30日(水)まで秋の全国交通安全運動の実施期間。
今週は先週に続いて平成27年の「秋の全国交通安全運動」を追跡しました。
スタジオにお迎えしたのは警察庁 交通局 交通企画課 西村和市さん。

「秋の全国交通安全運動」で重点に置かれている3つのポイント2つめは
「後部座席を含めた全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底」
運転する時にシートベルトの着用は義務。
ところが警察庁とJAFが合同で実施している調査によると、
去年の一般道におけるシートベルト着用者率は、
運転席や助手席はともに9割以上に対して後部座席は4割以下。

中にはエアバッグがついているから
シートベルトを着けなくても大丈夫という人もいるそうですが、それは間違い。
エアバッグはシートベルトを着けていてこそ本来の安全性能が発揮されます。
シートベルトを着けていない状態で事故を起こすと、
車内でエアバッグに衝突し怪我をしてしまう可能性もあります。

後部座席でシートベルトを着けていないと、
事故に遭った時に、車内で全身を強打したり、車外に放出されかねません。
同乗者の命を守るのは運転者の責任。
自分自身だけでなく、大切な同乗者を守るため、
全ての座席の人にシートベルトを着用させるようにして下さい。

そして、小さい子供をクルマに乗せる時はチャイルドシートを必ず着用させること。
チャイルドシートも交通事故時の被害を軽減します。
法律上、使用が義務付けられているのは0歳から5歳。
でも、子供の年齢が上がるにつれて使用率が低くなる傾向があります。 
成長の程度に違いがあるので子供の体格にあわせたチャイルドシートを使ってい下さい。

チャイルドシートで気をつけるべきことは正しく使うこと。
固定するベルトが緩んでいたり、中には固定もしないで、
ただ置いてあるだけといったケースも見受けられるといいます。
チャイルドシートは使用方法を誤ると効果がありません。
取扱い説明書などに従って正しい使用をして下さい。

そして「秋の全国交通安全運動」
重点ポイント3つめは『飲酒運転の根絶』。
お酒を飲んだら運転をしないのは当たり前のこと。
それでも飲酒運転はなくなりません。

昨年中の飲酒運転による人身交通事故件数は4,000件以上。
飲酒運転をした違反者に理由を聞くと、アルコールに対する甘い考えがあります。
「自分は運転がうまいから」「通いなれた道だから」
「お酒に強いから」「ちょっとしか飲んでないから」など
自分勝手で都合の良い理由をつくって飲酒運転をしています。
その自分勝手な振る舞いが誰かの命を奪うことを考えるべきです。

当然、飲酒運転には、厳しい罰則があります。
酒酔い運転の場合で、5年以下の懲役又は100万円以下。
酒気帯び運転でも3年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で運転して死亡事故を起こせば、
危険運転致死罪が適用され、1年以上20年以下の懲役が科されます。
その他、行政処分として、運転免許が取り消されます。
最も長い場合で10年間は免許を再取得できません。

事故を起こした場合は、刑事処分だけでは済まず、
民事裁判等で多額の損害賠償を求められるケースもあるなど、
運転者本人や家族の人生を一瞬で変えてしまう、取り返しのつかない結果となります。

飲酒運転は一緒にいる人の責任でもあります。
飲酒運転の車に乗ったり、運転者にお酒を飲ませたり、飲んだ人に車を貸さないとこと。
こうした行為も処罰の対象となりますので絶対にしてはいけません。


今月は21日(月)〜 30日(水)まで秋の全国交通安全運動の実施期間。
今週と来週は平成27年の「秋の全国交通安全運動」の追跡です。
話を伺うのは警察庁 交通局 交通企画課 西村和市さんです。

「秋の全国交通安全運動」で重点が置かれているのは、
「子供と高齢者の交通事故防止」を基本として3つのこと。


1) 夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止
   特に、反射材用品等の着用の徹底及び自転車前照灯の点灯の徹底

2) 後部座席を含めた全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底

3) 飲酒運転の根絶


夕暮れ時や夜間は事故が発生しやすくなりますので注意が必要です。
日の入りが早くなるこの時期は特に注意が必要。
去年の交通死亡事故の特徴を見ると歩行中に事故に遭った人が最も多く、
夜間は1,023人、昼間は475人。夜は昼の2倍以上。
日没時刻の早い時期は日没から1時間以内に死亡事故が多発しています。

大きな原因は帰宅や買物等で交通量が増えることと
ドライバーの視認性が悪くなる日没時刻が重なることだと考えられています。
少しでも「暗くなってきたな」と感じたら前照灯を点灯しましょう。
ライトはドライバーの視界を見えやすくするだけでなく、
「他者から気づいてもらう」役割もあるのです。

法廷基準によると車の前照灯の明るさは下向きライトが前方40m、
上向きライト、いわゆるハイビームが前方100mの障害物が確認できること。

運転者が危険を察知してから、ブレーキをかけ、
止まるまでの距離を「停止距離」といいますが、
時速60キロ走行だと、およそ44m。
下向きのライトが照らす距離は40mでは、
夜間、ライトを下向きにして、時速60キロで走る車は、
横断中の歩行者を見つけてブレーキを踏んでも間に合わない可能性があります。

ライトは状況に応じてライトを使い分けること。
前照灯の下向きライトは、正式には「すれ違い用前照灯」、
上向きライトは「走行用前照灯」という名称で
名前のとおり、下向きライトは他の車両等とすれ違う場合や
他の車両の直後を走行する場合に使うもの。
法令ではそれ以外の走行では上向きライトを使うことが定められています。
覚えておいてください。ライトの基準は上向きライト。
交通量の多い場所を走行する場合は下向きにするということなのです。

また自転車も車両。
夜間はライトを点けなければいけません。
自転車に乗る際はライトの点検をきちんとしましょう。

自転車に乗っている人や歩行者が
車に対して安全を確保するために気を付ける必要もあります。  
自転車の運転手や歩行者等が黒っぽい服装だと、
クルマの運転手は気づきにくいもの。
反射材を着用することが事故を防ぎます。
つけていない場合よりも2倍以上遠い距離から確認できるという調査結果が出ています。
夜間の交通事故防止には非常に有効なツールとなるのです。

事故が多い夕暮れ時は、徒歩や自転車で、
学習塾などに通っている子供たちも多いもの。
子供たちの安全のために家庭での交通安全教育が非常に大切。
保護者自身が交通ルールやマナーへの理解を深め
日常生活の中で繰り返し教えることが重要になります。

小学校、中学校への入学を控えた子供がいるのであれば
ぜひ一緒に通学路を歩いてみてください。
その上で交通量の多い交差点などの危険な箇所をチェック。
注意する箇所を親子で話し合うことがとても効果的。
また、保護者が常に子供のお手本となる正しい行動をとるようにしましょう。



もうすぐシルバーウィーク。
クルマで遠出をする方も多いでしょう。
そんな時に気をつけなければいけないのが「居眠り運転」。
今回は『STOP ! 居眠り運転』。

コメントは富山県 高岡市 雨晴クリニック 副院長で
日本睡眠学会の坪田聡さんでした。

居眠り運転が危険だというのはデータにも表れています。
日本で、クルマの死亡事故は人身事故全体の1.2%。
ところが居眠り事故のほぼ 6% が死亡事故。
運転中のウトウトは『死』に繋がる可能性が高まります。

居眠り運転をしないために、まず大切なのは運転する前の睡眠時間。
睡眠を制限したグループとアルコールを飲んだグループで居眠り運転の危険性を調べた実験。
いつも8時間寝ている人が睡眠時間を2時間減らすだけで、
体重1kgあたり0.54gのアルコールを飲んだのと同じ眠気が起きます。
この体重1kgあたり0.54gのアルコールというのは、
日本の道路交通法で酒気帯び運転、あるいは酒酔い運転と認められるレベル。
つまり、睡眠時間を削られると酒酔い運転と同じ位に、
運転パフォーマンスが落ちると考えられるのです。
ですから運転前にしっかりと睡眠はとって下さい。

ただ、しっかり睡眠をとっても、眠くなることがあるかもしれません。
しっかり睡眠をとりたくても、とれないことがあるかもしれません。
自分自身のシグナルを見落とさないようにしましょう。
眠気があなたを誘っているのはこんな状態の時。

注意力が落ちてくるので、信号や交通標識、案内板などを見落とす、
見つけるのが遅れる、運転の技術が落ちてしまうのでフラフラしたり、
前の車との車間距離が詰まる、瞬きの回数が増える・減る、度々、あくびをするようになる・・・
こういう状態になったら休息するようにしましょう。

居眠りには危険な時間が2つあります。「午前3時 〜 4時」と「午後3時 〜 4時」。
ともに人間の眠気が強くなる時間帯。そのことを覚えておいて下さい。
また、天気でいうと、日光が眠気を妨げる晴れの日や緊張感が生まれる雨の日よりも
曇りの日に居眠り事故は多く起こります。

運転中の「眠気撃退法」はいろいろあります。
ガムを噛む。歌を歌う。
リズムのある運動をすると脳を目覚めさせてくれる覚醒系の神経が活性化します。

車を止めてストレッチングをしたり、体の血液の循環を良くしましょう。
脳の血液の量も増えて脳細胞が活性化して眠気が覚めてきます。

冷たい刺激を受けると交感神経が刺激されて目が覚めてきます。
これからは寒くなるので、運転中に窓を開けて、空気を取り込んだり、
冬になったら暖房を切ったりして室温を下げると良いでしょう。

香りを嗅ぐ事も有効です。
ローズマリーやペパーミント、ユーカリの香りには眠気を減らす働きがあります。
また、明るい光を浴びると眠気が減ります。
光は体内時計を調整したり、睡眠ホルモンのメラトニンを減らす働きがあります。
夜ならコンビニややサービスエリアに寄ってみると良いでしょう。

さらに運転中は同乗者と会話をすると、眠気が減ります。
人との会話は覚醒ファクターと言われているほど眠気には有効です。

食べ物や飲み物で有効なのは甘いものやカフェイン。
脳の唯一の栄養源がブドウ糖。
もともと「おやつ」は昼間の眠気を飛ばす為の習慣でした。
甘いモノで血糖値を上げると脳が元気になって覚醒度が上がります。

またカフェインには覚醒効果があります。
目覚めている時間に比例して脳に睡眠物質が溜まってくるもの。
カフェインで睡眠をブロックすることも有効です。
ただし、カフェインは摂取してから覚醒効果が出るまで、
15分〜30分ほどのタイムラグがあるので早めに摂ることが大切です。

しっかりとした睡眠、眠くなる環境への注意、眠気の認識・解消法。
今日お伝えした情報の全てを生かして「STOP! 居眠り運転」に取り組んで下さい。


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