「自動速度取締装置」= 通称オービス。
この「オービス」という言葉を聴いて、
あまり快く思わないドライバーがいるかもしれませんが、
スピード超過していなければオービスに引っかかることはありません。





オービスには、いろいろなタイプがありますが、
最近、全国に増えているのが、
以前と比較して容易に持ち運びや設置が出来るようになった移動式のもの。
今週は交通問題を中心に執筆しているジャーナリスト 中島みなみ さんにお話を伺い
「移動式オービス」をテーマにお届けしました。





オービスはスピード違反を捕まえるための測定器とカメラを組み合わせた機材。
設置と広い場所と高額の費用がかかります。
しかし、いちど設置して場所を知られてしまうと
スピード違反の抑制効果が時間とともに薄れる問題点がありました。

また、最近の事故傾向を見ると幹線道路の事故よりも
通学路や生活道路での無謀運転による歩行者の被害が目立ちます。

国土交通省によるデータ「道路の種類別の交通事故件数の推移」を見ると
幹線道路は平成16年の72万件が令和2年には22万件と7割減。
生活道路は同じ期間で21万件が8万件、6割減と減少幅が小さいのです。





そこで、警察庁は速度に対する考え方を鮮明にしています。
高速道路の一部では最高速度が100キロが120キロに変更されたように
危険の少ないスピードを上げられる幹線道路では制限時速を引き上げる。
一方で生活道路でスピードを出すような危険行為を積極的に取り締まっていく。
そこで、小回りの利く速度取り締まり装置、
新しい移動式オービスが全国に登場しているのです。

警察庁の調査によると道路で車と衝突した際の歩行者の致死率は、
車が時速50キロ台だと16.6%ですが30キロ未満だと0.9%まで減少するからです。










警察庁「速度違反自動取締装置について」より



新しい移動式オービスは限りなくコンパクで少人数で扱えます。
1つは記念写真を撮影するような三脚の上に機材を取り付けるだけのもの。
生活道路など簡単にいろんなところに移動ができます。
そして、「持ち運び」という意味ではなく、
簡単に設置と取り外しができるというタイプもお目見えしました。
歩行者用信号のような形状で小学校につながるような横断歩道などに設置します。
単に三脚に立てるものだけではなく、いろんな形に変化を遂げています。

ドライバーの皆さん、
これから生活道路に移動式オービスが増えていくだろうということについて
どう受け止めたでしょうか。

万が一、ネガティブな感情を持った方がいるとしたら、
ハンドルを握る時の意識をあらためた方がいいでしょう。
スピードを取り締まるのは歩行者や自転車に乗る人の命を守るためなのです。

日本の交通事故数は年を追うごとに減っています。
それは高齢ドライバーが起こす事故も同じ。
     
そして「原付以上免許保有者10万人あたりの第一当事者となる事故件数」を見ると
高齢ドライバーとされる最も下のカテゴリー『65歳から69歳』は、
『16歳〜19歳』『20歳〜24歳』『25歳〜29歳』『30歳〜34歳』より少ないんです。
高齢者世代で最も事故件数が多い『85歳以上』でさえ、
『16歳から19歳』『20歳から24歳』よりも少ない。

それでも、問題視されてしまうのは、
少子高齢化で高齢世代の人口が増えているので、
世代別に見ると高齢ドライバーの事故数が多いから。

さらに、他の世代の事故件数も減っているため、
交通事故全体に占める高齢ドライバーが第一当事者の事故の割合が、
高くなってしまうから。

まずは、このことをお伝えしつつ、これまで問題視されてきた
高齢ドライバーの「認知」「判断」「操作」する力の低下の他に
新たにクローズアップされている「有効視野」を今回は取り上げました。





電話でお話をお聞きした東京 江戸川区にある二本松眼科病院 
副院長:平松 類さんによると、認知機能の衰えは事故に関係しますが、
それ以上に「有効視野」、見える範囲の方が重要であるということ。

有効視野は「周辺視野」とも言われ、
人が動いているとか信号が赤から青に変わったことがしっかりと分かる範囲。
これは加齢とともに狭くなります。

有効視野が狭くなれば、当然に交通事故を起こしやすくなる。
特に多いのは右折左折など交差点による事故です。
右折左折をする時には人の動き、信号の状態、相手方の車の状態、
判別しないといけないことが多いですが、
どれかを見落として事故に繋がることが多いとさています。





ただ、この有効視野が狭くなるのは高齢者だけには限りません。
若くても個人差で視野が狭い人がいますし、
ストレスや環境によって視野が狭くなってしまう状況があるとか。

疲れていて運転する時や、心配事がある時、
それから人と話しながら運転すると視野は狭くなります。
集中して運転できるように環境を整えることも大切。

ちょっと心配になるかもしれませんが、
有効視野の測定は眼科など病院で検査することが出来ますし、
日々の訓練で視野が広がることもあるそうです。

年齢を重ねると視野が狭くなる傾向があり、
安全運転に支障をきたすかもしれないということを覚えておきましょう。

70歳以上の免許更新時に受講義務がある齢者講習では、
3つの目の検査が行われます。
「動体視力検査」「夜間視力検査」「視野角度範囲検査」。
高齢運転者になった時に、これらの結果が芳しくない時は、
免許返納も考えたほうがいいかもしれません。




ドライバーのみなさん。
信号がない横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいて
あなたの運転するクルマがその横断歩道に近づいた時、
横断歩道の手前で停止して歩行者を優先していますか?

日本では多くのドライバーが歩行者が待っていても停止しないことは
今では全国に広く知られるところとなっています。
そんな中で福島市に全国初となる標識が設置されました。
場所は福島市立 福島第二小学校の近く。





「横断者注意喚起灯付き 横断歩道標識」

上の写真のように横断歩道の両側に横断歩道の標識、
青地に白いイラストで横断する男の子と女の子が描かれた標識があり
その上に2つLEDライト付の黄色い長方形のボックスが設置されています。

標識中の高さ1メートルの位置には歩行者が手をかざすセンサーがあります。
横断歩行者がこのセンサーに手をかざすと注意喚起灯が15秒点滅。
横断歩行者の存在をドライバーが認識しやすくなります。





道路交通法の38条には「横断歩道を横断しようとする歩行者がいる場合は
横断歩道の直前(停止線がある場合は停止線の直前)で一時停止し
その通行を妨げないようにしなければいけない」と定められています。

本来、こうしたものが無くても
クルマは普通に停まらなければいけないわけですが
あまりに低い信号がない横断歩道でのクルマの停止率。
こうした施策を行なったというわけです。

今月JAFが発表した2021年版の「信号機のない横断歩道での
歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査」では
調査スタート以来、最高の一時停止率が出ましたが
それでも30.8 %、3割のドライバーしか歩行者優先を実践していません。

信号のない横断歩道を渡ろうとしている人が、
例えば自分の子どもだったら、友人だったら、
きちんと一時停止する方は多いと思います。
思いやりの気持ちを持ってハンドルを握るようにしましょう。




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