秋の行楽シーズン。
そろそろ紅葉も見頃を迎える今の時期、
休日にドライブで観光地へ出かけることもあるでしょう。
ふだんクルマで走行しない、不慣れなところ。
クルマの運転をしていても、観光スポットを歩いていても、安全に気をつけましょう。





今回、お話をお聞きしたカーライフ・ジャーナリスト まるも亜希子さん によると
2022年に山梨県の甲府市で一般道を走行していた軽自動車が、前を走る乗用車に追突、
弾みで乗用車が店舗に突っ込んでしまい、従業員やお客様などが重軽傷を負う事故がありました。
ブドウ狩りに来た乗用車のドライバーが、ブドウ園を見つけて急に左折、
後ろから来た軽自動車が追突してしまったというのが事故の真相です。

確かに、観光地では目的スポットを運転をしながら探すことがあります。
その時に、見つけたからといって急に停まったり、曲がったりというのは危険がともなうので、
運転している時には、そうしたことがないように気をつけましょう。

そして、自分自身の運転に気をつけつつ、他のクルマに対する注意も必要。
車間距離をちょっと多めにあける、スピードを落とす、
安全運転の基本的なところを徹底するようにして下さい。





さらに観光地は初めての、あるいは不慣れな土地。
カーナビに従っていたら、すごく狭い道に入ってしまったということはありがち。
また、一方通行を見逃して逆走してしまうこともあります。

ナビに情報を入れたら、どういうところを通っていくのかを確認することが大切。
また、ナビに目的地のスポットそのものを入れてしまうと、
本当に細いところまで案内されてしまう可能性があるので
手前の広い道の駐車場で車を止めて、
そこから歩いていくというのも事前に検討して下さい。





観光地でありがちな坂道、
そして数多く走っている観光バスにも注意が必要です。

長い坂道をずっとブレーキペダルを踏みながら下ると
ブレーキが効かなくなってしまう「フェード現象」が起こりやすい。
オートマ車でも、Dモードの下に一段低いギアがあれば、それを利用しましょう。

また、観光地は観光バスも細い道に入ってきたりします。
細い道でカーブに差しかかった時に、観光バスとすれ違うようになると大変。
前方から観光バス来たことに気づいたら、少し手前で待つという行動も必要です。





観光地では誰もが、楽しく、気分が盛り上がっているもの。
しっかりと、歩行者に対する注意も払いましょう。
お友達や家族と話に夢中になったり。
いつの間にか歩道をはみ出していたりするかもしれません。

ガイドブックとかスマホだとか見ながら移動している人もたくさんいます。
そうした多くの人は、周りの交通状況をよく見ていません。
急に何かを見つけて立ち止まったり、横断したりということもあります。
歩行者が自分の車に気がついているかどうかを常に気にかけながら運転しましょう。
急に走り出したりする子供も要注意です。

せっかくのドライブ旅行が残念なものにならないように、
観光地では特に気持ちを引き締めてハンドルを握って下さい。
令和5年の警察庁「道路交通法違反の取締り状況」によると
取り締まり件数トップは、「一時停止違反」。
2番目に多い「最高速度違反」と比べて1.4倍以上。
交差点での一時停止義務違反は事故の元です。


今回のコメントは、日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本自動車連盟 交通安全委員会 委員 菰田潔さんにお話を伺い
一時停止を求められている場所での適切な運転をお伝えしました。








一時停止標識は、見通しの悪い交差点に設置されています。
ただし、優先される道路側には設置されません。
標識のデザインは赤い逆三角形のプレートに「止まれ」。
あるいは「止まれ」の下にさらにアルファベットで「STOP」の表示です。

一時停止の標識がある交差点では、完全に止まってから安全確認をします。
停止線がある場所なら、その手前で止まらなければいけません。
多くのドライバーが自分では停止したつもりでも、
徐行で停止線を通過しているケースが多いのが実情。
これは指定場所一時不停止等違反になります。

菰田さんのお話では「”見えないところで止まっても安全確認ができない”という意見も聞かれます。
確かにその通りなのですが、急に見えるところまで出てしまうと危険。
一度停止線手前で止まってから、そろりそろりと前に出て、
必要があればもう一度止まって左右の安全確認をしてから走り出します。
いわゆる多段階停止です」とのことです。





理想的な一時停止をしなかった場合、事故の危険は高まります。
横から来る車に対して突然目の前に飛び出すことになるので衝突の可能性。
自転車やランニングしている人に対しても危険を及ぼします。

一時停止標識に配慮しなければいけないのは四輪車だけではありません。
最近、都市部で利用者が激増する電動キックボードも一時停止の標識を守るのが義務。
それは同時に自分の身を守るためでもあります。

また、歩行者側の道に一時停止がある道では、優先道路の車の前に飛び出すことになるので
左右の安全確認をしなければいけません。歩行者も標識を見て歩きましょう。





一時停止標識を目にして、一時停止線のところでピタッと
上手に停まるクルマはスマートでカッコいいという印象を多くの方は持つでしょう。
四輪インストラクターでもある菰田さんによると
そのコツは、最近の車はボンネットが見えにくく、車の先端がどこかわかりにくいので
ドアミラーの下あたりに停止線の延長線が見える位置に止めるイメージ。
いつもこれを目安に止めるのではなく、車両間隔をこれで養いましょう。
セダン、SUV、ワンボックスとドライバーのアイポイントの高さが異なりますから、
外から見てもらって、前を線にぴったり合わせてから、
線の延長線がどこに来るか見えながら確認しておくことが練習になります。





最後に、踏切以外の一時停止義務違反の罰則は、
普通車の場合は違反点数2点と反則金7,000円です。

一時停止標識があった時は、停止すればいいという気持ちではなく、
安全に停止をして、事故を招かないようにしましょう。
スーパーマーケットなどへ買い物に行く時、自転車を利用している方は多いでしょう。
クルマよりも手軽に使えて便利。経済的で、ちょっとした運動にもなる自転車利用。
ただし、荷物がある時には、特に注意が必要です。





多くの場合、買い物した荷物は自転車の前のカゴに入れるでしょう。
その荷物の量が多かったり、重さがある場合には、
運転しにくくなる、ハンドルをとられる危険があるので対処を施しましょう。

今回、お話を伺った自転車ジャーナリストで自転車の安全利用促進委員会メンバー 
遠藤まさ子さんによると、荷物の重さでハンドルを取られやすくなるので、
重量のある荷物を載せる場合には自分の体力がそれに見合うか
そもそも前カゴにどれくらいの荷物が詰めるか
積載量も確認したほうがいいでしょうとのこと。

そして、前のカゴに荷物を入れている時は、
段差の弾みで荷物が飛び出して前輪に挟まり、
転倒事故に繋がることも報告されているので
前カゴに荷物を積む時にはネットをかけるなど落ちないように気をつけましょう。





大きめの飲料やお米などの重い荷物を運ぶのであれば、
前のカゴよりも後ろの荷台(リアキャリア)に乗せた方が、バランスが取りやすくなります。
その際もネットなどで、しっかりと縛りつけましょう。

また、リアキャリアには積載量が明記されていて
10kg未満、27kgまで大丈夫など、積載量のタイプが何種類かあります。
乗っている自転車のキャリアはどうか? 押さえておきましょう。





遠藤さんによると、自転車と荷物については他にも気をつけるべきことが多々あります。
一番多く、そしてまた大きな事故になりがちなのが、傘が前輪に挟まってしまうこと。
バランスを崩して転倒してしまい、大怪我を負う例もあります。
自転車利用の場合はなるべく折りたたみ傘をバッグにしまう
傘を持たず、雨合羽にすることを習慣づけるといいかもしれません。

車輪への巻き込み関連では、これからの季節は、
スカートやマフラーが前輪、後輪に巻き込んで事故に繋がる可能性があります。
冬に自転車に乗る時は服装にも気を遣いつつ、マフラーをするならしっかり結ぶよう
心がけてください。





荷物ではありませんが、日々お子さんを自転車のチャイルドシートに乗せて
運転している方もいらっしゃるでしょう。小さな子どもとはいえ、一般の荷物と比べれば、
重さはなかなかのもの。お子さんの安全のためにも利用は慎重に。

チャイルドシートの取り付けはマスト。
また、前後いずれも乗せられる年齢や重量が決まっていることにも注意しましょう。
子どもが足をぶらぶらさせる、通り過ぎる何かに興味を持って好奇心から
触ろうとして体重を移動する、足を動かすといったことが事故に繋がります。
こうしたことがないように気を配って下さい。





自転車であまりに大きな荷物、
あまりに重い荷物を載せる方はいないと思いますが、
お住まいの地域によって、制限があります。
例えば、東京都では自転車に積める荷物は30kg以下。
長さや幅や高さの決まりもあります。
一度、こうしたルールもチェックしておいて下さい。

思わぬことが大きな事故に繋がらないとも限りません。
荷物がある時の自転車利用も気をつけましょう。
そして、ヘルメット着用は、お忘れなく。
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