところ、
「甲州街道の下りで、酔っぱらって頭を先頭に寝ている人がいるのを発見。
車を止め、声をかけ、110番をして警察に助けてもらった」
「住宅街に酔っぱらって大の字で寝ていた人をた助けた」という実体験を聴けました。

彼らは「交通ボランティア」は人命に関わること、
中途半端な気持ちではやれないという意識を持っています。

では運転のプロフェッショナルである彼らが、
ハンドルを握る時にどんなことに注意しているのか伺いました。

答えは・・・

「防衛運転に心がける。
優先道路でも横から車が来たらぶつかるかもしれないので一歩引いて先に行かせる。
一時停止も自分が優先であっても対向車がどういう動きをするか見ていちど止まる」。

「早めに見つけられるように前方をよく見る。
歩行者・自転車は、暗い場所では見つけにくいので、
前から来る車に迷惑がかからないようであればハイビームを出来るだけ使う」

・・・というものでした。
交通安全のため、プロの運転を参考にしましょう。

去年の東京都の交通事故死亡者は172人。
今年、警視庁は、これを150人未満とする目標を立てています。
おとといの時点で127人。去年より10人多いペース。
でも、これ以上、増えなければ目標は実現します。
ぜひとも、達成したいものです。

東京だけではありません。
日本全国、四輪・二輪のドライバーも、
自転車に乗る人も、歩行者も、交通安全にじゅうぶん気をつけましょう。

そして、もう少しすると年末・年始。お酒の機会も増えます。
高齢者でなくとも、飲み過ぎないようにしましょう。



クルマを運転していつも通る交差点、初めて通った交差点、
「ここは何か危ないな」と感じることはありませんか。
今週は公益財団法人 交通事故総合分析センター 研究部 
西田泰さんにお話を伺い『危険な交差点』を追跡しました。

交通事故が多い交差点はあります。
でも、交通事故が多い交差点とその交差点の危険性の高さは別の事。

交通事故は交通量と危険度の積であらわされます。
危険度が1で交通量が1,000の場合なら1,000件の交通事故が起こるとして
危険度が10の交差点でも交通量が10であれば起こる事故は100。
危険度が10倍の交差点のほうが事故件数では10分の1ということもあるのです。

交通事故が頻繁に起こる交差点よりもあまり起こらない交差点に、
本当の危険が潜んでいることが少なくありません。
どの交差点も気をつけなければいけませんが、
本当に危ない交差点で、より気をつける必要があります。
そうした「危険な」交差点にあるのは構造や環境の問題。

交差点の形が悪いと交通事故の危険性は高くなります。
トの字のように角度が鋭角な交差点だと見えにくい交差側が生じて
安全確認も不十分となって事故の危険性は増します。

他にも、周囲に建物があると交差側の交通状況が見えず危険は増します。
高速道路や陸橋を支える橋脚の存在も影響があります。
さらに交差点の中は信号機や標識等で交通整理をするもの。
木が生い茂ってしまって標識や信号が見えにくくなる状況は危険性を増します。

その他、標識や信号機の位置も、場所によっては非常に見えにくくなり、
停止線に止まった時に見上げなければならない状況も危険が多いといえます。

西田さんによると、上記のようなことは、多くの交差点で対策が実施されています。
つくる時、改良する時、安全基準マニュアルがあるからです。
ただ、事故が多い交差点、大きな交差点は、対策がとりやすいものの、
危険であるにも関わらず、事故が少ない交差点は、
対策がとりにくく、改善されていないこともあるので気をつけましょう。

覚えておいて欲しいのは「ここは何か危ないな」と感じる交差点がある場合、
警察や行政に伝えることで「危険」が改善される可能性があること。
近くの警察署や市役所の道路の管理所に行き、
写真を見せる、意見を述べる、ことができます。

行政側は事前調査で、より安全な環境づくりを図りますが、
施工あとに交通量が変わるなど予期せぬ変化も発生します。
そういう時には、市民から「ここはおかしい」と意見することで、
利用者側の目線から具体的な対策が立てられやすくなります。
積極的に提案してみて下さい。

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