2025年のゴールデンウィークは後半に入ってきました。
明日からは暦の上では4連休。
クルマで遠出する予定がある方も多いでしょう。

今回は日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本自動車連盟 交通安全委員会 委員 菰田潔さんにお話を伺い
長距離ドライブの注意点をお伝えしました。





長距離ドライブ中にクルマの調子が悪くなった、
故障してしまった、ということがあってはせっかくの休みが台無し。
タイヤ、バッテリー、エンジンなどのトラブルが発生しないように
出発前には必ず点検をしましょう。

自分でできなければ、カーディーラーやガソリンスタンドでチェックしてもらえます。
特にタイヤトラブルは多いので、空気圧のチェックも忘れずにやること。

また、ドライバーがチェックしておかなければいけないのは走行時も含めて燃料系。
オンボードコンピュータで航続距離を示してくれる車も増えたので
走行中にそれらをチェックしておくと燃料切れで止まることはありません。

最近のクルマは高速道路を一定スピードで走っていれば燃費はいいですが
スピードが速い分だけ走行距離が延びて、燃料の減りも早くなるので
順調に走っている時には逆に気をつけた方が良いケースもあります。





クルマの点検をきちんとやり、走行ルートも確認。
実際の運転で気をつけることは、ムダに急ごうとしないことです。

頻繁に車線変更するクルマを見かけることがありますが大して急ぐことは出来ません。
意外と左車線の流れがいいケースもあります。
周囲のクルマとは運命共同体のような関係。
なるべくブレーキを使わず、潤滑な流れを生み出した方が、
渋滞は起こりにくい、あるいは軽減します。

渋滞時には搭載されているならACC、アダプティブクルーズコントロールを使いましょう。
疲れがぐっと少なくなります。ブレーキアクセルを踏む足がフリーになって
ハンドルも手で軽く持っているだけで車線を守って前の車を自動的に追従します。

     



渋滞の中にあっては、ノロノロ運転となり、
注意散漫になる、イライラする、ということが起こりがち。
しかし、いくらゆるゆるとした走りだからといっても、
事故を起こしてしまったら、警察を呼ばねばならず、
これもせっかくの行楽が台無し。
事故を起こしてしまわないよう自分をコントロールして、
冷静にクルマを走行させましょう。

それから渋滞の最後尾の車に追突するケースが多い傾向にあるので
最後尾にならないように走る工夫もした方がいいでしょう。
前が空いたからといってスピードアップすると
急に渋滞して止まっているケースがあります。
渋滞中の追突事故を起こさないように気をつけましょう。
車間距離は前の車と2秒間の間隔を空けるようにします。





ゴールデンウィークには、高速道路のサービスエリアはとても混雑します。
サービスエリアに入ってクルマを駐車するまでにも、かなり時間がかかるかもしれません。
そうなってくると大変なのがおトイレ問題。
そのあたりを見据えて休憩は早め、早めにとることを心がけます。

また、同乗者の方はドライバーを気遣ってあげて下さい。
眠気を感じていたり、疲れていたりするかもしれません。
優しさが事故防止に繋がることもあるでしょう。

眠気を感じたらガムを噛む、冷たい飲み物を飲む、
お煎餅など硬めのものを食べるなどして刺激を感じ、眠気を覚まします。

FMラジオも各地のローカル放送は面白いです。
ドライブを楽しみながらその地域の局の放送も楽しみましょう。
ラジオは天気予報や交通情報などもリアルタイムで聞くことができます。

ただ、強い眠気を感じているなら、短い仮眠をとって下さい。
時間は15分が理想で最大20分。
それ以上寝ると本格的に眠くなってしまいます。
安全運転で楽しいゴールデンウィークにして下さい!
新年度になって間もない先週と今週は2週にわたって交通ルールの豆知識。
今回もJAFの協力のもとおとどけしました。





まずは、高速道路を運転中に急ぎの電話がかかってきました。
路肩に停車して電話に出たら・・・ これは違反です。

仮に自動車を停止させてからスマートフォンを使用した場合、
携帯電話等の使用禁止規定には違反しません。

しかし、高速道路を走行中に停止行為を行った場合は、それ自体が問題。
高速道路を走行する自動車は、法令の規定や警察官の命令
危険を防止するために一時停止する場合を除き、
停車または駐車してはならないとされているからです。

この駐停車には路肩での停車も含まれます。
故障など駐停車がやむを得ない場合は、路肩への停車が認められていますが、
電話を出るため停車することは、やむを得ない場合には該当しません。

高速道路で電話がかかってきた場合は、サービスエリアやパーキングエリアの駐車場など
停車・駐車が許可された場所に移動してから折り返し対応するようにしましょう。





次のシチュエーションは、Uターンしようと思っていたら、
右折の青矢印信号が点灯。そのままUターンしたら…





これは違反になりません。右折の青矢印信号の意味については
2段階右折が義務付けられている場合の原付バイクや自転車を除いて
車両等は右折とUターンすることができるとされています。
以前は右折矢印でUターンはできませんでしたが、
2012年4月1日に道交法が改正されてUターンも可能になりました。





続いては車線の意味。
黄色の実線と白の破線がある車線境界線。
車の走行をしていて、黄色側から車線変更するのはどうか?

これは違反。
黄色の実線で示される車線境界線は、車両に進路変更を禁止する道路標示。
この区間は車線をはみ出すことも禁止されます。

一方、白い破線の車線境界線は、はみ出しや車線を越えた進路変更が可能。
黄色の実線と白い破線が2本並んでいる時は、白色側からの進路変更はできて
黄色側からの進路変更は禁止されていることを示しています。





続いては、車線変更をしようと思ったところ、
移りたい道路との車線境界線は黄色い矢羽のデザイン。
これは、どうだと思いますか?

この表示は前方に進路変更禁止区間があることを示し
進路変更そのものを禁止する道路標示ではありません。
進路変更禁止区間の直前での進路変更は、渋滞や事故の原因となる可能性があります。
そのため、黄色い矢羽根の道路標示が現れた場合は、進路変更が必要な場合、
余裕を持って行いましょう。特に無理な進路変更は絶対しないように気をつけて下さい。

以上、2週にわたってお伝えした交通ルールの豆知識。
頭の片隅にきちんとしまって、これから安全運転に役立てて下さい。
新年度になって生活に変化があって、
通勤がクルマや自転車になったという社会人の方、
通学が自転車になったという学生の方もいらっしゃるでしょう。
そんな今こそ、交通ルールの再確認をしましょう。
今週と来週はJAFの協力のもと、
2週にわたって交通ルールの豆知識をお伝えします。





この春からクルマでお子さんの送迎をするようなった方はいるでしょうか。
朝、子どもを駅に送って行った時、バスの停留所に停車してはいけません。

バス停の停留所については、表示板から10m以内の範囲において
当該バス停を利用するバスの運行時間中は駐車および停車が禁止されています。
公共交通機関であるバスの円滑な運行を優先するための措置です。
そのため、たとえ短時間の停車であったり、
運転席にドライバーがいて、すぐ車を移動できる状態であったとしても
バス停から10mを超えた安全かつ停車して良い場所を選ぶ必要があります。





続いては自転車の交通ルール豆知識。
自転車で走行中に一時停止の標識がある交差点で一時停止しなかったら…

違反です。
道路交通法では、自転車は軽車両に分類されます。
軽車両は自動車と同じ車両の一つとされているため、
車両に適用される規制を遵守する必要があります。

一時停止の標識がある交差点では車両として必ず一時停止を行い、
左右の安全確認を徹底しなければなりません。
自転車に乗る際は車と衝突事故を起こす可能性があることを十分に意識し、
交通ルールを守るように心がけましょう。





次も自転車の交通ルール。
自転車で走行中、速度を落とさずに歩道を通ったら…

これも違反です。
自転車で歩道通行が許される場合のルールは、
当該歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければいけないとされています。
徐行とは直ちに停止することができるような速度で進行することですから、
車道走行してきた時速20キロほどのまま、
人がいる歩道を減速せずに走行することは徐行には当たりません。





最後は、いまブームの電動キックボード。
お子さんは欲しがっていませんか?
年齢によっては、買ってあげることはルール違反です。

特定小型原付に属する電動キックボードは、
16歳以上であれば運転免許証がなくても運転できるようになりました。
その一方で、16歳未満の人が運転することを禁止しているのはもちろん、
運転することとなる恐れがあるものに対して、
特定小型原付を提供することも禁じられています。

来週も引き続き、新年度の始まりに、
交通ルールの豆知識の後編をおとどけします
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