第52回 新交通安全教育

2016/03/31
子供がいる父親・母親の立場にある皆さん、
学校の先生・スポーツチームや文化活動など、子供の指導者の立場にある皆さん、
子供たちに交通安全について話す時、 何 を伝えていますか?

ここ数年で『交通安全教育』は変わってきました。
交通弱者が、より危険を回避する、
その「考え方」は『新交通安全教育』とも呼ばれます。
今日は年度末。もうすぐ新学期ということで、
子供たちの【命】を守るため、今朝は『新交通安全教育』を追跡しました。
お話を伺ったのは教育ジャーナリスト 斎藤剛史さん。

今までの交通安全教室というのは、
「交通ルールを守りましょう」という教育が主体でした。
しかし、平成24年4月に京都府亀岡市で集団登校中の小学生の列に
乗用車が突っ込んで子供と保護者が死亡するという事故が起きました。

この交通事故は小学校へ登校中の児童と引率の保護者の列に車が突っ込み、
計10人を次々と跳ねて、3人が死亡、 7人が重軽傷 を負いました。
車には3人の少年が乗車。
運転していた少年は仮眠をはさみ、30時間以上も運転を続けていました。
事故の原因は遊び疲れと睡眠不足による居眠り運転 。
この少年は、免許を持っていませんでした。


同じような事故が、その後も続き、
「交通ルールを守っていても事故が起こる」という認識が起こりました。
その結果「子供自身が自分の身を守る交通安全教育が必要ではないか?」
という意見が出て、その方向に変わりつつあるのです。

警察庁、国土交通省、文科省、三省庁は交通安全に関する有識者懇談会を設置。
その報告書で子供自身が自分の身の安全を守るという方針が打ち出されました。
これは文科省を通して教育委員会と学校へと通知。
警察庁を通して都道府県の警察本部、警察署へ通知されています。

新しい交通安全教育の大切なポイントは「交通ルールの順守」で終わらないこと。
「信号は青で渡る。赤になったら止まる」と子供に教えると、
子供は青信号になった途端に左右を見ずに渡ってしまうかもしれません。
「道路を飛び出してはいけない」と教えると、
1回止まって、左右を確認せずに飛び出すかもしれません。

青信号の横断歩道を渡る時でも走ってくる車があるかもしれない   
      ↓    ↓    ↓
青信号の横断歩道を渡る時でも 左右の確認をしっかりする     


振り返ってみてください。
子供の頃、教えられた文字上の「交通安全」に、
どのくらい現実味を感じていたでしょうか?
交通事故の危険は常に身近にあるということを
リアリティを持って子供たちに感じさせることが大切です。

保護者が子供と一緒に歩いている時に、
「ここで左右確認しないといけない。なぜなら、ここは見通しが凄く悪いから」
「車が突然来るかもしれない」、そうしたことを折に触れて話す、
あるいは子供と一緒に自動車に乗っている時に、
「自動車の目線から道路の端の子供たちや自転車がどう見えるか?」
車を運転しながら子供たちに話して聞かせてみる事も必要です。

新交通安全教育。
あなたの住む地域ではどのくらい浸透しているでしょう。
その普及の度合いは大人たちの交通安全への意識の高さに比例するのかもしれません。
子供たちの危険は、いつでもすぐそばにあります