昨日は立冬。
暦の上では冬になりました。





ただ、昨日は全国各地で前日より3度近く気温が上昇。
和歌山県では25度を超えて「夏日」を記録して、
北海道は28年ぶりに「初雪」の観測がなく立冬を迎えています。

でも、そろそろ愛車には冬の装いをする時期。
タイヤはノーマルからスタッドレスに切り替えるタイミングです。





一般社団法人 日本自動車連盟 JAF 東京支部 
事業課 交通環境係 高木孝さんによると
今ではノーマルタイヤの性能が非常に上がったため
多少の雪が降ってもノーマルタイヤでそれなりに走れます。

そこが怖いところ。
走ったはいいが止まる時になかなか止まれず、スリップの危険もある。
そういう時に安心なのは、やはりスタッドレスタイヤです。

最近では気候の変化からか、以前は雪の心配がなかった地域にも、
多くの積雪があったりします。
今年1月の40年ぶりという大寒波は記憶に新しいでしょう。

首都圏で23センチ。
九州にも多くの積雪があり、交通機関が大混乱に陥りました。
こうした事態に備えてスタッドレスタイヤにしておく。
そして、スタッドレスタイヤの知識を持っておくことが大切です。

「スタッドレス」タイヤには、それぞれの特性があります。
購入する時は以下のチェックポイントを把握しておきましょう。





【氷上性能】 

降った雪が溶けて水になり その水が気温が下がって凍った
「アイスバーン」と呼ばれる現象の路面を走る時の性能です
 

【雪上性能】 

雪の状態にもいろいろあります
「ふかふかな柔らかい雪」「圧雪された固い雪」「シャーベット状の雪」
どの状態でもバランスよく走ることが理想です


【ドライグリップ性能・ウェットグリップ性能】 

冬の間中、雪がある地域以外では
積雪がなければ普通の路面を走ることになります
ドライは乾燥した道を走る性能
ウェットは濡れた道を走る性能
雪と氷を想定しているスタッドレスタイヤは
ノーマルタイヤに比べて、この部分の性能は劣るため
積雪や凍結が少ない地域に住む方は、特にチェックが必要です


【燃費】 
スタッドレスタイヤはノーマルタイヤより燃費は悪くなります
でも、最近はかなり燃費が改善された製品も出てきました


【価格】 
財布との相談も必要です



  

以上のチェックポイントを覚えておいて下さい。
ショップやインターネット上で、これらの性能も図表解説もあります。
店員に相談する時にも役立ちます。

そして、スタッドレスタイヤには、
気をつけなければいけない点もあります。

特に雪解けで水を多く含んだ路面。
スタッドレスタイヤは排水がうまくできない性質があり
水で滑るハイドロプレーニング現象が起こりやすくなります。

特にウェット路面、雨が降っている時は、
ノーマルタイヤよりもグリップ力弱くなるので、
思うように止まらなくなるということが考えられるので
お気をつけて下さい。

また、スタッドレスタイヤに履き替えたばかりは、
ノーマルタイヤ感覚で運転しがちですが、それは危険です。
ブレーキを踏んでもノーマルタイヤのように思うように止まらない。
カーブの時も、グリップ力が弱くなっていることがあり、
大きく曲がってしまったり、コースアウトしてしまう危険性もあります。
十分に速度を抑えた運転、慎重な運転を心がけましょう。





11月になりました。
毎年、11月第3週日曜日は、
イギリスから生まれた「世界道路交通被害者の日」。





交通事故の被害者を追悼し「故被害者を無くす」ことを誓いますが、       
日本は交通事故について「被害者を減らそう」という意識が強いのかもしれません。
この分野の先進国は被害者ゼロを目指しています。
その最たるものが「ビジョン・ゼロ」を追跡します。





いま、日本では1年間に何人ぐらいの方が、
交通事故で尊い命を失っているか? 

去年2017年は3,694人。
1948年に集計が始まってから過去最小の数字です。

これまでの記録は、まだ自動車が少なかった終戦から4年、
データ集計が始まって2年目の1949年(昭和24年)。

当時の全国の自動車保有台数は、およそ30万台。
現在の8,100台と比較すると、わずか0.4%でした。

「過去最小」ということは評価できるかもしれません。
ただ、年間に3,694人が、亡くなっているという事実を考えると
「過去最小だから良かった」ということにはなりません。

日本も交通事故に関する先進国を見習い
強く「ゼロ」にすることを目指していくべきです。

ビジョン・ゼロ運動が生まれたのはスウェーデン。
21年前の1997年に国の議会で決定されました。
国内の交通システムによって死亡する、
重傷事故に遇うことをゼロにする長期プロジェクトです。





プロジェクトの責任があるのは、さまざまな立場の人たち。
国会・地方議会・行政・警察・自動車メーカー・
輸送が必要な企業および輸送企業・道路関連団体と道路を使うすべての人。
国の政策として、全方位的に意識を高めようとしました。





このプロジェクトについては、日本の道路関係者が、
「私達は起こった事故を調査して次の道路建設に生かす手法を取っています。
しかし、ゼロビジョンはまったく違います。まず事故は起こるものと考え、
それが起こる背景を徹底的に分析し、起こらないよう初めから予防策を施すものです。
医療でいえば、治療よりまず予防という逆の発想です。』と説明しています。

<ビジョン・ゼロの具体的な施策>

■ 道路の真ん中に中央分離帯を設ける

■  衝突すると危険な場所には、ガードレールを設ける
 (始点と終点は衝突をやわらげる木製)

■ 住宅街の制限速度30km

■  電線は地中に埋め、電柱はなし
  電柱が地上にないことは、車の衝突を防ぐばかりでなく
  自転車や歩行者の視野を妨げないことにもつながっている

■ 自転車のヘルメットの着用義務

■ 冬はスタッドレスタイヤ装着義務

■  居眠り防止や減速をうながす路面突起

■ 広い歩道やサイクリング専用道路

■ ドライバーが認識しやすい場所・タイミングに設置されているロードサインなどの工夫
         
■ 昼間のヘッドライト点灯の義務

   
などです。





ビジョン・ゼロ運動を始めてスウェーデンの交通事故被害者は減少しました。
1990年代は交通事故死亡者は年間800〜900人だったのが
 

    2000年 591人 
        ↓
    2004年 480人 
       ↓
    2015年 259人 



まだ「ゼロ」を実現できてはいませんが、
こうした効果を受けて、ヨーロッパ各国で、
ビジョン・ゼロを取り入れるようになりました。

スウェーデンと日本の比較を見てみると、
2015年の人口10万人あたりの交通事故死者数は、
日本が3.8人であるのに対してスウェーデンは2.8人です。

今、アメリカ ニューヨーク市でも、
交通事故で亡くなる歩行者の数が減っています。

去年2017年は101人。
記録を取り始めた1910年以来、過去最小の数字でした。
これはデブラシオ市長が掲げた「ビジョン・ゼロ」の効果だとみられています。

就任した2013年の死亡者184人から4年で83人も減りました。
NY市は速度上限を時速25マイル(およそ40キロメートル)にするなど
歩行者を守るための交通システムの改善に着手しています。

日本もビジョン・ゼロを打ち出し、
その概念を共有したほうが交通事故撲滅に一歩でも近くはずです。



プロのドライバーでも
疲れていたり、イライラしていたり、急いでいたり、
危険な状況で運転していることもあるでしょう。
       
そんな運転手の気持ちを落ち着かせ、
優しい気持ちでハンドルを握るようになる取り組みが注目を集めています。
「こどもミュージアムプロジェクト」といいます。





これは4年前に大阪府高槻市にある運送会社
株式会社 宮田運輸がスタートしたアクション。

「こどもミュージアムプロジェクト」はもともと、
子供たちが描いた絵をトラックにラッピング。
見る人に交通安全を感じてもらい、
トラック運転手は安全運転の意識を強く持つという施策です。

実は宮田運輸は5年前に死亡事故を発生させてしまいました。
物流の仕事は人々に何かを届ける仕事。
それは本来、大きな喜びを伴って、迎えられていいものです。
その一方で子どもにとって大きなトラックは怖い存在でしょうし、
交通事故を起こしてしまっては、本来の仕事の意義が完全に失われます。

悔恨と反省と改革の気持ちでスタートしたのが、
「こどもミュージアムプロジェクト」でした。
この取り組みは、初めて間もない頃から共感を呼びます。

参加をさせてほしいという声が外部からあり
今では参画企業がトラック以外にもデイサービスの送迎車や
営業車両など70社を超えているのです。

ラッピングする絵やメッセージの募り方は参画企業によってさまざま。
宮田運輸の場合は、主にドライバー自身のお子さんや親戚の子が描いたもの。
中には近隣の小学校とコラボレーションして絵とメッセージを描いてもらい、
完成した時にお披露目式することもあるそうです。











「こどもミュージアムプロジェクト」協会の後藤昌代さんによると
この取り組みがスタートして大きな変化が感じられたといいます。
子どもの絵とメッセージが周囲とドライバーを優しくしたようです。

運転中に思いやりの心を持っていれば
乱暴な運転、危険な運転、自分勝手な運転はしないもの。
そして、まともな大人なら、子どもたちが願って描いた
絵やメッセージに何か感じないはずはありません。

「こどもミュージアムプロジェクト」。
素晴らしい取り組みです。もっと全国に広がるといいですね!





こどもミュージアムプロジェクト 公式サイト
http://www.kodomo-museum.jp/

«Prev || 1 | 2 | 3 |...| 95 | 96 | 97 |...| 157 | 158 | 159 || Next»