積雪や凍結など、他の季節にはない危険がある冬の道路。
そこに3つの”急”なクルマの操作が重なると交通事故の原因になります。
ブレーキが利かずに前の車にぶつかる、曲がり過ぎて車線から逸脱する、
車がスピンしてコントロール不能になるといったことが起こり得るからです。





危険な3つの“急”な運転とは「急ハンドル」「急ブレーキ」「急な加速」。
ふだんクルマを運転している方であれば危ないことは経験的に分かっているはず。
ただ、冬は特に危ないことを、しっかり認識しておきましょう。

急ハンドルが危険なのは、スピードが出ている状態。
ハンドル切ると車が方向転換を始まりますが、
急だと方向転換が早く、想定していたよりもまわってしまう可能性があります。
ひどい場合には、後輪から滑ってスピンしてしまうこともあるので要注意です。

急ブレーキは、タイヤのグリップ力を超えてスリップしてしまうことがあります。
スリップすればスピンしてしまいますし、スピンしなくてもスリップした事により
停止距離が伸びて前の車に追突してしまうかもしれません。

急加速は逆にスピードが遅い時にホイールスピンしやすくなります。
信号からスタートするところが危険。
他の車を追い越す時もホイールスピンが危険なので、急加速しないこと。
姿勢が乱れて、思わぬ方向に車が進んでしまったりするので危険です。





路面への積雪、凍結に注意してクルマを走行させる中で、
特に危険度が高いところがあることも知っておきましょう。

橋の上やトンネルの出入口は風がよく通るので、空気が冷えて路面凍結が起こりがち。
また、日光が当たらずに、一日中日陰になっている場所も要注意です。
そうしたところでは、濡れて見えるけど、実は凍っていることが往々にしてあります。
それが「ブラックアイスバーン」と呼ばれている現象で
普通のウエット路面よりも五倍も六倍も滑りやすくいので気をつけましょう。
さらに信号で多くのクルマが停止するところは圧雪路になりやすいもの。
そうしたところでは、ブレーキの使用にも最新の注意を払います。





いつもの運転“急”な操作をしていないドライバーは、
冬の運転でも自ら危険を招くことは少ないでしょう。
ふだんから急ハンドル、急ブレーキ、急加速をしないという姿勢が大切です。

最後に、凍結路面は気温がマイナスにならなくても発生します。
気温が3度を下回るぐらいになると、路面の凍結の可能性が高くなります。
最近の車はメーターの機器に氷マークが出てくる車種も多いので、
表示を確認しつつ、出ていたら路面に配慮して運転するようにして下さい。
今や新車販売は、ほぼオートマチック車。
ドライバーには便利で乗りやすいですが、扱いを誤ってしまうと危険も生じかねません。
あなたは、きちんと乗りこなせていますか?





最近のオートマ車には、シフトレンジがたくさんあります。
クルマを所有する方は、それぞれの機能を把握していると思いますが、
必要な時にレンタカーやカーシェアを利用する方は、戸惑ったことがあるかもしれません。
それぞれの使用目的について、正しい知識を持ちましょう。
今回はお話を自動車ジャーナリストの高根 英幸さんにお聞きしました。


停車中の基本は「P」=パーキングレンジ。
車に乗り込んでエンジンを始動する時にはPレンジのまま
ブレーキペダルを踏みながらエンジンスタートボタンを押したり
キーを回してエンジンをかけ、周囲の安全を確認して「D」レンジにシフトします。
Dはドライブの略。基本的に前進走行時にはDレンジに入れたまま走行します。

そして「R」はリバース。後退時に利用します。
車庫入れ時などDとRと交互に使う時に、アクセルを踏みすぎるケースが結構見られるそうです。
DレンジもRレンジでも、アクセルを踏まない状態で微低速で動くので
ブレーキペダルに足を乗せながら速度を調整しつつハンドリングします。





続いてのシフトレンジは「N」。
ニュートアルの意味ですが、マニュアルミッション車とオートマ車では意味合いが違います。
マニュアル車だとギアがどこにも入ってない状態として多用しますが、
オートマチック車ではNは基本的に使いません。
車が故障した時などの牽引時に使うモードです。

信号待ちでDからNにシフトするドライバーもいますが、
アイドリングの回転数が上がって燃費が低下してしまいます。
また、内部のクラッチ板などが作動することで、若干ですが摩耗が進みます。
こうしたことを踏まえて、信号待ちの時はDレンジのままフットブレーキを踏んで待機しましょう。

さらに、下り坂でシフトレンジをNに入れる方もいるかもしれません。
オートマチック車はDでも非常に抵抗が少なく、アクセルを戻すだけでも惰性で進みます。
Nにすると潤滑ポンプが動かないので、内部で潤滑不良を起こす危険があるのです。





続いて、これがわかりにくいでしょうか。
数字の「3」や「2」、また「S」「L」「B」のモード。
メーカーによって表示が違いますが3は5段階の3速、
2やSは2速で「S」はSecondの頭文字です。LはLowの頭文字で1速。
最後にBはブレーキの頭文字でエンジンブレーキの効果を高めます

オートマチック車の前進モードであるこれらは、
ハイブリッド車、EV、ガソリン車で意味合いが変わってきます。
ガソリン車は3や2にすることで下り坂でエンジンブレーキを使えて、
フットブレーキを温存しつつ、ブレーキの使いすぎで効きが悪くなる
ベーパーロックやフェード現象を防いで下り坂でも安心して走行できます。

また、ハイブリッドカーやEV では、
モーターを発電機として使う回生ブレーキという機能も使えます。
これがLや B のモードですが、ブレーキの節約にもなり、電気を貯めることができます。





そして、簡単に運転できてしまう分、
アクセルとブレーキなどのペダル踏み違いには注意して下さい。

オートマチック車はDレンジに入れて
アクセルを踏むだけでスイスイと走れるのがメリットでありディメリット。
運転に早く慣れて、運転を雑にしてしまう恐れがあるからです。

ギアの入れ間違いやペダルの踏み間違いは、きちんと座ってない人が起こしやすい。
まずは運転姿勢をしっかりと取り、落ち着いて運転することを心がけて下さい。
日の入りが早くなって、夕暮れ時の事故の危険が特に高い季節。
クルマのヘッドライトを正しく、有効に使っているでしょうか。
道路交通法では、第52条にクルマのライト類についての規定があります。


[1項]
車両等は、夜間、道路にあるときは、政令で定めるところにより、
前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。
政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあっても、同様とする。

[2項]

車両等が、夜間、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を
進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、
車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、
灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。






ヘッドライトの基本は100m以上先の遠くまで照らすことができるハイビーム。
すれ違う時など、他のクルマを運転するドライバーの妨げになる時は、
40m程度の前方までを照らすロービームにすることになっています。
法令上の正式名称もハイビームは「走行用前照灯」でロービームは「すれ違い用前照灯」。
まずは、前照灯はハイビームが基本ということを覚えておいて下さい。





時速60kmで走っている時、ブレーキを踏んでからクルマが停まるまでの距離は約44m。
ロービームか40m先まで見えるとすると間に合いません!
その対策として有効なのが、100m先まで届くハイビーム。
ドライバーからの視認性を高めるだけでなく、先にいる人や自転車利用者に対して
自分のクルマの存在を知らせることもできます。
こうしたために基本になっているのはハイビーム。
対向車や前方車両を幻惑する恐れがあるのに
ハイビームのまま走行すると減光等義務違反となります。

ただ、霧が出ている時は、ライトの光が水の粒子にあたって乱反射するので、
ハイビームだと光で視界が遮られてしまって危険。
ロービームを使うようにしましょう。





ハイビームとロービームのこまめな切り替えは、ドライバーにとってかなりの負担。
最近のクルマには自動でヘッドライトの切り替えをする機能がつき始めています。

代表的なのがオートハイビーム。
フロントカメラや光センサーが周囲の明るさや対向車、先行車のライトを検知して
自動的にハイビームとロービームを切り替えてくれます。

さらに進化したアダプティブドライビングビームというのもあり
これはハイビームを維持したまま部分的に光を制御し
対向車や歩行者を眩しく照らさないようにしてくれます。

ただ、オートハイビーム機能があっても
全てのシチュエーションで適切に機能するとは限りません。
山道などで突然対向車と互いにライトを照らしあうようなシーンに遭遇したら
手動でロービームに切り替えたほうがいいかもしれません。

また、交差点で停止中に対向車がいたならば、一時的にヘッドライトを消すのもマナーです。
車が動き出したらヘッドライトの付け忘れがないように注意をしてください。





まずはクルマにヘッドライトのオート機能がついているか、
ついていないか、確認して正しい認識を持ちましょう。
そして、やらなければいけない範囲でこまめに切り替えます。

面倒だからといって、切り替えをしないと、
ロービームで走り続けると危険な事態の把握が遅れる可能性があります。
また、ハイビームで走り続けると、対向車に危険が及ぶかもしれません。
さらにトラブルの原因になってしまうかもしれません。
ヘッドライトは正しく、適切に使い、交通事故を未然に防ぎましょう。
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