毎年、新年度になってすぐに募集を開始される
一般社団法人東京指定自動車教習所協会主宰の『「交通安全」川柳コンテスト』。
16回目となる、今年の選考結果が7月に発表されました。





今回、47都道府県から寄せられた作品は、
去年より5,700句ほど増えて20,137句。
その中から最優秀賞1作品・優秀賞2作品・入選5作品・
団体賞1組が選ばれました。

特別審査員をつとめている一般社団法人 全日本川柳協会は、
安全運転の意識が高まるのと同じように、交通安全川柳の応募数も増えています。
2024年の交通事故件数は290,792件。死者は2,663名。
負傷者は343,756名と、それぞれ前年よりも少し減少しています。

しかし、悲惨な事故が続いているのは、報道されている通りです。
「事故を起こさないように」、そして「事故に遭わないように」と願いが込められた川柳の一句ずつを噛みしめ、
今後とも安全運転に勤めてゆきたいものです。


と、いった総評しています。





それでは受賞作品を紹介していきましょう。
まずは入賞作の5句から。




運転中に周囲の状況を把握するのは視覚によってだけではありません。
耳で聴くことも大事。密閉された空間だからといって大音量で音楽を聴くのは控えましょう。
ラジオもそうです。大きさはほどほどに!





お子さんが少しずつ成長して、初めて横断歩道を一人で手を上げて渡ることができたのでしょうか?
微笑ましい光景が目に浮かびますね。こうした子どもたちの安全を守るためにも
ドライバーは安全運転を心がけなければいけません。





クルマに乗る時のシートベルト、自転車に乗る時のヘルメット、
命を守るために大切な2つを上手に川柳に入れ込んだ技はお見事!





スピードを出しすぎているクルマをシニカルな視点で句にしているのが川柳らしいですね。
風刺は川柳の要素の1つですから。





路面が濡れている時の制動距離は、路面が乾いている時の1.5倍とも言われます。
ましてや夜、皆さんもこのシチュエーションでは、いつもよりスピードを落としましょう。


続いては優秀賞2作品と、最優秀賞1作品です。
まずは優秀賞作品を1つ。





「あーちゃんおーちゃんのじぃじ」さんはペーパードライバーで
いつも奥様の運転する車の助手席に座っているそう。
その奥様は”超”がつくほどの安全ドライバー。
制限速度を守るのはもちろん、横断歩道では必ず停まります。
すると、ほとんどの歩行者が会釈をするか軽く手を挙げ、今度は奥様も会釈を返す・・・ 
その光景を助手席から見ていて、こんなふうに人と人とが思いやりを持っていれば
交通事故はなくなるのではないかと思ってこの川柳を作ったそうです。

停まったクルマのドライバーと横断する人のやり取りが、感動的なシーンに思えるそんな一句です。
続いて、もう1つの優秀賞作品。




これは、本当は「びっぐべいびー」さんの父親のことなのだそうですが、
川柳は、一般にわかりやすいように「祖父」で作ったとのことでした。

そのお父様は7月に父が大きな手術をして、それを機会に免許の返納を進めて、
リハビリを兼ねてスニーカーを送ることにした「びっぐべいびー」さん。
これからは歩行者として交通事故に気をつけながら
健康でいてほしいという思いを詠んだとのことでした。


最後に最優秀賞作品。





「栄ちゃん」さんは、最近話題の物価高と自身が日頃から心がけているエコ運転、
2つの言葉を使って句をつくりました。無理な運転をしない、無茶な運転をしない
エコ運転を通して安全運転を心がけるという意味を込めてつくったと話して下さいました。

スピードを出しすぎないエコ運転は、
事故予防にもいいし、ガソリン消費にもいいし、いいことしかありません。





交通安全川柳を皆さんも1句つくってみてはいかがでしょう?
交通安全に対する意識が、より高まることでしょう。
あなたは、ふだんの生活で自転車を利用していますか?
クルマやバイクとは違って、法定点検が義務付けられていない自転車。
でも、整備不良状態で乗っていると事故に繋がってしまうかもしれません。

今回は自転車の安全利用 促進委員会 メンバーで
自転車ジャーナリストの 遠藤まさ子 さんにお話を伺い
自転車の整備についてお伝えしました。





整備不良が直接の事故原因というエビデンスは得られないそうです。
ただ、自転車の事故は交差点での出会い頭が一番多いことを受けて
安全利用 促進委員会が、整備してある自転車と整備不良の自転車は
同じ条件だと、どのくらい制動距離が変わるかという実験を行いました。

すると、約1.6mから3mを超えるくらいまで制動距離が変わるという結果が出ました。
そこから急ブレーキをかけても止まれすに出会い頭の衝突事故になってしまったという事例も
少なからずあるのではないかという推察をしているとのことでした。

1.6mから3mぐらいも走ってしまう距離が長ければ、
それによってクルマと衝突してしまうこともあるかもしれません。
やはりふだんのチェック、メンテナンスは必要不可欠だとわかります。





この夏の時期の整備は、まずはオイル系。
最近は急な大雨がよく降りますが、自転車を濡れたままにしておくとサビが発生したり
チェーンやその他の部分のオイルが流れてしまうことがあります。
オイルがなくなれば、うまく駆動できない可能性もあります。
注油、必要な場合はパーツ交換も考えましょう。

さらに、この暑さだとふだん乗っていない自転車でもタイヤが紫外線劣化で
ひび割れてしまうことがあるかもしれません。さらにタイヤや空気がきちんと入っているか
空気圧のチェックもしましょう。空気圧が低いとブレーキがかかりにくくなることもあります。





変速機やチェーンがむき出しになっている
外装式の自転車は自らオイルメンテナンスができます。
チェーンのローラー部分の全てのピン、ブレーキ、変速機に注油しましょう。
いわゆるママチャリ、一般的な自転車の場合は、
変速機やチェーンが外に出ていないので自転車ショップなど、専門家に依頼します。




遠藤さんら自転車の安全利用 促進委員会が広めている
自分で自転車のチェックする時の合言葉が「ぶたはしゃべる」。
ブレーキ、タイヤ、反射材、車体、ベルで「ぶたはしゃべる」。
覚えておいて下さい。加えて、聞きなれない音にも注意。

日頃のこまめなチェック、メンテナンスは欠かさずしつつ、
一般の利用者では気づかない、対応できない、不具合もあります。
定期的にプロに見てもらうようにしましょう。

最低でも年に1回、できれば半年に1回、自転車店で点検してもらいましょう。
自転車の安全性については、自転車安全整備士が点検確認した自転車に貼付される
TSマークというものがあり、賠償責任保険と傷害保険等が付いています。
この更新を兼ねて定期点検をするというのがいいきっかけだと遠藤さんは話していました。





また、BAAマークというものもあり、
こちらは一般社団法人自転車協会が制定する
およそ90もの「自転車安全基準」に適合した自転車に貼付されます。
自転車を購入する時の目安となります。

安全な自転車を選び、日頃はセルフチェック、
定期的にプロにメンテナンスしてもらい、
安全な自転車ライフを送りましょう!
今週の火曜日の8月19日は語呂合わせで「バイクの日」で
各地でオートバイの安全運転を呼びかけるイベントが行われました。
同じ道路を行き交う二輪車と四輪車のクルマは、
特性の違いもあって衝突事故が絶えません。
今回はクルマのドライバー目線でバイクとの事故防止を考えました。





令和4年は原動機付自転車を含む自動二輪車の事故数は38,945件。
そのうち命を落とした人は435人。二輪車による事故の95%が
車両相互によるもので事故相手の92%は四輪車でした。

今回、コメント出演していただいたライディングアカデミー東京の校長で
東京都の二輪車安全運転指導員も務めるモーターサイクルジャーナリスト
佐川健太郎さんによると、出会い頭の事故が3割で右折時の事故が2割あり
バイクが交通事故の2次当事者、つまり被害者のケースが7割〜9割あります。





自動車とバイクの出会い頭の事故は、主に信号がない交差点で起きます。
クルマのドライバー目線で想像すると、そのまま直進するべく
信号がない交差点に入った時に交差する道路の右側から、
もしくは左側から走ってきたバイクに衝突してしまうパターンです。

また、右折時の事故は、やはり信号がない交差点でクルマが右折しようとした時、
交差する道路の右から走行してきたバイクに衝突してしまうパターン。
または、信号がある交差点で右折をしようとした時に、
直進してきたバイクにぶつかってしまうパターン。
さらに対向車線をこちらに走ってきたクルマが、
「先に右折をどうぞ」と譲ってくれたので、急いで曲がろうとしたところ、
譲ってくれたクルマの陰からバイクが出てくるパターン。
こうした状況が起こる可能性を考えて、いつもハンドルを握るようにして下さい。





どうしてクルマとバイクの事故は頻繁に起きるのか?
佐川さんの考察によると、バイクの車体が小さいので自動車の死角に入りやすいこと。
車のピラーやバックミラーの死角に入理、気づきにくいことが数多あります。
もう一つは、バイクは車のドライバーから見ると距離感とかスピード感が掴みにくいことです。

交差点にある停止線のところでは必ず停まって、
そのあとはソロソロと出て、目視で安全を確認しましょう。
それから、自分の方が優先道路だからといってスピードを落とさず交差点に侵入しない。
仮に相手が停まらなければ事故になってしまいます。





上記を踏まえて典型的な四輪と二輪の事故について予防方法を以下にお伝えします。
出会い頭は、ほぼ人的要因と言われるように、認知判断のミスが主な原因。

停止線のところで一時停止しなかったり。
相手側が止まると思ったという思い込みが事故を生みます。

事故を防ぐには、交差点では十分な安全確認を行うことが基本。
見通しの悪い場所では徐行。
また、自分優先だからと、ノーブレーキで交差点を通過するのではなく
減速して標識表示に従うことが大切です。

そして、教習所で習ったと思いますが、停止線は一時停止したらお終いではありません。
その後、左右が確認できる位置まで、そろそろと慎重に進んで出て再度左右を確認する。
2度の確認を目視で行うことが大切です。





続いて、右折時に衝突する事故の予防です。
右折事故の場合もドライバーがバイクの距離や速度を読み違える
あるいはそもそもバイクの存在自体に気づいてないことが原因になると言われてます。

バイクは小さく遠くにいるように見えますが、
実際はドライバーが思ってる以上に速く走り、急に停まれません。

右直事故の中には、渋滞をすり抜けして直進してきたバイクと
右折しようとする車による事故も結構あります。

ですから右折待ちしてる時に、対向車のドライバーが「どうぞ」と道を譲っても
そのクルマの脇をすり抜けて直進してくるバイクがいるかもしれません。
右折時も安全確認しながら、ゆっくり曲がるように心がけて下さい。





クルマを運転している方は、今日の情報を頭にインプットして、
二輪の存在に気をつけてハンドルを握りましょう。
二輪車に乗る方も、危険を呼び込むような運転はやめて、
楽しく、安全にライディングを楽しんで下さい。
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