今週のテーマは身近な人は頻繁に見かけるでしょう。
縁のない人はその存在を知らなかった人も?
ドライバーに子供の道路への飛び出し注意を喚起する看板「飛び出し坊や」を追跡しました。

「飛び出し君」「飛び出し小僧」などとも呼ばれる「飛び出し坊や」。
発祥は昭和40年代、滋賀県、今の東近江市でのことです。
自動車が急激に増えて、全国交通事故が多発する中、
社会福祉協議会から子供を事故から守る啓発看板を作ってほしいとの依頼を受けて
看板製作業 久田工芸の社長 久田泰平さんがつくったことから始まりでした。

子供の飛び出しそうな所に置く看板であれば
文字でなく見てすぐ分かるようなモノを・・・と考えた末、
久田さんがつくったのは子供の絵を描いた木の看板。
それを小学校PTAが通学路に置いたことから
男の子の看板が他の街にも広がっていったのです。

下の写真は久田泰平さんと奥様と息子さん。
写っているのは0系と呼ばれる、オリジナルの系譜を継ぐ、久田さんの作品。
久田さん自身は、この看板に「とび太くん」と名付けています。





「とび太くん」から派生した様々なタイプが各地に広がる中、
それらをまとめて「飛び出し坊や」として紹介し、全国区にしたのが、
「マイブーム」から多くの「ブーム」を生む 、みうらじゅん さん。
みうらさんが、初代新幹線になぞらえ、
久田さんの「とび太くん」を「0系」と表現したのです。

各地の「飛び出し坊や」をウォッチするファンも出てきました。
情報交換コミュニティ「飛び出し坊や研究所」を運営する今井貴裕さんによると
関西より西には飛び出し坊やで交通安全を喚起するというアイデアをもらい、
地域ごとにさまざまなタイプがあって楽しいとのこと。
今井さんが撮影した「飛び出し坊や」の写真を何枚か掲載しましょう。

まずは関西〜中部に広がる市販のもの。
裏と表が男の子と女の子。






滋賀県野洲町(現 野洲市)のおばあちゃん「飛び出し坊や」。
高齢者の交通安全を喚起したもの。




奈良県の聖徳太子。




京都のパンダ。なぜパンダ。
しかもちょっとぶちゃいく。




と、まあ地域ごとに個性のある「飛び出し坊や」があるわけです。
そして、去年8月にはタカラトミーアーツが、
0系をモデルにした「飛び出し坊や」ガチャコレクションを発売したところヒット。
今年7月には第2弾が発売になる予定です。

「ドライバーの方が、この人形を見て、近くには路地があり、
子供が飛び出すかもしれないので気を付けてくださいという思いで、
子供を交通事故から守れたらと作っています」と久田さんが語る「飛び出し坊や」。

ガチャもきっかけになって「飛び出し坊や」と
そこに込められた“思い”が全国に広がるといいですね。
あなたの暮らす街には「飛び出し坊や」ありますか?



今週はGW。
日本モータージャーナリスト協会 副会長で
日本自動車連盟(JAF)の交通安全委員会 委員でもある
菰田潔さんの監修で安全トリビアをお送りしました。


1)タイヤの空気圧チェックは最低1ヶ月に1度

菰田さんのオススメは2週間に1度。
というのもパンクしたモノを発見できるというメリットが大きいから。
パンクしてしまったタイヤは数日間、気づかずにいることが多い。
GWに長距ドライブする方は出発前に空気圧をチェックして下さい。
空気圧が少ないとデメリットが非常に多いのです。
燃費が悪くなる、ブレーキを踏んだ時の効きが弱くなる、高速道路でふらつく。
ただ、空気圧をたくさん入れればいいというわけではなく、
自動車メーカーが決めた車両指定の空気圧に合わせいといけません。



2)日本の信号は進行方向の信号と、交差する道路の信号、ともに赤になる時間がある 

最近、このことを知った上での危険な運転が増えているそうです。
ヨーロッパでは交差点の手前に信号機があるので他の道の信号は見る事が出来ません。
日本では交差点の向こう側に信号が付いている。つまり他の通りの信号が見えます。
進行方向の信号が赤になっても、交差する信号が赤だということが見えるから、
意図的に交差点に進入するドライバーがいるそうです。
そもそも、これは赤信号で止まり切れなかった車がいたとしても、
横の車が出て来ないから事故を未然に防ぐという為にやっていること。
見越した危険運転は、その効果を無くすことになります。
赤では停止線を超えないよう努力をして下さい。
そして、交差点でいちばん前に止まっている時、
信号が赤から青に変わっても不用意に発車しない!
交差する道からクルマが来ないか確認!!



3) 車間距離の世界基準は2秒間

日本で目安とされる車間距離は、
60キロ以上で走行する時は、速度に相当する距離、
80キロで走っているなら80メートル、
60キロ以下で走行する時は、速度マイナス15の距離、
50キロで走っているなら35メートル・・・となっていますが、
時間で車間距離の目安を表す世界基準では「2秒間」。

100kmで100mは空けすぎだと感じて、
車間を詰めて20m、30mで走っている車は少なくありません。
100kmでの走行は1秒間に約28m走ります。2秒間ということは56m。
これは違和感を感じない距離でしょう。
自分が判断するのに1秒、それからスピードを落としたり避けるのに1秒、
少なくとも「2秒間」の車間距離を空けるように心がけましょう。



4)ヘッドライト(前照灯)の基本はハイビーム

ご存知でしたか?
道路交通法第52条、夜間は前照灯を付けなければいけないという法律があります。
ここでいう前照灯という意味は100m先の障害物が見えるハイビームが基本。
前に車が走っていたり、対向車が来る時は、眩しさで危険を及ぼすので、
ロービームにして減光するという考えです。
最近、夜に右から横断してくる歩行者をはねてしまう例が多いそうです。
それはクルマが左通行の日本では左の照射角度のほうが広い
つまり左右のライトの照射角度は違うのです。
左が広いのは歩行者や自転車を注意するため。
そして、右側が強いと対向車が眩しいから。
このことも覚えておいて下さい。


5)サンキューハザードはやらないほうがいい

マナーとしてサンキューハザードが浸透しています。
でも、ハザードは本来「停止します」の合図。
自分の前に入ってきたタクシーがハザードを出した時、
ドライバーはお礼だと思ったけれども
実はお客さんを乗せるために停車する合図だということがあるそうです。
同じようにパッシングも、お互いの「意図」が、噛み合っていないと危険となります。
このことも気をつけて下さい。


6)仮眠は15分 カフェインを摂取したあとで

車を運転していて眠くなった時は仮眠をとって下さい。
時間は15分程度。それ以上、寝てしまうとよけいに眠くなるそうです。
そして、寝る前にカフェインを摂取するとより効果的です。
カフェインは飲んでから30分後に効くそう。
眠りにくくなることはなく、起きた後にスッキリします。



車を運転する機会も多いゴールデンウィーク。
みなさん、安全運転で、楽しい連休を!!




「飛び出すな 車は 急に止まれない」「せまい日本 そんなに急いで どこへ行く」。多くの人には聞き覚えがある標語でしょう。これは「交通安全年間スローガン」に選ばれたものです。「飛び出すな 車は 急に止まれない」は昭和42年の内閣総理大臣賞 子供部門。「せまい日本 そんなに急いで どこへ行く」は昭和48年の内閣総理大臣賞 運転者向け部門。実は「交通安全年間スローガン」。最初の昭和41年から数えると平成27年は50回という節目の年。木曜日の追跡は「なるほど!交通安全」。今週は「交通安全年間スローガン」を追跡しました。

昭和40年は交通事故による死亡者が1万2千人。その対策をしなければという中で募集がスタートした「交通安全年間スローガン」。現在は全日本交通安全協会と毎日新聞社によって共催されています。いちばん最初の最優秀作品の3つを見てみると「世界の願い 交通安全」「もう一度 よく見て渡れ 手を上げて」「ブレーキは早目に スピードは控え目に」。それでは平成27年の最優秀3作品は一般部門A(運転者(同乗者を含む)へ呼びかけるもの)が
兵庫県丹波市 村岡 孝司さんの「早めから つけるライトで 消える事故」。
一般部門B(歩行者・自転車利用者へ呼びかけるもの)が高知県高知市濱渦 幸嗣さんの「外出は 明るい笑顔と 反射材」。こども部門(こども(中学生以下)へ交通安全を呼びかけるもの)は静岡県富士宮市立東小3年後藤 悠仁さんの「ルールむし しん号むしは わるいむし」。こう見ると50年という月日は今昔ではありますが交通安全の心というのは普遍的なものです。

交通事故による死亡者は昭和45年(1975年)には過去最悪のおよそ1万7千人に達し「交通安全年間スローガン」も含めた交通安全運動が実を結び、その後は減少に転じます。去年はピーク時の4分の1、4,113人。減っているとはいえ、いまだ1年に4千人以上の大切な命が交通事故によって失われている事実を受け止めてゼロに近づけていく努力をしていくべきでしょう。そのために交通安全のスローガンを読むことはもちろん、考えるという行為は交通安全の大切さを実感し、交通ルールを守る意識に繋がるはずです。来年、平成28年に向けた募集は6月後半から募集予定。特にお子さんがいる方は、一緒に作品をつくって応募してみてはいかがでしょうか?
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